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お茶かけごはん と ねこまんま

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2009.01.11
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カテゴリ:介護の“か”
姑をケアハウスに預けて、1年と2ヶ月が過ぎた。

なんだかブログを更新できなくなって半年ほど経った。

忙しかったといえば嘘ではない、が
どこか自分に嘘がある。

姑の状態は低下している。
すでに言葉は完全に失い
腕も足も自分の意思どおりに動かすことは全くできないと言っていい。

昨年12月にはイレウス(腸閉塞)を繰り返し
10日あまりの入院も経験した。
姑の病気(大脳皮質基底核変性症)にはつき物の症状だそうだ。

退院2週間後に控えた正月に、姑は自宅に戻ることを望んだ。
姑がそれを望んでいるだろうことは承知していたのだが
姑が口を利けないのをいいことに
家族の誰もがその話題に触れないでいた。

しかし、夫が風邪を引いたため私一人で施設に面会に行った日
部屋で姑と私が二人でいるところへスタッフがやってきて
「お正月はどうされます?ご自宅に戻られますか?」
と尋ねたのだった。

「私一人では決められないので…」と言葉を濁したのだが
そのスタッフが出て行った後
姑は言葉にならないうなり声をあげながら
全身で何かを訴えようとした。
帰りたいのだ。分かっていた。

私一人では決められないというのは本当。
全介助といっていい、この姑を自宅に迎えるのは
普段、なんの介護もしていない私ひとりではとても無理だ。
こと介護に関しては、夫は全くあてにならないので
義妹と予定をあわせて、万全の体制を作らないといけない。

でも
「分かったよ。お正月には家に帰ろうね」と
一言、言うくらいのことはしてもいい。
でも、言えなかった。

トイレにどうやって連れて行く?
何が言いたいのか、全く分からないのに
こっちの言っていることが理解できているのかも分からないのに
どうすればいい?
イレウスが再発して、突然嘔吐し始めたら?
そんな不安が先に立つ。

正月早々に、原稿の納品も控えていた。
姑を迎える準備をしながら、納品に間に合わせられるか?
そんな現実にも追い立てられていた。

「大丈夫かな?」と聞ける相手が誰もいない。
「帰ろう」の一言がどうしても出なかった。

「ちょっと待って、一人では決められんのよ」と繰返す私を
姑は怒気をはらんだ目で見据えて、口を一文字に結んだまま
うなり声を上げる。

「でもね、おばあちゃんを家に迎えるには
K子さん(義妹)の予定も聞かないといけんし
私一人で勝手に返事できんとよ。
みんなの予定を合わせてみるけん、ちょっと待って。
私も今いっぱいいっぱいなんよ。一人では決めきらんとよ。
昼間は外で勤めて、夜や土日は家でも仕事せんといかん。
もうすぐ高校受験やし、お金がいっぱいいるしね。」

もはや支離滅裂だ。
病人相手に何を愚痴っているのか。
「ごめんね。文句も言えんのにね。『この鬼嫁!』ぐらい言いたいよね」
そういいながら、泣けてきた。

施設のスタッフに、何てことはないという風に「大丈夫よ」と言われて
腹をくくるしかないと悟り
1月2日に外出することに決めたものの
結局、12月28日にイレウスを再発して、帰省は取りやめになった。

しかし、この一件で、私は
自分の中にある、寒々とした感情を思い知った。

姑をケアハウスに入れると決めたときから
その感情はずっとあったのだと思う。

スタッフから遠慮がちに
「お母さんは、どうもK子さんが生活に困っていないか心配しているようで…」
と言われたときも
舅から
「俺が死んだら、保険金はK子にやってくれ」
と言われたときも
結局私って、お手伝いさんでしかないな、と思ったのだが

一番そういう気持ちで接してきたのは
ほかならぬ自分なのだと思った。

だから、ブログも書けなくなっていったのだ。















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Last updated  2009.01.12 02:33:15
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