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経堂界隈

[6年3組] カテゴリの記事

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怪談が怖くない...　第二部

第一部より週末、小学校同級生の甲斐さん主催の朗読会へ出かけた。「怪談」と聞いていて、愉しみに。＜intermission＞４．「詩と音楽のコラボ」　青い部屋　風のように　幻影　流れ星　吉行理恵＆モーリスラヴェルプレリュード　「鏡」より「道化師の朝の歌」　亡き王女のためのパヴァーヌ　「クープランの墓」より「フォルラーヌ」　メヌエット　インターミッションのあとのクールダウンになってしまい、頭が休んでいた。記憶が飛んでいる。気のふれたばあさんが、むすこをかえせって、わたしの青い部屋の外で騒いでいて、それが怖いかっていうと不気味じゃないか。おんぼうってなんだろう　穏坊....　あれって差別語じゃぁなかったっけ...「クールダウンできたのは、音楽もお話しもよかったってこと。悪かったら、そこが頭に残ってリラックスできない吉行理恵の詩って読んだことある？」まったくない「文章は？」たぶん無い「吉行理恵の詩を、朗読で聞いてわかれって、あなたには無理。文章で読んでも理解不能と思うわ」「ピアニストの辻井伸之君。とてもすばらしい演奏をするでしょ。それが、こないだの協奏曲はぜんぜんダメだったの。オーケストラとの相性が悪かったのかしら。ソロはとてもよかったのだけど。バランスが崩れていた。聞いていてすごくくたびれて、終わったときはほっとしたの」５．「吉備津の釜」　上田秋成「雨月物語」より「上田秋成は読んだことある？」いくつかは「原文で？」高校の古典で習った「吉備津の釜は？」ない「全員ってどういうこと？」朗読メンバー全員が、まわりもちで読むの「秋成の文章のままでやったの？」うん　だいたいそうだと思う「怖かった？」ぜんぜん君はひどい人だな。せっかくのご招待なのに「ほかの人はどうだったのかな」同級生の真里ちゃんは、言葉が難しくてそちらを追いかけるのにせいいっぱいだったって言ってた。留さんは、もっと暗いところで聴くと怖いって「そのほかの人は？」詳しいことはわからないけれど、みんな「怖かった」って手を挙げてたような気がする。「男の人居た？」いや　全部女性彼女たちは、怖いって言わないと悪いと思ってるの？「そうではないわ　あれって、条件反射みたいなもの　さっき女の人は、自分が前に出ているときには、ほんとうのことを言わない人が多いって言ったわよね」うん「あれってウソとは違う。小さいころから女って自分を作る」男だってそうだよ「あなたがたのはウソ、私たちのは化粧」「虫愛ずる姫君。女は女を演じる」男もそうだよ。「あんたらは正直だからね。ウソついてるつもりでウソがつけない。女はウソが本当になってしまう」「上田秋成を、昔のままの文章で、何人かでまわりもちで朗読する　それを読んだこともない君に怖く思えって言ってもねぇ」素養も感性もないからなぁ「そういってしまえば、素養と感性ね。お話しを知っているか知らないかはすごく大事で、あなたみたいに、初めてのお話しを古文で、次々と違う声が読むのを聞いて理解して怖いと思うのは、難しいかも。英語のホラー小説を朗読で聞くのといっしょ」頭の理解がストーリーについていかない「吉備津の釜の怖い部分はどこにあると思う？」最後に正気に返ったとき、自分がどこに居て、どういう状態だったかに気づくとこ。「上田秋成は深いねぇ。人間は、誰でも最後の一瞬は、自分ひとりで、自分に向き合わざるを得ない。すべての虚飾を取り払い、素の自分にね。虚飾が多ければ多いほど、本当の自分は、弱くて情けない。言葉が違うから、そこまでなかなか多くの人は読みきらないけれど、上田秋成は、memento moriを普遍的に描ききった唯一の日本人じゃないかな」「雨月物語は、だいたいが中国古典の翻訳だって聞いた」上田秋成もストーリーテラーの才能はなかった「そういうことではないよ。再話とか翻訳って、すごく大事なの。昔の人が何考えてたのか、とか、よその国の人が何考えてるのかを伝えるからだけではない。昔のお話しって、どこかみんな曲者なの。そうじゃないと、残ってないと思う。外国のお話しでも、どこにでもあるお話しを、みんなに伝えようとはしないわ。上田秋成とか芥川、太宰は、そこにある普遍的なものを伝えていく語り部なの」上田秋成も？「芥川とか太宰は、語る最後で逃げちゃったのかなぁ。二人とも自殺したのは偶然ではないね。素の自分と向き合うだけの覚悟がなかった。そこを上田秋成は書ききった」「素の自分と向き合うのは誰でも辛い。それでも、自分と向き合った結果どうなるのか。結果の先には何があるかを、確かめたい、書きたいのが作家だと思う。だけど、最初から書いていおうとすると、途中で挫折しちゃうのね。辛くて書き続けられない。秋成も、芥川も、太宰も、みんなやってみたと思うの。日本て歴史の古い国だから、古典とか宗教問答とかいっぱい残ってて、自分で最初から書いて自分をつきつめていったら、何が起こるか、がわかっちゃう。その先まで行けない。その先が書けない。だから、昔のストーリー、他国のストーリーに仮託して、辛い部分を越えて、そこから自分をはじめる。だけど、それでも、芥川も太宰も挫折しちゃった」弱かった...「弱かったとは、いえるでしょう。でも、私たち一般よりは強いわ。少なくとも、その先に行こうとする勇気があった。私たちは、そのずーっと手前で、笑ってごまかしたり、ウソついてみたり、自分を演じてみたり、向き合うことをやめてしまう」＊＊＊「愛人をもつとしたら、とっかえひっかえと、一人の人とあなたはどちら？」男としては、多くの人がとっかえひっかえだろうなぁ。「あなたは、私に愛人ができたらどう思う？」いいんじゃない。しょうがないもの。「便利な女」ではかわいそうだけれど、止められない。「女はみんな便利な女がいいんでしょ」君は、僕が愛人を持つなら、ひとりの女と、とっかえひっかえと、どちらがいい？「とっかえひっかえのほうがいいかな。でもね、愛人はいつまでも便利な女のままではないわ。自分だけのもの　って画策するの」一人では続かない。何人かいるから、ひとりひとりと長く続く。「愛が残るのは形だけ　画策は死ぬまで」僕らの場合は？「　　　　　　」

July 4, 2012

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怪談が怖くない...　第一部

週末、小学校同級生甲斐さん主催の朗読会へ出かけた。「怪談」と聞いていて、愉しみに。＊＊＊「どうだった？」うん　それがねぇ...存外怖くなかった...感性が退化しつつあるのかなぁ１．「幽霊見参記・僕はハッキリと感じた」　遠藤周作友人の三浦朱門とふたり、熱海で役者の家だったという旅館に泊まった遠藤。案内された離れの寝室で、深更「私はここでくびをつりました」という声に三度目覚め、三浦を呼ばわると「お前もか！」土地が変われば、幽霊はついてくるまいと、翌日、伊豆熱川へ転じ、泊まった旅館で通された離れが、前日の熱海と寸分違わず「幽霊は僕らについて来た」「そりゃぁ怖くないわ」どうして？「あなた遠藤周作読まないじゃない」そうね...ほとんど読んだ記憶がない「遠藤周作は、幽霊なんか信じてない。頭で考えて作った怪談だから怖くない。翌日、三浦朱門と一緒に泊まった宿が、前の日と同じだったなんて...あの連中を多少読んだことあれば怪談はシャレで書いた作品だよ」そうなの？「遠藤ってクリスチャンでしょクリスチャンは、日本の幽霊信じない」なーにそれ？遠藤周作って中国系アメリカ人だったの？「？？？.... ばかもの、クリスチャンはキリスト者だ！　」「遠藤を読んでない人が、ぽっと、いきなりこの怪談だけ聞いても怖く感じないっていうところもあるかな。特に怪談なんかがそうだと思うけれど、状況設定とか、説明に、文章を割かなきゃならない作品の朗読は、聞く人が作者の文体にある程度慣れていないと、そっちの理解に頭がいってしまって、作品に集中しない」ふーん僕は、昔の旅館とか、離れとかの感覚を、もう僕らの世代が共有していないからかなぁって思ったんだけど。あとねぇやっぱり時代を共有してないってわかるのは、途中に夜汽車の音が聞こえた　ってところがったんだな「夜汽車ももうない」そうじゃなくて、あれはたぶん朝の寝台特急じゃぁないだろうなぁ。１２時東京発の大垣行きだから、熱海は２時ぐらいかなぁとか思って。「そんなこと考えるから、お話に集中できない」「現代の現実のほうが怖いね」毎日朝の電車で「〇〇駅で人身事故があり、電車が遅れております」って聞かされる。一年に３万人も自殺者がいるのに、減らそうっていう努力を聞かない。一日　100人２．「お願い」　ロアルド・ダール　田村隆一訳アーケードにできた新しい歩道のモザイク。赤いところは火、黒のところは蛇がうごめく　広がる少年のイメージ。踏んではいけない場所を避けてあるくが、つまずきそうになって、遠回り。これはねぇ　すごくよくわかった。だから怖くなかった　っていうか、怖い話ではないな。007とかチキチキバンバンの脚本家で、宮崎駿もファンで...僕が接したそっち方面の文化にきわめて近い傲岸不遜にいえば、感覚がほとんど共有できる。僕は小さいころ病気がちだった。重い病気も多かったみたいだ。一日中寝室で寝てる。本読んじゃいけないって言われて、しょうがないから天井の木目を追いかける。一日中。いろんな模様があってね。剣、拳銃、帽子、川の流れ、灰皿、明るいところ、暗いところ...暗くて、木目でストーリーが作れないところへ行ってはいけない。そこに行くと次の眠りにはいり、僕はそのまま死んでしまう。３．「雪女」　小泉八雲　上田和夫訳これも怖くなかったなぁ。昔聞いたときは、もう少し怖かったような記憶があるんだが...雪女は、すべてを覆いつくす雪。仲間を、家族を奪っていく、白く美しい雪のシンボルだ。冬でも暖かい現代からは、雪の寒さ、厳しさへのイマジネーションを僕らから奪ってしまっている。ラフカディオ・ハーンは、アイルランド系だから、日本の怪談の怖さを理解してると思うんだ。「でも、翻訳だからねぇ」えっ　そうなの「知らなかったの？」本人が日本語で書いたんだと、今の今まで思ってた。「しかも、この翻訳、あなたが聞いたり読んだりしたものではないかもしれないわ。上田さんはもっと新しい年代の人だもの」はぁ「読み手の問題ってのもあるかもよ」聴かしてもらって、そうはいえないそれどころか、この作品を読んだ方には、数年にわたり何回か聴かせていただいていて、毎回人並み以上の力量を感じるでもねぇ、皆さん最初のころより落ち着いてしまい、あのころの「あやういバランスの迫力」を感じない。「そうね。少なくともお上手とか、下手ってことではないの。岸田今日子さんて朗読お上手って言われてたでしょ」そういうおぼろげな記憶はある。「私はだめだったの。朗読は、自分が表に出てくる人は読み手には合ってないような気がするの。枯れたかんじっていうのかな。竹下恵子さんは聞けるけれど、大竹しのぶだと、自分が前に出てきてしまう。岸田さんとか大竹しのぶは自分が前に出るタイプの女優さんなのね。NHKのアナウンサーだった加賀美さんは、文章を読むのはとてもお上手。だけれど、しょせんアマチュア。女優さんたちとは逆に、文章をいきいきと再生したのを聞いたことがない。もっと豊かなはずの彼女の感情が、いつも始まってすぐ、抑制に占領されて、死んでしまう。それを乗り越えようと、おつくりになるのだけれど、それもお上手なだけに、とてもお気の毒」？？？「男の人で、朗読にあってる人は少ないわぁ。歳とってからの森繁久弥なんかいいわねぇ。宇野重吉は私はだめ。演技は作れたけれど、肩に力がはいってしまった声は、最後までコントロールできなかった。奈良岡朋子さんは、とっても朗読にあってるって感じるわ」「電話の仕事をずっとしてきたでしょ。お客さまの声だけが頼り。電話でご自分の言いたいことをきちんと言える方は少ないの。いろいろな人の話しぶりを聞いていて、ご自分が表に出ているときには、男の方は十分に表現できない方が多くて、女の人は本当のことを言わない。朗読もね、聴いていると、わかるところがあるの」ふーんじゃあ僕がウソついてるなんてのは、すぐわかっちゃうんだ。＜intermission＞第二部へ

