幸せの終わり
会社を休職中の娘。孫娘の保育園入園が職場復帰の前提である。この4月からの復職に向け、保育園入園を出願していたが、残念なことに審査にはずれてしまい、現段階で、復職は宙に浮いてしまっている。先週木曜の夕方、審査結果の連絡を受けて、実は、娘と同一ポイントで、審査に通った人があり、対策を考える中で、娘が考え出したのウルトラCが、2月10日の職場復帰。今般の保育園入園を辞退する人がいた場合、この日に補欠の募集があり、その段階で職場復帰していることで、4月入園の最終審査に除むポイントが増えて、同一ポイント内での競合から頭ひとつ抜け出すことができるという。一歳の春の競争である。この競争が過酷なのは、浪人して翌年というわけにいかないところ。二歳児クラスの募集は、一歳児がすでにいる残り枠であって、一歳児の募集が5人とすれば、二歳児の募集は1人といった程度であり、一歳児のとき同一ポイントで入れる人がいたからといって、二歳児の募集においては、一歳児に応募しなかった人たちが入ってくるので、競争率が低いということにはならないのだ。金曜日、職場に、2月10日復帰を打診したところ、組織が動いた。それは、それですごいことだと思うが、2月10日に母親が職場復帰すれば、当然、孫娘は宙に浮く。保育園の応募ポイントが増えただけで、受け入れてくれる保育施設は、まだ、どこにも存在しないのである。保育園が幸い決まったとして、入園は4月1日。幸せをむさぼる孫娘に、あと10日で試練の日々が迫っている。母親である娘は、娘としては珍しく情緒不安定に陥っている。セロトニンの減少が情緒不安定のひとつの要因であり、それは、人類の起源であるアフリカでの子育て生活と、現代日本の子育て生活の違いに起因していると、娘は言う。自分たちのことを思い出すと、子育ての時期、僕は、過酷を強いられ易い職場を離れ、ゴルフもやめた。次の職場も過酷ではあったが、通勤時間が短くなり、万が一深夜残業でタクシー帰宅しても、会社が負担してくれて経済的負担は少ない。娘の場合も、幸い、婿さんの理解はあるようなのだが、彼は、僕ほど体力がないのが、娘の悩み。影響は、僕の生活にも及んでこようとしている?娘曰く「みんなのお休みと有給休暇全部、協力してもらうことになるかもしれない。よろしく」むろん、娘の職場復帰は最終決定ではない。だが、現実を見れば、彼女ら、彼ら、われらの、幸せな時期がひとつ終わろうとしている。 子どもを持つ者、誰もが迎えねばならない試練。 そこを安易に避ける人生は、楽しそうに見えても、僕ら家族の選ぶところではない。知恵と勇気と協力で、僕らはそれを乗り越えていかねばならず、人生の醍醐味と本当の幸せはそこにある。