ナースのひとり旅

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  今頃SOAPが役立つなんて

  看護学生の実習中、看護師になってからの残業時間中、「これ意味あるのか」と思いながら相当な時間を費やしてきたのが、SOAP（ソープ）記録だ。SOAPとは看護記録の形式のひとつで、S:Subjective data （主観的データ、患者さんの発言）O:Objective data　（客観的データ、観察した事や検査データ）A:Assessment （アセスメント、評価・分析）P:Plan（計画）を意味する。病棟の看護師はまず、入院した患者さんから情報収集し、疾患に関する情報以外にも背景にある生活習慣や環境なども総合して、その患者さんの看護問題を把握。看護目標を立て、観察することや指導することを計画する。そして毎日患者さんのケアをしながら、勤務の終わりにこのSOAP記録を書いて、情報を共有し、次のケアに活かしていく。毎日、日勤夜勤と、何人もの違う看護師がバトンリレーしながら一人の患者さんを看るうえで、カルテのSOAP記録を読んで、患者さんの問題と状態を把握するのはとても重要。このSOAP記録を読むと、一見そつなく働いている同僚の看護師の中で、誰がちゃんと理解していて、誰が理解していないのか、私にはわかった。一般の人から見たら、看護師の仕事はTVドラマのように、注射をしたり点滴をつないだり、急変時にドクターの介助をしたりという、技術面ばかりのイメージがあると思う。でも実際は、想像以上に頭を使う仕事。毎日状態が違う患者さんの、その日の観察ポイントを把握し、得た情報や観察したことをアセスメントできなければならない。とはいっても、決められた時間に決められたケアをこなし、必要最低限の観察項目に関して記録をしていれば、その日の勤務は無事終わることもある。でもそれは看護ではなく、やり方さえ知っていれば素人でも勤まるような、ただルーチンワークをこなしているだけになってしまう。だから、ちゃんとわからないまま「業務」だけをしている看護師には、ろくな記録が書けない。看護学生の時は3週間１クールの病棟実習で、まず実習一週目に、情報収集、情報の分類、関連図の作成。そこから看護問題を抽出し、看護目標と看護計画を立てる。実習二週目から、SOAP記録が始まる。毎日、病棟では計画したケアを実施し、家に帰ると、その日の実習で観察したことやカルテから得た情報をもとにアセスメントをして、看護計画を修正し、翌日のケアの計画を立てる。そして翌日の実習では、新しい計画に基づいてケアと観察を行い、家でアセスメントをして計画を修正する、その繰り返し。毎晩、睡眠時間は1時間半から良くて4時間。明け方、「今日も新聞配達のバイクの音を聞いてしまった。これから少し眠れるかな、このまま眠れず実習かな」と思いながら、調べものをして記録を書く日々を繰り返した。記録にこんなに時間を費やすなんて、意味あるの。臨床に出てから、役に立つの。SOAPはアメリカから日本の看護に導入されたものだけど、アメリカではもうあまり使われていないと何かで読んだ。看護学生の夏休み、カリフォルニアのある有名な大学病院を見学する機会があった。基本的に、患者さんはみな急性期。医療費が高額なこともあって、一般病棟でもすぐに退院する。アメリカの医療ドラマのように、ベッドサイドで簡単に記入する記録を見せてもらった。病棟を案内してくれた看護師に、「SOAPで記録しないんですか」と聞いたら、やはり使われていなかった。アメリカの病院で働く、日本人看護師とも会う機会があった。彼女はアメリカで働き始めてから、「日本の看護師はSOAP記録を書くために残業している」と言ったら、みんなに驚かれたと言っていた。記録なんて、睡眠時間けずってまでがんばる意味ない。もう日本の看護やだ。私はいつか、アメリカで働くかもしれないのに。将来、途上国で国際協力の仕事がしたいのに。これをがんばっても、私には意味がない。そう思っていた。看護師になって就職すると、一日に何人もの患者さんを受け持つ。当然、記録も大量。でも、看護問題は院内ホームページにある程度のっていた。学生の時のように、情報をあれこれ分析して看護問題をひねり出す必要はない。この疾患にはこの看護問題、といくつか列挙されていた。看護計画も、看護問題ごとに立案されたものがホームページにのっており、それをコピーして、あとは患者さんの個別性を持たせるために少し修正すれば、短時間で作成することができた。なんだ、やっぱり学生の時、あんなに頑張る必要なかったんじゃない。SOAP記録も、看護学生の時のように詳しく書く必要はない。その日その状態の患者さんにとって重要なポイントを、簡潔に書く。それでも毎日、日勤の後に全員の記録を書くために、かなり時間をとられた。かなり、頭を使った。日勤から夜勤に引き継いだ後に記録を書いていても、ナースコールに邪魔されたり、カンファレンスがあったり、インシデントをやらかしてレポート書くはめになったり。でも、全員分のSOAP記録を書き終えるまで帰れない。毎日残業してまで、こんなに記録に時間を費やす意味あるの。誰かちゃんと読んでくれているの。ドクターの記録とか、バイタルサインや尿量などが入力されている温度板を見れば、ある程度状態の変化はわかるのに。そして臨床を離れ、日本も離れ、開発途上国で働く今。私の思考過程の基本は、SOAPにあると実感する。看護過程の展開ができるかできないかは、物事を考えるうえで差がでると思う事がしばしばある。同僚のミャンマー人は、計画に沿って実施することはできても、観察が足りない。観察した事をアセスメントする能力はさらにない。そしてアセスメントした事から次の計画を修正するなんて、指示がないとできない。SOAPを教わったことがある人でさえ、この一連のサイクルが苦手。誰かに決められた仕事を、言われた通りにこなすことはできる。でもそれだけ。経験からとか、こういう時はこうすると教わったとか、観察とアセスメントをしないで出てきた意見は、やはりピントがずれている。日本人だって同じ。看護以外の仕事をしていても、看護学生や臨床で働いていた時の思考過程が、ちらちら顔をだす。SOAP形式の記録が書ける能力は、きっと看護以外にも適用でき、いろんな事を実施し、より良くしていくうえで大事なんだ。睡眠削って書いた記録、残業して書いた記録、無駄じゃなかった。何年も前に、何度も何度も、毎日書いたSOAP記録。日本の看護教育と、アセスメント能力を育ててくれた現場に、悔しいけど感謝している。あんなに無駄だと思っていたSOAPが、臨床を離れた今、ここミャンマーで、役に立っていると実感する日が来るとは思わなかった。にほんブログ村

  2015.07.19

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  アイデンティティーの喪失

  気づいたらもう8月。ミャンマーは3月4月が40℃近い真夏で、8月は雨季で少し涼しい。日本と季節が違うから、今が何月なのかよくわかりません。そして、今の自分が何者なのかも、よくわかりません。去年の8月は、嫌な時期だった。全てがうまくいかなかった。7月末に仕事の契約が終了して、8月前半は次の仕事や国際協力の仕事を探しつつ、何も仕事をしていませんでした。有名な病院の産休代替職員として仕事が決まったものの、自分から断ってしまった。全国の看護学生があこがれる知名度のある病院だし、私は看護学生の時に落ちた。面接をしてくださった副看護部長が私の経歴を見て、私の考えを聞いて、最後にこう言った。「うちの病院は大変ですよ、片手間にできる仕事じゃない。いったん働き始めたら、他のことなんてできないですよ。あなたがどこまで国際協力の仕事をしたいのか、よく考えて。」翌日、VIPが入院する病棟への配属ということで採用の連絡をいただいたけど、きっと本当に働き出したら、仕事を覚えたり勉強したり、毎日いっぱいいっぱいで、他のやりたいことなんて後回しになってしまう。海外で働こうなんて、きっとまた考えなくなってしまう。都心の便利な生活、気に入っているマンションでの快適な生活を捨てるのが嫌になって、きっとこのまま目標もなく働くだけになってしまう。他にどこも受けてなかったし、すぐに収入が必要だったけど、途上国で働けるあてもなかったけど、自ら断ってしまった。その翌週にはある団体のセミナーで、途上国での活動経験がある国際看護の教授の話を聞く機会があった。参加者のほとんどは、青年海外協力隊の経験者や国際協力の仕事に興味がある看護師や看護学生など。その先生の経歴、私と同じ研究室の博士課程を出た方だったんだけど、無職の自分の状況が恥ずかしかったので、あえて黙っていた。プレゼンの中で、印象に残っていることが二つある。一つは、アイデンティティーの喪失。日本では患者さんや地域の人を相手に看護の仕事をしていたけど、海外ではその国のヘルスワーカーを相手にマネジメントや人材育成の仕事をするため、自分のアイデンティティを見失う時期があったそう。その時は、あまりピンとこなかったけど、最近わかるようになった。今の仕事は臨床看護と比べるとやりがいに欠け、日本の友人が思っているようなすごいことは全くしていない。「私、看護になのに！」って思うことしばしば。今までの経験や知識がそんなに活かせているわけでもなく、看護師としてのアイデンティティーも失いつつある。でもこれはきっと、同じ状況の人なら誰でも経験することなんだ。もう一つは、車のエンジンはかけておけ、という話。チャンスはいつまわってくるかわからない。いったん車のエンジンを切ってしまうと、急に右に曲がってと言われても、すぐには曲がれない。エンジンをかけっぱなしにしておけば、すぐに方向転換できる。いざ途上国へ行くチャンスが来た時、すぐに動けるようにしておけ、ということ。正職員の看護師になったら、すぐに仕事を辞められない。いつか私にチャンスが来た時、すぐに動けるようにしておかなきゃ。勉強、情報収集、興味を失わないこと。だから、本当はちゃんと正職員として看護の仕事をしたほうが自分にとっていいのはわかっていたけど、その後あえて短期の仕事を選んだ。それから運よく今の仕事が決まって、今こうしてミャンマーにいる。愚痴を言ったらきりがないし、不満を言っていてもしょうがない。去年の夏を思い出して、今年は今の自分に何ができるか考えよう。にほんブログ村

  2014.08.02

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  ナースのお仕事 summer 2011

  最近、高齢者対象の施設で時々ナースのお仕事してます。病院と違ってお元気な方が多いけど、何十人もバイタル測ったり内服薬を把握するのは慣れてないとちょっと大変。「看護婦さん、『おひさま』に出てる女優さんみたいね～」と言われたことに内心喜び、調子に乗って、今日も一日笑顔で過ごしてきました！スタッフにしてはかなり若いな～という感じの人が何人か来てて、高齢者の方たちとの会話がとてもぎこちないから、なんだろうと思って話しかけたら、学生の実習でした。看護や福祉関係ではなく、複数の大学から来た歯学部とか教育専攻の学生さんたち。実習の単位が必要なんだって。よくわからないけど、高齢化社会だから、学部の垣根を越えてそういう単位認定のしくみができたの？「夏休みなのに」って、愚痴ってました・・・。そして今日は、近所の中学生のボランティアさんも来て、高齢者の方のお話し相手になってました。午後に余裕ができたので、私も紛れてソファーに座っておしゃべり。なんかその中学生ちゃん、私と話すの緊張してたみたい。笑顔でやさし～く接したつもりだけど、ふだんあんまり看護師と接することなんてないだろうしね。「地理が苦手で～、もう1学期大変で～」とか、なんだか会話が別世界・・・。そういや最近、中学生と話したことなんてなかった・・・。私はその子が中学生とすぐわかったんだけど、大学生の実習生は、その子のこと小学生と間違えたみたいで。でもその子、時々高校生に間違われるんだって。まぁ、あたしにとってはそんなのどーでもいい間違いなんだけど（笑）、中学生にとっては大問題のようで。「若く見られるのはいいんですけど、　高校生と間違われて年が上に見られるとショック～」だって・・・。「若く」って・・・、小学生って、若いって言う部類か？高校生と間違われて、何か不快かしら？しかもそれ、20歳くらい年上の私に向かって言う怖いもの知らずなあたりがすごい。まぁそんな事、もはや気にもならなくなってしまった、30代半ばで独身の、おばちゃんなあたし☆

  2011.08.03

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  東京へ戻り一週間

  東京では桜が咲き始めています。でも、東北はまだ最低気温が氷点下になる寒さ。何をしていても、やっぱり被災地のことばかり考えてしまう今日この頃。被災者の方が、「春は来るのかな～」って落ち込んでたから、「来ますよ！」って叫んできた。私、現地では健康体だったのに、東京に戻ってから不眠ぎみになったり、眠れたと思ったら金縛りになったりしたけど、もう完全に復活しました！私たち医療スタッフ、避難所に滞在中、一度も着替えず昼も寝る時も同じ格好。もちろん一度もお風呂に入らず。寒いし暗いし、着替える気にもならなかった。そして被災地からの帰り、高速のサービスエリアでは、明るい電気、自動販売機に温かいコーヒー、水洗トイレ。久々に文明社会に触れたのに、なぜか贅沢できない私たち・・・。東京に戻ると、とても変な感じだった。みんなきれいな普通の格好で、外食したり買い物したり、地震の前と変わらない普通の生活をしている。私が被災地にいる間、旅行に行った友人がFacebookに楽しそうな写真をのせてたりすると、不思議な感じがした。こうしている今も、被災者の方たちは、あの生活を続けている・・・。ある高齢の被災者の方が言っていたことを思い出す。毎朝4時から漁に出て、一生懸命働いてきて、やっと楽ができると思っていた。それがものの30分で人生のどん底ですよ。悔しすぎて涙も出ない。誰を憎むこともできない。憎いのは津波だけ。地デジ急げっていうから新しいテレビ３つも買ったばかり。新鮮な海の幸が豊富で、家族みんなでいつも自分たちは天皇陛下よりいいもの食べてるんだぞって言ってた。この生活、いつまで、という期限がない。電気のある所の仮設住宅へ町ごと移動って言われても、○○町なんて豪雪地帯、仕事もないし、若い人にだって耐え難い寒さですよ。みんな漁師なのに、船はないし海はもうダメになってるし、他に行って何の仕事があるか。これからの事を考えると不安で眠れない・・・。だけどそんな状況でも、この被災者の方、他者に対するやさしさは忘れてないの。被災して間もなく、新聞記者が避難所に来たらしい。私が行く前は道が寸断され橋も壊れていたので、避難所まで車では行けなかったから、その新聞記者の人どこかから歩いてきて、被災者の方に必要なものなどを聞いて、それから他の避難所まで歩いていくところだったんだって。そのへんに食べ物なんてないから、被災者の男性が新聞記者に、救援物資の菓子パンを勧めたら、素直にありがとうございますって食べたらしい。普通、断りそうなのに。もう一つどうですかって勧めたら、その記者断らなかったって。ずっと歩いて取材して、相当お腹すいてたんだよって・・・。被災者の方たち、何も悪い事してないのに、ある日突然ふつうの生活が奪われてしまった。目の前で家族が流されたり、生まれ育った町が跡形もなくなってしまったり。この震災で、私の中のいろんなものが変わりました。ものの見方、考え方。価値観。自分の家族に対しても。数か月後も、皆の援助をしたいという思いや興味が薄れませんように。私は、ずっと忘れない。