July 3, 2012

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「神様」　春の朗読会

いささか旧聞。３月のはじめ、同級生の甲斐さんからご招待があり、朗読会へ行った。このところ、面白いこと、興味を持つことが、少なくなってきたように感じること多く、好奇心の減退に不安を感じている。そういう中、甲斐さんの朗読会は、作品の選択になかなか奥深いものが多く、読み手の力量がそれに見合った相当のレベルにあって、毎回愉しみにしている。ところが、今回は、残念なことに、これまであったような、聞き終わったあとの余韻を感じるところが少なく、どうしたことかといぶかしく思えた。半月ばかりして、多少思うところがあり、記録しておく。同級生では、まっちゃん、留さん、須藤君にも声掛けしたとのことだが、それぞれ都合が合わず、当日お伺いしたのは、眞里ちゃんと僕の二人。演目は、菊池寛新今昔物語の「馬上の美人」から始まった。d?j?-vu。「菊池寛など読んだことはない」と思っていたのが聞き入るうち、この話しどこかで読んだことがあると思いだした。細かくは違う部分があり、記憶にあった結末では、馬をめぐる当事者の男女３人の過去に、菊池寛「馬上の美人」にあるより多少複雑な関わりがあった。もっとも、それは、「馬上の美人」と、何か別に読んだものを混同しているのかもしれぬ。しかして、「馬上の美人」をなぜ演目に選び、さらに朗読会の冒頭に配したものか。二番目の演目は、宮沢賢治「猫の事務所」宮沢賢治はとんとダメ。この作品は知らなかった。作品選定の背景は、ますますわからない。休憩のあとピアノの演奏はグリーク「春に寄せて」おぼろげながら、この会のテーマに「春」の流れがあるところに気付く。眞里ちゃんが「この曲、実はすごく難しいんだよ」と教えてくれる。甲斐さんの演目は三番目。川上弘美の「神様」1993年発表のデビュー作。3.11を契機に、時代設定を2011年3月11日以降にしてオリジナルを描きなおした「神様2011」という作品もあるが、甲斐さんが選んだのはオリジナル。しかして、なぜにこの作品を選んだか　は、こちらについても分からない。四番目は、輪唱ならぬ輪読の試みで、巖谷小波「三角と四角」最後は、僕ら聴衆も一緒に、春の詩を中心に。はる（谷川俊太郎）、花（武島羽衣）、私の水平線（高橋順子）コロッケの唄（益田太郎冠者）、うれしいひなまつり（サトーハチロー）＊＊＊春とは相性が悪い。春は花粉症の季節である。T.S.Eliot The Waste Landの季節。春　人々は楽しげにふるまう楽しげにふるまうことを当然とする風潮が世間を覆い心、身体のどこかに、釈然とせぬものをかかえる人々に疎外感をおぼえさせる季節でもある。そんな疑念を抱いては、せっかくのご招待に申し訳ないところだが、あの甲斐さんが、果たして天真爛漫に春を謳いあげるかは、甚だ疑問なのであって、むしろ、この釈然とせぬ思いが彼女の狙わんとしたところでは...演目にある作品には戦前のものが多い。しかも、時代性なのか、どこかに屈折したところが隠れている。「馬上の美人」など「新今昔物語」とうたったは、古の説話を題材に、変わりゆく時代への不安、怖れを託した芥川龍之介へのオマージュがあろう。書きえぬ何ものかがどこかに隠された煮え切らぬものがどこかにあって、それが聴く我々に、読むのとは違う違和感をもたらした？天真爛漫、溌剌と春を謳うやに聞こえる「花」滝廉太郎は青春のただなかとも言える、２４にして結核に屈した。どう聴いても「うれしさ」が感じられない「うれしいひなまつり」同じく、嫁入りが決まったに、結核に倒れた亡き姉へのサトーハチローの記憶が漂う。賢治にも病死した妹トシ。開けてみた春の裏側には荒涼とした世界が広がっていた。それは自分の心象風景そのものなのか？「神様」自分の初めての作品を、3.11を経て、もう一度書き直す。「くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである。歩いて二十分ほどのところにある川原である。春先に、鴫を見るために、行ったことはあったが、暑い季節にこうして弁当まで持っていくのは初めてである。散歩というよりハイキングといったほうがいいかもしれない。」ー「神様」「春先に、鴫を観るために、防護服をつけて行ったことはあったが、暑い季節にこうしてふつうの服を着て肌を出し、弁当まで持っていくのは、「あのこと」以来、初めてである。散歩というよりハイキングといったほうがいいかもしれない。」ー「神様2011」「いい散歩でした」くまは305号室の前で、袋から鍵を取り出しながら言った。ー「神様」　「いい散歩でした」くまは305号室の前で、袋からガイガーカウンターを取り出しながら言った。まずわたしの全身を、次に自分の全身を、計測する。ジ、ジ、という聞き慣れた音がする。ー「神様2011」「くま」が作者にとって、何を意味するものかは知らない。「当たり前の日常にして特別な日」に、「あのこと」は、「異常なもの」を加わえてしまった。キリスト教？自分には無い何ものかに、同じく、自分には無い文学的感性が反応していることに、僕は気がつかないである。眞里ちゃんは、主人公の「わたし」は「妖精のような少年ではないか」と言った。女性である作者が「わたし」というは女性に違いないという先入観が崩れた。味わいは、どこか自分たちの中に、豊かに溜まっていくところがある。過ぎゆく時間に流れるばかりではない。記憶の中に、新しい出会いに、愉しみを見いだす贅沢。

March 16, 2012

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平石君

６年３組出身で、僕らの代の緑中生徒会長だった平石君が上京、数名で会った。平石君は中学時代バスケット部。当時の緑中はバレー部、バスケット部が男女とも世田谷区で優勝、都大会ではバレーが男子優勝、女子準優勝、バスケットは女子が準優勝だったように記憶する。この両部の活躍を支えたのが、バスケット部は、佐々木先生、バレー部は日食（ひじき）先生。大学でも先輩、後輩の関係。それぞれが、朝は7時からの朝練、放課後は夕方ボールが見えなくなるまでの猛練習。厳しい練習の中、部員の結束は固かった。その佐々木先生がお亡くなりになったという噂が流れ、平石君が先生のご自宅に電話したところ、ご本人がお出になった。「先生、生きてらっしゃったんですか？」と、正直にしゃべってしまった平石君。「誰が僕のころを殺したんだ」とお冠の先生。そんなことで、たまたま平石君に上京の用事があり、金曜日、何人かに声をかけ、先生と久しぶりにお目にかかったそうだ。75歳になられた先生は、お元気そのもの。誰だ？亡くなったなどと言ったのは？佐々木先生は、本来バレーが専門。緑中のあと高校へ移られ、そちらではバレーを教えられていた。後輩ながら、すばらしい実績の日食先生に、指導方法を教わったと先生が平石君にお話しなさったという。バレー部だった三原君がその話しを聞いて、「日食先生は大学卒業してすぐ緑中に配属された。大学バレー部の練習方法をそのまま持ち込んで中学生にやらせるんだから、強いわけだよ。でもね。当時でも結構大変だったらしい。先生方が非常に熱心だったのを、日教組の先生が咎めだてし、そんな一生懸命やるなというようなことを言ったらしい。あまりにも再三、理不尽な言いように、ついに先生が激こうし、某日教組の女性教師に手を挙げるに及んだらしい」今なら進退問題になるところだろうが、擁護する人がおられたか、一応は無事に済んだのであろう。確かに厳しい練習だった。だが、先生はご自分のためでなく、僕ら生徒に全力を尽くすことの大切さを徹底して示された。だから緑中の連中は結束が固く、今でも多くの人が各方面で活躍する。バレー部のM君は、家庭の都合でスパイクが買えず、つま先の破れたシューズを使っていた。見かねた仲間たちが100円ずつ小遣いを出し合い、「これで靴を買え」と言ったのだが、「僕はこれで良い」と、敗れ靴で通した。その彼は、若くして都立高校の校長となり、最近再び現場に復帰したと聞いた。僕らは決して不良学校と言われるだけの連中じゃあない。＊＊＊土曜の夕方、平石君を囲んでミニクラス会。午前中は外出していて、帰宅後の午後は、翌日予定の叔父貴１３回忌段取り。親父が、これだけは出かけると言ってきかず、前日から準備を始めるのだが、どうせもとの黙阿弥。しかし、やるだけはやっておくと、言うことを聞かぬ親父を言い含めるには家人たちでは足らず、どうしても僕が登場する。平服でとあるから　と背広を決めて用意する。どうせ翌朝は礼服と言いだすに決まっている。香典を整える。「そんな金額でいいんかい？」「だいじょぶだ」おかしいな今回は、珍しく奮発しない。一応こちらも２所帯分、香典を用意。渋谷天厨菜館でのクラス会に出かけるというカミサンを送り出し、さらに親父を床屋へ送ったあと、こちらも経堂駅方面へ。土曜日夕刻の経堂は意外に混雑していて、人数が多いのは断られる。西通りの天洋へ。平石君は、あくまで穏やか、朴訥に話す。昔から、人の多いところは苦手。早世された父上と過ごした北海道が小学校の頃からのあこがれ。学校も就職も北海道。６０になったら小舟を買って釣りして過ごすと言っていたが、一足早く小舟は畑に化けた。日曜まで東京におられ、月曜に福島在住の小学校担任の先生をお見舞いして帰る。天洋から出て、コーヒーを駅前のマックで、と思ったら、翌日の準備を思い出し、急ぎ帰宅。もう１１時近かった。

November 14, 2011

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鮭とば

鮭とばをいただいた。季節なのか昨日の酒席で鮭とばが出てきた。「どうやって食べるの？」「そのままでもいいし、お酒につけてもいいし。食べるときは温めて食べる」「炙っちゃだめだよ」「えっ？それじゃあどうやって温めるの？」「３０センチぐらい離して」「あぁ　遠赤外線なんだ」「電子レンジでもいいよ」「風情がない」「皮ははがしたほうがおいしいよ」「皮はずっと噛んでるとおいしくなっていく」「炙ったほうがうまい」「炙っちゃあ、固いだけで普通の鮭になっちゃう」「せっかくの鮭とばなのにねぇ」「まあ、好みの問題だから」猫に小判豚に真珠僕に鮭とば

