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カテゴリ:御書講義
魔王は「十軍のいくさ」、つまり10種類の軍勢を従えて、全の勢力を攻撃すると仰せです。
『大智度論』には、次の10種が挙げられています。 1 欲 2 憂愁(うしゅう)(憂えること) 3 飢渇(けかち)(飢えと渇き) 4 渇(かつ)愛(あい)(五官を通して起こる欲望に愛着すること) 5 睡眠 6 怖畏(恐れること) 7 疑悔(ぎけ)(疑いや後悔) 8 瞋恚(怒り) 9 利養虚称(利を貪り、虚妄の名聞に執着すること) 10 自高蔑人(自らおごり高ぶり、人を卑しむこと) ――すべて自身の心に起こる魔の働きです。 「魔」とは「奪命者」であり「奪功徳者」です。つまり、善く生きようとする生命のエネルギーを奪い、それまで積み上げてきた福徳を奪うものです。 この十の魔軍にしても、魔王にしても、固有の存在があるわけではありません。人々の己心に具わった生命の働きです。その意味で、成仏というのは、本質的には外敵との戦いではなく、自身の内なる魔性との戦いです。わが生命に潜む魔性を克服していくことこそが、成仏への直道です。 したがって、たとえ財産が奪われても、病気やけがをしても、信心の心さえ壊されなければ、再び立ち上がり、挑戦し、勝利し、幸福を築くことができます。「心こそ大切」であり、そのもっとも大切な心を破壊しようとするのが魔の本性なのです。 【勝利の経典「御書」に学ぶ―辨殿尼御前御書―不退の人に無量の福徳】大白蓮華2015年3月号 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 9, 2015 07:10:49 AM
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