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テーマ:アニメあれこれ(26114)
カテゴリ:アニメ
落書きが目立つ高架下に現れる霧原。
そこに息せき切って駆け込んできた右頬に傷のあるサングラスの男。 「リチャード・ラウだな」 「ああ」 「契約者に関する情報があるというのは本当か?」 「本当だ。何だって喋る。だから俺の身の安全を保証してくれ」 「それは内容による」 「あんたがこの街で血眼になって捜してる奴を俺は知っている」 「VA952か?」 「そうだ、だから俺を」 「いいだろう。責任を持って保護してやる。新しい戸籍も用意しよう。だが情報が先だ」 陸橋の中に歩きながら周囲を見回すリチャード・ラウ。 「分ってる。奴の名は」 「おい、どうしたその背中は?」 背中を探った両手が血に染まる。慌てて上着を脱ぐリチャード。シャツの背も血に染まっている。 パチン。どこかで指弾する者の姿。 と、リチャードの背中の血濡れたところが青い光を発し、その部分が根こそぎ持っていかれる。 声を上げ倒れるリチャード。飛び散る血肉。 抉られて穴があいた胸を通して見える霧原。 両手指も無く、血を流し倒れるリチャード。 「課長、大丈夫ですか」前方から走ってくる松本。後ろからは河野。 「大丈夫です。大至急部長と連絡をお願いします。鑑識を呼んで。到着まで現場の保持を」 「はい」河野。 陸橋下からでて空を見上げる霧原。 OP 「物質転送能力の一種のようですね。使い方は随分とエグイすけど。課長が見たっていう抉られていた場所に付いていたという血ってのは何か関係あるみたいなんですが」河野 「あの顔はリチャード・ラウに間違いありません王シャウタンの懐刀と呼ばれた男も最後は哀れなもんです。・・・大丈夫ですか?」松本 「何が?悔しいに決まってます」 「ああこらこらここからは入れません」現場周辺に一般人を立ち入らせないために立つ警官に止められる男。 「いや、私は」 「今ここで事件があって関係者以外立ち入り禁止なんです」 「だから、私は」 やり取りに気づいた霧原 「お父さん?」 驚く河野 現場を見る霧原親子。 「どなたですか?」と先ほどの警官 「霧原直泰警視官。察庁の警備局長さ」松本に言われゲッとなる警官。 「これで9件目だったかな」 「ええ」 「被害者は全員香港系マフィアチンロンタンの幹部だ。組織間抗争か内部の権力争いというところだ。で、犯人の目星は?」 「殺害の手口からこれらの事件はすべて同一契約者による犯行とされています。メシエコードは・・・」 「VI952」 「知っているなら聞かないでいただきたい」 「そう他人行儀な喋り方をするな。もう勤務時間は終わっている」 「まだ事件は解決していません!」 「どうだ、飯でも食いに行かんか?」 「ですから!」 「警備局長として命令しようか、霧原課長?」 ため息をつく霧原 「でしたら場所は私に選ばせてください」 「ああ、もちろん」 円卓に並ぶ中華。かなり大きな唐揚げを一口で食べる霧原。 「どういうつもりだ?なにもこのホテルを選ばなくても」 「でもおいしいよ」 「そういうことじゃない。ここはワン・シャオタン(王少棠)のホテルだ」 「だから?」 「王と言えば表向きはホテルの経営者だが実態はチンロンタンのボスじゃないか」 「そんなこと新宿じゃ子供だって知ってるよ」 「ああ、だったら」 「私、捜査の関係上ここを離れたくないの。それに食事してるだけなんだから堂々としていれば良いじゃない。で、話って何?強引に誘ったんだから重要な要件なんでしょう?」 「近々お前に辞令が下される」 「え?」 「おめでと、未咲。お前もついに警視正だ。しばらくどこかの署長をやってもらうことになるが行く行くは本庁で参事官についてもらう」 「どうしてそんなことまで」 「まだまだ先があるぞ。お前は女性初の警視官となる人材だぞ。期待されているんだ」 「客寄せパンダってわけ?」 「手厳しいなあ。それも否定しきれんのだが・・・お前どうして警察に入った?警察官になって弱い人を助けたい。そう言っていたなあ」 「ええ」 「だったら出世するのは悪いことじゃない。上の立場になればそれだけ大勢の人を救うことができる」 「それはそうかもしれないけど」 「正式な発令までには時間がある。心の準備をしておきなさい」 車に乗り込む霧原父。 