November 10, 2011

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食糧自給率向上

「日本の食糧需給率が４０％を割ってて危機的だっていう話しがあるじゃない」「ああ」「あれって、食糧生産増やさなくても改善できると思うんだよな」「そうだな。日本人はモノを捨て過ぎてる」「同じ量の食材を使って、日本人と中国人の違いは、日本人は、半分ぐらいゴミにしてしまうけど、中国人は殆ど使い切るでしょ」「ああ、日本人はゴミ出しすぎだよな。それを燃料使って燃やすのだから、まったく無駄だ。たとえば、キャベツの外側とか、見栄えが悪いとか、青臭いとか、固いとかで捨ててしまうけれど、あれなんか絶対使えると思うんだよな」「あれは使えるね。最近始めたのは、あれをミキサーってのかい？あれにかけて、カレーとかシチューに入れるんだ」先日、小学校同級の留さんとそんな話をしていた。そのとき話しした中に、エビの殻というのがあって、わが家では出汁をとるようにしていたのを、さらに、ミキサーで粉砕して、最後はカレー、シチュー等に使うようになった。野菜の端っこ、鶏がら、玉ねぎの皮なども使う。最初のうちは失敗して、お味のほうがちょっとということもあったけれど、最近は安定してきた。生ゴミの量がだいぶん減った。食糧需給率向上は、少しの努力でかなりのことができそう。

May 29, 2011

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５月３日

高校時代のクラブOB会仲間とカミさんは３０日から諏訪の御柱先輩で、「○○県警」というあだ名の人（運輸省のお役人だが、某県警の交通本部長に出向していたことがある。あろうことか、そのときにスピード違反をやって、部下である交通警官につかまったという笑い話が原点）が迎えに来てくれる。豪勢なもんだ。娘は、どこか東南アジア家には、男３人が残されている。小学校同級生の英ちゃんがやってきた。失業したという。と言いながら車だ。始めての失業？解らないからと言って、同級生で経験者の留さんに教わる。どこか車をとめられてお茶でもというこの連休にこの地元で...家の駐車場に２台はいらないことはないが、あいにく店がない。家をかたづけるのも面倒。ということで留さんちの庭！留さんは、業務経歴書は、「どういう会社相手に書くのか分からねば駄目」という。僕は、「全部書いときゃいいじゃねぇか。」営業の人である。いろんなことができる。ノルマノルマで追いかけられるのがいやになったようだ。そりゃそうだ。２０世紀的発想は時代遅れ。会社という組織の在り方が制度疲労を起こしている。というか法律で、細かくああだこうだと決めて、それに縛られる会社というのが、もはや自由の利かない、新しいことに挑戦していけないことになってしまった。人間もそうである。やってよいこと悪いことを、全部言葉で書けるわけではない。ものごとには、同じようなことでもいいことわるいことが別れる。それは人間が判断することである。但し、時代風潮に流されてはいけないだけ。いい仕事が見つかるまで、アルバイトで食いつなげせっかくだから仕事は７０ぐらいまで出来るものを考えろ聞けば英ちゃん　そこそこの料理も出来るアルバイトで厨房やってたことがある。食堂の厨房ぐらい出来るじゃねぇか若い人と違って、もう僕らはそんなに給料いらない。却って、そう考えれば職はあるかもよ。などと言った。まあゆっくりやるさ。どなたか、職のお世話していただける人があるだろうか？風が出てきた。しょうがないから、もの干しを組み合わせ陣幕風にシーツを垂らしてみた。強い風が、いい塩梅に。すごいもんだ。テレビとか映画では、すそまでとめてるが、あれじゃあ風の強い日には役にたたんだろうすそは止めないほうが、却って風をやわらかくできる。いかにもシーツじゃしょうがないから、字か紋所を書くようにしよう。そう言えば、知人が、家紋と陣幕の紋所は違う場合があったと言っていた。あんなシーツよりでかい布地に、紋所どうやって染めたんだ？などとも考える。８時過ぎに解散。こういうのもいいね。

May 4, 2010

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孤独

黒いエレベーターを降りると、そこは、息を呑むような空間であった。私は、その場所を訪れるのは初めてであったけれど、そこがそのような場所であることを、明らかに知っていた。エレベーター前の白い空間。廊下を左に折れ、正面の白いドアを開ける。手前に開けるのかと思えば、それは向う側へ開くもの。「そうだ。かの方は、そういう方であった」５年前の記憶がよみがえる。私は、黒の帝王からの使いとして、白の帝王の下へおもむいた。それまで、黒の帝王から、幾度も白の帝王に使いが出されたが、ことごとく白の帝王はこれを拒否し、唯一私だけが、お目通りを許された。それも、二度も。私の使える黄色の帝王ＢＳは、私に言った。「かつて俺がお前を彼の助けにと遣わした、黒の帝王は、今際の床にある。俺は、一昨日彼を訪ねしが、その姿を目にすることの辛さ、そして、それが、俺が彼に会える最期であることを、彼に告げるに忍びなかった。彼は、しもべたちの前では、ふだん通りの姿、ふだん通りの立居振舞を見せる。しかし、その、俺が彼に教えた技を、彼は、もはや長く続けることは出来ず、そもべたちを下がらせ、俺たち二人だけとなったとき、彼は、もはやソファに斃れこむよりほかに術はなかった。俺は、その彼を抱きしめ、そのまま俺たちは、何時間とも思える時間、いやじじつ、時間を超越して、過ぎ去りし過去のこと、彼が俺に託す未来のことを話しあった。永遠に永遠をかけて、さらにそれに永遠をかけた時間が過ぎ、別れを告げるときが来た。俺は、彼に別れの言葉を述べることはせず、ただ一礼して彼の下を辞去した。しかし、彼は、俺が部屋を辞するときの一礼に、彼に最期の時が迫ったことを悟った」私は、ＢＳのその言葉を聴いて、いよいよ私が白の帝王の下へと、再び向かう時が来たことを悟った。そして、扉の向こうにさらに続く、白い廊下へと踏み出した。ドアの無い、彼の部屋に通されたときも、私は、初めて訪れるそこがどのような空間であるかを既に知っていた。それは、白の帝王と黒の帝王、そして私だけが知る秘密であった。それでも、そのような私にとっても、そこは息をのむ空間であった。誰もが、そこを目指し、そこにあることを喜び、誇る空間が３６０度眼下に広がっているのだ。主が、白の帝王でなかりせば、そこは虚栄と傲慢の館に過ぎぬ。しかし、そこは、白の帝王が、彼自身のために用意した、彼だけのものである。部屋に入ってきた白の帝王は、周りを見降ろし静かに言う。「あまり良い景色ではない」「さように存じます」「黒の帝王は、今際の床にあります」私は告げた。「知っている。おととい、彼と会った人に、彼は悲しみの中にありたと聞く」黒の帝王のしもべと称する者たちと、白の帝王の間の３つの戦いのうち、ようやく二つが片付き、今、３つ目の戦いが終わろうとしている。「黒の帝王は、戦いのことをどこまで知っているのか？」彼は尋ねた。「おそらくは、何も知りますまい。彼は自分のやりたいことを指示し、しもべたちはそのことをそのまま行っただけにすぎません」「これまで、彼のしもべという者たちが、何人も、何度も私のところを尋ねてきた。ありとあらゆる質問を浴びせられた。私と私の部下たちは、その全てに誠実に答えた」「さように存じます」「それにもかかわらず、彼のしもべたちは、言を左右にして、私がただ一つだけ願うわずかのことすら受け入れようとしない。何故だろう？」「しもべと称する者たちの実は、しもべであることのみが目的であり、黒の帝王に真実を伝える言葉を持ちませぬ」私は、黒の帝王のために、白の帝王を二度訪れ、ことを運んだ。成就したとき、私は、その後に何があるかを悟り、二人の間にそれ以上介在することを敢えて避けた。私はＢＳのものであり、黒の帝王のものではない。「それはわかっている。しかし、私はどうしても黒の帝王の部下たちが、あのような者に過ぎぬことが信じられぬ」「彼らの文化は、他者の文化の介在を許しませぬ。唯一、他者の文化のあることを知る黒の帝王に、彼らは真実を伝える言葉を知らないのです」「そうであろう。彼らにどれほどものを伝えても、彼らは黒の帝王にそれを伝える前に、黒の帝王の下を去る」彼らの全ては、我こそは、黒の帝王のしもべたんと、白の帝王に対し精いっぱい虚勢を張り、黒の帝王に媚を売る。しかして、無論それは、偽りの虚勢、偽りの媚に過ぎず、長く続くことはない。「お前の目的は金か？」「いいえ。あなたからも黒の帝王からも金は受け取りませぬ」「では何のためか？」「ＢＳと私の名誉のためであります」「そうか」「黒の帝王のしもべたちに、お前は何をさせるのか？」「彼らが、あなたから得たものの半分をおかえしさせましょう」「ふんっ」彼は珍しく鼻で笑った。「それは、私が与えたものではない。使わしてやっているだけのこと。なのに、彼らは、まるで、それらを得たもののように扱い、余計なものを加え、本来あるべきものをゆがめている」「それらはすべて、御意のままに戻させましょう」「彼らがそれを請うならば、請う前に己たちの華飾を去らねばならぬ」「無論のこと、しかし、それ以前に彼らの大半は、この場にありますまい」「ならば、黒の帝王亡きあと、お前は何を頼りに、このことを運ぶのか？」「あなたさまへと、黒の帝王の奥さまへのご信頼であります」「私は彼女に会ったことはない」「はい、私の名誉にもご信頼いただければ」「それは結果のみが知る」「御意」「私は侮られている」「あなたさまは、黒のしもべたちを一蹴するお力をお持ちです」「そのことは既に確かめてある」「調べるまでもございません。しかし、彼らは、あなたさまにそのお力あるとの私の言葉を信じませぬ」「言葉に意味はない」「彼らに耳を傾ける力がないからでございましょう」「時には、あまりの言い草に、いっそ鉄槌を下さんと欲するときもある」「よくぞご自制下さいました」「辛いものだ。世間は、俺を黒の帝王と結んで安泰と思う。しかし、内実は違う」「御意」「持つ者は、常に持たぬ者を案じておらねばならない。持たぬ者が、そのことを気づく時のために、用意しておかねばならぬ。しかし、持たぬ者は、持つ者のみにある、その矜持を理解しない」「理解しようと努めることはできます」「理解するためには、彼らは一度滅びねばならぬ」「御意」「お前は、そのことを彼らに伝えることをしなかった」「聴く耳持たぬ者たちに、伝えようと努力はいたしました」「言葉には意味はない」「心で接しようとしました」「心を閉じた者に、そのことを言うても承知せぬ。滅びる間際にしか、そのような者たちは、自分が滅びることを自覚せぬ。それでも、お前は、彼らを救わんとするのか？」「いえ。もはや救うことはいたしませぬ。聴かれれば、お前は滅びるとだけ伝えましょう」「お前には辛すぎかろう」「やむを得ません。他者に頼む術を私は持ちませぬ」「あるときは、信頼するといいつつ、今度は他者を信頼せぬか？」「時と場合によりまする」「他者からは言い訳にしか聞こえぬ」「御意」「逆に他者を傷つけることを恐れぬのか？」「そのままでは滅びる者に、お前は滅ぶということに躊躇はありませぬ」「真意は伝わらぬ」「承知しております。言葉に意味はございませぬ」「お前も世の中の複雑さに耐えようとするか？」「はい」「どこまで耐えるか？」「耐えねば明日がありませぬ」「ときには、聴かれずとも、お前は滅ぶと伝えねばならぬときもあろう。滅ぶべき者を、滅ぶべきできでない他者を巻き込んでいるときには」「それゆえ、私は、今日あなたさまをお訪ねしております」「要らぬこと」「あなたさまに、彼らがあなたから奪ったものをおかえしすれば、あなたさまは返されたもので多くの人をお救いになります」「そうは限らぬ」「そこはあなたさまへの信頼がございます」「それは結果のみが知る」「御意」私たちは孤独を共有し、私はかの人の下を辞した。次に彼と会うには一年以上の月日が必要である。

