カテゴリ:路地裏
「いまさらなんだが、景気ってぇのはほんとに気分だと思うなぁ」 「どうしたの?」 「だって、こういう時期に、景気のいい話はしにくいじゃない。ニュースでもいい話はほとんどないし、総理大臣とか政治、経済の人たちが出てきても、ああいう顔つきでああいう話されたら、みんなもああ深刻なんだな ってなんとなく支出を抑えるようになる。 同じように見えて、車が売れてたのは、エコカー減税っていうメリットに走ったのか、エコカー減税を免罪符に車を買ったのか...」 「意外と後者かもね。今だって一番売れてるのは、結構高いプリウスだもん」 「そう。買いたいけど、買いにくい。プリウスだから許してみたいな」 「こないだ日銀が経済政策発表したじゃん」 「えぇ。役に立ちそうもない。もちろん日銀もわかってるでしょうけど、中央銀行として何かやらなきゃいけないところへ追い込まれてた」 「そう。それで、景気はもうしょうがないから、財政再建を先にしようとしているかも」 「インフレ?」 「あぁ。円高対策にもなるしね。物価の値段が1%上げるというけれど、日本経済がデフレだって言うのは本当かしら?平均値でみれば多少の下落はあるだろうが、工業製品以外の物価は上がってると思うよ」 「野菜すごいよね。夏暑かったからだろうけれど」 「いや。もちろん今の値段は季節的なものだが、上がっているのは確か」 「景気は踊り場にきているとか、あいまいな言い方ばかり。もっとはっきり言えばいいのに」 「本来の景気はまあまあなんだが、今の少しの期間だけどこか調子悪いんだって印象を与えたいのだと思う。この状態がさらに続くと、なんか大本営発表になっていきそうだね。それはそれとして、総理大臣はもっと豊かなお顔で、含蓄のあるお話しする人が良いね」 「菅さんはだめなの?」 「菅さんということではなく、政治家全体、いや、日本人そのものがせこくつまらなくなってきているんだろうねぇ。しょうがないよ。若いうちに苦労がないから」 「もっと子供たちを厳しく育てなければいけなかった」 「我々の時代はともかく、現代は、家庭だけで厳しくしてもだめでしょう。豊かさのもつ二律背反。豊かさの裏側には、そこに安住する人間がある。子供に厳しい環境を教えることに意味はあると思うけれど、その結果として彼らが犠牲にするものも多い。どちらをとるかは、本来彼らが選択するべきだろうけれど、親も子供もそういうことがわからないうちに時間が過ぎてしまうからね」 「親として難しい選択なのね」 「そうだね」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 15, 2010 10:39:18 PM
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