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2009年06月25日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ1975 イギリス 監督:スチュアート・クーパー
出演者: ブライアン・スタイナー、デイヴィッド・ハリーズ、ニコラス・ボール、ジェリー・ニーサムほか
83分 モノクロ OVER LORD


 第二次世界大戦における欧州戦線最大の山場、ノルマンディ上陸作戦(オーバーロード作戦、D-Day)を題材に、無名の青年兵士の儚い姿を描いたセミドキュメンタリー。内容は一応ドラマ仕立てにはなっているのだが、作品の半分ほどは実写記録フィルムとなっており、架空の青年兵士像を通して、ノルマンディ上陸作戦、そして無名兵たちの実態を描こうとしたもののようだ。ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞している。

 ストーリーは、イギリスの青年トーマスが徴兵され、厳しい新兵訓練を経て、ノルマンディ上陸作戦に参加するというもので、世間知らずの青年が次第に軍の非人道的な扱いに諦め、死に麻痺していく様子を描いている。だが、セミドキュメンタリーということで、ストーリー性自体はやや浅く、映画としてはさして面白いという部類ではない。加えて、兵士トーマスの回想、夢想シーンが度々挿入され、現実の出来事なのか、夢の中なのかがわからなくなり混乱することも多い。無名の一兵士が儚く命を落としていく過程により、戦争のむごたらしさや無意味さを説く要素もあることはあるが、全般的には余り心に響いてこない。
 何と言っても、本作の素晴らしさは実写記録部分にあると言っても良いだろう。本作の半分近くがIMPERIAL WAR MUSEUMなどのアーカイブから選び抜かれたノルマンディ上陸作戦絡みの記録映像となっており、制作にあたり4年間もの期間をフィルムチェックに費やしたのだそうだ。中には見たことのあるような有名な映像もあるが、大部分は貴重な発掘フィルムと言っても良いだろう。現在ではヒストリーチャンネルなどのドキュメンタリー制作番組で観ることもできるが、当時としては非常にレアで画期的な映像だったと思われる。言わば、解説のないヒストリーチャンネルのようなものか。
 登場人物は主人公の二等兵トーマスとその戦友ジャック、アーサーの3名を中心にまわっているが、演技らしい演技は要求されていないようだ。棒読みのようなセリフと固い顔の表情ばかりで、演技を期待するタイプの映画ではない。ラブシーンもあり、ジェリー・ニーサムのヌードシーンだけが華か(笑)。

 さて、本作の目玉である記録映像に登場する兵器類について記しておく。航空機ではスピットファイア戦闘機、アブロ・ランカスター爆撃機(KM-B)、ダグラスA-20ハボック爆撃機、B-25ミッチェル爆撃機に曳航されるホーサ輸送グライダーが見える。いずれも飛行シーンが映されているが、ほかに機内映像による戦闘機の地上や船舶銃撃シーン、爆撃機の爆弾投下シーンも多く挿入されている。地上すれすれを飛ぶ戦闘機の映像や、機関車を銃撃するシーン、地上で次々に爆発する爆撃シーンはリアルを通り越して恐ろしいほどだ。このほか、ドイツ機シュトルヒからと思われる占領直後のパリ上空からの映像や、英軍機に撃墜されるフォッケウルフFw-190戦闘機の映像もある。
 地上兵器類ではシュノーケルをつけたM4シャーマン戦車、M.k.IVチャーチル戦車、ブレンガンキャリアー、DUKW353水陸両用トラックをはじめ多くのソフトスキンが登場する。野砲等の姿も多い。中でも興味深いのはノルマンディー上陸作戦に向けて開発された特殊兵器の映像が多数入っていることだ。映像は実戦時のものではなく、イギリス海岸での実験映像のようだが、シャーマン戦車ベースのシャーマン・クラブII地雷処理戦車(先端のチェーンを回転させて地雷を爆発させる)、チャーチル戦車ベースのチャーチルAVREカーペットレイヤー(カーペットを敷いて軟弱地盤や有刺鉄線を超える)、自走爆雷パンジャンドラム(ロケット噴射で自走して爆発する)、英仏海峡間に油送パイプを敷設するプレート・システムのコナンドラム、マルベリー人工港の浮遊式桟橋の映像がレアだ。特に実戦には使えなかったパンジャンドラムの失敗映像が面白い。
 海上兵器類も多数登場し、英米軍の輸送船や上陸用舟艇の姿が見える。中でも輸送船から投げ落とされる?LCTの姿が圧巻だ。

 ストーリーはどうでも良いレベルだが、イギリスの保有するオーバーロード作戦記録という貴重な映像を堪能できた。ただ、そのほとんどが事前の訓練風景もしくは作戦後の比較的落ち着いた時点での上陸風景なので、迫力という点ではどうしても劣ってしまうのが残念なところだが。そのあたりはドラマ部分として派手な戦闘シーンで補って欲しかったかな。


シャーマン・クラブII地雷処理戦車

チャーチルAVREカーペットレイヤー

パンジャンドラム

コナンドラム

興奮度★★★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 イギリスの20歳の青年トーマス・ベダーズが陸軍に召集される。トーマスは召集にあたり、まるでキャンプに行くかのように両親と別れを告げ、列車に乗る。ロンドンではドイツ軍の激しい空襲により酷い惨状となっていいた。
 トーマスは途中で列車に乗り遅れ、新兵訓練キャンプに遅れて到着する。新兵訓練キャンプで頭を刈られ、注射に失神し、新しい軍服を着せられると徐々に兵隊の厳しさがわかってくる。もとから運動神経の良くないトーマスは行進で絞られ、池や穴に落ち、上官から厳しく叱責を受け、人間的な扱いがなされないことに嫌気が差し始める。戦友にはアーサーやジャックがおり、訓練の休暇には映画を見たりと束の間の楽しみに興じる。だが、トーマスは自分がドイツとの戦いで戦死するシーンを夢想し、未来への希望を失うのだった。
 いよいよ戦局はノルマンディ上陸作戦に近づき、トーマスらも上陸戦の訓練に入る。イギリス軍は新兵器の実験を試みている。そんな中、トーマスとジャックらはダンスホールに出かける。そこでトーマスは一人の女性と出会い恋に落ちるのだった。だが、女性と会う機会もなく次の場所に移動させられる。21歳の誕生日にはトーマスは遺言状を書き、髪の毛を入れて両親に送る。軍は手紙や写真などを焼却するよう命じる。
 いよいよ上陸作戦が始まり、ノルマンディ海岸近くでトーマスらは上陸用舟艇に乗り移る。極度の緊張にジャックやアーサーらと会話を交わし緊張をほぐすが、トーマスはダンスホールで出会った女性と結ばれることを夢想する。
 そして敵の銃弾がトーマスの頭をあえなく撃ち抜くのだった。





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最終更新日  2009年06月25日 23時04分24秒
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