カテゴリ:本
シリーズ完結編。
坂東武者の家に生まれた草十郎は、平治の乱に源氏方として加わり、 源氏の御曹司・義平を将として慕い、戦う。 だが、源氏軍は敗走し、京から落ちのびることに。 草十郎は義平の弟・幼い源頼朝を助け、一行から脱落。 そして、頼朝を逃がし、賊に捕まるが、そこの頭・正蔵に腕を買われる。 草十郎は一人野山で笛を吹き、その周囲に動物が集まることも多かったが、 ある日、喋るカラスが「鳥の王(鳥彦王)」を名乗り、彼に同行することに。 そして、再び京に足を踏み入れた時、義平は獄門に首をさらされていた。 絶望する草十郎は、六条河原で死者の魂鎮めの舞を舞う少女・糸世の不思議な力に目を奪われる。 引き寄せられるように笛を吹く草十郎。舞と笛が出合い、二人は惹かれあう。 しかし、二人の特異な力は死者の魂を送り、生者の運命をも変えうる強大な力を持っていた。 自由に、静かに暮らしたいと願うが、自分の寿命を延ばすために利用しようとする上皇後白河への舞で 変化する未来に気を取られた一瞬のうちに糸世は姿を消す。 別の世界で待っている糸世を取り戻すため、草十郎は糸世が戻ればまた未来が変わると怖れる上皇の追手をかわしながら 鳥彦王と共に旅をする。 人間の心を学んで王の資格を完全のものとした鳥彦王と共に 鳥の王の称号を得た草十郎は、鳥たちの協力を得て、熊野の聖地で笛を吹き、異界で舞う糸世を取り戻す。 だが、引き換えに鳥彦王の声を聞き分ける精妙さを失う。 鳥彦王は去り、草十郎は糸世は共に生きていく。 空色勾玉の鳥彦の子孫が登場。 糸世が飛ばされた異界は現代らしく、二人と日満(糸世につき従う者)が新しく生きていくのは熊野らしい。 ・・・。もしかして、糸世と草十郎の子孫は「RDG」の泉水子に、 日満の子孫、もしくは日満が元となった山伏が雪政、深行の立場につながるのか・・・? 舞がポイントとなっているのが糸世=泉水子(姫巫女)か?とも思わせるが、 それは違う…だろうと思う。 異界でも糸世は糸世の記憶があるし。 そう考えると、姫巫女が糸世と同じように異界に飛ばされる時が来るのは何を暗示しているのか、 また、和宮(「RDG」)がカラスの姿を取ることは、鳥彦王とかかわりがあるのか。 そうならば、深行と草十郎にも何かつながりが出てきたりするのか・・・ 昔のシリーズだが、現行シリーズのベースとなるべき世界のように思えて、色々考えてしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 15, 2011 10:10:30 PM
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