March 15, 2010

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土曜日

朝１０時新宿で胡暁子さんとまっちゃんと打合せ。私が用意した原稿に、「私はもっとはっきり言いますよ」とたしなめられる。いろいろ混ぜて書くのが僕の欠点。１１時過ぎに失礼し、１１時半ハチ公でFulfordと打ち合わせ。彼が新しく立ち上げる企画で、第一回イベントを４月２４日横浜でやる予定。外国人コミュニティーが推薦する日本の隠れた商材をインターネットで海外に紹介する企画だ。事業構造はＮＰＯ部分と、株式会社部分にはっきり分けるというから、それは良いねとコメント。資金の移動の件があり、特定銀行に関係者全員の口座を作ることを提案。振込手数料の節約が必要。「弁護士」は、長島大野でどうか？常松柳瀬関根と合併したんだよな。どうも頭が１５年前から変わっていない。西日本への訪問は私の担当だが、交通費ぐらいは出してよね。はいはい、検討します。ＪＡ磐田のお茶の件など、調整。とにかくちゃんとイベントを成功させること。もう４月２４日はすぐそこだから、とにかく、日取りだけは知らせておくこと。日本側のお二人が、退出したあと、Fulfordと、さらにE-Learningその他打合せ。うわっ！３時だ。青山まで歩き、青山ファーマーズマーケットで買い物。小学校同級生の留さんが、来てみたいというから待ち合わせ。着いたところで、カミさんに電話し、車で迎えにくるようお願い。土曜日、仕事帰り、背広姿。ふだんは日曜朝いい加減な格好で買い物しているから、日曜日の僕しか知らないスタッフは、目がまんまる。１１時半に始まった会議が３時までかかり、国連大学前まで歩いても熱が冷めず、お仕事モードそのまま買物に突入、おそろしい結果を招いた。行きつけのお兄ちゃん。「いつもお世話になります。今日はどうなさったんですか？」「うん？仕事帰り」「今日は何なさいます？」夕方７時から明大前キッドアイラックホールで知人のデビューリサイタルがあり、そこに料理を差し入れると約束している。「今日は株とかないの？」「あいにく売り切れちゃったんです」葉物は、ホウレンソウが３つだけ。あとは、キャベツとゴボウがかなりたくさん。アスパラが５本。たまたま、いつもホウレンソウを買うお相手が、お休みだったので、まずはホウレンソウ。「いくつにします？」「いいや３つとももらっとこう」「ありがとうございます」「アスパラも全部貰おう」「はい。キャベツはいかがでしょう？全部売り切りたいんですよ」「キャベツねぇ。いいや」「じゃあ一個サービスしますよ」「まだキャベツは家に残ってる。それより、ゴボウ下さい」「何本にしましょう？」「６本行こう」あちらの目が点「それ全部で2,000円どうだ？」「いいっす。いつもお世話になってますから。キャベツも一つつけときます」「いらねぇよ。重いから」家帰ったらそれでも、キャベツ一個ついていた。次の店。ときどき買うものの、少し高め。女の子二人。「これ何？」「あ、これ高菜です」「こぶ高菜だろ」「あ、そうです」「もう陽にあたって駄目じゃねぇか。貰ってってやるよ」「ありがとうございます」こちらでも2,000円わたして、予算これだけ、欲しいものもらってく。「はい....」「人参いくら？」「これ秤売りなんですよね」小さいＢ品ばかり。「全部ちょうだい」「はい.....」サトウザヤ３つ「二つで簡便して下さい」あ、人参の重さ秤ってる。「秤るなよーっ　全部でいくらってのが楽しいんだから」「だってぇ、足りないときもありますからぁ」「ちげぇねぇ」「ホウレンソウ要りませんか？」「だめだよー　それしなびてるじゃん」「分かった。ふたつで100円にしときます」「そいつは、売れねぇからタダだな。このトマト陽に当たってだめになってるだろ」「トマトは陽に当たって赤さ増すんですぅ」「ちきしょう」「これはたまねぎ？」エシャロットみたいなやつ「いいえ、にんにくです」「これ２つ」「それ辛いです。一つにしてください。うち赤字ですよー」かまわず二つ取って、200円渡しておしまい。「どうやってもって帰ります？」「その段ボールちょうだい」「はーい」Ｂ品の人参が入ってた段ボール隣で目を丸くしてみていた留さんがかかえてくれた。カミさんまだ到着せず。段ボールを関与先のJohn Moore Organicsのブース後ろに隠してもらって、もう一回り木の子のお店いつも気にしているのだが、敷居が高い。値段が高いから。しいたけ一個（一袋ではない）450円ってのを売ってる。だが、今日は、少し小ぶり（といっても一個で普通の店で売ってる一袋分ありそう）一袋400円のがある。えのき一袋200円　たっぷり500ｇ干しシイタケ700円「干しシイタケ甘いよ。ほんとにいい奴だよ。もってかない？」「干しシイタケは高いなぁ　俺値切るけどいい？」「じゃあ干しシイタケと、こっちのシイタケで1000円でいいよ」「それじゃ100円しか負けてくれてないじゃん」「じゃあシイタケ二つにエノキ二つつけよう。それで1,000円」「負けたぁ。ほら1,000円」「こっちこそ負けたよ。お客さんうまいねぇ」ちきしょう　200円しかまからなかった握手掛け合いの面白さを味わえば、百貨店、スーパーで会話の無い、或いは、見せかけの活気などに金払う気持ちは失せていく。バザールのにぎわいこそ、コミュニケーションの原点だ。寺山修二は書を捨てよ街に出ようと言った。僕なら、コンビニを捨てよバザールに出ようだ来月から千代田プラットフォームスクェアに拠点を移す（正確には増やす）あちらでも、バザール企画がある。今度は売るほうをやってみようか？John MooreがOrganicコースの授業から戻ってきて、ちょっと打合せ早くパンフレットと、財務計画を作れというはいはい最初、そんなの要らないって言ったのお前だろ。ま、いいや。カミさんが到着し、留さんに荷物もってもらって帰宅。途中、留さんに、ゴボウ二本、にんにく、山芋などおすそ分け。水道道路で留さんを降ろし、家に。おお５時だ。トイレに行って、服を脱ぎすて、カミさんに安酒を買ってくるよう依頼。出し用だけど、あとで飲むか。惜しげのないところが、安酒の良さ。ホウレンソウを茹で、にんじん、ゴボウを蒸すゴボウの笹がきだが、却って手間とふと気付くニンニク、サトウザヤを、油で揚げて、重箱へ。薄く油でいためた鳥肉とエリンギに日本酒を注ぎ、さらに醤油を注ぎ、出しを取る出しがらは煮切って重箱へ。シイタケとアスパラを炒めて合わせ、塩を振って重箱へ。山芋を一本すって出しと合わせびん詰めにんじん、ゴボウは、そのまま味付けせず、重箱へ。食べるときに山芋と合わせる予定。ここで６時２０分。１時間２０分か。まあいいや。もう一度背広を着て、家を飛び出す。電車の中でメールチェック。６時５０分に切符を預けた人と待ち合わせ、切符を受け取る。留さんが、前から二列目。入口脇の席をとっていてくれる。あちらに知人のＹさんのお顔を拝見。お忙しい中、わざわざお越しいただき、ありがとうございます。よりちゃんは、お忙しいのか、今週はご出席なしとのこと。明大前キッドアイラックホール朗読の会「ほほ」のイベント

March 14, 2010

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千歳船橋行

小田急には、新宿から乗るほか、代々木上原で千代田線から、或いは、下北沢で井の頭線から乗り換えるのだが、都合の良い便にあたることなど、ほとんど無い。（逆は、そうでもない）複々線になったとて、優等列車ばかりを優遇し、各駅停車の所要時間は、ほとんど変わらないと八つ当たり気味。それが、昨日は、井の頭線で一番渋谷寄りの車両に乗り、妙に段差が低い乗り換え階段を駆け下りたところ、たまたま唐木田行き多摩急行に飛び込むことができ、さらに経堂で連絡待ちの各駅停車に乗り換え、下北沢から5分ほどで？千歳船橋にたどりついた。小学校同級の留さんと一緒に、同じ同級生「まっちゃん」のだんなさん「たかはしこう」さんと会うためだ。たかはしさんとは、しばらく前から、一杯飲もうと言っていたのが、互いの都合が合わず、三週間越しの設営となってしまった。昨日は、たまたま、昨日から出かける予定の出張を今日からに変更したので、Patty Smithアテンドの仕事から解放されたばかりのこうさんと、日程が合い。昼に、こちらも、前からこうさんと一緒にと言っていた留さんに連絡し、合流した。稲荷森稲荷（とうかもりいなり）神社裏の飲み屋街で焼酎。話しは盛り上がり、２軒はしごで、ご帰還は午前さま。家へたどり着いたら、ちょうど息子もご帰還で、車の車庫入れ中。風呂に入って、そのまま就寝。朝、なにやらうるさい音がすると思ったら、隣室のキッチンに置いた荷物の中の携帯が、目覚まし音を出している。停め方が分からないので、目が覚めきってしまわぬよう、娘の部屋へ荷物を持参。「ごめん。今、帰ったところ。徹夜だった」「たいへんだねぇ。それで今日は？」「工場の人たちと鎌倉へ出かける」良く分からぬが、娘のクライアントの中に独自仕様の製品を注文する会社がいくつかあり、そういうものの生産を担当する工場現場との協力を密にする必要から、レクリエーション活動に、娘も参加させられるらしい。「今日は泊まりなんだ」「へー？どこ？かいひん荘あたり？」「そういうのはとれなかったんだ。藤沢のビジネスホテル」「なんだそりゃぁ？」

August 1, 2009

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お花見

小学校の同級生が、５年ぶりくらいかな？花見に集まった。１０日ほど前に、茂美君と、バーで盛り上がった急きょの企画。１０数人に声をかけたが、当日キャンセルの人もあり、最終メンバーは男４人に女２人の６人。２時の開始。楽しく盛り上がり、大過なく？８時過ぎ終了。うーんそのあとよく覚えてないんだが...カラオケをご所望の茂美君。どうも、迎えに来てもらおうと算段していた息子さんの仕事が長引き、時間つぶしから発展したと思われるのだが。しかし、すごい。日曜夜にカラオケなどという声を無視。駅近くの地下へ向かうが、当然休みところが、偶然ママさんのおでかけに行きあい、無理やり店を開けてもらって、酔漢４名で（ひとりは女性だが）カラオケごめんなさいねそのあと一杯飲んで、女性をお返ししさらに河岸を変えてさらに一杯ところが、ここで、ふたたびカラオケのママに行きあい、ママと茂美君が意気投合。隣の若者集団とも、何か、僕が女の子のためにしてあげたことへ、感謝の差し入れがあり、こちらとも意気投合して、さらにもう一軒はしご。いかんわなぁ。最後は３時を過ぎ、茂美君をママに託して家に帰り、気がつくと「７時だよ」と娘に起こされていた。

