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川村けんとの「いい加減にします！」

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2005年04月08日

樺太二、樺太は日本の領土

テーマ：ロシア(103)

カテゴリ：國防軍事

日本はサンフランシスコ条約で樺太と千島列島の主権を放棄したが、ソ連はサンフランシスコ条約に調印していないのだから、ソ連(＝露西亜)領ではない。

つまり樺太と千島列島は今「どこの国のものでもない」のだ。

この樺太・千島列島を「返還して欲しい」と求める権利が日本にはある。それまで日本の領土であったのだ。

要求すべき相手は樺太・千島列島を不法占拠している露西亜ではなく、サンフランシスコ条約に調印した亜米利加である。

元サハリン再開支援会代表新井佐和子

「サヨナラ、サヨナラ」と言い残して全員自決した電話交換手の碑「氷雪の門」を忘れるなより

続き

外務省は樺太を邪魔にしている

－－いま日本では、北方領土問題といいますと四島のことしか念頭にないようで、わが国固有の領土である樺太の返還については、まったく忘れられています。このことについて、どのようにお考えでしょうか。

渡辺

　これはね。まえまえから、日本の外務省がまちがっているんですよ。樺太の問題と四島の問題をからめてやるべきものなんですよ。

　それをやらないことがロシアから甘くみられることと、四島の問題もアメリカが逃げているけれど、この問題はロシアが相手でなしにアメリカを相手に、とことんまでやってもらう。

　サンフランシスコ条約で調印しない国には一寸たりとも渡してはいけないということを、（アメリカは）日本政府にクギを打っているわけですよ。で、日本政府はそれを承知して調印しているわけですよ。

　それなんですから、終戦後これだけ経っているんだから、逆にいうと、アメリカが、おまえ（ロシア）なぜサンフランシスコ条約にも調印しないでいながら、がんばっているんだといってね、アメリカが国際会議かなにか開いて、あるいはロシアと直接、日本を入れて話をしてもいいから、とにかく強引にやっていくというのが、これが筋だと思うもんだから、アメリカに向かって二回も、私はロシアを相手でなしに、アメリカに向かってそのことをやっているというのが、私の考え方なんです。

　これにそのことが書いてあります（昭和五十六年九月、神田学士会館において行われた講演「樺太返還問題と国際関係」の講演記録と関係資料を平成十二年に再録した冊子を示す）。

《「ヤルタ協定」＝一九四五年二月、米英の首脳がソ連邦に対して、対日戦争に参加することを受け入れるならば、日本が敗北した後、南樺太と千島列島をソ連に回復させるということなどをとりきめたものであるが、これは日本のあずかり知らぬ、第三国同士の密約である。

　ある一国の領土がこのような方法で奪い取られるとしたら、世界の秩序は成り立たない。果せるかな、この協定の指導的当事者である米国は一九五六年九月七日の公式声明で、ヤルタ協定は、当時の指導者たちが共通の目標を示した文書に過ぎず、領土移転のいかなる法律的効力をももつものでないことを宣言している。

　またこのヤルタ秘密協定をふまえてつくられたサンフランシスコ平和条約で、日本は樺太、千島全島を放棄させられたが、この条約にソ連は調印していないし、その帰属についても確定されていない》

渡辺

　樺太が日本固有の領土であるということは、われわれ日本人だけがいっているのではなく、外国人のシーボルト（一八二三年、長崎蘭館医師として来日。五年間の滞日中に、日本の自然、社会などについて膨大な資料を収集し、帰国後、『日本』『日本植物誌』などを著した）が地図で証明して、それを見てロシア人も認めている。

　これを見ても、クルーゼンシュテルン（ロシアの探検家）はサハリンといいたいといったけれどもシーボルトはサハリンと言うことをとりあげないで、彼は、間宮林蔵（一七八〇～一八四四年）の地図を書いたわけです。

　そういうことなどもこれにいろいろ書いてあります。朝日新聞が展覧会（「シーボルトと日本」展、一九八八年三月）をやったときに行って、これを買ってきたんですよ（この展覧会に展示されていた『シーボルトと日本』の本、二五〇ページから二七〇ページまでに記されている）。これもね、ここに今いったことが載っているんですよ。それから林子平（後述）のことも書いてあるんです。

　シーボルトとクルーゼンシュテルンが、間宮の地図を中心にして、間宮の書いたものが正確かどうか、シーボルトがクルーゼンに調べてくれということで、それに対する返事（クルーゼンが間宮の地図を認め、「われ、日本人に破れたり」と言ったという）をそのまま載せているんです。

