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片桐早希 おむすびころりん

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FLOWER GARDEN 2 小山千鶴さん
2008.11.11
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 仕事を終えた雪乃は、新しい住まいを決めるために、毎日街の不動産を訪ねたり新聞で

探したりしたが、なかなか見つからなかった。何しろお金が不足しているのだ。

 会社では、菜摘が雪乃の部屋に泊まったことを昌代達に言いふらし、昌代たちも今度雪乃の

部屋で泊まりがけで飲み明かそうと、勝手に決めていた。

 とにかく、一日も早く引越しをしなければならなかった。


 十一月も終わろうとしていた。

 街にはクリスマスの飾りが目立つようになっていた。


 十二月十六日は、雪乃の誕生日だ。

 雪乃が生まれた日、雪がたくさん降ったことから、雪乃と祖母が名付けたのだった。


 昨年の誕生日は、昭が小さなケーキを買ってきてくれた。イタリア歌曲を聴きながら、ロー

ソクを灯して、二人でケーキを食べた。

 こんなに幸せな誕生日があるのか、と雪乃は心から思った。


 新しい部屋を探すことに、雪乃はくたびれ果てていた。

 街角の小さな不動産の張り紙を、諦めの気持ちで見ていたとき、雪乃は突然声をかけられ

た。

 





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Last updated  2008.11.11 21:56:22
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