April 6, 2009

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四月五日　花見

数年ぶりに、旧六年三組の一部有志が集まり、我が家で花見をやることになった。男は会費2000円に自分の飲み分相当女は会費無料だが、食べ物一品と自分の飲み分相当あいにく天気予報は雨まあ、屋根つきだから、問題はない。しかし、雨ばかりでなく、デポドンも降ってくる？まったく迷惑な話しだ日本も北朝鮮方面に向けて「人工衛星」を打ち上げたらどうか？もっとも中韓ロから猛反発だな。

April 2, 2009

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花見をすることになったのだが

茂美君と話しして、４月の５日に、我が家で花見をやることになった。茂美君と僕、あと、留さん、英ちゃん、徳永君まで決まりまっちゃんは、だんなさんのコウさんと外出で、お見えになれず甲斐さんは、お越しだが、女性一人ならばご遠慮真里ちゃんが３時ぐらいに登場とご返事をいただいたき茂美君にもその旨、連絡したところで、外出先に携帯を忘れてしまった。山澤君には、甲斐さんがご案内こちらからは、あと、須藤君に連絡しようと思うおそらく、明日夕方には戻るが、それまでご連絡、ご返事ができない申し訳なし

March 29, 2009

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迷路

小学校の低学年、中学校の２年３年の同級生にF君がいた。遊んでばかりいた僕と一緒にいたにも関わらず、非常に優秀な人だったが、一度、たわいもないことで大げんかに近いところまで行って、お互いの違いを認識したことがある。ことの原因は迷路あそび。互いに方眼紙に自分で迷路を作り、それぞれ相手の作った迷路を攻略していく。ところが、生来不器用な僕は、フリーハンドで線を引いていく能力がなく、定規を使って通路幅５ｍｍで迷路を書いた。それに対し、器用なＦ君は、定規なしで、もっと細かい迷路を一枚の紙に書く。辛抱がなく、面倒なことが大嫌いな僕の性格まで読んで、彼はそういう作戦に出たわけだ。迷路というのは、辛抱強くひとつひとつの経路をつぶしていくことで解答に辿り着く。相手の手数を多く費やさせるほうが勝ちだから、一枚の紙に書かれた迷路の稠密さからして、細かい彼の迷路に、自分が勝てないのは当たり前。どうやっても勝てないのに業を煮やし、最初は単純なものだったのを、一方通行とか、さらに抜け穴とかを設け、相手の攻略を妨害していく手法を導入したのはこちら側。ところが、Ｆ君はこちらの手法を、そのまま大量に導入。ただでさえ読みにくい彼の迷路に、一方通行、抜け穴まで加わり、こちらは、完全にお手上げ。さすれば、と抜け穴にＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄと番号を付け（それまでは、方眼紙の裏側に経路を書いていた）たところＦ君、今度はＡからＺまで抜け穴を増やすという手法に出た。分かりづらいので、こちとら、色鉛筆でＡＢＣの出口入口を区分したのだが（解法を相手に教えるときの自分の便宜のためでもある）、Ｆ君は、それには従わず、さらに、Ａ－Ｚに加え、１から３０まで加えて対抗してきた。ついに、まったく勝つことができなくなり、堪忍袋の緒が切れる。「お前の迷路は分かりにくい。せめて定規を使って通路幅は５ｍｍの中に収めろ」と詰め寄ったところ、「一方通行とか、抜け穴とか、ルールにないことを導入したのはお前だ」と反論され、お互いさまとわかったところで、迷路遊びは終わりとなった。思い返せば、僕の独創（というのは自慢にすぎるか？しかし、何か他の例を参考にしてそうしたものではない）に対し、Ｆ君は地道に、しかも手数を増やすという手段で対抗したということ。もう少し時代が下れば、お互い、任天堂でゲーム製作者それなりに成功していたかも

February 27, 2009

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岡潔さん

昨日、天皇陛下お誕生日談話について家人と話したことを書き記した。そうしたところ、小学校同級生のまっちゃんから彼女のBLOGに記載したお話しをお知らせいただいた。善行を重ねていく人。何世代にもわたって、日本という国、国民とその生活が豊かであることを願い続けた天皇家の結晶が今上陛下である。僕は、積極的な天皇制支持者ではない。しかし、今上陛下のお姿に、昭和天皇という父上から引き継がれた、日本国と日本国への思いの表われをを見るとき、そこには、無私の善行の連なりを感じざるを得ない。ゆえに、天皇陛下は、そのように善行を積む日本人の姿のあらわれという意味でも国民統合の象徴なのだ。岡潔さん多変数解析函数の世界的大家として知られる数学者。僕は、一応、理学部の卒業生で、お名前と、数学の業績は多少なりとも存じ上げるところ。（もっとも、数学科ではないので、勉強のほうは、岡先生の学問的先輩にあたる高木貞治先生のレベルまでが限界）恥ずかしながら、どなたかと混同して、戦前の人で、世間ばなれしたと思っていた。ご経歴、業績については、奈良女子大のホームページにある「岡潔文庫」をぜひご覧ください。数学者でありながら、素晴らしい文章をお書きになることでも知られる。私たちの世代、数学、物理学を学ぶ女性たちにとって、岡先生は特別な存在であった。戦後、奈良女子大教授であったとき、数学に愛嬌がないと感じ、それは数学に魅力がないのではなくて、自分の教え方が悪いと、教え方を変えることに。さらには、女子教育の在り方を研究し論文まで書いている。「女に数字など分かるものか」と平然と言われた時代（1990年代まで、そういった風潮は残っていた）に、岡潔は、女性の感性の中に男性とは違う数学の可能性を見たのだ。奈良女子大停年退官後、京都産業大学では日本民族を教えている。私は、京都産業大学は、ラグビーの強豪校としてしか認識していなかったが、元来、日本精神の荒廃を心配して、戦前にあった神宮皇学館大学を再興しようとしていた人たちが1965年に創設した新しい大学だ。「世界から尊敬される日本人になってはじめて全世界の平和と幸福に貢献できる」と、建学の精神にある。本来の日本精神とは、偏狭なナショナリズムではないのである。京都のやわらかい日本精神が、東京へ出てきて偏狭なナショナリズムに堕落していった「都市はコミュニケーションに要するエネルギーを最小にするように形成された」とは尾島俊夫先生（富山ご出身で、地元へはこのようにおっしゃってる）おそらく「コミュニケーションに要するエネルギーを最化適できる都市」には適正規模があると思う。それは京都ぐらいが限界で、東京のような巨大都市になると、膨大なエネルギーを投じてもコミュニケーションが行き届かなくなるだから、ノーベル賞も東大じゃなくて、京大が多いとは暴論だが？そういえば、ノーベル賞受賞の益川敏英さんも、京都産業大学の先生「学者といえども象牙の塔にこもっていてはいけない」と、平和活動にも積極的に参加される。益川さん、実は、岡先生の孫弟子筋。湯川秀樹、朝永振一郎　ノーベル賞先達であられる両先生は、岡先生に数学を習った。益川さんの指導教官　坂田昌一先生は、湯川、朝永より多少若いが、同じ京大理学部で湯川先生との共同論文もある方。この方も岡先生に数学を習ったクチかもしれぬ。湯川、朝永両先生の平和運動への関わりはよく知られるところ。益川さんは、京都大学での受賞記念講演で、「誰が決めたか知りませんけど、私たち研究者は、まず私たちを支えてくれる社会にきちんと関わって、それで研究できて当たり前みたいなルールがありました」とご発言。京都大学理学部に流れる精神の上流に岡潔は位置している。数学者では、藤原正彦氏が「国家の品格」などで知られるが、私には、岡先生のほうに文章の味を感じる。「春宵十話」「月影」と、目にするだけで、この人はただの数学屋じゃないことがわかる著書の名もいい。「文化というものは理想がなければ観念の遊戯と区別がつきにくい。この理想は一口にいうと、心の故郷をなつかしむというような情操を欠いてはわからない。」「私がほしい芸術や調和はそんなものではない。いかに小さくても麦は麦、いかに大きくても雑草は雑草であるような、そういうものが見たい。しかしもっというのなら、本当の調和は午後の日差しが深々としていて、名状しがたいようなもののことなのだ。　このことがわからずに、芸術はなく、平和というものもわかるはずがない。日本では戦争をしないことを平和だと思っているが、そんなことはかたちだけのことで、内容がない。調和のあるものこそが平和なのである。」内容はさらにすばらしい。