　そして結果的にはクルーゼンは樺太のことをサハリンっていってるけれども、自分（シーボルト）は間宮の方が正しいと思うから間宮の地図を使うと、そういって使ったのがこのパンフレット（南樺太復帰同盟・全国樺太連盟発行「われらの南樺太を忘れるな」第二号）の表紙の写真です。サハリンという言葉が入っていないわけです。

　それほど、シーボルトが間宮の調査を信じ、学術的には正しいということを認めているわけです。ですから、その後、プチャーチンが下田に来て、江戸幕府代表に対し下田条約締結の際、樺太はロシアのものだなんて言ったということは、とんでもないでたらめのことなんです。

－－カラフトの呼称については？

渡辺

　日本ではアイヌがカラフトといっていました。北海道をエゾといってたから、樺太を北エゾといった。実際は、昔からカラフトというのはアイヌがいっていた。

　このカラフトっていう言葉は、宗谷海峡あるでしょ。もともと北海道と樺太は、一つの大陸であったものを、神様がそこに、川を流して分けた。その川の向こうにある島という意味なんです。

　林子平（一七三八～九三年。オランダ人からロシア南下の形勢を聞き、国防の必要を痛感、地理学、兵学に志す）は、島原で外国の連中からサハリンというのは半島なんだというふうに聞いて、樺太の他にサハリンという半島があるというふうに考えて、林子平の書いた地図には、沿海州から出ている半島に樺太って書いて、その横に離れて細長く出ている島をサハリンと書いているんです。

　ですから、その時代から樺太が大陸につながっているか、いないかが問題になっていて、幕府が調べろという命令を出し、間宮林蔵が樺太へ行ったわけですから（一八〇八年、樺太が島であることを確認）。その時代から樺太がロシアのものだなんて、日本人は考えてもみなかった。

　戦後も一九七〇年代頃まで、一般にカラフトといっていた。

－－そうですね。ＮＨＫでも、天気予報などで使っていました。

渡辺

　いつのまにか樺太に日本の領事館ができた。なぜそんなものをつくったのか。そういうことをいって、私は、これをもう一度一般の日本人に読ませたいと思って、この前書きを入れた（講演記録復刊に際しての挨拶、「子孫に語り継がれるべき…」とある）。

－－日本政党の動きについて。昔は社会党の浅沼稲次郎さんなども返還運動に熱心だったとか聞きましたが。

渡辺

　政党はどこも四島しか考えてない。浅沼さんは小笠原出身で、南樺太期成同盟（南樺太復帰同盟の前身）の創立の時はまだ小笠原も返ってきてなかったですから、浅沼さんは小笠原が返って欲しいということと、われわれが樺太を還してというのとは同じだから協力します、という講演をしたわけです。

　ところがいまの社民党はどうかというと、浅沼さんとちがって樺太なんていらないといっているということをここに書いたんです。

－－いまは社民党どころか、あらゆる政党を通じて樺太のことなど、頭にないですね。

渡辺

　ええ。樺太のことを云ったら逆に損だと思っている。

　樺太にいま石油を掘っているでしょ。アメリカと日本が協力して。あれはね。とにかく北緯五十度以北ですから、いまはロシアがサハリン、サハリンって云ってもいいと思うんですよ。われわれは南樺太はサハリンなんて云ってないですから。

　最近までは樺太と書いて括弧してサハリンというのは地図に載ってたんですよ。ところがいまはもう、括弧をとっちゃったんです。

－－戦後しばらくの間、南樺太のところは白くなっていましたね。でもいまは南も北も一色ですね。

渡辺

　いまでもイギリスのは白くなっていますよ。外国の地図は白くなってます。

－－肝心の日本が駄目なんですね。では北緯五十度の国境線も引いてないわけですね。

渡辺

　引いてないですよ。教科書でそういうふうにしているんでしょ。とんでもないですよ。

－－これでは完全に忘れられてしまいますからね。

渡辺

　ですから私は、今日お目にかけた本（氏の著書）の『Ｉ氏と交わした書簡集』にあるように、私とＩ氏は樺太引揚者でいながら、樺太はソ連に取られちゃったから返ってこないんだというから、あんたは非国民だと、樺太は日本の領土なのになぜ返ってこないって諦めているのかと、抗議の手紙を書いた。

－－インターネットを探してみましたが、樺太領土問題のことは全然載っていません。

渡辺

　日本の外務省自体が、樺太のことをいったら北方四島を返してくれないからって樺太を邪魔にしているんだから、そういう考え方が駄目なんです。

続く

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