  2011.04.02

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  東北の被災地へ

  ボランティアの登録をしていたところから連絡があり、急遽被災地へ行ってきました。災害直後は、看護師なのに何もできない自分がもどかしく、泣きながらテレビを見ていました。震災後10日経ってやっと連絡がきて、少しでも役立てるならと即OKし被災地入り。災害看護のトレーニングも受けていない、経験もない私にできることは限られている。ヘリで搬送された患者をテントや病院で治療するような、震災直後の看護とは全然違うけど、それでも少しは役に立てたのではないかと思ってます。出発した日はまだ東北自動車道が閉鎖されていましたが、救援物資の搬送や医療者の緊急車両のみ通ることができました。津波被害を受けた町へ着くと、突然景色が変わる。海からかなり遠い所まで、がれきの山。船や車がひっくり返っていたり、高い所にのっていたり。浮きや海藻が建物の4階くらいまでくっついている。アスファルトはめくれあがって、家の土台のみ残っていた。鉄骨も折れ曲がっていた。海に戻れなくなった海水で、所どころ沼のようになっている。これ、これから一体、どうするの・・・と、気が遠くなった。原爆でも落とされたのかと思うような何もかもが破壊された景色の中、壊れた郵便局の看板とか、ランドセルとか、人の生活の跡が見えると、何とも言えない気持ちになった。海は穏やかで、川の水は不気味なくらい澄んでいた。まるで、何事もなかったかのように。滞在中いまだに大きな余震が続いていて、毎日震度4以上の揺れがあった。私が行った避難所には、電気、水道、ガス、すべて通っていなかった。だから雪が降っているのに暖房なし。本当に、本当に寒かった。どんなに着こんでも、芯から冷える。その中で、被災者の方たちはずっと耐えて生活している。高齢者の方は、夜中、穴を掘った外のトイレに何度も行く。私は避難所に泊まり込んで、仮設診療所でお仕事してきました。診療所では、薬や血糖測定器を流されてしまったという慢性疾患の人に処方をするのがメイン。内服薬をはじめ、医療用品はだんだんそろい始めている。物がなくても何とかやりやすいように工夫し、みんなであるものを使って、寒さでかじかむ手で工作したり、薬の在庫管理をしたり。段ボールも大活躍。カルテをはじめ、すべて手書き。医療スタッフは全国各地から集まり、自衛隊の紙カルテを使い、千葉県からきた薬を香川県の病院の薬袋に入れ、外では熊本県の保健師さんが調査に歩き、埼玉県の救急車が走っている。日によって、私たちボランティアのドクター、ナースに加えて、他県の大学病院や医師会の専門医が診察に来てくれたり、巡回診療をしていた。一緒にお仕事をした地元の看護師の方は、震災後ずっと働き続けていた。地震の翌々日に病院の屋上からヘリで救助され、家は流され、親戚の家にいる家族と離れ、2週間休みなく避難所に泊まりこんで働いていた。私たちボランティアの医療スタッフが集まることで、地元の看護師の方にやっとお休みしていただくことができた。現地では一人になる時間も空間もなく、毎日の状況を把握し、その日するべきことをこなしていただけ。特に疲労も感じなかった。とにかく寒かっただけ。幸い同じチームとして活動したボランティアのナースとも気が合って、協力しながら笑顔で過ごしていた。でも帰ってきてから、ぴんと張りつめていたものが急に緩んで、どっと疲れが出た感じ。被災者の方が言ったことを思い出して泣いてしまったり。避難生活している人たち・・・。ずっと集団生活が続き、一人で泣くこともできない。救援物資の搬入とか炊事とか、それぞれ役割を持って、今は気を張っているように見える。でも、そろそろ身体的疲労と、精神的な限界がくる。避難所から出て今までのコミュニティが壊れ、町民がばらばらになった時、気丈に振る舞っていけるだろうか。家も仕事も家族も失い、これから生きていく意味も失いかねない。現実を受容し、復興に向けて前向きに動き出す人もいれば、せっかく助かった命の尊さを見いだせない人もいるかもしれない。問題は山積み。かなり長期的に支援が必要・・・。長くなってしまったので、また書きます。

  2011.03.31

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  5年目ナースの集い

  看護学生時代のみんなと同窓会をしました。卒業後も会ってた子や結婚式で会ったことがある子が多かったけど、卒業以来初めて会う子もいた。みんな変わってなくて、なんか教室でおしゃべりしてたのと、たいして変わらない感じ。既に結婚して子どもがいる人もいるけど、一緒に実習に行った仲間そのまんまって感じでした。私を含め、社会人経験の後に看護学校に入ったリターン組が、誰一人結婚してないってのは・・・。ま、私としてはちょっと安心したけど。ほとんどの子が臨床で働き続けてて、5年目ナースとしてかなり頼もしい発言をしてました。私なんて、ほんともう、ついていけないわ・・・。ずっとERで働いている子は、物足りなさを感じて今度ヘリナース目指すというし、保健師から病棟看護師になる子もいて、まだまだやる気が満ち溢れてました。すごいなー。私なんて、もう急性期の病棟に戻るのムリって思ってるのに。私の看護学生生活はかなり濃かったから、きっとみんなとの思い出は一生鮮明に覚えてると思う。

  2010.12.11

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  ナース復活！

  再びナースになり、クリニックで働いています。ナースに戻れてやっぱり嬉しい。クリニックって、同時進行で複数の人が診察や検査してるし、次から次へと人さばかなきゃならないし、検査もぱっぱと進めなきゃならないし、病棟とは違った忙しさがある。ちょっと新鮮でもあります。病棟では指示ひろって、患者さんに振り回されつつも自分で動けてたけど、クリニックってドクター中心だから、ちょっとやりづらい。あたし、あなたの心まで読めないから。混んでると、先生イライラしてて怖いし。（ナースに対して。）先生たち、何時間も次から次へと診察しっぱなし、しゃべりっぱなしで、トイレもいかない。問診しながらカルテに効率よく入力して、診察終わったとたんにもう次の人。いろんな患者さんが来るけど、最近の流行は、熱はないけど咳が続く風邪みたいよ～。こむら返りは熱中症の前駆症状らしい。採血や注射、久しぶり。ブランクあるけど、なんとなく手が覚えている。「血管見えないって、みんな苦労してるんだよねー」なんてプレッシャー発言されると、やたら燃える私。どんなに難しそうな人でも、太っている人でも、絶対に一発でとっている。自分がやりやすい物品使って採血してたんだけど、翼状針使ってること先生にバレた。シリンジと翼状針の節約のため、真空管でとれって・・・。あれって刺した時に逆血見えないから、ちゃんと血管に入っているかスピッツ入れるまでわからない。それに、しっかり固定しないと、スピッツ変えるたびに針が進んじゃいそうでこわい。家に持ち帰って、手順だけでもちょっと練習。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2010.08.11

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  お疲れさま

  退職しました。自分に、「お疲れさま」と言ってあげたい。看護師になる決意をしてから、もう何年になるだろう。今となってはあっという間。臨床経験4年をもって、ひとまず病棟ナースのお仕事はお休みです。仕事が辛いといっても、まだまだやれたはずだし、もっと経験をつむべきだったとも思うけど、私がんばった。嫌なこといっぱいあったけど、本当に、本当に、看護師になってよかったです。長かった夜勤。短かった4年間。忘れません。あの病院で感動したこと、楽しかったこと、泣いたこと。一部のスタッフから受けた屈辱も。これからも、時々思い出すだろうなぁ。私、本当に看護師になったんだ、って実感した日のこと、この仕事してて良かったと思った瞬間のこと、夜や休日に看護の勉強してたこと。新人の時は、「あたし、こないだまで普通の人だったのに、こんなとこに針刺したり、あんなとこに管入れたり・・・」って怯えてた。輸液ポンプの操作を間違い、ヘパロックすら緊張。同期とはいつも、愚痴を言ったり、大笑いしていた。プリセプターも、プリセプティも、いい人だった。よく脚にアザ作ってたなー。腰痛かったなー。手荒れもひどかった。頻回に鳴るナースコールや、一晩中聞かされるアラームに、イライラした夜もたくさんあった。患者さんを思う心がない新人への指導、嫌いでした。毎朝、嫌だなぁって思いながらの通勤。受け持ち見て、情報収集して、朝から緊張。一番嫌いだったのは、厳しい先輩への申し送り。内科とNICUの看護を経験したけど、主に思い出すのは、内科で働いていた時の患者さんたち。患者さんやご家族と、おしゃべりして笑ったこと。カーテンの向こうの患者さんと奥様の会話に、涙がでそうになったこと。痛みと抗癌剤の副作用に悩んでいた患者さんが、食事をとれるようになった時の嬉しさ。脱毛をかくすニット帽をかぶった末期癌の患者さんが、病院のロビーで他の病棟の患者さんたちと楽しそうに話しているのを見かけた時。そして、人が死を迎えるという場にいさせていただく経験。2年目の時、バイタルサインの変化から、受け持ちの患者さんがあと数時間で亡くなるだろうと思った夜、限られた時間でたくさんの仕事を効率良くこなしている冷静な自分に、成長と同時に、もう純粋な学生や新人の時とは違う、淡々とした自分に気付いた。インターンシップの学生を受け持った日、彼女が師長さんに私のことを褒めてくれたみたいで、学生から見て私はいいナースになれてるんだ、と嬉しかった。その子は就職試験の面接で、「インターンシップに行った病棟のKarinさんが、生き生きと働いていたので」と言ったらしい。その後、無事うちの病院に就職していた。新たなチャレンジとして病棟を異動したけど、また新人になっちゃって、すっごく辛かった。自分が情けなかった。いざとなったら精神科のドクターに一筆書いてもらって辞めるから、それまでの我慢だと思って通い、家では泣きながら勉強していた。だんだん周りにも認めてもらえるようになって、結局、逃げずに2年間そこで働いた。この病院を辞める時は海外に行く時、って思ってたけど、その考えもだんだんなくなっていった。学生の頃は、2、3年働いたら途上国に行くんだって決めてたけど、未熟な今の私に何ができる？って思いもあって、結局行動には移さず。アメリカの院で看護を勉強することや、カリフォルニアでRNになることも考えてたけど、何のためか考えたら、よくわからなくなった。まさか、日本で院に進学するとは、ほんの２年前の私には想像もできませんでした。今から目指すにはもう遅いと思っていた看護師に、30歳でなることができた。あの眠れない学生時代を乗り切った私だもの、看護師4年間がんばってきた私だもの、絶対に無理だと思っていた院にも受かった。これからの大学院生活が予想以上に大変なものでも、後悔しないよう、できる限り努力して、最後までがんばります。私の人生で、何にも代えられないすばらしい経験をさせてくれた患者さんたち、どうもありがとうございました。

  2010.03.29

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  冬のオリンピックとナースの私

  冬のオリンピック、やっぱり一番気になるのは女子フィギュアスケート。真央ちゃん、とっても悔しそうでしたね。ほんと、金メダルをとって欲しかった。4年前のトリノオリンピックの頃は、国家試験の直前でした。朝4時に起きてフィギュアを見て、荒川静さんの演技が終わった時、感動して泣いてしまった。そして金メダル！その興奮が冷めないまま学校へ。その日は国試の1週間前で、試験前の最後の学校ということで、先生方や後輩たちから激励の言葉をいただいた。朝のオリンピック金メダルのせいもあって、なんだかクラスメートみんなが興奮してて、私もドキドキして、すでにちょっと緊張していたのを覚えている。あれから4年。今、その頃の夢だった看護師をしています。トリノオリンピックの頃には想像できなかった今の自分、今の生活。今日の勤務では、「心臓移植する以外に助かる方法はなく、救命は困難です」と家族に説明するムンテラに同席しましたが、そんな臨床の場で働くことなど、あの頃の私には想像できませんでした。4年後、次のオリンピックの頃には、どこで何をしてるのかな・・・？

  2010.02.26

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  子どもの死とグリーフケア

  今日はせっかくの休みだけど、午前中はスタバでTOEICの勉強、そして午後から研修へ。研修内容は、「小さなこどもを亡くした家族への支援」。家族の死を経験した遺族を支えるケアを、医療の世界ではグリーフケアと呼びます。看護学校で、緩和ケアや死の受容過程は習ったけど、小児の死については深く考えた記憶がない。成人、新生児にかかわらず、ステルベンの後は、身内を亡くした家族がどんな思いで過ごしているのか、直接聞いたこともない。新生児のドクターと、「SIDS家族の会」の方の講演を聞ける今回の研修は、貴重な機会となりました。研修はじめの15分、わたし爆睡。なかなか心地良いイスだったもので・・・。その後はちゃんと聞いて、たくさんメモとりました！印象に残った事をいくつか紹介します。きっと皆さんも、こういう事を知る機会って少ないと思うので。（医療従事者への、教育としてのレクチャーは省きます。）病院で原因がはっきりしない患児の死、医療事故と疑われることがあると、医師や助産師が警察から尋問を受け、しかもかなり威圧的で、机をたたかないまでも、「人が一人死んでるんだぞ！」って、本当にドラマみたいなことが行われるらしい。そして子どもを亡くしたばかりの両親にも容赦なく質問。講演してくれたドクター曰く、警察は単に自分たちの仕事をしているだけなんだけど、子を亡くしたばかりの親にとってはどうかと。ノイローゼみたいになった助産師もいたという。赤ちゃんが自宅でSIDSで亡くなった場合、警察が自宅のベビーベッドを計測したり、クローゼットの中を調べたり、両親の唾液を採取したりするらしく、両親はとても辛い思いをする。本当なら育児をしているはずだった時間に、なぜこんな扱いを受けているのか。NICUで、赤ちゃんが挿管され、点滴その他のチューブだらけになった姿を見た家族は、「かわいそうだから、もうこのまま死なせて下さい」と泣く。でもICUの20歳の子が同じ状態だと、家族は「寝たきりになってもいいから、助けてください」と言う。そのドクターは、この違いは何だろうとずっと考えていて、たぶんその子と一緒にいた、思い出の多さに関係してるんじゃないかと思っている。流産、死産、新生児の死だと、赤ちゃんとの思い出がほとんど無いか少なく、亡くなった子に対するイメージを持ちにくい。女性は、それまで一体だった子を亡くすことで愛する対象を失っただけでなく、女性としての自信や生きる自信も失ってしまうことがある。男性は感情を抑えてしまうことがあり、女性が悲しんでいる状況に対応できないことがある。その男女の違いが、パートナー間の感情的なしこりに発展してしまうことがある。祖父母は孫を失った悲しみだけでなく、子どもを失って悲しんでいる自分の子どもにも向かい合わなければならない辛さを経験する。家族にとっての赤ちゃんの死は、いなくなった赤ちゃんと過ごす長い時間の始まり。赤ちゃんを亡くしたお母さんは、他の子の泣き声を聞くと、おっぱいがはってしまうことがある。他の妊婦さんを見たくない。他の赤ちゃんの泣き声を聞くのがすごく嫌。でもその赤ちゃんたちには何の罪もない。家の中に閉じこもっていても、今日は妊婦さんを見ても平気かな、と思える日にだけ外出するようにしていると、徐々に外へ出られるようになってくる。子どもを亡くした後、誰かから連絡をもらうと返事をしなきゃと焦ってしまうが、手紙やメールに返信不要と書き添えてあると、少し楽に感じられる。上のきょうだいの子が、死んだ子と一緒に遊んでいるようにしていることがある。「上の子がいるからよかった」「次を考えなさい」などと言われると傷つく。他の子が生まれようと、亡くなった子は一人の人間で、その子はその子。NICUで働く私の場合、こういうことを知っているのといないのでは、仕事で家族へ接する時の思いも違ってきます。自分にも、身近な人にも起こりうる子どもの死。女性だけでなく、男性にも、どんな職業の人にも、ちょこっとだけ考えてみてほしいと思いました。

  2009.10.29

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  子どもの臓器移植

  １５歳未満の子どもからの臓器提供を可能にする、臓器移植法改正案が可決されましたね。0歳児から臓器移植が可能になります。今までは、子ども自ら「臓器を提供する」という意思表示をするのは困難と考えられ、脳死状態の子どもから臓器を移植することはできませんでした。臓器移植以外に助かる道がないという病気の子は、海外に行くしかなかった。法律が変われば、今まで助からなかった子どもの命が、これからはもっと助かるようになるかも！・・・なんて、簡単には考えられない・・・。脳死判定や小児医療体制をはじめ、子どもの意思表示とか、臓器を提供する側の家族の思いとか、家庭の経済的なこと、生命倫理の問題など、これから考えていくべきことがいっぱいあるはず。ちゃんと整った状態でスタートできるのかな。このニュースをきっかけに、ちょっと内部事情を聞きました。うちの病院からも、過去に臓器移植のために海外へ行った子どもたちがいます。他の科で働いていると、そういうことはほとんど知らない。「心臓移植のため、　○○病院からアメリカに行ったなんとか君が・・・」「××子ちゃんの大好きな誰それ（有名人）が、　渡米前に○○病院にお見舞いに来てくれました」といった、テレビのニュースを見て初めて、「うちの病院じゃん！」と知ったりします。よく、移植のための費用を集めるために、家族や支援団体が街頭募金をしてるの見かけますよね。他にも寄付があるんでしょうけど、かなりの額が集まるらしいです。そして、病院のスタッフからも任意で募金を募るらしい。私は募金しろと言われたことはないから、小児科やPICU、CCUなど、患者さんに関わっている医師や看護師だけに声かけるのかな？よくわからないけど、絶対に断れないでしょ、それ。患者さんが海外に行く際についていく看護師って、有給休暇をもらっているわけでもなく、職場を離れる間、休み扱いになっちゃうんだって。普通の休みを使って行くらしい。特別手当でももらってんのかと思ったら、食費として一日何百円もらえるだけらしい・・・。こんな条件って、うちの病院だけ？・・・ありえるなぁ。飛行機の中で状態が悪くなっちゃう子もいるみたいだし、人工呼吸器が必要な子とか、心疾患の子の点滴管理とか、大変だろうなぁ。やっぱり医療ニュースは、一般的なことよりナース目線で考えてしまう。この法律改正が、良い方向へむかうといいですね。