December 25, 2008

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教育勅語を超えて

今週の後半は、海外から学校（高校、大学）を誘致しようということで、外人２人をアテンドして、おそらく今年最後の関西行既に、米国、フランス、ポーランド、中国、韓国と、学校を作り、次は日本少子化に悩む私立学校、統廃合の対象となる公立学校、箱もの行政の帰結として殆ど使われることなく、税金を垂れ流す公共施設。そういった既存の施設を利用することで、2010年９月開校を目指す。若いときに、異文化に接することは、一人の人間の将来に大きな影響を与える体験であろう。その中で、事前に聞いていたところでは、ここのところ、かつて盛んだった高校生レベルの交換留学生制度が、日本では成立しにくくなってきているらしい。相互交流だから、派遣したのと同じだけ受け入れるのが原則ところが、受け皿となる家庭が無い。出来れば、受け入れる留学生と近い世代の子供が居ることが望まれるが、中学高校はお受験があるそれは昔からだが、少子化という新たな現実昔と違い、大学時代、あるいは、そのあとでも留学の機会はある何も、高校で、一年大学へ行くのを遅らすまでもないさらなる問題は、多くの人たちが「マンション」に住むようになったことマンションは、ある意味効率よく建てられた施設だが、反面、家族以外の人間が滞在する前提ではだいたいが作られていない。アメリカはともかく、フランス、ドイツは人気がまるでないなどなど.....困ったのはお国に話しをもっていったところ文部省は、「高校の設立の認可は、文部省ではなく、都道府県がもっています」都道府県レベルへ行くと「公立高校のことならば、教育委員会。私立高校の設立認可ならば知事部局の所轄となります。文化交流ということならば、また窓口は別になります」市役所へ行って「こちらの公民館を学校施設として使用させていただくことは可能でしょうか？」と聞けば、「そちらの予算は担当部局が違いますので、用途変更には議会の承認が必要となります」「条例改正が必要となります」「お国の予算が入っているので、１０年間は他の用途への転用不可です」ある区役所（当然東京）では、知人からの依頼で、区長に遊休施設の利用を提案したところが、２回目面談の約束に区長は現れず、かわりに知人へ「施設所在地を地盤とする区議に仁義を通してもらいたい」と懇請する電話が入った。「俺の地元を勝手にあらすな」とへそを曲げられてしまったらしい。まさか？行政とやり合うのは２０年ぶりそうだよなぁこの人たちは、あの頃もこうだった納税者の税金が、これからも失われていく。これら議員さん、お役人さんは、自分の家庭でも同じことをやっているのかな？＊＊＊それはそれとして同行した新幹線車中での米国人Frankとの対話「日本の学校では、一年の始まりは４月だが、欧米では一般的に９月だ。どうして９月なのだろう？」「調べたことはないが、おそらく農業との関係。収穫が終わり、農閑期に入るときに学校教育を始めることで、労働力としての子供たちが、教育を受けやすい環境を用意したことに起源があると思う」「欧米どちらが先に９月始まりを採用したのか？」「米国では、ルイジアナから制度が広がっていったのだと記憶する。フランスのシステムがオリジナルではないか？」「フランスならば、日本も江戸末期から明治初期にかけて、英国と並んで大きく影響を受けた。しかし、英仏とも９月始まりなのに、日本は４月はじまりを採用した。なぜだろう？」「日本の近代教育は、明治初期に発令された学制に始まる。学制により、大中小の学区がおかれ５万あまりの小学校が設置された。このときは、学区の考え方など、フランスの制度が見本になっているね」「しかし９月ではなく４月はじまりだ」「全国一律の義務教育制度が徹底されたのは、日本が世界で初めてではないか？米国では、各州毎に学校制度は異なっている。世界的には、韓国以外のほとんどが９月始まりだ」「韓国が４月はじまりなのは、日本に範をとったからだろう」「日本が４月始まりを採用したのは、富国強兵政策の影響と思う。農繁期の始まりから子供たちを学校に収容することにより、学校にやらず労働力として使う親から子供たちを切り離すことを徹底できる。当時の日本は世界各国の制度をよく比較して、その長所、短所を比較しながら、独自のシステムを作っていった。９月始まりは、外国人顧問の助言によるものかもしれないが、むしろ日本の独創ではないか」「しかし、Frankは、良くそういったことを知ってるね？」「だって日本に学校を作ろうってんだぜ。というのは、実は半分嘘。僕の博士号は、アジア近代史。日本の教育についての論文で、博士号を取ったんだ」「４月始まりと９月始まり　どちらがいいのだろう？」「現代の先進国は、就学年齢にある子供たちが、労働に狩り出されて勉強ができないという状況にはない。南半球の各国も９月始まりであるから、農業と教育の利益相反は、今や主たる問題ではない。世界的主流は、９月始まりであり、その意味で、９月始まりが一般的ということはできる」「日本も９月始まりに制度変更するべきか？」「世界各国に学校を展開していく私の立場からすると、９月始まりが望ましいが、既に日本の社会制度は４月始まりを前提に、すべてが動いている。敢えて変えていく必要があるとは思わないし、２１世紀にも、教育というものの在り方は大きく変化していくだろう。その中で、４月はじまり　９月始まりの違いが、それほど意味を持ち続けるとは思わない」＊＊＊日本の学校が４月始まりというのは、子供たちを農耕作業から解放する目的をもっていた教育制度導入の初期に、労働力として使われることにより子供たちが教育を受ける機会を逸するということは、Frankに指摘される以前に、知っていたことではあるが、４月始まりにも、その影響があるとは...今日、私たちの多くは、「教育」或いは「学校」が、「家庭」「家族」と矛盾するとは思っていない。しかし、我が国における「教育」が制度として導入された時代、「教育」は「家族」「家庭」から労働力を奪うものであった。「家族」「家庭」から労働力を奪う国家制度は、「教育」だけではない。「徴兵制」また然りだ。明治という時代。日本は「近代国家」として新たなスタートを切った。既に、その段階において、「教育」と「家族」には相反する部分があり、「教育」の先には「徴兵制」があった。短絡的に結び付けるわけではない。何のための「教育」か？それは「富国強兵」のための教育であり、「教育」も「徴兵」も国家システムを構成するパーツであった。教育勅語に書かれていることは、一見、すべて正しい。だが、人間の実生活は、すべて正しいことが同時に実現できるようにはできていない孝と忠の同時実現に無理が生ずる可能性はすでに江戸時代にして論じられているところだ。ひとつひとつは正しくとも、それらの複数を同時に実現することに矛盾が存在することを示さない教育勅語は、勅語という形をとっていなければ、偽善でしかない偽善の中に潜む頽廃ファッショの萌芽はそこに巣食う２１世紀の教育勅語は２１世紀の言葉で、しかも、正しいことの羅列が、必ずしも、正しい結果をもたらすものではないことそれゆえに、バランスを図りつつ物事を進めていく必要が端的に表現されねばならないすべては、より良い社会、生活、人生の実現のためにある必要なのは、幸せの要素ではない目的はどこにあるかそれを忘れてはならない

December 20, 2008

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先生から

６年３組の担任だった氏家先生からまっちゃんのところに電話があった。（詳しくはまっちゃんのBLOGへ）90歳で、そろそろ足腰はかなりの不自由があられる。お目にかかったのは、了ちゃん、留さん、平石君とご一緒にお伺いした昨年が最後。来年は、皆でお伺いせねば、と先日も徳談会のあと、まっちゃんに言われたばかり。その先生が、心残りにされておられるのが、・家族の復活・教育勅語・憲法第九条改正それぞれに重いが、先生、ある面「そりゃぁない」ある意味、家族の旧弊に逆らい、自由に生きたのは先生ご本人九条改正は無論、教育勅語の復活などあり得ぬが、もともとのご信条皆に謝りたいと、おっしゃられても....ご心配はご無用にだいじょぶです先生の当時の信条とご指導が、私たち児童たちの人生形成に、それぞれ確実に影響はしているのだが、中の多くは、私同様、申し訳ないけれど、当時の先生のお話しをそれほど真剣に聞いてはいなかった。しかも、数十年の歳月と世間の波にもまれ、それぞれの皺の中に、いろいろなものが淀み、それぞれの同級生の現在が出来上がっている。一律の考えでなく、多様な考え方の存在が、むしろ良いとされる時代。先生の思い通りに行かぬことが、よかった部分があるかも。＊＊＊家族の復活百年かけて壊れたものは、百年かけなければ戻せない。振り返ってみれば、家族は戦後に壊れたものでなく、すでに戦前において壊れは生じていた。戦前と戦後が、あたかも分断されたかのごとき議論は、単に、それを言う人々が、戦前への責任、および、戦後への責任、それぞれを都合よく回避するために言っているに過ぎない。戦前と戦後、それは軍隊が、官僚組織と労働組合に変わっただけで、中身と問題はほとんど一緒。つまり、戦前と戦後は分断などされていない。単に主役が変わっただけなのだ。いづれにもせよ、既に20世紀の当初から都市化の流れは始まっており、戦後の大きな流れは、戦前ありせばこそのもの。戦前は、家族制度がきちんと機能していたとは幻想に過ぎない。第一、「孝行」など親の権利だけが強調される家族制度などまやかしに過ぎない。生んだ以上、親は子供を育てる義務がある。仕事だ　つきあいだ　と、子供が育つ時期に家を空け、子供との会話も無いままに過ごし、自分が暇になったところで、家族が家に居つかないと嘆く父親蝶よ花よ　お稽古　お受験、いい学校に入らねば、いい大学に入れぬ　いい大学に入れねば、いい会社に入れぬ　と、自分の為に子供をいじくり回し、何のために勉強するのかを教えられず、飽きればテレビを垂れ流し。なぜ今は言うことを聞かぬと、声高に自己主張だけが響く母親そんな「家族」とは何であるかを知らず、子供たちがそれを知ることもない連中に、家族の復活を唱えて、どれほどの意味が...家族の問題は、全体のことではなく、それぞれの家族の問題ではないでしょうか？でもね、先生介護10年は厳しいたとえ誰が批判しようとも、現実には介護と孝行が全部が一致するとは思わない朝起きて、そして、出勤前、帰宅して、就寝前、そして、夜中の２時３時とお世話があり、ときに、言うことを聞かぬ母親を風呂に入れ、体を洗う時間、余裕、設備、そして家族の理解が、全部の人にあるわけではない＊＊＊教育勅語言ってることは正しいのだろうけれど、21世紀の言葉で書かれるべきか自分は天皇制反対ではないけれど、天皇陛下への言及、勅語という表現は採用すべきであるまいむしろ、来るべき時代の教育のあり方という意味を含め、若い世代が自分で作っていくようなやり方も検討されてみてはいかがか＊＊＊憲法第九条第二章　戦争の放棄第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。２前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 CHAPTER II: RENUNCIATION OF WAR Article 9: 1) Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes. 2) In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized. 第九条、あるいは、第二章かな？先生は、「そりゃ大切だよ　九条は　だけど独立国家として　軍備がないのはどうなんだろうな　私はまだ揺れてるの」とおっしゃった由。軍備という意味ならば、自衛隊はすでに現実として存在している。先生は、どこに揺れを感じられておられるのだろう？＊＊＊せっかく、先生が与えてくださった機会いろいろ考えていくことにしてみた

December 20, 2008

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了ちゃん

大阪から出張で了ちゃんがやってきた。これまで、東京事務所をお願いしてきた人が亡くなり、その引継ぎ処理らしい。この週末に、事務所の書類を整理、梱包して、送り出す作業に立ち会うとのこと。その間を縫って、横浜で人に会い、それで町田の先、古淵のほうにあるお墓にもお参り、と言っている。「一時間に一本のバス。降りて、急いでお参りして、折り返してきたバスに乗る」それじゃあ、ほんとに、なにもかも駆け足「一回、すごく痩せたんだけれど、リバウンドで10ｋｇも太った」どこで、いつ、と分かったのが前日で、留さんにも声をかけたけれど、既に先約あり。眞里ちゃんと３人で遅くまで、いろいろ話した。

October 25, 2008

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「ほほ」の朗読会

喘息というのは、昼はそれほどのこともなく、夜、寝る段になって咳がとまらなくなる。そのうち、胸とかお腹の筋肉がくたびれて痛くなり、咳のたびに痛さが怖く、咳と痛さと怖さで夜じゅうさいなまれ、ようやく明け方、肉体がくたびれ果てて就寝に至る。当然、朝は、起きれる状況にはなく、学校はお休みせざるを得ない。そんな嫌な記憶の気管支炎だが、幸い、昨夜はそれほどのこともなく、多少熱っぽい程度。土曜午前の家事労働も無事に済ませ、午後から、経堂図書館お話の部屋で開かれた、「ほほ」の朗読会vol.2に出かけることが出来た。家から経堂駅まで３０分ほどかけて、ゆっくりと歩き、図書館裏口から忍び込む？小学校同級生の甲斐さんが朗読に参加。前回もお誘いいただいたが、あいにくその日は午前中のプログラムだったので、お伺いできず、今回がはじめて。朗読の時間は４５分ぐらい。ぷろぐらむは、村上春樹「夜のくもざる」から短編３部・ずっと昔に国分寺にあったジャズ喫茶のための広告・コロッケ・夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について宮澤賢治「土神ときつね」「長田弘詩集」より　ふろふきの食べかた以上３題、お三方の朗読土曜の午後　自分にとり仕事、家事、すべてから解放される黄金のひとときそこに朗読とは、これは贅沢ですね読書というと、最近は、いつも前のめりの自分のペースに辟易して集中できない。その点朗読は、読み手のペースにまかせ、たゆたうことで、心の凝りが時間の中に溶け出していく。安心して聞くことに集中できる読み手たることは、そう簡単ではない。文章を音楽を奏でるごとく、あるときはこまやかに、あるときは強く、ときに速く、ときにゆったりと川の流れのように字面を追うことは出来ても、聞き手に違和感を与えることなく読むのは難しいわずかの違和感でも聞き手たちの集中を殺ぐのは、もったいなく、しのびないそこにある本を、ただ手にとって読むのではなく、題材を選び、読み込み、さらに声に出して読み、表の声色、抑揚はもちろん、口のあけ方、姿勢、間合い、ニュアンス....読み手同士で読み合わせをし、そして、朗読会に臨む読み手、聞き手とも、始まりは、期待と不安が混じる部屋の照明が落ち、サティが流れることで、人々の目と耳を、固い緊張から適度に和らげたところで、お話しが始ります。村上春樹の作品が朗読されるところを、僕は聞いたことがなかった。「コロッケ」「夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について」は、読んだ記憶があるけれど、一番最初の「ずっと昔に国分寺にあったジャズ喫茶のための広告」は記憶にない。昔、デビュー前の村上春樹の千駄ケ谷の店に通っていたことがあり、国分寺の店のお話しが、千駄ケ谷の思い出にまざり、お話しと記憶が会話し始めた。＊＊＊「そういえば、甲斐さんは、国語で本を読むときの意気込みが違ったね」と先日、朗読会の話しを聞いて、小学校同じく同級の留さんに言ったのは平石君。「まっちゃんは、どっちかというと淡々と読んでた印象」とは留さんまっちゃんも、この間の「徳談会」で宮澤賢治を読んでくれたが甲斐さん、まっちゃん　おふたかたのみならず、小学校のクラス、皆さん、とても本の朗読が上手今思うと、谷岡君その他と授業中遊びといたづらばかりしていたのは、勿体ないことをしたわけだ。自分で声に出して読むのは苦手だが、また機会があれば是非。

