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December 13, 2012
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映画化された時にみたCMから想像していたのと、だいぶ内容が違った。
決して悪い意味ではなく、詳しく知らずに勝手に想像していたからだけれども。

終業式、学校を去ることを決意した1年B組担任・森口悠子は、生徒に淡々と語る。
その語りは徐々に学校のプールで亡くなった幼い娘の死は、事故ではないと、
犯人はこのクラスの中にいると明かしていく。
そして、その復讐さえも果たそうとする。

これがデビュー作(第一章にあたる部分が受賞作のようだ)というのはすごい。
怪談を聞いているように怖いながらも引き込まれていく。
森口の章、犯人、別の生徒らや、家族の章など視点を変えて展開。
第一章の森口の語りすべてに意味があるように構成されている。
すごい、けれども、なんだろう、温度を感じないのは。
現代の、一部を除いてはありそうな事柄を扱っているようでありながらも、
江戸時代の怪談話を聞いたかのような距離があるのはなんでだろう?
出来すぎの感があるから?
なんとも不思議。

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犯人の少年ら、渡辺は自分を置いていった(捨てた)母親を振り向かせたくて。
もうの下村は(渡辺に利用されたところもあるが)劣等感がはじけて犯行に及ぶ。
あまりに安易で、人の命を軽く扱っている少年らに対する、
森口の復讐は、エイズだと判明したため、生まれてくる子供のこともあり
結婚しなかった男(世直しやんちゃ先生:桜宮)の血を少年らに飲ませたというだけでなく、
その経緯もクラス替えのないクラスの生徒全員の前で語ること。
だが、その血の入った牛乳パックは桜宮によってすり替えられていた。
それを知っているか知らないかで周囲の反応も含め、
その先が大きく変わっていく、このあたりの対応の違いの描き方は分かりやすい。
さらに、そのことを知り、さらなる復讐に手を染める森口。
森口だけでなく、少年らの行動なども含め、
すごく気持ち悪い、えげつないことなのに、さらりと淡々と語られていく、
このあたりの温度差に距離を感じるのだろうか?
一気に読ませるだけに不思議。

ああ、でも、森口は少年2人に復讐するのに人を巻き込みすぎの気持ち悪さもあるのかな。
他の生徒らに対しての考えのなさっぷりは・・・
そんな森口だからこそ、彼女の視点の章タイトルはあえて真逆の「聖職者」なのかな。
教師=聖職者という皮肉?
(森口は少年らに更生の機会を与え、自分を犯罪者から救おうとした桜宮こそが聖職者かもしれないと語っているが)






余談ながら、熱血先生を目指し、生徒のためと言いながら自分の自己満足のために動き、
逆に生徒を追い詰めてしまう寺田先生(森口に誘導、利用された感もあるが)・・・
直前に読んでいた「VIVO!」という漫画の最初にでてくる吉井先生にそっくりで・・・
生徒を名前で呼ぶ、分かった気になり勝手に解釈する、
熱意があれば伝わると押し付ける、周りが見えていないetc・・・
ほのぼの?ちょっとシニカル漫画とこの作品は正反対どころではないほど違うのだけれど、
だからこそかぶる、まちがった「熱血先生」像に、
こんな先生がたくさんいるからだろうと勝手に痛感。





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Last updated  December 14, 2012 02:22:24 AM
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