  2009.06.23

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  春から

  気づいたら、うちの窓から見える木に青々と新緑が茂っていました。いつの間に！？新年度が始まって、仕事に学校にと、春から新しい環境でがんばっている人も多いと思います。新人ナースの方は、そろそろ患者さんを受け持って、一人で動き始める頃でしょうか。理想と現実のギャップに、ショックを受けているかしら。私はこの春からプリセプターをしています。何日も日勤が続くことが多く、体もお金もきつい・・・。私のプリセプティも、大変そう。緊張して表情かたいし、全てが新しく何ひとつスムーズにできないから、いつも戸惑っているのが伝わってくる。隣のアラーム鳴ってて何か手伝いたいけど何していいかわからず、対応している私の周りをうろうろしてるのとかも、去年の今頃の私とそっくり。その気持ちよくわかるわー。やっと半月経って、少し慣れてきた頃かしら。だけど、まだまだ全てのケアが遅く注意不足な点もあって、私、毎日同じこと注意してるよね？って感じで。きっと他のスタッフに嫌な怒られ方されることもあるだろうから、せめて私が心の支えにならなきゃとはわかっていますが。一日一日はイベント盛りだくさんでいっぱいいっぱいだけど、いつも振り返ると一年てあっという間。今年もすごく忙しくなる予感ですが、後悔しないようにがんばろうっと。

  2009.04.17

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  ERナースとディナー

  先週、看護学生時代の友人で、他の大学病院の救急で働いている友達と食事に行きました。銀座でディナーしたんだけど、ちょっと変わったレストランに行ってみた。「迷宮の国のアリス」というお店で、『不思議の国のアリス』をテーマにしているレストラン。店内の雰囲気とかメニュー名も個性的。ウエイトレスは水色ワンピースに白いエプロン、黒いリボンのカチューシャをしていて、アリスになりきってます。メイド喫茶を連想してしまうのは私だけ？ウエイトレス、いや、アリスを呼ぶときには、金のディナーベルを振って鳴らすのよ。盛り付けがやたら顔になってるものが多くてかわいかったけど、看護トークにかなり盛り上がってしゃべりまくっている私たちには、ネコちゃんの顔したかわいい食事もどーでもいい感じで。さすが三次救急の看護は、一応集中治療室で働いている私でも雲泥の差を感じるほどレベルが高く、勉強量が半端じゃない。「一年目の時、全然遊べなかったでしょ」と言ったら、「それどころか寝てないよ！」と怒鳴られた。外傷の患者さんが多いらしくて、同じ看護師でも仕事内容が全く違う。自殺しようとして切腹（と呼ぶのか？）した人が運ばれてきたら、どの内臓が、どの血管が損傷されているのかによって治療が変わってくるので、損傷部位と程度から自分でアセスメントして、起こりうる合併症と今後行われるであろう治療を予測して物品を用意しておくのだとか。下大静脈が切れていたら大量出血しているので、下肢などへの血流を止めて、とにかく心臓と脳に血がいくようにする・・・ってどうやるんだろ。大腸が切れていると、便が腹腔に出て感染を起こし、敗血症になってしまうので、透析みたいに血液を機械で浄化？して戻すらしい。その名前、確かローマ字３つだったんだけど、すでに忘れた・・・。彼女の場合、自分でデータとって、自分で常にアセスメントして、考えて看護してるって思った。いや、基本的に看護師みんなそうだとは思うけど、でも救急の場合、急患が運ばれてくると医師がみんなそっちに行っちゃう時間もあるらしいから、看護師がかなりしっかりしてないとダメなのね。患者の状態や体重を考えて、自分が提示したドクターコールの指示得るとか（「あたしが鉛筆で書いた指示ペンでなぞれ」とか言うらしい）、血ガスの結果がこうだから人工呼吸器の設定を変更してくださいって自らドクターに頼むとか、DOAの流速を変えてドクターには事後報告とか。みんなそんな感じなの？うちではそこらへんのこと、ナースも常に考えてはいるけど、変更等はドクター中心。私、自分からドクターにこうしてくれって、あんまり言えないなぁ。でもドクターの指示通り動くだけじゃなくて自分でも考えてなきゃいけないから、ちゃんとその患者に適した指示を受けてないと、引き継いだ後のナースに自分がいろいろつっこまれるのはどこも同じね。彼女の給料、同じ二交替で同じ年数働いてて、私より手取りで7万くらい多いんだけど、緊迫した夜勤が20時間以上続いたり、勤務後も図書館で勉強に追われたりしているみたい。あたし給料安くても、彼女ほど大変じゃないほうがいいや～。

  2009.03.04

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  緩和ケア

  昨日、緩和ケアの公開講座を聞きに行ってきました。医療従事者だけでなく、一般市民の方たちも参加できるもだったので、とても聞きやすくわかりやすい内容でした。中には、実際にがんになって麻薬の内服で疼痛コントロールをしている人、末期がん患者のご家族なども参加されていました。緩和ケア専門のドクターや、がん専門看護師による講演内容は、一般の方でもわかるよう、患者さんの事例を用いながら、緩和ケアの基礎的なことを、わかりやすく説明。私にとっては、看護学校で教わったこと、臨床で経験したことと重なることが多く、理解しやすかったです。看護学生にはおなじみ、４つの痛み・・・身体的苦痛、社会的苦痛、精神的苦痛、霊的（スピリチュアル）苦痛についてや、WHOのオピオイド投与についてとかね。がん性疼痛に麻薬を内服しても中毒にはならないこと、便秘や吐き気の副作用にどんなケアを行っているかなども、わかりやすく説明していました。がんになった方や家族も聞いているので、その方たちに配慮して、言葉に気をつけながら話されているのがわかりました。事例を用いて患者さんとの会話なども紹介してくれて、たまに目頭が熱くなったりもした。これを読んでいる人は看護師や看護に興味のある人が多いと思うけど、他の人って「緩和ケア」を知っているもの？病院ではがんの患者さんに対して、手術、抗癌剤、放射線といった治療のほかに、なるべく疼痛を除去できるような援助も行っています。病院によっては、専門の医師や看護師の緩和ケアチームもあります。離れてみると、がん看護、やっぱりおもしろかったな。患者さんやご家族と話すの、好きでした。だけど、抗癌剤の投与も麻薬を配薬するのも毎日の「業務」になってしまって、忙しいのを理由に、がん末期の患者さんの精神面まで十分に気がまわらなくなっていたのも確か。反省すべき点はたくさんある。たぶんずっと先だけど、いつか緩和ケアの看護もしてみたいと思ってます。看護学校の教科書も、『生と死の看護論』は捨てずにとってある。でも、看護師が抱えるものが多すぎて、私自身もっと人間ができてからじゃないと、つとまりそうもありません。すぐにバーンアウトになりそう。私が20歳の時がんで亡くなった祖母は、痛みに対してどんなケアを受けていたんだろう。今の私なら、一緒にいろいろ考えてあげられたのに・・・。緩和ケアって何？と思った方、興味のある方はこちらを。　→　緩和ケア.net

  2009.01.26

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  みんな辞めていく

  最近、病院の研修で、同期のみんなと話す機会があったの。いろんな科で働く同期が集まっておしゃべりするのは、いつも楽しい。患者さんに行ったケアの事例を発表したり、意見を述べ合ったりすると、他の科の看護のこともわかるし、話がそれて愚痴も言いあったりして。新人の頃は、人数が多くて二度に分けていた研修も、今では一度で済むくらいに人が減った。そして、この年度末に辞める予定の人多し。どこの科もいろいろあって、大変そう。転職する人、結婚する人、地元へ帰る人、進学といろいろ。一緒にいろんな経験をしてきた、仲のいい子も辞めてしまう。こうやって、どんどん同期が減っていって、残された独身女たちが師長になってゆくのね・・・。この不規則な生活に、若い子たちですら疲れきっている。「普通の生活がしたい。朝起きて、夜寝たい。」と言ってる子がいて、すごく共感した。私も、そろそろ体力的に限界を感じるもの。夜勤が辛い・・・。うちの母親は、還暦も近いというのに二交替の夜勤をしているので、私なんてまだまだがんばらなきゃとは思うんだけど。私、同期の子たちよりだいぶ年上なんだけど、だまってればわからないみたいで。「みんな結婚は～？」「しないよー、予定もないー！」なんて会話もしてて、若い子たちは「まぁ30くらいまではいいよね」と、まとめていた。微妙な笑顔ではぐらかす私・・・。あたし既に30代、とは言えなかったわ。

  2009.01.24

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  協力隊の説明会に行ってきました

  最近、青年海外協力隊の説明会に行ってきました。今回応募するわけじゃないけど、体験談とか聞きたいなーと思って。驚いたのは、協力隊経験者のなかで、現地で子どもが亡くなるのを見たりして医療に興味が出て、日本に帰国してから看護師を目指す人たちがいるということ。でもきっと大変だろうなー。外国での生活を経験して視野が広がった後、日本で看護学生になって若い子と一緒に勉強していくのは、本当に大変なこと。勉強より、精神的に。同じような経験をした私にはわかる。看護師の要請もたくさんあるけど、やっぱり倍率が高い。試験対策の勉強して応募して、合格してから日本での研修が3ヶ月、現地での滞在が2年。長い。現実的に考えると、やっぱり勇気でないなー。これが20代の時なら違ったかも。勢いで行けたと思う。OLだった頃、何かの専門職で協力隊に参加したいと思ってたけど、実際に看護師になってみると、そう簡単に海外で働くことは考えられない。現地の看護師に指導するのは、仕事とは別の困難さがある。それに今、日本で看護師として働きながらも、まだまだ勉強しなきゃいけないことはたくさんあるし、経験も足りない。自分の中で、満足できるレベルになってない。こうやって悩んでるうちに、何もしないで歳をとっちゃいそうだなー。

  2008.10.30

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  妊婦搬送受け入れ拒否のニュースから

  数日前、今月はじめに東京都内の妊婦さんが脳内出血を起こし、いくつもの病院に次々と受け入れ拒否され、結果として亡くなってしまったという残念なニュースが報道されましたよね。私は22日の夜にニュースを見て、翌日職場ではその話題でもちきりでした。受け入れを拒否した病院の理由は、ハイリスク分娩に対応できる産科医がいないとか、新生児集中治療室が満床など。私はそのニュースを見て、ちょっと考えてしまった。私、新生児集中治療室（NICU）で働く看護師だし・・・。今となってはもう遅いけど、患者の状態の伝え方とか、ネットワークの更新状況とか、様々なことがもっとうまく行われていたら、その妊婦さんの死亡は防げたかもしれない。だけど、マスコミが都や病院をバッシングしようと、この状況が現実。うちのNICUは、ほぼ常に満床です。主に、同じ病院内の産科で生まれた低出生体重児や、先天性疾患がある新生児などを受け入れていますが、時には他の病院からの搬送もあります。産科で突然の破水や緊急帝王切開があったり、外から急患の搬送があると、可能な時は状態の安定した子を他のフロアーに移動して、入院をとれることもある。でも挿管して人工呼吸器での管理が必要な子などは、やっぱりNICU以外ではみられないし、満床だとベッドをあけられないことが多い。他の産院から電話がきて、うちのドクターが満床だからと断っているのを聞いても、しょうがないじゃないと思ってしまう。そして私がニュースを見て思ったことがもう一つ。実際に中で働く者だから、現状を知ってて思うこと。うちのNICUに入院している1歳の子、他へ出すべき。詳細は書けないけど、今すぐには一般の小児病棟では管理できない理由があるにしても、特に緊急の治療をしていない子を長々と入院させていて満床なために、急患を受け入れられないっておかしい、と思った。集中治療室だから患者の入れかわりが早い病棟ですが、中にはずーっと入院している子がベッドを占領している。そういう子も、あるオペをするとか、条件が変われば小児科にうつることができて、NICUを退室できるんです。長く入院すればするほど、親もうるさく我がままになるし、おかしな苦情を言ってきたりする。こんなふうに考える看護師がNICUで働いているなんて、子供が長期入院している親が知ったら、いや他の人でも気分を害するだろう。でも、高度医療を提供する病院では、NICUに限らず一般病棟でも、その病院・病棟でなくてもいい患者が入院しているために、本当に高度医療が必要な急患を受け入れられないのも、どうにかしたほうがいいと思ったんです。それから、医師不足とか看護師不足とかニュースでみて、医療職者じゃない人たちはどう思ってるんだろう？誰か、私たち医師や看護師の激務を知って、もうちょっと働きやすいよう労働条件を考えてほしい。あのニュースが報道されてから、職場の現実を考える数日間でした。

  2008.10.25

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  がんばろう、新人ナース！

  このブログを読んでる人の中には、新人ナースの方たちもいると思います。看護師になって約5ヶ月。仕事はどうですか？緊張の連続で、毎日いっぱいいっぱいで、春からずっと突っ走ってきたんじゃないかな。プリセプターがどうだとか、師長さんがどうだとか、ちゃんと同期と愚痴ってますか？これ大事。かくいう私も、4月に今の病棟に異動したので、春から新人ナースの心境でした。仕事も人間関係も、慣れるの大変でした。いや、まだ慣れてないけど。未だに、知らない疾患の患者さんが次から次へと・・・。私は6月ごろが辛かった。異動を後悔したし、どうにか理由をみつけて辞めたいと思ってた。だけど、一人で泣いていた時、前の病棟で一緒にがんばっていた同期の子が偶然電話をくれたり、仲のいい先輩ナースとお茶して思いっきり愚痴ったりして、だんだん精神的に楽になりました。あんまり気にしなきゃいいんだけどね。きっと時間が経てば、そんな悩み、たいしたことじゃないって思えるんだから。去年、患者さんたちをみて思ったはずなのに。病気を抱えて生きてゆく人の悩みに比べたら、仕事の悩みなんて本当にちっぽけなものだって・・・。新人の時、私は9月下旬に夏休みをとって、仕事を忘れて海外旅行をする心の余裕ができていた。それまでは病棟でも家でも、精神的に休まることがなかったような気がする。10月頃には、看護以外に何か勉強したいなぁと思って英語の本買ったり、放送大学について調べてた。12月からは、フルートを習い始めた。秋からは、旅行にもよく行った。だから、いま辛い思いをしている新人ナースの皆さん。涼しくなって長袖を着る頃には、ちょっと余裕が出てくると思いますよ。もうすぐ、もうすぐ！なんて、私自信もね。明日、また何か嫌なことが起こるかも。休憩とれないほど忙しいかも。起きてから家を出るまでの、仕事前のあの気分、本当に嫌。だけど、一日一日をなんとか乗り越えていきます。新人さんも、一緒にがんばりましょうね！

  2008.08.21

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  最近ため息ばかり

  看護学生の時は、自分のホームページに月ごとに日記のようなものを書いていた。今でもたまに読み返すことがある。看護師になってからは、新しい世界で毎日いろんなことを感じていたのに、毎日いっぱいいっぱいで、それを文章にして書きとめる余裕はなかった。そして仕事にも慣れた1月、やっとこのブログを始めた。ブログは人に公開してるものだけど、私は基本的に自分のために書いている。旅の思い出とか、その時どんなことを思ったのか残しておきたいから。最近、看護師になりたてのころにどんな思いを抱いていたのか、書き記しておけばよかったなーと後悔する。だから今日は、本当は気にせず忘れちゃったほうがいいことだけど、嫌な出来事も書きとめておこうという気になった。4月に異動し、仕事にも徐々に慣れてきた。だけど今の病棟は、とても働きづらい。女の職場だからネチネチしてるし、噂どおり集中治療室って閉鎖的だし、ここでは普通のことでも私にとっては普通じゃないと思うことが多々ある。そして最近、先輩に意味不明で納得できないことを言われ、私の中の何かがちょっと変わってしまった。私が重症な患者さんを受け持つことになって、先輩にすごい迫力で「ここへ来て2,3ヶ月のあなたに受け持てるって簡単に思わないでよ。　甘くみないで！」と言われた。甘くみてなんかいませんけど。私何もしでかしてませんけど。じゃあそんな私に受け持たせなきゃいいでしょ？経験は少ないしまだまだ勉強しなきゃいけない身だけど、私の看護に対する姿勢や学んでいこうとする意欲は、誰かに批判されるようなことは絶対にない。今までの看護師としての私を知っている人なら、私がちゃんと仕事する人間だってこと、わかってくれていると思う。何か失敗しちゃったとか、もう3ヶ月近く今の病棟にいるのに、疾患がわかってないとか仕事が遅いとかなら、患者さんに危険が及ばないよう注意されるっていうのもわかる。でも、そうじゃない。新人のあんたが重症患者持ってできた気になるんじゃないわよ、というような、先輩ぶった人から変に威圧的な態度とられただけって感じだった。ちょっと前にも指導された時、私のせいで患者死んだらどーだこーだと、なぜかもう私が患者さん殺す話になってた。その時も私が何か失敗しちゃったわけじゃなく、注意してケアするように！という単なる警告みたいなものだった。なのにそんな言い方あり？って感じだったの。それを聞いてた前の病棟で一緒に働いたことのある先輩が、「Karinさんがどんな人間かも知らないのに、そういうこと言わないで！って思っちゃうのよね」って私に言ってくれた。そうよ、私のことよく知りもしないくせに。自分は私の質問に何度も答えられなかったくせに。今の職場は、前の病棟以上に看護の根拠や知識が必要とされてるから、普通だったら先輩に何か言われたら、「すっごく勉強してやる！」と思うのが今までの私。でも私、何かが変わってしまった。そんなヤル気も出ず、もうどう思われてもいいと思ってしまう。数ヶ月後にこれを読み返したら、きっと「なにくだらないことで悩んでたんだ」って思うかも。いや、本当に病んでるか？それとももう開き直ってるかな。

