からまつそう

着替える少女
女子更生センター
｢1107番、出ろ!｣
手錠をつけられた少女が現れると一斉にクニコ!クニコ!と響く
ニコリとし階段を降りる國子
鉄格子コップを打ちつけ國子コールは続く
看守が止めようとするが
｢色々ありがとな!｣｢元気でな!｣
｢何時でも戻ってこいよ!｣｢はっは!また捕まんのかよ!｣
階段を降り切った國子
｢皆!北条國子は今日出所します!｣
上がる歓声、舞う下着

外は雨
國子が門を出た途端に陽が射しキラキラと…驚く看守
クラクションが鳴り國子を迎える
モモコさん!とグラマーな女性?に飛び込む國子
お帰り!と頬ずりするモモコ
痩せたんじゃない?特に胸が!と指差すモモコに剥れる國子
早くしろよ!と武彦
何だ!?武彦も…と言う國子に年上には"さん"をつけろと武彦
あんたがいない間、心配で…涙で訴えるミーコに、太っちゃった?とからかう國子
國子に言われブーメランを渡すモモコ
看守の目前でブーメランが旗を破る
毎日敬礼させらたのが嫌だったと國子もこれですっきり

水上を走る車
ジャングルと化したビル群
ドゥオモがどうなったか尋ねる國子に皆一生懸命生きている、新しい人達も増えたとモモコ
喜ぶ國子だが、職安通り付近は水没が進んでいると嘆くモモコ

橋を潜り到着
カラフルな煙突と雑多な街並み
國子に凪子もメタルエイジも待っていると告げる武彦だが既に姿がない
｢あの子は風よ。繋いでおける訳無いじゃない｣モモコ
駒を回し遊ぶ子ども達を飛び越えて行く國子に声をかける子ども

髪を三つ編みにし背筋の伸びた祖母凪子が本を片手に
｢元々、政府のCO2削減のための強引な政策に反対し立ち向かおうと作られたのがメタルエイジだ。
幾度の反政府活動にも関わらず…こら!少しは落ち着いて人の話を聞きなさい!｣

食べながら聞いていた國子。注意され足を掻く
壁には武装した老人の写真が…國子の祖父か?
正座させられ足指をもぞもぞ

｢良いか?ここにある物は前世紀からの遺物だ。木を砕いて紙を梳くなど炭素市場が猛反発する。しかしここには知識がある。ネットには無い知恵がある。
お前に必要な情報もここに…ネットの情報が全てだと思うな。お前がメタルエイジ総裁となり悩んだ時、ここに…｣

武彦が止める間もなくそっと窓から抜け出す國子
カチリと音がし振り返る凪子に申し訳なさげに笑う武彦ら
｢國子!人の話は最後まで聞かんか!｣
｢聞かないよ～!｣
屋根を伝って逃げる國子
街中の人達が國子を見て声をかけ出所祝いだと焼トウモロコシを差し出し…
あの子は?と尋ねる最近来た人に
凪子の孫の國子だと教える街の人
いずれメタルエイジを継ぐのかと更に尋ねるが
そりゃあどうだか…と首を振る
何処かに向かう國子
國子の様子を窺っている様な人の姿

シャワーから出てお付きの者に体を拭いてもらいながら歩く緑の髪の女・涼子
ソファに横になりお付きに足を拭かせ部下に報告させる
ディグマ2が女子更生センターを出所したと伝える眼鏡の男
現在はE51地区、通称ドゥオモに帰還…
と突然足を拭いていたお付きの者を爪が当たったと蹴る涼子
その場の全員に緊張が走る
慌てて詫びるお付きには気を留めず
監視続行を眼鏡に告げる涼子
｢太陽は野に出たか…月は如何なっていますか?｣
｢相変わらずですよ。また下界をお散歩です｣報告する別の男

アトラスを一望出来る橋の上を車で走り女に自慢する男
途中封鎖されていた事を気にする女だが俺を誰だと…とバッジを見せる男
だが突然前方で松明が次々に点灯し…巨大な輿と輿を守る様に立つ白い装束の…
｢銃を持て!これへ｣
駕籠に担がれ銃が…

ハッとする運転していた男
眼鏡の女・小夜子によって発された弾は車を炎上させる
｢美邦様、お騒がせしました｣
輿に向かって詫びる小夜子
｢下界は面白いのお｣
白髪、右が黄色、左が水色の瞳の少女・美邦
興味深げにきょろきょろする姿に口元を綻ばせる小夜子
車から出された男女を調べ
｢アトラスランクBC!こんなつまらない人間に美邦様が邪魔されたと言うの?…ランクをAGに上げてあげるわ｣
と手に現れた映像のモバイルに何かを打ち込み｢良かったわね｣
と唾棄する
｢小夜子、わらわにも見せてたもお｣
｢なりません!眼が穢れるだけです｣
｢意地悪じゃのお、小夜子は｣
｢はい。意地悪です｣
剥れる美邦だがにこりと御簾を下げる
｢急げ!蝕が終わる｣

塔の上に立つ國子
｢ただいま～!東京｣

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