テーマ:大東亜戦争(216)
カテゴリ:政治 政治史 行政
昨日見付けたフラッシュを二つ紹介する。 さて本日は「ディベートからみた東京裁判」より「管轄権動議」。 清瀬一郎弁護士の七つの論点 一、東京裁判は、ポツダム宣言に規定してある戦争犯罪(通例の戦争犯罪)についての裁判であって、それ以外のことを裁く権限はない。 四、ドイツと日本では降伏の条件がまったく異なる。日本は無条件降伏したのではない。ポツダム宣言という条件付きの降伏である。 五、パリ不戦条約は、戦争を違法としているが犯罪とはしていない。 六、ニュルンベルク裁判所を成立させる根拠は一九四五年八月八日のロンドン協定である。東京裁判の根拠は七月二十七日のポツダム宣言である。未来の八月八日で、過去の七月二十七日を解釈するのは間違いである。法律的に許されない。 七、ポツダム宣言当時の戦争とは、大東亜戦争・太平洋戦争のことである。満洲事変や張鼓峰事件やノモンハン事件は対象外である。満洲事変の結果の満州国は国際的に承認されている。張鼓峰事件やノモンハン事件は停戦協定が結ばれ解決済みである。 昭和二十一年五月十三日 清瀬一郎弁護士「七つの論点にわけて述べたように、本裁判所には、被告を裁く権限はありません」 キーナン検事「異議があります。本裁判所がこのたびの侵略戦争の責任者を罰せないことなどありえない。この法廷と検事を出している十一ヵ国、世界の人口の三分の二を占めるこれらの国は侵略戦争で多くの資源や人的損害を出した。この十一ヵ国が武力で侵略戦争を終結させたのである。それらの国が、野蛮な行為、略奪行為をした責任者を罰することができず、そのまま放置しておくことなどありえない」 キーナン検事「被告側の動議に対して、我々は法律の問題としては、まったく関心がない。日本は無条件降伏したのであり、軍事裁判所条例の管轄下にある」 カー検事「日本はA級戦犯が罰せられることを承知でポツダム宣言を受諾したはずだ。異議があるのなら、その時に質問するべきである。実際、天皇については質問したではないか。今になって管轄権がないなどというのはおかしい」 カー検事「日本が降伏したとき、戦争犯罪人とはこの二十八名ではないと了解していたことを証明せよ。また、被告の二十八名が戦争犯罪に問われるならば、降伏しなかったと言うことも証明せよ。そうなると被告が罰せられるよりも、日本人は、ポツダム宣言第十三条 ─ 迅速かつ完全なる壊滅あるのみとす ─ これを望んでいたということになるではないか」 清瀬一郎弁護士「裁判長、原告と被告の間に感情的な言葉を取り交わすことは、冷静なる判断を妨げることになります。それゆえに、私は論点に関係のあるものだけを静かに申し上げたい」 清瀬一郎弁護士「ポツダム宣言に書いてあるように日本は無条件降伏したのではない。無条件降伏したのは日本国の軍隊である。日本はポツダム宣言という条件を受諾し降伏した条件付き降伏である」 ファーネス弁護士「裁判官は連合国の出身であって、公平な裁判はできない。ゆえに、管轄権はない。被告は中立国の裁判官によって裁判されるべきである。戦争の熱情と憎悪に影響されない中立国の代表による裁判こそ合法であり、公平である」 ブレイクニー弁護士「戦争は犯罪ではありません。国際法に戦争に関する法規があるということは、そのまま戦争が合法であるということの証拠である」 ブレイクニー弁護士「国家の行為である戦争の個人責任を問うことは法律的に誤りである。なぜならば、国際法は国家に対して適用されるのであって個人に対してではない。個人による戦争行為という新しい犯罪をこの法廷が裁くのは誤りである」 ブレイクニー弁護士「戦争での人殺しは罪にならない。それは殺人罪ではない。戦争は合法的だからです。つまり合法的な人殺しなのです。殺人行為の正当化です。たとえ、嫌悪すべき行為でも、犯罪としての責任は問われなかったのです。キッド提督の死が真珠湾爆撃による殺人になるならば、我々は広島に原爆を投下した者の名をあげることができる。投下を計画した参謀長の名も承知している。その国の元首の名前も我々は承知している。彼らは殺人罪を意識していたか。してはいまい。我々もそう思う。それは彼らの戦闘行為が正義で、敵の行為が不正義だからではなく、戦争自体が犯罪ではないからである。何の罪科で、いかなる証拠で、戦争による殺人が違反になるのか。原爆を投下した者がいる。この投下を計画し、その実行を命じ、これを黙認した者がいる。その者たちが裁いているのだ」 昭和二十一年五月十七日 ディベートからみた東京裁判 プロローグ ウェブ裁判長の忌避動議 平成十七年 八月四日 アンデスの音楽より「ウェイノ - コンドルシート」を聴きながら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんは。
本日は拙ブログにお出で頂き、また、TBを頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。 お陰様でまた貴重な資料を拝見することが出来、 大変感謝しております。 こちらからもTBを飛ばそうかと思っておりましたが、 下記のTBに並べる気にならず、今回は遠慮させて 頂きたく、どうか御容赦下さい。 これからも宜しくお願い申し上げます。 (2005年08月04日 23時27分29秒)
支店ブログの『五劫の切れ端』にもTBして頂きながらご挨拶が遅れました。どうぞご容赦を。貴重な資料を掲載しておられて感心しております。一口に東京裁判と言っても、膨大な資料を読みきった者はほとんど居ないはずですから、この歴史を議論し合っても互いの思い込みの殻は敗れそうもないのが残念ですね。
(2005年08月05日 01時04分58秒)
「ディベートからみた東京裁判」は、もっと読まれるべき本だと考えています。こうした経緯を知れば、イラク戦争後のフセイン裁判と似ている事もよく分かってくる。
確信的に発言している野党政治家や知識人はともかく、一般の人が権威を感じている「裁判」というものに、疑問をもたせるきっかけにはなってくれそうです。 (2005年08月05日 04時39分49秒)
むじょうけん-こうふく 【無条件降伏】
(1)交戦中の軍隊・艦隊または国が,兵員・兵器などの一切を無条件で敵にゆだねて降伏すること. (2)交戦国の一方が一定の降伏条件を無条件に受諾して降伏すること. http://mltr.e-city.tv/faq08h17.html #potsdam (2005年08月06日 09時37分51秒)
ヤフーで辞書検索してみましたが、辞書によっても随分記述が違うみたいですね。
【無条件降伏】 1 交戦中の軍隊・艦隊または国が、兵員・兵器などの一切を無条件で敵にゆだねて降伏すること。 2 交戦国の一方が一定の降伏条件を無条件に受諾して降伏すること。 「大辞林 三省堂」 【無条件降伏】 一切の条件をつけずに降伏すること。 「大辞泉 小学館」 (2005年08月06日 12時10分55秒)
トラックバックありがとうございました。
遅ればせながら、こちらからもTBさせていただきました。 読み応えのある記事ですね。 過去ログもじっくり読ませていただきます。 (2005年11月18日 18時01分34秒) |
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