テーマ:ミステリはお好き?(1454)
カテゴリ:本
One-eyed monkeys
片眼の猿ばかりの国で生まれたたった一匹の両眼の猿は国中の猿に嘲られ、疎外され、自ら片眼を潰したと言う。 両眼の猿が潰したのは、一体なんだったのか― 盗聴が得意な私立探偵・三梨はとある楽器メーカーの産業スパイについての仕事を請負中。 楽勝だった仕事のはずが、一行に手がかりはつかめず、その上、調査対象の殺害の"目撃者"となってしまった。 変わり者ばかりのアパート、皆なにかがあるようで、 引き抜いたアシスタント・冬絵にはどこか裏があるようで、 自殺した秋絵の死にも意外な真相があった― さすが道尾秀介。 二転三転する展開は相変わらずでひきつけられました。 ~ネタバレあり~ "ある"と思わせておいて"ない"といは。 なんとなく分かった人もいたけれど、全く、全員とは! また、殺人事件の"目撃者"ではなく、"目聴者(?)"とすることで、ミスリーディングを誘う手法もはまっていた。 (依頼者は実は冬絵から横領の証拠を押さえられ、強請られており、ライバル会社の人間殺害の罪を冬絵に着せ、事態を打開しようとしていた。その目撃者とするために三梨にそれらしい(盗聴が必要な)内容の依頼をしていた) 猿が失ったのは「自尊心」で、そんな風に見える人がいつも気になる三梨は秋絵や冬絵が放って置けなかった。 コンプレックスを感じるか、感じずに(感じたとしても)いかに自分らしく生きるかを描いている。 三梨幸一郎~幼い頃、雪の重みで家が倒壊。家族と凍傷で耳を失う。 盗聴器とヘッドホンで盗聴をする。 自殺した秋絵には友情を感じており、彼女(彼)の死が心にいつもある。 施設を出た後、野原の手引きで探偵に。探偵会社「ファントム」を営む 帆坂 ~「ファントム」の事務員。病気で両足を失い、車椅子。 野原の爺さん~ローズ・フラットの住人。元探偵。三梨に探偵のいろはを教える。 梅毒により鼻が陥没。 まき子婆さん~ローズ・フラットの住人。元野原探偵事務所の捜査員。捜査中に事故で両目を失う。 トウヘイ ~ローズ・フラットの住人。元野原探偵事務所の捜査員。 病気で脳の一部をトランプの才能と交換。 トウミとマイミ~ローズ・フラットの住人。母親と住む双子の少女。 事故でそれぞれ右手、左手を失う。 夏川冬絵 ~悪徳探偵事務所・四菱エージェンシーの一員。田端フユミと名乗っている。 眼が小さいのがコンプレックスでサングラス常用。 三梨にスカウトされ、事件後、正式に「ファントム」の一員となる。 マスター ~バー「地下の耳」のマスター。野坂探偵事務所の元事務員。 秋絵 ~心は女性だが、性別は男性。自殺未遂のあと、三梨と一緒に住み、心を開くように。 四菱の強請りの一環でトイレの隠し撮りの写真を手にした後、山で自殺。 四菱 ~元野原探偵事務所の捜査員だったが、辞めた後、捜査対象者を強請ったりする悪徳探偵事務所を開く。同業者を廃業に追い込んだりも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 20, 2007 10:50:34 PM
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