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神のボヘミアン ボヘミアンでありたい さすらって、さすらって、さすらって行きたい 今だかつて誰も歌ったことのない歌を口ずさみながら 空に向かって、風に向かって歌おう 紅い雲に向かって歌おう さすらって、さすらいたい 私は通り過ぎる国々の王様 日中影を落とす木々が私のテント 夜は星星がろうそくのように明かりを灯し 蒼穹に悲しげにちらちらと震える 月に頼もう、私のランプになってくださいと 銀色の屋根の下にある私の臥所を照らしてくださいと おー、ボヘミアンでありたい さすらって、さすらって、さすらって行きたい 偶然がもたらすものを食べ、水晶のように澄み切った泉から飲む 帽子をふりふり、さすらい続ける 遠い昔の路傍に流れていた小川のように 花の絨毯を突き抜けて流れるように歩いて行く 心の悦びを小鳥や葉っぱや風や丘に振り撒きながら そして遠くへ遠くへとさすらって行く、東へ西へ 知らない国から知らない国へと おー、貴方のボヘミアンでありたい さすらって、さすらって、さすらって行きたい しかし休むために身を横たえる時はいつも 私のボヘミアンの祈りをとなえる 貴方に私のボヘミアンの歌を捧げる すると貴方を私の中や全ての中に感じるのだ おー、貴方のボヘミアンでありたい さすらって、永遠にさすらって行きたい しかしいつか私の魂が休む時が巡って来れば その時は、貴方を夢見よう、一番愛する貴方を そうすれば私は永遠に目覚めるだろう 数多の人生の夢から その時は貴方と私、常にひとつとなって 全宇宙をさすらうだろう 目覚めたヨガナンダとぼくを比べるわけには行かないが、せめてぼくもボヘミアンの心を少しでいいから持っていよう。甲板から見渡す空と海は、2週間前の往路と同じように果てしない。人の魂というものも、きっとこれ以上に果てしなく、無限に広がっているのだろうか。けれどぼくには、魂のなんたるかなど何ひとつわからない。ただ目の前に広がってゆく、空と海のようでありたい。 ぼくの中にある心の壁は相変わらず頑強だ。取り去ることもできず、広がろうとするぼくをあざ笑う。けれどもぼくは、知った。今のぼくはもう、その壁を高い視点でながめていることができると。壁を残したまま、広がることができるのだ。ちっぽけなぼくもだから、ぼくの神さまに心を捧げるボヘミアンになれるかもしれない。 遠ざかる北海道の大地。神威岬はどれだろうか。思い出深い旅だった。けれど、非日常だけが旅じゃない。日常こそを旅というのだ。神のボヘミアンになろうとするなら、それくらいのことは忘れないでいよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 3, 2007 01:31:37 PM
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