  2008.06.22

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  患者さんの「ありがとう」

  看護学校の1年生のとき、まだ実習がどんなものかも知らない頃、老年看護学の授業で教員に聞いた話を、なぜか突然思い出しました。その教員が、3年生の老年看護実習につきそって療養型の病院で学生指導をしてた時の話。ある学生の受け持ちの患者さん（高齢の男性、Aさん）は寝たきりで、一日中眠っていて、手はまるまって拘縮してきていた。そこの看護師たちはAさんに対して、保清や褥瘡予防のケアとかはもちろんしていただろうけど、特に刺激を与えるようなこともなく、どうせボケて寝てるだけでしょ、といった冷めた感じだったみたい。Aさんはいつも目も開けないし話しもしないけど、受け持った学生は、窓のカーテンを開けて「今日はいい天気ですよ」って話しかけたり、手浴や足浴をして、マッサージや関節を動かす運動をしてあげたり、いろんな看護計画を立てて、3週間毎日、献身的にケアしてたんだって。そしたら、Aさんのまるまっていた手がだんだんまっすぐになってきたという。でもAさんは、あいかわらず口開けてぼけーっと寝てるだけ。そして3週間の実習の最終日、学生がAさんに「3週間ありがとうございました」って言ったら、突然Aさんが目をカッと見開いて、「こちらこそ、どうもありがとう」って言ったんだって。学生もそばにいた教員も、ボロボロ大泣き。看護師たちに「Aさん、ちゃんとわかってますよ！ボケてなんかいないですよ！」って言いに行ったそうです。これ聞いて、私ちょっと泣きそうになった覚えがあります。ちなみに、その教員が違うグループの学生を連れて、数週間後に同じ病院に実習に行ったとき、Aさんの手はまた丸まって、ぼーっと寝てて、元に戻っていたんだって。学生の時は一人の患者さんだけを受け持って、3週間一対一でケアできるから、アセスメントから個別性を考えて看護計画立てて、いろいろ工夫していた。私も学生のとき、実習最終日に、受け持ちの患者さんに「ありがとう」って泣かれたことが二度ある。実習中どんなに睡眠時間が短くても、どんなに看護師が怖くても、教員がつっこみ激しくても、患者さんのそんな「ありがとう」に全てが報われる。看護学生の皆さん、がんばってね！

  2008.06.03

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  またあの音が聞こえる

  一般病棟で働いていた時、輸液ポンプの閉塞アラームが頻回に鳴る夜勤の後は、いつもアラームの音が耳に残っていて、夜勤明けに病院を出てもアラームが聞こえるような気がしてた。ナースコールをはじめ、心電図モニターのアラームや離床センサーと、病棟はいろんな音が鳴り響いていました。今いるNICUでは、急性期病棟なので全患者に心電図とサチュレーションのモニターがついていて、アラームも頻回。他にもシリンジポンプや人工呼吸器と、いろんなアラームが鳴っていて、はじめは誰の何のアラームかわからなくてキョロキョロしてた。アラームによっては、休憩室にまで聞こえてくるの。夜勤中の休憩も、全然気が休まらない。子守唄がわりに音楽が流れるおもちゃもあって、それを何度も何度も繰り返し聞いた夜は、ほんっと嫌になった。朝、うちに帰ってシャワーを浴びていたら、確実に、本当に、その音楽が聞こえてきたの。しばらくじっとしてたら、どこかから聞こえるっていうんじゃなくて、頭の中で聞こえてるって感じだった。あぁ、もう、うちにいても病棟の音にとりつかれてます!「ICU症候群」という言葉があります。ICUとは集中治療室のことで、術後や重症の患者さんがいる病棟です。ICUはあまり昼夜の差がなく、時間の感覚もなくなりがち。しかも、常に単調な機械音やアラームが鳴っている。点滴、尿カテ、酸素と、チューブだらけのこともある。こういった環境にいると、患者さんに不眠、不穏、幻覚などの精神症状が現れることがあり、ICU症候群と呼ばれます。最近思うの。あたしがICU症候群になりそうよ！！この日記を書いている今、朝5時。0時に寝たのに、2時から起きてます。夜勤が続くと、きまって明けの日の夜は眠れない。前の病棟のシフトは、夜勤が二日続くなんてことなかったから、明けの日に数時間昼寝しても、その夜は眠れて日中起きていられるようリズムを戻せていた。でも今は、続けて夜勤をすることが多いの。朝まで働いてたっていうのに、その日の夜にまた仕事に行くって、ほんっと嫌なものです。二日連続真夜中に活動していたものだから、体のリズムが狂っている。最近、もう病棟に住んでる気分。次の旅行は6月上旬に行こうと友人と相談中。それまで長いなー。体力、精神力、もつかしら。

  2008.05.19

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  忘れかけた普通

  今月から新しい看護をしている私は、いまは新米。だけど今まで看護師をしてきて、時々、私も変に看護の世界の人になってしまったなぁ、と思うことがある。看護師同士で困った患者さんのこと悪く言ったり、ブラックジョークみたいな不謹慎なこと言ったり。看護学生の時や新人の頃は、「看護師が患者様の悪口言ってる！」ってちょっとショックだったのに。最近では、処置中にぎゃーぎゃー泣いてる赤ちゃん見ても何とも思わず、ドクターの手元しか意識になかった日があった。手術前に末梢とAラインをとることがあって、針を刺された赤ちゃん、痛くて大泣き！大人でも痛いのに。小児で手背の静脈にルートをとる時は、手のひら側からライトを当てて血管を見つけます。私、「ああやるんだー」なんて興味津々で見学してたのよね。で、そういやあの赤ちゃん、すごい大声で泣いてたなぁ・・・、って後から思い出しました。「赤ちゃん、あんなに泣いて。針刺されて痛くてかわいそう！」って思うのが普通じゃない？私、そんな感情抱く前に、初めて見る処置の方に意識が向いて、赤ちゃんの叫びに耳を傾けてませんでした。これは良くない。ごくたまに、看護師は人の死に慣れそうで嫌、なんて意見を見聞きすることがある。確かに新人の頃、初めてエンゼルケアをする時、病室に入るのをすごくためらった。それがだんだん、お看取りがあっても、ちゃっちゃか準備やケアができるようになってしまった。私の場合、悲しんでいる家族を見てもらい泣きしそうになるということはあっても、患者さんに対してすごく悲しくて泣くということはなかった。けど、人間だもの、人が死ぬのに無感情ってわけじゃない。その患者さんとの会話や、一見元気そうに歩いていた姿や、他の患者さんと楽しそうに談笑している姿や、家族といるところなんかを思い出して、しんみりすることだってある。看護師になって、ステルベンがあるたびに、だんだんと普通であろう感情を抱かなくなってきたのは確か。でも人の死に慣れたんじゃなくて、ただ冷静に対処できるようになっただけだと思いたい。仕事には慣れても、人間として普通の感覚や感情を忘れないようにしないとね。人間相手に働いていくんだから。

  2008.04.16

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  異動、その後

  職場が変わってから、まだ半月しか経ってないなんて。新しい仕事には未だ慣れず、毎日緊張しながら常に焦ってます。前の病棟では早歩きで動き回ってたのに、今はあまり動かないので、体は楽になりました。異動してからなぜか便秘傾向なのは、運動量が減ったから？歩き回るよりじっと立ってることが多く、脚がむくみます。未だに簡単なことしかできないし、緊急入院で周りがバタバタしてても手伝えないので、そんな自分が何だかもどかしい。いづらい。こないだまで、たくさんの患者さん受け持って動けてたのに。たまに、ふるさとが恋しくなります。今日は、午前中とても忙しかったんだけど、周りからあれこれ言われて動いてたら、全てが中途半端でよけい効率がわるかった。私、自分のペースがあるもので。早く何でも一人でできるようになりたいわ。はぁ・・・。異動してきて、今までとの違いを感じることの一つが、患者さんの回転の速さ。状態が落ち着いたら、さっさと次の病棟へ送り出す。安定している患者が、治療しないで過ごしている場所ではない。どんどん患者さんが入れ替わって、「ここって、集中治療室だったんだ・・・」と実感します。内科の時は、患者さんの入院期間が長かった。例えば、脳梗塞の患者さんが急性期で入院してくると、意識レベルが回復してきて、嚥下食から普通食になって、点滴抜けて、リハビリして自分でトイレに行けるようになって・・・って経過を経るので、何週間も入院することになる。退院できそうな人でも、転院先がみつからないとか在宅支援が整ってないとかで、けっこう長く入院してたりする。中には治療してなくて、ただ生活してるだけ、みたいな人もいて。異動したら、毎日すごく勉強して寝不足になるんだろうな、って思ってたのに、私ときたら、疲れて毎日いっぱい寝てます。もっと勉強しなきゃいけないはずなんだけど、受け持ったことのない疾患のこととか読んでも、いまいちピンとこないんだもん。勉強しようと意気込んで、最近買った書籍代は3万を超えました。まだ１ページも読んだことのない本もある。買っただけで安心してちゃだめよね。さて、明日も日勤、がんばろ・・・（テンション低め）。

  2008.04.14

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  居場所がない・・・

  NICUで働き始め、5日勤終了。やっぱり新しい職場って、精神的にきついですね。今までの病棟と全てが違いすぎて、何もわかりません。動けてません。送りまでに終わりません。あぁ、自分の居場所がない。この5日間、「すみません」しか言ってません。何のアラームが鳴ってるのかわからず、きょろきょろしながら無駄に動いてます。やることなすこと誰かに確認しなきゃ動けないから、たいしたことしてないのに気疲れ。物品の置き場も、聞いたことない商品名も、パソコンやモニターの操作も、教わったそばから忘れていく・・・。そして次から次へと新しいことを覚えなきゃならない。新人のころを思い出す・・・。今はまだ業務やケアの方法や、物の名前と置き場を覚えるのにいっぱいいっぱいで、患児それぞれの病態も看護も理解してません。観察ポイントもわかってません。物は全てが小さく、挿管チューブも胃カテもすっごく細いし、点滴なんて微量のmgやmlの薬が、0.2ml/hとかでいってるのよ。ヘパリンなんて20単位とかだし！今までヘパリン10,000単位(10ml)、１バイアルまるごと混ぜることが多かったから、20単位って何mlか、まず計算に困った・・・。20単位＝0.02ml、うまくシリンジに吸えないんですけど。エアはじいたら飛んでっちゃうって。うわ～、赤ちゃんが泣いてるー！って顔がほころんだのは最初だけ。赤ちゃんは確かにかわいいけど、まだ心底かわいいって思える余裕がない。赤ちゃんに哺乳瓶でミルク飲ませるの、ちょっと嬉しかったのに、それどころじゃない。ミルクの飲みが悪い子をだっこしながら、自分の仕事のこと考えて焦ってます。「次の仕事できないから、お願い飲んで！　ぎゃー、サチュレーション下がった！　あっちの子もアラームなってる！」って感じで。ユニフォーム脱いだ後も、なんだか私、乳臭い・・・。こないだまで私、ノンストップで歩き回って、たくさんの患者さんのこと把握してたなんて、自分でも信じられません。一体どうやって働いてたんだっけ・・・？違う病棟に行って、いろいろ疑問を持ってわかった。最初に学んだ病棟の看護が、自分に染み付いている。昨日は患者さんたちに会いに、前の病棟に遊びに行っちゃいました。あー、癒されたわー。

  2008.04.06

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  新生活スタート

  春から新入学、新社会人、そして晴れて看護師となる方、おめでとうございます。期待と不安が入り混じった複雑な気持ちで、桜を見上げた方も多いことでしょう。私も今日から異動して、新しい病棟での仕事が始まりました。そこは、私にとって未知の世界、NICU！低出生体重児や心疾患の子が入院している、新生児集中治療室です。おぎゃー、おぎゃー！当たり前だけど、赤ちゃんたちが泣いてます。私、赤ちゃんと接するの、かなり久しぶり。NICUは、今までいた成人の内科病棟と全く違います。まず、狭い。蒸し暑い。ナースコールが鳴らない。見るもの全てが小さい。胃カテからのミルクなんて、シリンジポンプで注入だし。申し送り聞いても、何が何だかわからない。今日は患者は持たず、ケアを見せてもらって、物品の置き場や入院をとる仕組みなど、あれこれ説明されて必死にメモをとってました。ほんと、一日中ひたすらメモしてただけって感じ。一気に言われても、覚えられない。ムリです。同じ病院内なのに、別世界。15時頃から疲れてきて、窓から外見て「ああ、今までと景色が違うのね・・・」なんて、ぼーっとしちゃった。大丈夫かしら、あたし。でも、赤ちゃんかわいいからがんばるわ。今日から緊張と不安の新生活がスタートしたみなさん、一緒にがんばりましょうね！

  2008.04.01

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  2年間ありがとう

  今の病棟の最後の勤務が、今日で終わりました。昨日から今日にかけての夜勤でおしまいです。一回の夜勤はとても長いのに、あの病棟での2年間はすごく短く感じます。夕べは生命の危機は全くない落ち着いた夜勤でしたが、私の受け持ちはナースコールが多く、頻尿の患者さんたちのトイレに何度も付き添い、いかにもうちの病棟らしい夜を過ごして終了。患者さんの家族にプレゼントをいただいてしまいました。本当はダメだけど、異動する他のナースにも渡したと言われ、最後なので受け取っちゃった。この2年間、「もう嫌だ！」と思うこともあったけど、いざ病棟を去るとなると、不思議と良い思い出しか浮かんできません。いままで患者さんたちのおかげで、たくさんのことを感じさせてもらった。いろんな人間ドラマを見た。内科なので治療をしても治らない疾患が多いし、一人の患者さんの経過を通して、疾患の悲惨な進行を実感することもある。そんな中、うちの病棟の患者さんたちは、すごくがんばっている。私だったら、自殺したくなるような疾患の患者さんたちも、「おはよう」とか「ありがとう」とか、笑顔で言ってくれる。患者さんたちに癒されて、元気づけられて、毎日働くことができました。特に新人の頃は、まだ慣れてなかったから、小さなことでもいろんな感情を抱いた。ずっと食欲がなかったがんの患者さんが、麻薬の内服が始まったら疼痛が軽減して、たくさん食べられるようになった時、すごく嬉しかった。カーテンの向こうで患者さんと奥様が、もうその人のがんは治らないのに、「看護婦さんたちがあんなにがんばってくれてるんだから、きっと治るよ」って言ってるのが聞こえてきて、涙が出そうになった。夜勤のラウンドで、寝ている女性の患者さんのカーテンをそっと開けたら、いつも頭にバンダナをまいているその人の髪は、化学療法のせいでほとんど抜け落ちていて、なんだかショックだった。患者さん同士仲良くなって、一緒に朝日を見たり、ラジオ体操したりして、ちらっと見かけて微笑ましかったな。最期のお看取りの後、患者さんの家族にありがとうございましたって深々と頭を下げられると、いつもなんとも言えない気持ちになりました。退院指導やお看取りなどで、経験の少ない私が、プロの看護師として頼りにされたり感謝されることに少し違和感があったけど、反対に、患者さんやその家族にとって、私は病気や入院という人生の一大事に関わっている一看護師なんだ、って自覚できて、意欲にもつながった。嫌なことがあっても、患者さんと接する時は、私いつも明るく笑顔でいられた。もうあの病棟で働くことはないんだと思うと、なんか悲しいなー。今朝は、ナースステーションや窓からの景色を、目に焼き付けてきました。ちゃんと、自分の居場所があったあの病棟。仕事にも慣れ、いろんなことに気がつけるようになった。あと1年いればよかったかな、とも思うけど、この2年間私なりにがんばってきたので、後悔はありません。4月からは、全く違う環境で働くことになります。また新人、また一から勉強。今までの看護とは全然違うけど、興味のある分野なのでがんばります。