「じゃあ、あまり無茶をするんじゃないぞ」 「わかってる」 父を乗せた車が去ると別の車が車寄せに到着する。リムジン?から降りてきたのは・・・ 「未咲!」 「アリス?」 「来てくれたんだ!ありがとう」 あいまいな笑顔を浮かべる霧原。 「何だ~、違うのか。何?仕事?」 「ええ・・・」 「今日は何の日か覚えてる?」立つ耳がとがった男がアリスの後ろに立つ。 「え、今日?」 「そ、私の誕生日。だから来てくれたと思ったのに・・・」 「・・・ごめん」 「お嬢様そろそろ」 「未咲、覚えてる?高校の頃も私の護衛してたウェイ・チーシュン(魏志軍)」 「ええ」 「お久しぶりでございます」 「ねえ、ちょっと寄ってかない?」 「え?でも・・・」 「警察が絶対入れない場所、見せてあげるからさ」 困り顔の霧原、ホテルを見上げる。 うれしそうなアリスに手を掴まれ、護衛他用心棒ら?に囲まれてエレベーターに乗る霧原。 どこを見ても防犯カメラが設置されている。カメラの映像はすべて警備室のモニターに映っているよう。 奥のエレベータに乗り込む前 「では後程」と別れるウェイ。 アリスと二人エレベータに乗る霧原。カメラの位置を探している様子。 「カメラなんてないよ。この上は私とお父様の住んでいるペントハウスなの許可のない人は入れないプライベート空間。だからカメラもなしもちろん警察だって入ったことないよ」 「・・・あ・・そう」歯切れ悪い微笑みの霧原。 「ねえ下のジャズジークワ、美味しかったでしょう?」 「ええ」 「やっぱり食べてたか!」 「相変わらず脂っこい物好きだなあ。太るよう」 「大丈夫。毎日体動かしてるから」 急に声を立てて笑い始める二人。おなか抱えて涙流して笑ってます。 「何か前にもこんな話したような気がする」 「そうねえ」 「やっと笑った。緊張してた?」 「ううん。急に会ったからびっくりしただけ」 にっこりするアリス。 何ともいえない表情で頬を赤らめる霧原。 「これ、スリット深すぎない?」 「誕生日忘れてた罰だよ」 「アリス!」 パッと眼鏡を取り上げ、 「パーティーにはその恰好で出てもらうからね、未咲」 大きなため息をつく霧原「分ったよ」 霧原の腕をとり、鏡のほうを向かせるアリス。 「似合ってる!」 「アリスもね」 「不思議だね。ワン・シャオタンの娘と警視庁の警視が一緒にいるなんて」 「うん」 少しさみしげなアリス。 雲が高い空、チャイムの音。 学校の屋上の壁にもたれ足を投げ出し座る女子高生のアリス。短くなった煙草から落ちる灰。 吹き捨て、新しい煙草を取り出そうとするといきなり掴んで取り上げる者が・・・ 仁王立ちになっているツインテールに眼鏡の・・・女子高生の霧原。 「何すんのよ」文句を言うアリス。 「煙草なんか止めなさい!」 「あんたにゃ関係ねえだろう?」 「あるよ!クラスメイトだもん」 「あ、ははは・・・あんたがやらせてるの?」 「まさか。私は見つからないようにうまくやってくれるなら何したって構わないよ」今は天文台に務める香那美も同じ高校だったのですね。 「香那美!」 「委員長もああ言ってるんだし、放っておいてくれない?」と煙草を取り返そうとするアリス。 「返してよね」 「返さない」 「あんた、私が誰だか知ってんだろう?」 「アリス・ワンでしょう?」 「そうじゃなくて、私の父親は」 「父親なんか、関係ないじゃん!」 驚くアリス。 「煙草なんか吸ってるのはは大人ぶりたい子どもか何かに依存しなければ生きていけない弱い人間だけだよ」 「ああ、そうかい。それならそれで構わないよ。私がどんな人間だろうとあんたには関係ねえだろ!」 「あるよ!あなたは私の隣の席でしょ。臭いの!煙草の匂いが・・・」 「はあ?」 まだ睨みつけたままの霧原。あっけにとられるアリス。 迎えの車、ウェイの開けたドアから乗り込もうとするアリス。 玄関の近くを掃除する霧原が気づいて手を大きく振る。 照れて車に急ぎ乗り込むアリス。その様子にウェイが 「どうかいたしましたか?お嬢様」 「別に」 ドアが閉まってからつぶやくアリス「変な奴」でもその顔はうれしそうに微笑みを浮かべている。 アイキャッチ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年06月01日 12時16分27秒
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