カテゴリ:日々のカケラ
せっかく生まれてきたからには、心のままにどんどんトライする。なんでも見てやろう、という言葉と共に育ってきたぼくの、これは性分だろうか。いつかきっとと願っていた銅版画を楽しんだ。 写真を始める前は絵を描いてみたいと、住んでいた高円寺を歩いてスケッチしたこともあったが、想像しているような絵にはなかなかならなかった。ようするに才能がなかったわけだが、ならばと始めた写真が、絵に代わって表現する喜びを体験させてくれることになった。このごろはインディアン・フルートも面白く、もしかするともっといろんなことがやれるのではという愉快な欲が、止めどなくあふれ出てくる。 銅版画の技法は、なんとも多彩だった。何度か見たことのある作品を思い出すと、そう言えばどれも随分と雰囲気が違っていた。まずは、池田満寿夫風にドライポイントにチャレンジ。銅版をしばらく見つめ、下書きもしないでいきなり気分に任せて線を刻み込んでいった。ガクガクと乱れる線が持ち味にもなるという技法はいい加減なぼくにはうってつけだ、と読んだわけだ。 仕事ではない、純粋な遊びの創作は実に面白い。あっと言う間に初めての作品が仕上がった。その良し悪しなどは、ぼくにはまったくどうでもいいことだった。やってみたいと思っていた数年来の希望がかなった。それだけのことが、こんなにもうれしい。「面白い、面白い」と心が喜び、何度も声にまで出して楽しんでしまった。 ちょうどいい具合に写真集「あめつちのしづかなる日」の第2版が出来上がった。初版本の奥付には塚本彰さんの木版画に花を添えてもらったが、今回は自分で作ることにした。どうしようかと思っていたところ、銅版画の機会に恵まれたわけだ。すべてにオリジナルを貼り込みたいところだが、それはちょっと難しい。それでも、大満足。風の吹くままカメラマンの自画自賛は、まったく呆れるほどにとどまることを知らない。せっかく生まれてきたんだ。まだまだやってみたいことがある。 あめつちのしづかなる日 in 北海道 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 16, 2007 10:53:14 PM
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