  2008.03.30

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  春から

  ４月から、他の病棟へ異動します。以前から興味のあった分野へ、新たなチャレンジです。新人の時のように、また緊張と勉強の毎日が始まります。桜の時期に、新たな決意をし、いろんな思いを抱くことになりそうです。異動を希望した理由はいくつかある。今の病棟での勤務に体力的に限界を感じたのもある。そして、仕事に慣れてくると、忙しさのあまりやさしさが失われそうで、このへんで初心に戻らなければと思った。一部の常識はずれな後輩に嫌気がさしたのもある。でも一番は、また新たに看護の勉強をしたくなったから。いろんな看護の経験をしたいから。今まで仕事はおもしろかったけど、この2年間、自分の目標みたいなものがみつけられなかった。もっと興味のある分野で新たに勉強したいという気持ちが消えなかった。自分で希望したくせに、いざ異動となると、これで良かったんだろうかとちょっと後悔もしています。居心地のいい今の病棟を去るのが、ちょっと寂しくなりました。新人ナースとして、一から学んだ病棟。この2年間、成人看護の基本的なことをたくさん学んだ。多くの患者さんや家族と会って、いっぱい話して、いろんな経験をした。同期の子とは気が合って、一緒に笑って愚痴言って、精神的に助けあえた。新人の頃、ベッドサイドで点滴の気泡をはじいてる時、「あぁ私、本当にナースになったんだ」って思ってたっけ。懐中電灯持って夜勤のラウンドをしてると、窓から遠くに東京タワーが見えて、なんだか嬉しかった。患者さんやご家族に信頼していただいて、一緒に話すの、おもしろかったな・・・。自宅でシャワーを浴びてる時や眠りにつく時、泣いた日もあったけど、あの病棟で働けてよかったです。私の看護師人生の、大切な一部となりました。今の病棟での勤務はあと二週間。できるかぎり患者さんにやさしくして、悔いのないようがんばります！

  2008.03.14

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  女性らしいナースのお仕事？

  この前、バッグを買いに行ったの。病院の研修資料とかフルートの楽譜など、A4サイズが入るバッグが欲しくて。「A4サイズ」といったら仕事の書類っぽいから、店員さんに「通勤用ですか？」と聞かれるのはいつものこと。私が見てるだけじゃなくて買う気あるのがわかったのか、ここの店員さん、ずっとついてきてやたら質問が多い。「書類持ち帰って自宅で仕事することもあるんですか？」とか、「普段はスカートが多いんですか？　だったらこれ合いますよね。あ、制服あるんですか？」とか。私の職業は会社員ではなく看護師なので、だんだん会話がかみ合わなくなってきた。うざったくなって、「私、看護師なんで。」と、放っておいてオーラいっぱいで言ってみたのに、店員さんは、「ナースさんですかー、ステキですね！」とか何とか。私は店員さんとか美容師さんとかとできるだけ会話したくない人間なので、こういうの何だか疲れます。結局迷いに迷ってバッグを購入。レジでその店員さんは、他の店員に私のことを、「かっこいいですよー、ナースさんですって！」なんて言っていた。そして、「女性らしい仕事ですね。」って。そんなの適当に話合わせておけばいいのに、私ったら首かしげて、「え・・・？体力勝負って感じですけど」なんて言ってみました。うーん、なんだか複雑な気分。看護師に良いイメージを持っていただいて嬉しいような、私たちの現状をわかってもらえていない悔しさを感じるような。ADLが低い患者さんが多い私の病棟の仕事は、本当に体力勝負！って感じです。確かにサービス業の女性ように、患者さんに笑顔で接してはいるけど、女性らしいって感じじゃないなぁ。実際、うちの病棟の患者さんは、「ここの看護師は、女子プロみたいなのが多い」と言っていた・・・。私はワンピースタイプのユニフォームを着ることが多いんだけど、患者さんを車椅子に移乗する時なんて、「ちょっと失礼」とか言って、スカートややまくり上げ、脚広げてふんばってます。大きな患者さんのベッドからストレッチャーへの移動は、「１，２のさーん！」って、女数人ですごい馬力を出します。数時間ごとの体位変換だって、かなり体力使います。一般の人から見たら汚いと思うものも、看護の大事な観察ポイント。時には手や服にブツがついちゃいます。そしてあまり気にならない。（のは私だけか？）女性らしい仕事、なのか・・・？「看護婦さん」がやさしく笑顔でのんびり検温にまわり、時には車椅子を押して屋上を散歩、かっこいいドクターの話題をしながらお茶タイム・・・なんてどっかのドラマのような姿を想像しているとしたら、それは違いますよねぇ。そういうことも、職場によってはあるかもしれないけど・・・。正直に言うと、看護師になってから、「看護師は他の仕事とは違うのよ、すっごく大変なのよ」と、ちょっと変な意識を持ってしまいました。その変なプライドのせいで、私の仕事を理解してくれない男性とは、例えお互いに好意があってもうまくいきません。もちろんどんな仕事だって大変で、ストレスいっぱいなのは知ってます。私も会社員してて、泣いた日もあったし。看護師が女性らしい仕事なんて、思ったことないわ。もっと男性看護師が増えてほしい。さて、明日も浣腸、陰部洗浄、移乗に体位変換と、どこが「女性らしい」のかわからぬケアを、汗かき化粧くずれた顔でがんばってきます！

  2008.03.11

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  除霊されたナース

  今まで数々の患者さんに出会い、おもしろいことがいっぱいありました。中でも一番印象に残っているのが、ベッドサイドで私の除霊をしてくれた患者さん。まず、カルテの職業欄の、「霊媒師」ってのを見て驚いた。この男性、人の前世がわかるという。いろんなドクターやナースの前世をみてあげていた。私の前世は沖縄の踊り子で、宮廷の王の前で踊っていたらしい。・・・いまいち信じられない。私は顔立ちがはっきりしている方なので、他のナースは、「それ、顔で言ってるよ」と言って笑ってました。他にも前世が韓国人と言われたナースは、そんなような顔をしているし。うさんくさーい・・・。この患者さん、前世以外にもいろいろわかるらしく、「私、将来結婚できますか」と真剣に相談している女医もいた。きっと同室の患者さんたちは、「ここの医者と看護師、何やってんだよ!?」とイラついていたに違いない。ある日、日勤後に一緒に食事に行くはずの先輩が、この患者さんのところからなかなか帰ってこないので様子を見に行ったら、案の定彼がまた前世の話をしてました。そして私もつかまり、「今日も疲れた。右肩がこってる」なんて思いながら、先輩と二人ベッドサイドに突っ立って、長々と彼の話を聞くはめに。そしたら患者さんが私に、「右肩に男の人がのってる」なんて言い出したの！「えぇっ!?私さっきから右だけ肩がこってるんです」って驚いたら、「そりゃそうだよ。良くない霊だよ。」なんて言われちゃった！やめてよー、怖いじゃないのー！普段はそんな話信じない私も、ちょっと動揺。そしてこの患者さん、いきなり病室で除霊してくれました。私の手を握り、呪文？念仏？そしてピシピシ私の腕をたたき、最後にシュッ！シュッ！って。？？？何だかわからないけど、どうやら私にとり憑いていた男の霊は去ったらしい。「どうだ、肩軽くなっただろ」と聞かれたけど、別に・・・。「えと、いや、あんまり変わってないかな？」なんて、ばか正直にかわいそうな事を言ってしまったわ。患者に除霊されたナースなんて、そうそういないでしょう。いまいち信用できないけど、本当に除霊してくれたのだとしたら、どうもありがとう・・・。琉球の踊り子は、あした前世の故郷、沖縄へ行ってきまーす！

  2008.03.03

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  キュッとフィット！

  様々な看護業務の中でも、好きな仕事と嫌いな仕事がある。私の嫌いな仕事の一つが、患者さんに弾性ストッキングをはかせること。弾性ストッキングとは、下肢の深部静脈血栓予防のために、オペ後などの患者さんにはかせる強力な引き締め効果のある靴下のことです。これ患者さんに履かせるの、一苦労なのよ。静脈のうっ滞を予防するため締め付ける力がすごくて、かなり力をいれないと伸びないから、なかなか履かせられない。かかとさえ定位置に入ってしまえば後は楽なんだけど、そこまでが大変なの。学生の時も整形外科の実習で、オペ後の患者さんに慣れない弾ストはかせるの毎回苦労した。しかもその時の受け持ちの患者さんの場合、下肢が内転･内旋しないように気をつけなきゃならなかったので、よけい大変。必死にはかせてたら汗だくになってしまって、患者さんに驚かれてしまったことがある。ナースになった今も、たいして変わってないわー。看護師は一日中歩き回って仕事してるから、脚がむくんでしまう人が多い。私も例にもれず。友人が、サポート力が強い市販の靴下はくより、患者さんと同じ弾ストを使い始めたらすごくいいというので、私も早速買ってみました。しかもうちの病院の売店で。4000円とお高いんだけど、高いだけはある。下腿全体がぎゅーっと引き締まって、「むくみよ、さようなら」って感じ。これからは海外旅行の時に、弾スト機内に持ち込みます！

  2008.03.01

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  やっぱりこの仕事

  夜勤から帰ってきて今朝シャワーを浴びていたら、ナースコールと輸液ポンプのアラームの音が聞こえた・・・。お疲れ様、自分。最近、院内で研修がありました。グループワークもあって、研修内容とかけ離れた雑談で盛り上がって、ちょっとした愚痴大会。他の病棟のナースと話すのはおもしろい！近々仕事を辞めて、留学を予定している人もいてうらやましかったです。私ももう一度留学しようと思っていた時期はある。でも今から出願に必要な勉強して、十分な資金を貯めて留学して、日本に帰る頃にはかなりいい歳になってしまう。強い留学の希望もないんだけどね。何も外国にいかなくても、勉強したいことは日本の看護にたくさんある。OLの時は特に成長することもなく、留学資金貯めるための仕事ってわりきってたけど、今はたとえ何か目標があって貯金してたとしても、お金のための仕事とは考えられない。しょっちゅう新しいことに遭遇するから、勉強しなきゃいけないことがたくさんある。失敗や経験を積むたび、ちょっとずつ成長してきている。私は時々、いつもがんばっている自分にご褒美をあげる。来月また、ひとり旅します！

  2008.02.27

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  家族の負担

  昨年末からやっている、日本医師会のCMをご存知ですか。私はつい最近、初めて見ました。思わず、じっと食い入るように見てしまった。心にズシリときた。他人事ではなく、この現実を実感している人が、日本にはごまんといるのでしょう。医師会のホームページで検索したら、「長期療養病床編」というらしい。CMの内容（患者の妻）退院？うれしくないですよ・・・。食事だって食べられないのに・・・。（ここで経管栄養中の胃瘻が映る）次の病院ですか？全部断られました。毎日の医療処置を素人の家族がやるんですか。（車椅子を押す妻の後姿）長期療養患者の半分が、5年後までに強制退院させられる。医療費抑制によるベッド数削減に異議を唱えたい。日本医師会です。「日本の医療制度が今、病んでいる」看護学生の時、療養型病床群や介護老人保健施設、訪問看護の実習で、いろいろ感じました。そしてもちろんナースになってからは更に、患者や家族の今後を思う。このCMの伝えている事とはちょっと違うけど、「退院後、家族の負担が大きいだろうな」と思うことがしょっちゅうある。昨日も、胃瘻を造設した患者さんの奥様に、経管栄養の退院指導をしたばかり。1日3回の経管栄養と薬の注入、不眠に不穏に、夜中の大失禁。今日その患者さんは退院。訪問看護師が週に2回、1日1時間来てくれたって、この奥様の負担はたいしてかわらない。最近、妻を困らせる男性の患者さんが立て続けに入院してた。家族は病院に通い、在宅療養に向けて経管栄養だの吸引だの、ナースの指導を受けてがんばっていた。だけど、夫の心無い言葉に泣いている妻もいる。病気のせいでそういう態度をとってしまうんだろう、とわかってはいても、きっとすごく辛いと思う。自分が結婚したら、将来献身的に夫を介護できるか？その前に、そんな将来も覚悟して結婚できるか？って先輩と話してました。

  2008.01.28

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  狙って、ぶすっ！

  今日は夜勤明けです。夜は銀座へお出かけ。夜勤明けに外出するの、久しぶり。最近、明けはぐったりして寝て過ごしてましたから。ここ2ヶ月手のかかる患者さんが多かったので、大先輩ですら夜勤がきつく、「あたし何時間イスに座ってないの!?」「膀胱破裂しそう！」なんて会話を繰り返してました。明け方にはやさしさが失われ、無表情になってくる。そして朝になると、怒りの矛先が師長さんへ向かう・・・。先輩に混じって、私もやんややんやと師長さんに愚痴ってました。最近かなり食べてばかりいるのに、カロリー消費が激しいらしく、全然太りません。東京では昨日、めずらしく雪が降りました。雪景色を見て患者さんと話しながらのお仕事は、会話が弾んでなかなか楽しいものでした。病棟ではエアコンが効いているうえずっと動き回ってるので、外が雪でも私はかるく汗かいてましたけどね。最近の夜勤でちょっと楽しみなのが、朝の採血。「今日は採血が多いわ」って日は、意識のない患者さんのモーニングケアなんて5時前からやってしまう。コールの多い寝たきりの患者さんがしばらく呼んでこないよう、一度の訪室で吸引、体位、アイスノンなど、ばっちり環境を整えておく。採血にあてる時間を十分に作るために、いつも以上に巻きでいく。私、ナースとしてのキャリアはまだまだだけど、採血はけっこう得意な方だと思うの。真剣に吟味した血管に狙いを定めて針を刺し、赤黒い血が引けた時、「よしっ！」と変な快感があって好きなのです。ブスブス刺したい。うちの病棟では、採血に2回失敗したらドクターに頼むというルールがある。だけど、「○○さんの採血失敗しちゃって～」と言っているナースがいると、でしゃばって私が代わりに挑戦してます。今朝も頼まれて採ってみたら、一発で成功！刺される方はたまったもんじゃないだろうけど、私は朝から気分がいい。（ひどい看護師）私は翼状針派。たまに患者さんのお肉をはさみそうになる、ピンチつき駆血帯を腰からぶらさげてウロウロしてます。看護学校の授業で学生同士で採血した時、手が震えていた自分が懐かしい。

  2008.01.24

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  今日も掘ってきました

  芋ではありません。患者さんの便です。私がしょっちゅうするケアの一つ、摘便。私の病棟では自律神経障害や麻薬の副作用で便秘になっている患者さんが多く、摘便はかなりの頻度で行われています。今日の日勤でも、6日分の便がGEかけても全く出てこない人の肛門に指入れて、うさぎちゃんのような硬便をがんばって掘ってきました。コロコロ出るわ出るわ、ちょっと夢中になってしまった。看護や介護に携わっていない人って、摘便を知ってるもの？私は摘便なんて行為、昔は全く知らなかった。23歳くらいのOLのころ、何となく看護師になりたいな～って思いはじめて、看護師が書いた本をよく読んでいたの。宮子あずささんの『看護婦だからできること』という本の中に、「下の世話にもいろいろありますが、私が最も好きなのは、摘便。直腸にたまったかたい便塊を指でかき出すこの摘便は、いったん始めたが最後、時に時間を忘れて熱中してしまいます。」とあって、初めて摘便を知りました。指を一生懸命伸ばして、紙おむつにかき出してはなすりつけ、出せるだけ出す、とか書いてあって。人の肛門に指入れて、便を出す・・・・・？？？ショックというか何というか、びっくりした覚えがある。当時、内科や外科で働いていた看護師の母にこの話をしたら、「よくやってるよ。不思議なことにね、便を全部出してあげると、お母さんまですっきりした気分になるのよ」って。お母さん・・・・・。驚きました。摘便という行為自体にも驚いたけど、私の母が仕事でそんなことまでしてたとは。その頃は、看護師の仕事ってよく知らなかったし。会社に行って、看護の仕事には摘便というものがあって、うちの母親もその摘便をしてるらしくて、そんな大変な仕事しながら育ててくれた母に感謝、なんてみんなに話してたっけ。当時は、オフィスワークをしていた私。「看護婦さんって大変ね。私にはちょっと無理」って思った。他人の下の世話なんて、あの頃の私には想像できなかったもん。そんな私も、今では摘便のプロ。ディスポの手袋を二枚重ねにして、さぁいくわよ、とちょっと気合を入れて摘便開始。直腸内に何も触れなくなるまで大量の便をかき出すと、私までスッキリした気分になるのはなぜだろう。

