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小市民シリーズ第2弾
小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、 それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。 (そのためにはお互いを理由にして回避しても良し。) 賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。 諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を! そんな高校二年生になった小鳩君の、この夏の運命を左右するのは 思わぬところで付き合わされる原因を自ら作ってしまった“小佐内スイーツセレクション・夏”!? 互恵関係ではあるけれど、ただで付き合わされるはずがないと思う常悟朗。 二人の夏、そして、決別の時・・・。 日常の、というより、作り上げた謎をわざわざ解こうとする感じかな。 ---------------------------- 序章 まるで綿菓子のよう 一学期末考査直前ではあるけれど、小市民らしく?お祭りに行った小鳩常悟朗は 小佐内さんと会う。彼女は夏休みに素敵な予感がしているという。 第一章 シャルロットだけはぼくのもの 小佐内がピックアップした“小佐内スイーツセレクション・夏”。 彼女に頼まれ、ケーキを買って一緒に食べることになるが、 彼女が電話中に先に食べはじめたら美味しくて・・・。 2個ずつ買うはずのシャルロットが3個しか買えなかった。 美味しすぎて常悟朗が2個食べてしまう。 隠蔽工作は早々にばれてしまい、“小佐内スイーツセレクション・夏”ランキング制覇に付き合うことに。 小佐内の洞察力も探偵向きかもと思うのだが。 彼女の動向は既に怪しい。 彼女に何か企みがあるのではと思いつつ付き合うことになる夏休みがはじまった。 第二章 シェイク・ハーフ 小佐内と待ち合わせ中。 以前は嫌な奴ではあったが、一目に値した。 今は単にこじんまりとしながらも、腹に一物あるようなろくでもないやつになったと 常悟朗を評価する堂島健吾と会い、彼に頼まれたメモの場所まで伝言することに。 メモの読み方を推理する回。常悟朗が推理して嬉しそうな小佐内!? 健吾は薬物乱用しているグループに引き込まれた川俣を抜けさせるため張り込んでいた。 第三章 激辛大盛 川俣かすみに頼まれ、かすみの姉・さなえをグループから抜けさせようとしたが、 リーダーの石和ににらまれていることもあるのか、 邪魔だと言われ、追い返された健吾が常悟朗に愚痴る。 第四章 おいで、キャンディーをあげる 三夜通まつりに一緒に行くことになり、小佐内の家で待ち合わせとなった常悟朗。 だが、彼女は外出中で、母親と二人きりに。 そこに、小佐内を誘拐したとの連絡が入る。 小佐内からのメールは“小佐内スイーツセレクション・夏”をもとにした暗号だった。 健吾に協力を頼み、居場所を特定して常悟朗は小佐内救出に向かう。 「狐」である常悟朗のことを知っているからこそ、唯一、頼ることができる健吾。 なんだかんだ言いながら協力してくれる健吾。いいヤツだ。 誘拐犯は小佐内が過去のトラブルに関わっていたと疑う石和グループ。 奮闘もあり、グループメンバーは逮捕される。(そこに川俣はいなかった) 終章 スイート・メモリー 誘拐から二日後。 常悟朗は一連のスイーツめぐりは、誘拐事件が起きた時に暗号として伝えるためのもの、 そのために(すぐわかるように)常悟朗が付き合わされていたこと、 つまり、誘拐されることを知っていたと見抜く。 中学が同じだった石和、昔の因縁で狙われていたことを知っていた小佐内は、 さなえを内通者に、日時、場所を知ったうえで効率的に(誘導して)拉致(・監禁)され、 罪を重くするために身代金要求の連絡をさなえに入れさせ誘拐事件にしていたことを告白。 周囲を巻き込み、相手を陥れるための自作自演だと、タチの悪い嘘だと常悟朗は責める。 小佐内は自分も、「小市民」になろうとする常悟朗も嘘つきだと、 計画は仕返しの気持ちからだけではなく、石和らを恐れる気持ちもあって発動したこと、 自分たちが賢い「狼」でも「狐」でもなく、「小市民」になるというのも嘘だとしたら、 残るのは傲慢な高校2年生2人だと言う。 「小市民」を目指しながらも、二人でいると常悟朗は探偵役を、小佐内は復讐心をつい出してしまう。 そして、「小市民」にならないならば、二人で一緒にいる意味はないと別々になることを決断する。 話ながら食べた巨大パフェ、その日から常悟朗はパフェが食べられなくなるのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 25, 2012 10:00:07 PM
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