October 4, 2008

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気管支炎

小学校同級生の甲斐さんの朗読会。前回は時間が合わず、残念だったが、明日は午後なので大丈夫と思っていたら、１０日前に治ったと思ったばかりの気管支炎が再発治りきってなかったんだな。喉が痛く、今日は声が出たが、多分明朝は声が出ないかも。今回も失礼してしまいそうで、残念だ。

October 3, 2008

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留さんと夕ご飯

休みの日の夕べ、カミサンと娘は京都旅行で１１時過ぎの帰宅予定日曜日朝、まっちゃんとこで会って、帰り際「どうする？」と聞かれ「...」考えこんだところ、「片付けをちょっと手伝って帰る」雨も降るし、道も遠いので、「今日は遠慮しとく」そんな経過で、秋分の日の夕方は、小学校同級の留さんと、経堂はそろそろネタ切れと、物好きにも桜上水まで出かけ夕飯がてら一杯ほとんど店の無い、駅南口で、「さーてどれにする？鳥料理、居酒屋、中華屋、すし屋、屋台風居酒屋、串焼屋...」「そんなにあったっけ？」「一応、見た限り１０軒ぐらいだけど種類はそんだけある」なんとあるんだな。「それでは屋台風居酒屋で」道路に面したアウトドアをビニールで囲んだ一角に席を定める脚を３-４箇所蚊に刺され蚊取り線香を頼む、それからは刺されず馬刺しかつお刺身串揚げ（たまねぎ、うずら、マルハ）ほっけキムチ...６時にはじめ、８時過ぎに終了

September 24, 2008

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徳談会

昨日から何かと慌しい。今日も早朝から、寝坊助の父と息子を叱咤激励して墓参り。なんとか、次の予定に間に合うかと思いきや、親父殿が叔父の墓参りも、とご執心。士官学校以来の親友にして、妹（私の叔母）の旦那。その叔母と母（父の妻）も同級生という関係だったのが、奇しくも今年３月、同じ３１日に、母とその叔父が相次いで亡くなった。親父の気持ちも分かるので、霊園の管理事務所へ立ち寄り、区画を尋ねてそちらへお参り。急ぎ、家へとって帰し、だいぶん遅刻で小学校の同級生「まっちゃん」からご招待いただいた「徳談会」へ。成人して戦争を体験した方々のお話を伺うシリーズ企画。戦争を大人として認識しえた最後の世代のお話を伺っていく。本日は松浦先輩のお話。旧制姫路高校から東大（この世代は東京帝大ですな）、海軍経理学校。戦後は長く海運会社へお勤めになり、３４から５１まで海外へ。「運鈍根といいますが、まず鈍があってそれから根。利他というか、他人が欲するところを自ら行うことをもって良しと教えられたことがあり、鈍の逆　シャープということにはどこか利己主義を感じます。鈍とは、己の利益、目先の利益というものにこだわらないということでしょうか。根は、継続です。鈍と根　これに徹すること、もうそれは習慣です。習慣にしてしまえば、どんなことでも出来る。運は、これは、それから先のことです」「点取り虫はやめよう点取り虫は、どこか、自分の利益、目先の利益にとらわれているように思える」「（旧制）高校の行き帰り、これはもう田舎。本を読みながら歩いていても、車も電車も来ない。たまにきてもあっちがよけてくれるから危なくもなんともない。だからたっぷりと本を読むことが出来た。シェークスピアなど、坪内逍遥ですか、緑の表紙のシリーズ、あれが姫路の古本屋で１冊１０銭で買えた。だから全巻それで読めたわけです。三年生のときは、先生にお願いして原語でマクベスをやらしてもらいました。あれ一番簡単なんですよ。リチャード三世なんかもやりましたね。シェークスピアの台詞覚えてて、海外へ行ったときに、現地の連中にそれを披露して決めると　おい、今度の日本人はシェークスピアを知ってるんだぜ　など、それだけで、何も言わなくとも皆ちゃんと働いてくれる」「人生で一番うれしかったのは、海軍経理学校の入試に通ったこと。どうせ、そのままならば、陸軍で二等兵に取られるだけでしたし、海軍ならば戦争やっても敵の顔を見ないで済みますから」「旧制高校の入試に通ったことが人生で一番うれしかったとおっしゃる方がいらっしゃいます。私の場合、旧制高校入試の前に、大阪商大の予科に受かってたんです。ところが姫路高校へ受かってしまうと、地元ですから、親から離れることが出来ない。だから、高校に受かってもうれしくもなんともない。そんなことしか考えてないんですから、旧制高校たって、たいしたことはないんです」「大学に入ったら、ちょうど内紛のあったあとだった。右も左も骨のある人たちは皆どこかへ追放されて、どうでもいいのだけ残っていた。経済学部の○○教授など、１０年一日のごときノート読むだけで、これはたまらない。学校行ってもつまらないから、日比谷へ行ってフランス映画見てるよりほかない。勉強しなかったのは私のせいじゃありません。学校が悪い」「法学部の授業などは、２５番教室という大教室でやるんですが、朝教室へ行くと、もう前のほうの席にはノートが置いてある。これがいけない。一高、五高、浦高、東京高校、こういう学校の連中が仲間になって、早朝席にノートを置いていくんですね。私らなんか、後ろのほうで、ようやくスピーカーからの声をかろうじて聞く程度」「ノートを前の方の席においてった連中。純粋に学問への興味と功利と半々でしょうねぇ。一高は、もう徹底して官吏を目指す。五高も熊本にあって一高と同様。そういう連中の中から、次官になったり、大使になったり、大会社の社長になったりするのが出る。私ら三高とか姫路とか、そういう出身は出世しないんです」「海軍経理学校でよかったことは、いろいろなところからいろいろな連中が来ていたことでした」「ある慶応出身の奴は、海軍へ入って、スマートで目先が利いて几帳面　負けじ魂これぞ船乗り　ってのを聞いて、なんだ下士官教育じゃねぇかっていっぺんに幻滅し、やる気をなくしたそうです。もちろん、当時はそんなこと言いません。６０過ぎて始めて本音を言ったんです」「海軍へ入って広島へ配属されました。同期は１２０人ばかりでしたでしょうか。会社の会計監査を担当させられて、新居浜とかいろんなところへ行かされます。そうするうちに、船に乗ることを志願したんですね。母親は泣いたそうです。私は長男ですから、なんで、そんなに死ぬ可能性の高い船なんかに乗るんだって。それで、やはり、船に乗っていたら、ちょうど今から考えれば、日本海軍が徹底的にやられたレイテ作戦。あのときだったんですね。そこに行ってたら、助からない。助かるはずがない。ところが、偶然、乗っていた船が出港してしばらく、私の居た５０ｍほど後ろに、水面を走ってきた魚雷が、ふっと沈んでそれでやられました。それで、作戦に参加できず、澎湖島というところに着いたら、高雄へ転勤の辞令が出て、そちらへ行くことになりました。ところが、内地で、もっと安全だろうと思っていた広島は原爆でやられ、仲間も皆やられてしまいました」「台湾の高雄というところで終戦を迎えたんですが、言われのない罪で尋問を受けることになりました。最初は中国軍の少佐、そのあと、それだけでは嫌疑が晴れなかったんでしょうね、中佐の尋問を受けました。尋問に行くとき、階段の途中で憲兵、日本の憲兵じゃなく中国の憲兵です。これが、拳銃を取り出し上に向けて、カチリと撃鉄を上げました。帰りも同じように撃鉄を上げられました。やはり言われなきことで、結局罪に問われることはなかったのですが、もし、何かがあれば、少なくともすぐに帰国することは出来なかったでしょうねぇ」「海軍で学んだこと。それは塩気。塩気ってどういうことかっていえば...朝飯を一緒に食った奴が、夕食のときにはもう死んでいない。自分の居る５０ｍ後ろに魚雷が命中して、そこで寝てる連中は死んでしまう。だいたい敵の攻撃は夜間でしたから、夜いっしょうけんめいに回避行動やって、昼は寝てる。やられたのもちょうど昼の５時くらいでしたからね。そういう生活をずっとやっていると、人生観みたいなものが出来ていくんです」「高雄から広島県の大竹へ復員する船の上で海軍の記章をはずし、投げ捨てました。同じことを同期の阿川弘之も書いてます」「海軍から戻って会社に勤めました。保証人の関係で、東京本社の銀行に入ることも出来たんですけど...神戸には銀行の本社なんてありません。船会社しかないんですから。だいたい神戸の人は東京は嫌い。大阪だって嫌いなんです。だから神戸。姫路から神戸へ通う楽しみもありましたね。神戸の船会社に入ることにしました。」「点取り虫になるな。自分のことは分かりませんけれど、このことは商社の人を見ていてよく勉強させられました。商社の人にもいろいろあって、現地の中に溶け込んでいく人もあれば、日本人社会に閉じこもる人もある。現地のためならんとすれば会社とはどうしても対立することになり、逆に会社だけを見ていれば現地からは信頼を得られない。なかなか難しいところです」点取り虫と、会社のことだけを見て、現地の状況を顧みないというところに現れました」「何せ当時、日本の貿易収支は赤字。その赤字を埋めているのが船会社です。だから、日本の赤字を埋めるという大義名分がありましたね。もっとも、船会社など戦時中の保険を全部お国に取り上げられてしまい、それを戻すだけでせいいっぱい。給料が高いわけがない。女房には苦労をかけています」「今日はカミサンと一緒に、と言われましたが、僕らは二人で一人。家へ帰ればどこでどんなことをやってきたか、細かく白状させられますから、二人でも一人でも一緒ですわ」日本エッセイストクラブ会長の村尾さんからの、対話とも解説ともつかぬ当意即妙のコメントを間に挟みつつ、時間をかなり大幅に超過したけれど、８６というお歳を全く感じさせず、人の関心をそらさないスピーチは、記憶と知恵に支えられ長い人生で鍛え抜かれた技。さすがでした。友人の死を、友の減とは考えず、生きた彼と死後の彼、二人の友と、たし算でお考えになるという。既に８０人の同級生のうち物故された方は５０人を超える。松浦さんの中でその方々は、８０人の生きた友と、５０人の死後の友、１３０人の友人となり、さらに友達は増えていく。「今日は宮沢賢治と、古今亭志ん生の命日です」というまっちゃんのコメントに「今日は家内の誕生日です」「石牟礼道子さん（作家　「苦海浄土わが水俣病（講談社文庫）」などの作者）が、対談の中で、死というものをどう捉えているかとの質問に、楽しみなの、行ったことのないところだから　と言っていますが、松浦さんは、死ということをどう捉えていらっしゃいますか」「そんなこと言うもんじゃありません。もっと肩の力を抜いて受け入れねばならない」水俣で死につながる現実を見据え、死に取り組む姿勢を隠さぬ石牟礼ではあるが、文学者の限界。所詮客観の域を出ない。松浦さんは、若くして日々死を見つめてすごさざるを得なかった。「私は、これは結婚できないと思いました。未亡人を作るわけにはいかない」ご自身の死を、既に覚悟されたわけだ。死の普遍化を目にし、死を覚悟した者にとって、表現としての死をどれほど積み重ねてみても、それは饒舌にしか過ぎぬ。松浦さんは、ご自身の死を恐れられているのではない。あまりに多くの死を目にし、死の日常化、普遍化の中で形作られた「塩気」の前では、死とはわくわくするようなものでも、興味のわくものでもない。ましてや表現するものですらないのだろう。「謙虚であることを忘れてはならない」松浦さんも村尾さんもおっしゃた。それでも、私たちは謙虚であることを忘れがちである。点取り虫とは、自分の利益のために、ほかの大切なこと、或いは、他者をなおざりにする者を言う。鈍であることとは、鈍さおろかさを言うものではなく、自己の利益、目先の利益にとらわれすぎないことなのだ。だから、敏である者に、松浦さんは誠実を欠く部分を観るのだろう。最後に近く、村尾さんが元経団連会長平岩外四さんについてこんなことをおっしゃった。「あの方は、実に読書家で、蔵書が２万冊という。古本屋がだいたい１軒の在庫が２万冊ですから、それだけの本を読んだわけです。その平岩さんが、この１冊と選んだのが、レイモンド・チャンドラー　Play Back。平岩さんみたいな読書家の”この１冊”がなんで、アメリカの探偵小説？理由は最後のせりふ。タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がないIf I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive. 」聞けば平岩さん。陸軍に召集され、配属されたニューギニア戦線でジャングルを敗走し、飢えと熱病のため、隊107名中、生存者7名のお一人だった。ここにも、日常化した死を目の当たりにした人がいた。だからこそ「優しくなれなければ生きている資格がない」と言いうるのだ。徳談会。次は１２月７日か。