  2007.12.22

• ナースとしての今、これから

  今日、師長さんに異動届を出しました。師長さんには前から異動したいって話してあって止められてたけど、数日前に自分の考えを伝えて、今日、異動届を提出しました。今の病棟で私は来年プリセプターの予定だし、せっかく育った人材を師長さんが手放したくないのはわかってるけど。ダメでもともと。決めるのは看護部。異動希望先の病棟は常にナースが定員に足りてないようなところだから、チャンスはあると思う。（どんだけナースに人気ない科だよ!?）今の病棟は二交替で、希望先の病棟は三交替。この歳で今から三交替はキツいけど、夜勤できるのもあと何年？今のうちにがんばっておこう。それに、三交替の方がお給料いいし。私には将来やりたいことがあって、そのための経験が欲しい。今の病棟でもいろいろ学べる。だけど、私にはもっと学んでみたい看護があるんです。今の病棟では、学校で学んだことの全てに近いくらい、いろいろ経験できたのはラッキー。だけど、あと1年今の病棟にいても、自分が成長するとは思えない。広く浅くは学べても、ある看護のスペシャリストにはなれないもの。私は今年、まだ2年目ナース。まだまだわからないこと、気がつけないことがたくさんある。自分がまだできてないってことは、私が一番よくわかってる。勉強不足もあるけど、やっぱり経験から身につくことって多いはずだし。今の私は、自己学習で自分の引出しにいろんな知識をつめこんだとしても、ちょうど必要な時に必要な引出しが開けられない、って感じ。で、後からあれも観察するべきだった、あの症状からあれが予測できなかった、って後悔するの。私は「この人はできる」と思っている先輩たちから、こっそり知識や技術を盗んでる。いい先輩と勤務が一緒だと、それぞれ受け持ちの部屋に行ってて出会わない時間が長いけど、それでも学べることがある。自分が新人だった去年は、特にそうだった。だけど今年は新人さんと組むことが多くて、中には看護師以前に大人として非常識な新人もいて、学ぶどころかイライラする日も多かった。今年はうちの病棟に通常の3倍くらいの新人さんが入ったから、てんやわんや。まだ2年目の私も、「新人の面倒みろ、みろ」ってそればかりで、自分の学びが少なかった気がする。一度、「なんで2年目の私がそこまで責任を？そこ、こだわるポイントじゃないでしょ？」って納得できないことで怒られて、その夜勤明けの夜にスタバでポロポロ泣いちゃった。しかも旅先の京都でよ！そんな私だけど、新人指導については先輩にちょっと信頼されている。でも褒めてもダメ。私はヤル気のない子に教えるほど心が広くない。最近は疲れたので、新人の態度がおかしくても中途半端でも、もう放っておいている。言っても心に響かないんじゃ、指導するだけ無駄かと思えてきた。4月から、私はどこでどんなナースになってるんだろう。希望通り異動できて、新しい仕事と人間関係に毎日緊張して、家では勉強に追われてるかな。いや、今と同じ病棟にいそうな予感、大ですが・・・。だけどもし異動することになったら、今の病棟を去る時きっと悲しくなると思う。うちの病棟の患者さんたち本当にがんばってるから、私だったら自殺したくなるような病気になっても、それでも笑顔で話してくれたりするから、今まで会った患者さんたちの顔を思い出して涙が出ると思う。新人ナースとして、失敗も、感動も、憤りも、一つ一つの経験を積み重ねてきた病棟だから、これからいくつか勤務先が変わっても、ナースになって一番最初に働いたこの病棟はかなり印象深い存在になるんだろうな。人って最初の就職先のカラーに染まる部分があると思うから、私の看護の基本はこの病棟にあるのかも。来春異動できなくても、私にはちゃんと居場所があって、一生懸命になれる仕事があるんだから、幸せなことだよね。多分来年、今以上にグチりまくるのは予想できますが・・・。とにかく今日は異動届を出すことで、今の状況に満足してないってことをアピールできただけでも、少しスッキリした。

  2007.12.11

• 看護師のイメージって？

  看護師といえば、どんなイメージを持っていますか。看護職についていない人からは、どんな風に思われているんだろう。白衣の天使とか、やさしいとか？テキパキしている、献身的、または、人の死を何とも思わない、など？性的対象としても考えられがちよね。私のブログを訪れる楽天ユーザーにはポルノサイトが時々あって、「“ナース”で検索したらここに来ちゃったのかしら？　残念でした！」と思う。バーで声かけてきた男性が、私が看護師だとわかると、「いま白衣持ってる？」って聞いてきたこと数回あり。何を期待しているのかオトコたちよ・・・。今の私が抱く看護師のイメージは、勉強熱心で向上心があり、やさしくて患者さんのために一生懸命。これが、私が出会うナースの姿だから。（一部の人を除く。）看護学生の勉強量もハンパじゃないし、実習も泣くほど大変。仕事をしながらも勉強が必要だし、こんなにきつい勤務をこなしながら、みんな患者さんにはとてもやさしい。そしてもっといい援助ができるようにとか、異動して新しいことを学ぼうとか、認定看護師や専門看護師になりたいとか、勉強熱心な人が多い。この前、医療と関係ない仕事をしている友人が、「うちのお姉ちゃん看護師なのって言うと、　学歴ない人って思われちゃかわいそうだから、　普通の大学出てから看護師になったんだよ、って言ってるんだ。」と話していた。私も大卒だから、何の悪気もなく看護師の私にもこんなこと平気で言ったのかもしれないけど、私はけっこう傷ついたよ、これ。この友人のお姉さんというのは私の看護学校の先輩で、27歳で入学して首席で卒業した、密かな私の心の支えだった人。看護師って、世間の人からは頭悪く思われてるのかな。大卒だと、それだけで頭良く思われるのかな。とっても残念。大卒だと、そんなにすごい事？大学を出なくてもなれる看護師は、レベルの低い職業？私は大学の文系学科と、看護の専門学校の両方を経験した。勉強の内容が全く違うにせよ、私にとって看護学校を卒業することのほうが何十倍も努力が必要だったから、世間にそんなイメージがあると思うと悔しい限りです。学科によって違うと思うけど、私の大学の友達で猛勉強していた子はいなかった。看護学校の友達は、睡眠削って勉強に実習に、みんな本当にがんばっていた。でも考えてみたら、私も昔は違ってたかも。高校時代、生徒会長をしていた国立クラスの女の子が看護短大に行くって聞いた時、「あの子頭いいのに、もったいない」って思った記憶がある。（15年前、看護大学は少なかった。）看護師という職業に、知的なイメージというのは持っていなかった気がする。最近は、看護職も学歴社会になりつつあると聞きます。私の職場には大卒の看護師が多く、有名大学の看護学科出身の人もいるけど、専門卒のナースと何も変わらないわよ。社会人としての常識があるか、仕事ができるか、患者さん思いであるかなどは、学歴と全く比例していない。もともとの性格とか看護に対する考え方とか、ちゃんと根拠を考えて援助しているかによると思う。少なくとも私の職場では、大卒ナースの方が良い看護ができるということはない！と言いきれる。最近、リンクしているたび猫さんのホームページで、驚くことがありました。掲示板に、看護師の女性から、「看護師だからという理由で、医師である彼のご両親に結婚を反対された」っていう内容の書き込みがあったの。彼のお母様に、「汚いものも汚いと思わない、他人の陰部を見ても平気でいられる、そんな神経の方に家に入って欲しくない」って言われたらしい。それを読んで私はほんっとにビックリした！かなりショックです。一般的に考えて、医者の親が、嫁の学歴や職業を気にするのはわかる。でも、看護師をそんなふうに考えるなんて、あいた口がふさがらない。私は浣腸も摘便も、オムツ交換も陰部洗浄も、もう慣れてしまって確かに何とも思わないところがある。むしろ、ADLが低い患者さんや麻薬を内服している患者さんが多い私の病棟では、排便コントロールはとても重要だし、摘便した後なんて私までスッキリした気分になる。だけど、それって軽蔑されるような事？この驚きの書き込みに対しては返信が多く、ちょっとしたバトルが繰り広げられてて、読んでて気分悪くなっちゃった。匿名性を利用して人の気分を害するような事を書く人が多くて、恐ろしいです。もしかして、私の病棟の患者さんやドクターたちも、私たちナースのことを低レベルの職業って見てるのかな・・・？そういう雰囲気は感じないけど・・・。もしそうだとしたら、とても悔しいし悲しい。私は看護師という仕事が好きだし、プライドを持っています。看護師になって、本当に良かったと思っています。今まで考えたこともなかったけど、もしかしたら知人は私を、看護師である今より、大手企業のOLだった時の方が、できた人間であるかのように見ていたのかもしれない。だけど私は、看護師である今の自分自身の方が、何倍も好きです。

  2007.11.01

• 人工呼吸器のお勉強

  私の病棟では、人工呼吸器を装着した患者さんが時々入院する。ICUなどと違ってたまにしか受け持たないから、今まで呼吸器についての知識はあいまいなまま、その場しのぎでなんとかなっていた。機種は、主にサーボと在宅用のLTV。自発呼吸のある方ばかりなので、モードはSIMV、A/C、PSVにしかお目にかかったことがありません。人工呼吸器についてまともに勉強したのは新人のとき、4月や5月に勉強したっきり。だけど最近、再び人工呼吸器の勉強をしています。2週間前の京都旅行の帰りは、東京駅に着いてすぐ、近くの丸善へ直行。本屋が開いているうちに行けるよう帰りの新幹線を選んだ。（本当はもっと京都にいたかった！）人工呼吸器の本を一冊買い、翌朝は4時起きで勉強。その日の日勤では久々にサーボを使用している患者様を受け持ち、朝の勉強のおかげでちょっとは自信をもつことができた。家では集中できないので、休みの日にお茶しながら勉強している。昨日は休みだったので、フルートのレッスンの帰りに本を買い、スタバ２件はしごして勉強。人工呼吸器を装着している患者さんを受け持っても、何も突発的なことが起こらなければ、そんなに勉強しなくても一日の仕事は勤まるかもしれない。だけど私は、当たり前だけど、いろんな事をちゃんと理解して把握していないと怖いのです。モードについて理解するのはもちろんのこと。気道内圧が高くてアラームが鳴ったから、とりあえず吸引、っていうんじゃなくて、即座にいろんな要因をちゃんとアセスメントできるようになりたい。どんな合併症が起こりえるか、何を観察するか、どうすれば予防できるか、勉強したらちょっとおもしろくなってきた。合併症について、新人の時は、どうして頭蓋内圧亢進が起こるのか数週間悩み、最近は、なぜ消化管出血が起こるのか調べるのにネットで数時間費やした。こういう合併症がありますよ、って書いてあるのを読むだけじゃなくて、どうして起こるのか根拠もわからないと気がすまない。もちろんそれが普通だろうけど、私の周りには、いろんな点で根拠がわからず看護しているナースもいるのです。仕事中グラフィックモニターを見て、「あ、PEEPより一瞬圧が下がった。今自発呼吸のトリガーだ。」など考えながら、病室でじーっとモニターを眺めている。知識が増えてちょっとずつわかってきたら、前より自信をもって仕事ができるし、おもしろくなってきた。肺のコンプライアンスのこととか、関わったことのないモードのことは、まだまだ知識不足。今すぐ必要じゃなくても、勉強しておかなきゃ。いつ先輩につっこまれるかわかんないし。私が人工呼吸器について勉強するうえで、役に立ったものを紹介しておきます。ホームページ「克服！人工呼吸器」わかりやすい！新人の時は大変お世話になりました。プリントアウトして、マーカーひきながら何度も読んだあの頃・・・。そしてこのホームページが本に！『ナースのためのやさしくわかる人工呼吸ケア』ナツメ社　ホームページの内容＋他にもたくさん。『教えて！先輩　換気モードをらくらくマスター　　　　　　　　　　　　人工呼吸器の基本』MCメディカ出版　基本的なモードについては、この一冊でかなり理解できます。先輩ナースが新人に教える漫画を交えてあっておもしろい。

  2007.10.14

• なかなか決心ってつかないもの

  夕べは東京湾の花火大会に行ってきました。すっごく蒸し暑くて、浴衣を着るのを断念。レインボーブリッジの上に見える数々の花火、最高でした！あのドーンと胸にくる音もいい。近くにいた外国人が耳を塞いでたのを見て、「花火の良さがわかっとらーん！」って思っちゃった。意外と浴衣を着た女性が多かったな。やっぱりいいよね～、浴衣って。私も着とけばよかったかしら。一緒に行った友達と、もう少し涼しくなったら、浴衣で浅草にでもお茶しに行こうと話してました。きっと気分が全然違うはず。話は全く変わりますが、今日の日勤では受け持ちのステルベンがありました。「もうだめだ」と言って泣いている奥様に、「耳は最後まで聞こえてるので、お声をかけてあげてくださいね」と、看護学校の授業で習ったそのまんまの声かけしかできなかった。患者様の奥様がずっと話しかけていた。お孫さんや親戚など家族が大集合して、みんな泣いていた。私も少し涙ぐみながら点滴を更新した。呼吸回数は一分間に10回以下で、下顎呼吸。奥様が話しかけて、患者様の顎がガクッとなった時、奥様が「今うなずいたよ、わかってるんだね」と言っていた。私はそうじゃないと理解しているものの、一緒にうん、うんって奥様に同意した。患者様が亡くなる直前、奥様が「結婚して、長い間一緒に生活してきてくれてありがとう。孫たちがいい人と結婚できるように見守ってておくれ」と言っているのを聞いて、とっても不謹慎なのはわかっているけど、「家族っていいな」と思ってしまった。それにしても、この数日間の浮かない気持ちはどうしようもない。「どうしたんだ私、こんなに仕事やる気なくなっちゃって。将来やりたかったことはあきらめちゃってるし。がんばれ、がんばれ！」と自分に言い聞かせる。仕事をしながら助産師学校の受験勉強をすることも考えた。でも、今の仕事をしながら、母性看護学とか小児看護学を勉強するのはキツイ。今の職場の経験が2年ていうのも少ないし。助産過程の大学・大学院への移行に伴い、一年制の助産師学校はどんどん廃校になっていて、時間もお金も余裕のない私には助産師になることがますます難しくなってくる。このまま看護師でもいいような気もするけど、いつかまた新たに勉強したくなったり、行き詰まったりするだろうな。やりたいことがあるなら、早めに行動にうつすべきか、「石の上にも三年」で、今の職場でもっとがんばるべきか。実は助産師になりたいというのは自分の中の口実で、毎日仕事が大変だから、逃げ出したいだけなのかな。どうしてこんなに焦っているのかというと、私の勤め先、退職できるのは年度末の3月のみ。その辞表を8月いっぱいに出さなければならないのです。早すぎでしょー。8月に退職を申し出た人の分だけ、9～10月に新卒を採用するという仕組み。まだ決心つかないって・・・。でも今辞めなかったら、あと一年半は何も進まない。ナースになろうと思った一番のきっかけは、「専門知識を持って国際協力活動に参加したい」と思ったこと。ナースになったものの、今の私に一体何ができる？このまま今の病棟にいても、学べることもあるけど、なんとなく将来につながらない。将来助産師になって数年経験つんで、母子保健分野で国際協力に参加できたらいいな。やりとげたら、一体私はいくつになってるのかしら・・・？近いうちに、助産婦だった祖母のお墓参りに行ってこよう。私は小さい頃祖父母と一緒に住んでいたので、お盆になると祖母と一緒に迎火や送火をたいたり、祖母が精霊馬（しょうりょうま：ナスやきゅうりにマッチ棒をつけて動物にみたてたもの）を作って仏壇に飾っていたのを思い出す。

  2007.08.12

• 女31歳の将来

  昨日、サンフランシスコで留学していた時に、一緒に老人介護のバイトをしていた日本人の友達Hさんと、数年ぶりに電話で話しました。彼女は留学前から介護福祉士をしていて、今も日本で認知症の高齢者の介護をしている。私がHさんへのメールで「もう何にもやる気が起きない」とか、仕事のグチを書いたものだから、Hさんから即電話がきた。いつも前向きに見える私が、そういう事を書くなんて意外だったらしい。（どんな風に思われてたんだろ、私？）Hさんは職場のスタッフの考え方に対してとか、今どきの若い子との世代の差とか、私と似たようなことを考えていて、「そう、そう！」って盛り上がってしまった。彼女はもう一度海外で生活したいという。だけど次は、前回の留学と同じにはしたくないらしい。同感！！実は私も、もう一度海外で何かをしたいと思っている。それが国際ボランティアなのか、大学院留学なのか、アメリカでナースになることなのか、なんだかはっきりしない。日本でも看護師は不足しているし、私が役に立てる場はたくさんあるのに、どうして日本ではなく海外なのか？という自問自答を繰り返す。中途半端に助産師になりたいという夢も捨てきれないので、将来設計が全くできない。『ナースのための進学・資格・留学・ボランティア』というような本を買って、いろんな人の体験記を読んでます。Hさんと私は同い年なので、「私たちの年齢って、ちょうど仕事や将来を真剣に考える時期なのかな～」ということでまとまった。私達、31歳、りっぱな大人。そろそろ自分の将来が明確にみえてきてもいい頃なのにね。最近、仕事で受け持ちがキツイんです。７：１看護になったのに、何なのこれ。その検査の人とあの部屋と入院を同時に持たせるなんて、ありえない！って朝からイラつくこと多し。今日もぐったりです。他の病院で働いていたナースは、ここの激務と有給のなさに驚いています。忙しいのはどこも変わりないだろうけど、うちのフロアーが一般病棟のわりに全体的に重いのよね。うちで4年以上働く人は少ないので、何年も働いている先輩達に、私は最近「ホントにすごいですね」と言っている。看護の仕事は好きだし、患者さんと接するのも好き。だけど、最近なんだかやる気がない。今、ナースとして目標がないんです。体力的に疲れた。他のスタッフのことで、納得できないこともある。自分が何をしているのか、よくわからなくなってきた。これが私がなりたかった看護師なんだろうか・・・？看護学生の時は、看護師になるっていう大きな目標があった。嫌なことがいっぱいあっても、つらくても、とにかく看護師になるために頑張れた。看護師になり新人の時は、すべての処置やケアを覚えて、たくさんの新しい事を覚えていくのに必死。気がつけない点もたくさんあるから、ミスしないように、次の勤務の人に迷惑がかからないように、ってたくさんのことが気にかかる。毎日無我夢中って感じだった。そして今、うちの科で必要な一通りのことができるようになって、どんなに忙しくても、いろんな事を同時進行で行えるようになって・・・。それでやりがいを感じるというよりは、毎日の仕事をただ“こなしているだけ”という気がする。不満を押し殺しつつ激務に耐えて、得た収入で旅行に行くことだけが楽しみだなんて、これではお金のためだけに働いているみたい。まだまだ未熟な2年目の私。何年も看護師をしている大先輩がこれを読んだら、お叱りを受けそうですね。OLの時、私は希望の会社に勤めることができて嬉しかった。だけどそのうち、どこの企業で働くかよりも、その会社で自分が何をするかが大事なんだって思った。今、全国でも有名な病院に勤めているけど、OLの時と同じことを繰り返しているような気がする。

  2007.08.07

• バーンアウトぎみ

  4月になってから、2年目ナースになった私。まだ1年ちょっとしか働いていないというのに、既にバーンアウトぎみになってきました。普通はもっと年数働いた人がなる症状なんでしょうけど。原因は、自分自身のことというよりは、社会人として、看護師として、いや、人としてなってない一部の新人ナースのせい！！今日は、思い切りグチらせていただきます。看護学生の頃、私は変わった。疾患や看護の勉強をして知識を得ただけじゃない。患者さんのことを想って、考えて、いろんな事に配慮できるようになった。ナースになってもそれは忘れないように、いや、もっとできるようにしようと思っている。私が新人ナースの時は、「すみません」が口癖。先輩の声かけには、「大丈夫です」「ありがとうございます」を連発。入職したての4月なんて、「いるだけ邪魔ですみません」くらい思う勢い。毎日緊張して、いっぱいいっぱいだった。効率が求められる勤務の中で、自分の思うような看護ができない葛藤あり。自分の知識の乏しさ、ナースとしての未熟さを感じて落胆あり。異変や急変時に対応できなかったことに対する後悔あり。サマリー１つ書くのも、退院指導するのも、いろいろ悩んで考えて・・・。新人の一年間、激務の中で私なりにがんばったつもり。なのに、それなのに！！今年の新人さんは、全然違うんです！！！看護師不足なうえ７：１看護導入で、人員補うために誰でも雇ったから？やっぱり世代の差？それとも、たまたまうちの科にアホが集まっちゃったの？今年の新人さんは、働き出しから私語ばかり。教えてもメモしない。同じミスを繰り返す。仕事は覚えず、指示はちゃんと確認せず、いっこうに点滴理解できず、まず根拠なんて考えてない。親身になって指導しても、また同じことを説明させられる。なぜか私がケア手伝わされる。できないことも気にしてない。注意しても、返事だけで心に響いてない。「○○さんに教わりました～」と言って責任逃れ。「インシデントレポート書きま～す」で反省なし。研修医にお熱なもんだから、どーでもいい事とにかく報告。忙しいのに迷惑だってば。仕事中ドクターたちに点数つけてるなんて、ほんとアホよ。その前にすることあるでしょう。先輩たちだって有給なんてないに等しい職場で、自ら師長さんに有給くれっていうなんて。師長さんの前で「給料安くてモチベーションが下がる」って言うなんて。おまえのせいで、こっちのモチベーションが下がるわいっ！業務として、仕事ができないのはまだいい。私が許せないのは、患者さんへの配慮が足りないところ。患者さんの療養環境を、ケアの後散らかしっぱなしで、不潔にしとくのやめてください。痛みに耐え臥床している患者さんの体のうえに、更新する麻薬のシリンジとか置くのやめてください。患者さんが苦痛な体位が少しでも短くできるよう、ケアの準備や手順を考えてください。患者さんが苦しんでて私が必死に吸引してる時に、個室にズカズカ入ってきて、他の患者さんのことで頼みごとなんかしてこないで下さい。世代の差があるったって、22,3歳って、いい大人よね？？はぁ～～～、ホント、他のスタッフにも患者さんにも迷惑よ。私たちが本気で怒ったことないから、いい気になってるわけ？こんなナースの集まる所に、自分の身内を入院させたくない。・・・ちょっと待って。そこで働いてる私って！？もし他の科や他の病院に移ったら、また違う分野を勉強し直して、仕事を一から覚え、人間関係を築いていかなきゃならない。ちょっとキツイ。でもねぇ・・・。同じ科に3年いるのが一般的みたいだけど、今の科を2年経験で異動もありかもな・・・。がんばっている自分が、バカみたいになるんです。せめてもの救い。私には話を聞いてくれて、面白おかしく愚痴れる同期がいてよかった！

  2007.07.23

• 本日の日勤

  今日も無事、日勤の仕事が終了。今日は治験の患者さんの入院をとった。今はその患者さんの難病を治す治療法は確立されていない。こうした治験の結果をもとにもっと研究が進んで、少しでも多くの方が救われる日が来ますように。入院とると、ドクターに伝えることや指示の確認、アナムネ聴取があってけっこう面倒。看護計画を立案したり、栄養状態や転倒、褥瘡のリスクなどのアセスメントもしなきゃならない。でもなぜか、自分が入院を担当した患者さんって、その後も愛着というか、親近感を持つことができる。残すところ、夏休みまでの私の勤務は、夜勤、日勤、夜勤の3回のみ！その間、自分のプライマリーの患者さんたちのことを先輩に託していくので、退院を予想してサマリーを書いておいたり、訪問看護師に連絡をとるなど、やっておくことがたくさんある。あぁ、間に合うのか・・・。そして、私のいない間に大きな変化がありませんように。勤務後、プライマリーの患者さんの一人と、情報収集にと思っていろいろ話していた。その患者さんは今回の入院中、ある手術の適否を見るためにたくさん検査をしてきた。だけど、患者さんは実はもうその手術をするつもりがないんだと言い出した。ドクターにはそのことをまだ話していないという。「あなたのやさしさに打たれて、つい言ってしまったけど、オフレコね」と言っていた。前は、「もう手術しかない」って言っていたのに・・・。その手術を受ければ、利点もあるけど欠点もある。合併症のリスクもある。手術をしたからといって、期待した通りにはならない可能性もある。内服薬でコントロールしているものの、もう彼女の疾患は治らない。「私、欲張り婆さんだったわ。神様の領域に入ろうとしてた。　分相応に生きていかなきゃ。」誰だって良くなりたい、そのためならどんな治療だって受けたい、って考えると思う。決して欲張りなんかじゃない。ちょっと悲しくもなったけど、患者さんが私にだけ本音を話してくれたことは嬉しかった。こういうことがあると、あぁやっぱり救急やICUより一般病棟で働く方が楽しいかもなぁ、と思う。

  2007.06.27

• 久々のグループワーク

  今日は朝から1日、2年目ナースのための研修がありました。同期、去年よりも人数減ってます・・・。午前は安全や感染に関しての復習と、静脈穿刺の実習。お昼は天気が良かったので、他の病棟で働く同期の子たちと屋外のテラスでランチ。「OLみたい」といいながら、開放的な空間でのびのび食事。お昼の休憩がゆっくり1時間とれたのって去年の合同研修以来、実に1年ぶり！いつもランチは15分くらいで食べ、歯磨きをし、「どうせマスクでくずれるから」とメイクも直さず急いで仕事に戻る。午後は看護診断。前もって課題が出ていて、紙面上の事例の情報からアセスメントをし、看護問題とその優先順位を考え提出していた。今日はその事例のビデオも見た。実はその事例、私は数年前に看護学校でビデオを見てグループワークしたことがある。この前病棟で課題が配布された時、事例の名前やS情報を読んですぐ思い出した。今日はいろんな病棟から集まった個人が、その課題を持ち寄ってグループワーク。まるで看護学生の時の看護過程の授業！グループワークで、失禁がみられたりこういうS情報があるから自尊心が低下している、セルフケア不足になっているとか、急性期じゃないから再梗塞のリスクは優先順位がもっと低いんじゃないかとか、あーだこーだ話し合い。ADLがこうだから、ここまでは声かけ・見守りで、ここは介助したらいいんじゃないかとか、看護計画に患者様の趣味を取り入れたりとか、学生並みに細かい。実際自分たちの病棟ではどうしているかという話も出てきて、他の病棟のことを知るのは新たな発見があっておもしろかった。普段病棟では、パソコンに院内の標準看護計画があるので、入院をとった時は「この疾患だからこの看護問題と看護計画でいいか」って感じで、あまり個別性のある看護問題・計画は立てられていない。急患が入る時なんて、患者さんが病棟に来る前に電話で聞いた情報だけで、既に計画立ててる時とかあるし。「個別性」なんて、あまり考えられていない。看護目標もけっこう適当で、評価できる具体的な基準なんてないことが多いし。「懐かしいねー。数年前の脳みそにちょっと戻ってきたよー」「この看護目標、どうやって評価するの？ってよく先生に怒られたよ」なんて言いながら、楽しくグループワークができた。みんな似たような事を言っていて、当たり前かもしれないけど、全国の看護学校、看護大学で、同じようなことを勉強してきてるんだなぁって思った。そう考えると、看護学という学問としての看護教育ってやっぱりすごいよね。注射や保清などの看護技術だけじゃなくて、普段から観察やアセスメント、介助方法を考える能力ってすごく大事。学生時代にこれでもか、ってくらいやった看護過程が、ちゃーんと臨床で活かされてる気がする。学生の時は看護過程のグループワークってすごく苦痛だったけど、臨床に出てからやってみると、けっこうおもしろい。「ちょっと成長してるじゃん、あたし」って気分になった。私の病棟では、「ここは脳梗塞センターですか！」って師長さんが怒鳴るくらい、ちょっとベッドが空いたスキに、よく救急から脳梗塞の患者さんがやってくる。今回の課題の事例が脳梗塞の回復期で、問題点がセルフケア不足とか誤嚥のリスクとか、普段私の病棟でよく立案しているものばかりだったから私はやりやすかった。介護保険を申請してサービス導入を検討するとか、家族に退院指導が必要とか、私の病棟ではしょっちゅうだもん。でも眼科とか小児科の同期の子たちにとっては、今回の事例は自分と別世界だったみたい。オペ室のナースなんて、セルフケア不足の問題も退院指導もないだろうしね。そう考えると、経験から意見がたくさん出せた私はちょっとラッキー。だけど2年目のナースが、看護学校と同じ教材で勉強しているうちの病院のレベルって一体・・・。事例が同じだけで、私たちが話し合った内容はちょっとは高度なはずよね、きっと！・・・と信じたい。

  2007.06.13

• また霊安室のはなし

  この間、初めて勤務先の病院の霊安室へ行った。地下にあって、亡くなった患者さんのご家族のためにソファーや給湯室があって、その奥の部屋でご遺体を保管し献花できるようになっている。気味悪くもなく、ごくシンプルな閑散とした部屋。霊安室で思い出したことがある。学生の時に就職活動で、千葉の亀○メディカルセンターに行った。よくテレビに出る病院なので、ぜひ見学してみたかったんだよね。説明会に参加した学生の中には、わざわざその説明会のためだけに、大阪や青森から夜行バスで来たという子たちもいた。新しくできた棟は全室個室、オーシャンビュー。廊下の雰囲気はホテルのよう。電子カルテの先駆けの病院。疾患や状態によるけど、許可された患者は面会者と院内のレストランでお酒も飲める。なにより一番驚いたのが、霊安室！実際ナースとして働くなら、その病院の霊安室がどうだろうと全く関係ないんだけど、その病院の霊安室はホントすばらしい！就職活動に来た学生に、なぜ霊安室を見学させるわけ!?と疑問に思ったけど、見せたくなるのもわかります。地下なんかではなく最上階にあって、太平洋に面しているから大きなガラスの窓の向こうには海が広がっている。雰囲気はヨーロッパ風。ここは地中海を見渡すチャペルですか？って感じで。あそこで結婚式したらおしゃれだと思うわ（かなり不謹慎）

  2007.06.02

• 魂を感じた

  今日は突然、受け持ちの患者さんのステルベンがありました。状態が悪化してきてることはわかってたけど、まさか今日とは。家族も間に合わなかった。昨日もその男性の患者様、Sさんを日勤で受け持ってて、午後にレベルが3桁に落ち、夜勤に引き継ぐ前あたりから努力呼吸になった。でもその後夜勤では状態変わらず。今朝も昨日と変わらずｓBP110くらい、HR110台、尿もまあまあ出ていた。バイタルに特に大きな変動なく、苦痛様の表情でうめきながら体動がけっこうあって、私はドクターにセデーション検討してくれ、って話していた。「うぁ～」って言いながら動いてしまう下肢を押さえながら、「Sさんちょっと待って！もうすぐだから」なんて言いながら包交して、ガーゼなどのゴミを捨てに行き、病室に戻ったら状態が変わっていた。動かず声も出さず、もう顔色が違っていた。血圧が測れなくなって、レートが落ち、自発呼吸が止まり・・・。一切何もしないDNRの患者さんだったので、ドクターが様子を見た後すぐ他の患者さんのところに行ってしまって、病室には私と患者さん二人きり。Sさんの目じりには涙が。手を握りながら、「ご家族が来るまでがんばって」って声をかけたけど、急変してから20分で亡くなってしまった。看取ったのは、私一人。「Sさん、お疲れ様でした」って声をかけて合掌してから、その場を離れず緊急コールを押して他のナースを呼んだ。悲しいという感情は湧かなかった。でも、Sさんが苦しんでいる時に苦痛を緩和することなく、自分の仕事をしていたことを申し訳なく思った。到着した家族がSさんと最期のお別れをして、その後私は他のナースとエンゼルケアをするために再び病室へ。その時、絶対何かを感じたの！肩から背中にかけて、重く、ちょっと嫌な感じ。私、全く霊感ない。だけど、その時は何か、それがSさんなのかはわからないけど、ほんとに何かを感じたの・・・。人は死んだらどうなるんだろう。死んだらそこでおしまいなんじゃなくて、死んだ瞬間、魂は体から抜け出て、さまよったり、天国に行ったり、誰かの祈りをきいたりするのかな。エンゼルケアが終わった後、病室に入ってSさんを見た奥様が、「うちに帰れると思って、いい顔になってるわ」って言ってた。Sさん、ほんとに安らかで穏やかな顔してた。昼休みに霊安室で献花して、お見送りした。これを書いている今も、ちょっと肩こりのようなおも～い感じがあるのは何・・・？仕事中、ずっとステート首からぶらさげてたから・・・よね？？？

  2007.05.30

• ちょっと憧れるER

  こないだ研修医の先生に聞いた話。うちの病院の救急外来に来た患者さん、お尻に入ったソーセージが出なくなっちゃったらしい。で、内視鏡を入れて、ソーセージの端の金具にひっかけて何とか取り出したんだって。パソコンで画像も見せてもらった。あぁ、ほんとにソーセージの端っこだ。けっこう大きい。しっかし、お尻にソーセージ？・・・飲み会かなんかの罰ゲームで入れたら、取り出せなくなっちゃったらしい。あきれました。さて、今日は看護学校の時のクラスメートと会って食事彼女は他の大学病院の救急で働いている。病棟とは全然違うし、自殺だの事故だの火傷だの、毎日すごい状態の患者さんたちをケアしている。彼女は私と違って、幅広くいろんな疾患の患者さんを看てるし、知識もやっている事も全然違う。そういや学生の時そんなの習ったなぁ、っていろいろ思い出した。はなし聞いても想像できなくて、絵を描いて説明してもらわなきゃわからないものとかもあった。私Aライン入ってる患者さんなんて、みたことないんだけど。あと、救急では気管内挿管はしょっちゅうらしいけど、実は私、未だに挿管するところ見たことないんだよね。準備や介助の方法は教わってるけど、うちはDNRの患者さんが多くてめったにない。あぁ、私このままではヤバいわ今の病棟で働いていても、まだまだ勉強しなきゃいけないのはわかってる。だけど、このまま同じ病棟で働いていたら、知識や技術が限られてしまって行きづまると思う。研修医が多くて、看護師が行うことも限られている。中規模の総合病院などのナースのほうが、いろいろやってるに違いない。個人経営の医院で働いている私の母は、時々オペ室で介助もしてるし。救急やICUでの経験も欲しいと思うことはある。でも、私は患者さんや家族とコミュニケーションとるの、けっこう好きなんだよね。時には嫌なこともあるけど、雑談にしろ、病気や治療の説明にしろ、患者さんと話すことも大事な看護の一部だと思ってる。だから意識がない患者さんばかりでは、何だかつまらないと感じるかも。（ナースコールが鳴らないのはうらやましいんだけどね）OLの時、「看護師になるなんて無理だよなぁ」って思いながら無表情でパソコンたたいてた私が、今はもっとずっと忙しいのに毎日笑顔で働いている。最近、「体力がもたない」と愚痴をこぼすことが多くなってきたけど、もう少し今の病棟でがんばろう。でもやっぱり、救急のナースってかっこいいなぁ、と思ってしまう。実際はどんな世界だか、全然知らないんだけどね。

  2007.05.27

• 新人の春

  今年は７：１看護の導入で、わが病棟にもたくさん新人さんが入ってきました。私はプリセプターをしていなけど、勤務の都合上、プリセプターの代わりに1対１で新人さんに指導する日があった。私はまだ2年目なので、1年前に仕事を始めた時のこと、まだよく覚えている。今年の新人さんが緊張しているのも、戸惑っているのも、その気持ちよくわかる。でも、それはどうかと思う言動が多くてお姉さんはびっくり。例えば、指導しながら「○○さんにこれもう説明してもらった？」って聞くと、「昨日も教えてもらったんですけど、今日も全部教えてください」とか、前日他の先輩に「これとこれを調べてきてねって言われたんですけどぉ、調べてないからわかりませ～ん」とか。勇気あるわね。私はそんな事先輩に言えなかった。あと、新人同士でパソコン見ながら「わからないよね～」って意味のない確かめ合いしているとか（そのわりにパソコン占領）、言われるまで行動しないのに無駄話はしているとか、お礼言わないなど・・・。どんな実習してきたんだろ。というより、まだ社会人という自覚が足りないのかな。新しい研修医の先生たちも、慣れてないから大変そう。1年目の先生や他の病院から来た先生は特に。コールして質問したら「上の先生に確認します」って言われるのはしょっちゅう。ステーションにあるホワイトボードに処方が必要な薬を書いておくんだけど、「○○先生に確認します」って返事が書かれていた時はちょっとウケた（普段はそんな書き込みはない）。患者さんに駆血帯巻きっぱなしでどこかへ行っちゃうとかもある。私も新人の時は、院内ルールやいろんな処置の必要物品とかが覚えきれてなくて、いちいちメモ見て、一日中緊張しながら働いてたな。新人の気持ちは未だによくわかるんだけど、若い子同士でキャピキャピおしゃべりせずに、もっと学ぶ姿勢を持ってください、と思う今日この頃。

  2007.04.21

• 排泄介助は気持ちよく！

  昨日から今日は夜勤で、朝になったら新人さんがウヨウヨ、ワイワイ。申し送りの時は人の壁ができてて怖かったわ。今年は研修が長かったので、新人さんが実際に病棟で働くのは今日が始めて。もう16日よ!?去年なんて、私たちは初日入職式、その後2日間オリエンテーションと研修、翌日からは病棟勤務でもう4人の患者様を受け持ってたわよ。2週目からは8人受け持って、緊張とあせりの中仕事してたら、輸液ポンプの流速と予定量を逆に設定しちゃってさっそくインシデント。あぁ・・・。だって、プリセプターも部屋持ちしてて、ほとんど一人で動いてたんだもん、新人には無理よぉ。一年前の4月、水飲ませてなどのコールがあって援助している時、「あぁ、この人は目の前にある水も自分で飲めないんだ・・・」って思ってた。それが今じゃあ、その手のコールが多いと「もーまた!?さっき行ったばっかりじゃない」なんてイライラしてしまう。ちゃんとすぐ訪室するし、そのイラつきを顔に出すなんてことはしませんけど。点滴とか麻薬の内服とか、時間を守らなければならないものを扱っている時にそういうコールがあると、わずらわしいと思ってしまう。慣れって恐ろしいわね。残念ながら、忙しさのあまり私も変わってきちゃったな。夕べの夜勤では、ある患者さんのトイレ介助が大変だった。排尿はいつも2時間おき。下肢に力が入らず移動に介助が必要。日勤ではまだ何とかなるけど、夜勤だと消灯までに既にぐったり疲れているので、夜中や明け方の介助は辛い。本人の希望で、毎回毎回ベッドからポータブルトイレへ、ポータブルからベッドへと移動させる。下着とズボンの着脱も楽じゃない。最近、昔捻挫した足首がなぜか少し痛む。それでも病棟では歩きっぱなしだし、移乗時にはかなり踏ん張る。夕べは尿器の使用を拒否され、夜中はさすがに介助に疲れて、少しでも楽に移動できるよう患者さんのお尻の位置ずらしながら「私ちょっと足痛いから」なんて、患者さんには何の関係もないのに言ってしまった。嫌味に聞こえたかも。何日か前に日勤で受け持った時、「病気してない人には、どうしてこんなに動けないのかと不思議でしょうけど」って言ってたなぁ。病気をしてない人だけでなく、その患者さん本人だって、なんで病気になったのか、なんで自分の体が動かなくなったのか不思議に違いないし、悔しさや悲しさでいっぱいのはずだ。朝食のセッティングをしながら仕事は何をしてたのか聞いたら、なんとうちの病院の職員だったらしい。外来でボランティアをしていたこともあったという。病院の近くの植物園に勤めていた時は、春の桜がきれいだった、これからの時期は「ハンカチの花」がきれいだよ、なんて笑顔で教えてくれた。たわいもないそんな話をしながら、もっと気持ちよくトイレの介助をしてあげればよかったな、って後悔した。ごめんなさい。本人だって、排泄の介助なんてできれば人に頼みたくないはずだよね。この患者さん、ちゃんと「ありがとう」って言ってくれるし、いつもニコニコしている。『モリー先生との火曜日』を思わせる。1年経って、イライラすることが増えてしまった私。ナースだって人間だから、いつでもやさしい人でいるのは難しい。そりが合わない患者さんもいれば、頭にくることだってある。でも、患者さんのQOLが私たちナースの援助で決まるような疾患の入院生活では、できる限り相手を思って接していこう。

  2007.04.16

• ぐったり疲れた夜勤明け

  昨日の午後、選挙に行き国民の義務を果たした満足感を得る。そして、その後は食料買い込んで夜勤へ。真夜中に、初めて受け持ちの患者様が亡くなりました。DNRの方だったので、特に何の処置をするでもなく、最期はただ見守っていただけ。セデーションのモルヒネのせいで、患者様はここ数日眠ったような状態。心拍数が落ち始め、当直ドクターへ連絡。その後たった5分で、ドクターの到着を待たずして永眠された。その患者様は、去年の秋に化学療法を何クールか行っていた。少し前に再入院し、つい最近まで会話できてて、ちょっと変わったおもしろいおじさん、って感じだった。一人の人間が、たった数日で状態が変わり、あっと言う間に亡くなっていく・・・。人の体の中で増え続けていく癌。なんて恐ろしいんだろう。今まで他のナースが受け持っていた患者様が亡くなり、一緒にエンゼルケアをすることは何度もあったけど、自分が受け持ったらどうなっちゃうんだろうと思ってた。昨夜は自分でも意外だったけど、かなり冷静で、モニターを見ながら患者様のご家族に現在の状態や今後起こり得ることを説明したり、連絡や物品の準備など必要なことを着々と行った。同時に、朝までに終わらせなきゃならない他の仕事を進めたり、他の患者さんのコール対応をしたり・・・。去年の私なら、きっと家族と一緒に泣いちゃって、先輩の言うままに動いていただけだと思う。まだまだひよっ子ナースだけど、1年でずいぶん成長したなぁ。単に図太くなったのかな？ナースになって死に慣れたのではなく、冷静に対処できるようになっただけだと思いたい。気付けばもう13時・・・そろそろ寝ます。

  2007.04.09

• 目指せきらきらナース

  さっきまでテレビで「きらきら研修医」を見てました。ブログもよく読んでます。あんまりテレビは見ない方なんだけど、木曜の夜に家にいる日はこのドラマを見るようにしてる。実話をもとにしているとはいえ病院の現実味がないけど、見ていると気楽に楽しめます。まぁ、実際病棟で働いているので、つっこみどころ満載なんだけどね。だって、ナースもドクターも暇そうなんだもん。産科のナースなんて雑談多くて、休憩室でどら焼きか何か食べてたわよ。私なんてお昼もまともに時間とれないし、夜勤の時なんてタイミング逃すと食事しないで長時間動きっぱなしとかあるのにさ。「きらきら研修医」のうさこ先生と比べて、うちの研修医なんてたくさん患者さん受け持って、朝から晩までもっと大忙しよ。ま、ドラマですからね。作者の研修医時代は、きっとすごく大変だったに違いない。今日の話は、うさこ先生のブログが病院にばれちゃって辞めさせられそうになる話。私も学生時代のホームページに実習のことを書いていた頃から、個人を特定しないように気をつけてる。このブログにも病棟での事を書きたいけど、ちょっと難しい。どこで誰が見てるかわからないしね。今うさこ先生は内科で働いてるんだけど、患者さんたちのADLが高くて、同じ内科勤務の私から見たらうらやましい限り。（ドラマと比べるな。）私の病棟では、慢性的に「痛い」「苦しい」が続いている患者さんが多いし、ADLが低い人が多いから、体位変換、食事介助、排泄介助（これメイン）、保清、歯磨きから髭剃りなど何でも介助してあげなきゃならない。はては女中かお手伝いさんと勘違いされ何でも頼まれ、病室を離れられなくなる。「きらきら研修医」を見ていると、ナースコールが鳴らない！おかしい！（だから、ドラマなんだってば！・・・ってわかってますよ。）私の勤めている病院ではナースはみんなPHSを持っていて、ナースコールの応対も、ドクターとのやり取りもすべてそのPHSで行う。うちはチームナーシングではないので、新人ナースだろうと、直接ドクターと連絡を取り合うことが多い。（初めはすごく嫌だった！）ナースコールはステーションで鳴ると、次にその部屋の担当ナース、そして他全員のナースのPHSにとんでくる。うちの科、患者さんのADLが低いから、特別コールが多いんです。いつでもどこでも、トイレに行った時でも。一度、トイレの便座に座ったまま、「伺いますのでお待ちください」と、しらっと答えたことがある。最近すごく忙しい時に思うこと。患者さんには、ナースも食事をしたりトイレに行く生き物だと思われていない気がする。同じように、私もドクターが何をしてようが関係なく、いつでもどんどんコールしていろんなお願いしてるけどね。ドクターも私みたいに「看護師はオレたちも食事や排泄するって知らないのか!?」って思ってたりして。ほんとにコールが多すぎて、私は誰もコールしてない時ですらポケットの中のPHSが震えたような気がしちゃうくらいよ。疲労のあまり、これも一つの幻覚症状でしょうか。連打する患者さんも常に一人は入院している。夕べの夜勤では、ある患者さんがコール鳴らしてばかりだけど、訪室すると「何でもない」とか、わざと落とした物を拾えとか、特別用はないの。だんだん受け持ちナースもコールを無視するようになり、「またどうでもいいコールか？」と思っていると、たまに本当に点滴が漏れていたりサチュレーションが下がっていたりする。私は「オオカミ少年」と名づけた。廊下を常に早歩きし、頻コールに翻弄され、好きな時にトイレにも行けず、患者さんのご家族に「大変な仕事ですねぇ」なんて驚かれてばかり。だけど、唯一自分でも良いと思えることは、病棟では毎日笑顔で元気にしていられることかな。患者さんやご家族と話すのはけっこう好き。昔の私では考えられなかった、こんな自分。仕事では「きらきら研修医」みたいに、いいこと悪いこと、ちょっと感動できることなどがいっぱい。よーし、うさこ先生みたいに、今後も笑顔でがんばるぞ

  2007.03.08

• 患者の気持ち

  今日まで日勤が３日間続き、なんだか記憶がない。働きながら、あれ？昨日の続き？夕べ家で何かした？って状態。そして明日は長いなが～い夜勤。あ～疲れたな～・・・。最近、入院していた父の面会へ行った。手術当日、父は他の患者さんと間違えられたらしく、食止めのはずなのに朝食が配膳された。ナースが隣の隣のベッドの患者さんに「○○さん、今日手術ですよ。わかってますか。」と言い、その患者さんは「え？何の？」って驚いて聞き返していたらしい。そりゃ、いきなり今日手術ですよって言われたらビックリだわ。父親が、手術するのは自分の間違いでは？と申し出たからいいものの、もしレベルがあやしい患者さんだったら、なにも言わず食事しちゃってたわよ。そして、父には出るはずのない昼食も出てきたらしい・・・。それもう、インシンデントでしょう！父親の話を聞いていると、私の病棟の患者さんたちと共通する点がある。ナースに尿器介助を頼みづらかったり、痛みがあるので動きたくなかったりして、尿があまり出ないように水分摂取を控えてしまうところ。疼痛は薬でコントロールし、臥床しているより動けたり食事できた方がいいのに、我慢が美徳の日本人だからか昔の考え方なのか、術後の痛みを我慢しているところ。あと、一日じゅう点滴があると嫌がっていたり、ルートがなくなるとすごく楽だと感じているところとか、うちの病棟の患者さんたちと同じ。父の腕には点滴をしていない時でも、ヘパロックしたルートが留置してあった。父は金属の針が血管に入っていると思っていたらしく、輸液中もルートだけの時も、へたに動くと痛くなったり針が血管を突き破ったりすると思って気になっていたらしい。実際は、ルートをとる時に硬い穿刺針は抜き、留置カテーテルは腕を動かしても血管内で曲がる細くてやわらかいもの。「そういうことを初めに説明してくれればいいのに、　こっちは心配になるよ」と。そうか、そんなことでも、前もって説明して安心させてあげることが必要なんだな。ルートが気になって眠りづらかったり、疲れちゃうかもしれないしね。こういうちょっとした話って貴重。実は私、入院したことがないのです。入院中の患者の気持ちがあまりわからないのです。父の入院先には、茶髪でネックレスをした若い男性のナース（看護助手？）もいたんだけど、笑顔でさわやかだった。父は、「若くてちょっと派手な感じの人でもみんな性格がいい。　看護師になろうってくらいだから、みんなやさしい」と言っていた。私がOLの時、看護師に興味を持ち始めた頃に読んだ本に、「ナースはやさしくなければできません」だか、「ナースはやさしい人ならなれます」だか、そんなようなことが書いてあった。そしてそれを読んだ私は、即「あ、私ムリ」と思った。当時は事務職をしていて多くの人と接するわけでもないのに、働きながらイライラ・ムカムカすることが多々あったし、それなりに悩みもあり、自分のことばかり考えていた気がする。そんな私が多くの患者さんのために働く「やさしい」ナースになるなんて、ムリムリムリ！だけど、今はたくさんの患者さんのために一生懸命になっている。もちろん中には、苦手な患者さんや家族もいる。でも、単に仕事だからじゃなくて、便秘や吐き気をはじめ、予後への悲嘆、家族の不安など、患者さんたちの話を聞いてあげたいって心から思える。実際は、忙しくてゆっくり話を聞く時間すらないのが大きなジレンマなんだけど。それでもなるべく笑顔で元気にあいさつして、やさしく接しているつもり。人間変わるもんだなー・・・。まず、勉強を必死にがんばるとか、人の尿や便が平気になるとか、昔の私には想像できなかったもんなー。看護学生の時に知り合いのお見舞いに行った時は、実習先との違いがちょっと気付けるくらいだったけど、やっぱりナースになってからは、いろいろ見る目が変わってくる。点滴つないでいるところとかナースステーションでの応対とか、こっそりチェックしちゃった。どこもナースは大変。毎日毎日、日本中のナースが日勤・申し送り・夜勤･･･と繰り返しながら、24時間大忙しで看護している。知識も体力も効率の良さも必要。毎日仕事はほんっとに大変だし「もうヤダー」と思う日もあるけど、これからも患者さんの気持ちに気付いてあげられるように、日々学んでいこう。

  2007.02.16

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