September 21, 2008

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ヘリコプターの農薬散布

「ヘリコプターが農薬撒くから見に行こうぜ」爆音とともにヘリコプターが通過、子供たちの誰かが叫ぶと、皆が一斉に爆音のする方向へ走りだした。土曜日の午後、ちょうど小学校からの帰宅時間。赤堤小学校の北側。四谷軒牧場の東側一帯が散布場所。僕らが、向かう方向に、小型ヘリコプターが白い煙のようなものを後ろに引きながら、こちらへ飛んできて、そのまま飛び去りました。子供たちは、またヘリコプターが飛んでくるのを、まだかまだかと待ちましたけれど、ちょうど所定の散布を終えたのでしょう、ついにヘリコプターは現れませんでした。今思えば、いくら、まだ農地が多い時代とはいえ、ヘリコプターで世田谷区内に農薬散布（或いは、農薬でなく、伝染病の消毒薬のようなものだったかもしれませんが）するなど、考えられないことです。でも、あの頃は、まだ、そういうことが平気で行われましたし、畑へ行けば、お百姓さんは、手押しポンプで、毎日、作物に農薬をやってました。水俣病の原因が有機水銀にあると、熊本大学などが発表したのは1959年。農薬を薬剤散布していた当時もまだ、チッソは無機水銀が有機水銀に変換される実験結果だけで、水俣病の原因がチッソの工場であるとはいえないと主張していました。チッソ(当時は新日本窒素肥料）が製造していたのは化学肥料でしたけれど、このあとしばらくが、化学肥料の使用、農薬散布のピークだった時期ではないでしょうか。

August 26, 2008

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甲斐さんがやってきた

小学校同級の甲斐さんを迎え？留さん交えてささやかに「中華屋さん」で晩ご飯。「内閣改造。麻生さんもお入りになって」「奥さま、あの方、２年ぐらい上でしょ？来年あたりはファーストレディかしら？」俗な話しはともかく、甲斐さんと話すと留さんが生き生きしてるのが面白い。その留さん。オキニの赤いシースルーアトムのＴシャツで登場したのだが、会社をまた辞めるという。「月曜から土曜まで、朝の8時から夜の10時までやって、ようやくどうにか回る。どこの会社でもそんなもんだって言われるかもしれないけど、最近飯が不味くって、これじゃぁしょうがないなぁって、辞めることにした」「いつ辞めたの？」「引継ぎなんかがあるから、あと１－２週間は行くけどね」「いつ辞めることになったの？」「昨日」「....」「そうしたら、ご飯がおいしくって」「どう思われます？」と甲斐さんがこちらに水を向ける「ご飯がおいしくないんじゃ、しょうがないんじゃない」「そうですよねぇ」と甲斐さんに賛成してもらえた。「○○君（留さんの苗字）は、何かモノを作ってらっしゃるときが一番幸せそうなんじゃありません？」「うん。そうかもしれない。この間王子に行って紙梳きを体験したんだけれど、３時間ぐらい夢中になってやってしまった」「王子って？」「たぶん....紙の博物館ってあるんだよね？」「そう。紙の博物館」「こうぞとかみつまた」「そう、あと雁皮。西洋紙は木の内側を使うけれど、和紙は外側を使う。それを、環境にやさしい日本のやり方で漂白しながら紙に仕上げていく」「...」「ほんのりクリーム色で、繊維に独特の美しさがある。照明のまわりに使うと、実にやわらかいいい光」「和紙はまっちゃんが詳しい」「そうなの？そんな感じがするわ」「いや。ほら、あの人、書をなさるでしょ。だから和紙のことは良くしっている」「いい紙をいっぱいもっている」「集めてらっしゃるの？」「いやぁ。何か自然に集まってくる感じ」留さんは、甲斐さんとお話しして、とてもリラックスしていい感じ。甲斐さんは、私たちが心のどこかに畳み込んで忘れてしまっているものを、ていねいに拡げてくれるって感じかなぁ？留さんも、もう、あまり、経理とか総務とか生々しいお仕事ではなく、心が没頭できるお仕事をおやりになるようにできればいいんでしょうね。甲斐さんから、お土産にドラ焼きをいただいた。「地蔵通り商店街のドラ焼きなの」「江戸川橋の？」「そう地元で買っていただけるものをというので始まったらしいの」

August 2, 2008

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変形性頚椎症

思わぬことで、3日間お休みをいただきました。すみません。ご心配おかけして一応でかい病院行って総合的に検査してもらい、MRIでも、最新の奴を含め、新しいのも古いのも脳梗塞らしきものは発見されませんでした。（ここまでは○）ところが、変形性頚椎症と診断があり、頚椎からひげのようなものが伸びていて、それが神経を圧迫しているのが原因らしい。もう1回、頸のMRIを2週間後に撮影するのだけれど、それまで解放。脳梗塞だと思ったら頚椎症だったどっちがいい？って問題じゃあないよな明日から関西出張で、次は日曜夕方かな？

July 9, 2008

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もう一つの現場復帰

一昨年暮れ、小学校時代の同級生「まっちゃん」が、人生の先輩方（80歳以上）にお話しをうかがう会を開催した。続けていく予定でいたものの、ご家庭の諸事情もあってやむなく中断。そろそろ落ち着かれたか、再開のご案内をいただいた。そうだねぇ。「降る雪や明治は遠くなりにけり」中村草田男が昭和6年だもんな。今、平成20年。

July 1, 2008

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ありがとう

眞里ちゃん経由で了ちゃんから、はげましのメッセージをいただいた。ありがとう！ようやく、弔問にお越しいただき、或いは、弔電を賜った方々の整理が整いつつあり、（あまり広くお知らせをしていなかったこともあって、人づてにお知りになるのか、一人、またお一人と、お悔やみを頂戴する。ありがたいことです）皆さまへの御礼、四十九日・納骨の手配、父の状態の見極め、相続．．．ぼちぼち、或いは、急いでやっています。おかげさまで父の骨折は、経過順調。手術から２週間の予定を１週間繰り上げて先週末退院は良いことなのだけれど、リハビリ通院には付き添いが必要無論外出は出来ぬ中、毎日、これはどうしたい、あれはどうしたい、あちらはどうなったと、ままならぬ身体に、気ばかり先へ行っている父から聞かれ、ここに来て、お墓を整備したいと言い出したり都度都度、説明、説得をしてご納得いただくものの、朝の話しは夕方、或いは、翌日になると、また繰り返し困ったなぼちぼちやります

April 19, 2008

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東京空襲考察補遺

過日、東京大空襲が広島、長崎に比べると、犠牲者の多い割に注目される割合が少ないと感じる理由について考察してみた。これに対し、知人から以下の示唆をいただいたので紹介しておく。東京への空襲は、1944年11月から始まり、頻度と規模、被害において、実態は広島、長崎をしのぐものであることは間違いない。3月10日の空襲は、その中でも最大の人的被害をもたらすものであったが、東京全体からみると、下町の被害にとどまり、５月24、5日が、おそらく下町の人たちにとってそうであるように、３月10日が自分たちの被災日であるとは、山の手及び都下の人たちは考え難いであろう。東京への本格的空襲は、1944年11月に始まり、1945年5月25日をもって、ほぼ終了した。この時期は、日本の官憲が、まだ十分に機能していて、首都東京への空襲に関する情報は極端に統制され、おそらく敗戦とともに、官憲により収集された情報も、その大部分が廃棄され、或いは散逸したため、系統的な資料の収集整理が行い難い。また、3月10日以前の空襲は、東京の場合、荻窪、三鷹などの中島飛行機関連工場などに集中して行われ、周囲にも相当の被害はあったが、地域的には限定的であり、また、官憲の情報統制により、その実態は、殆ど表に出ず、中島飛行機そのものも、終戦後会社が分割され資料が散逸、また、当時の責任者も多くを語らなかった。一方、広島、長崎は、官憲による情報統制の途上で終戦を迎え、日本側の調査報告がオープンに残る余地が、東京に比べ格段に大きかった。また、米軍側の調査も行われ、米国側発表資料も東京空襲に比べると圧倒的である（当然だが、米軍による東京空襲直接の効果測定は、空中写真撮影しか無い（戦後間もなくの調査は行われた））。

March 25, 2008

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東京大空襲

「東京大空襲って、10万人もの人が亡くなったんですって？」小学校同級のＫさんに聞かれた。「広島で10万とか20万人、長崎でも10万人内外の方が亡くなったと記憶しています。当時、東京の人口が何人だったかはわかりませんけれど、10万人というのは大変な数字じゃないですか。最近映画で取り上げられたりして着目されるようになってきたようです。それでも、なぜか、広島、長崎ほどでは無いように思うんです」うーん。個人的には、今年NHKでの３月10日東京大空襲の取り上げ方を見ていて、昔ほど力を入れて報道していない印象をもったのだが...今年はTBSが東京大空襲の特別番組を放送しており、NHKだけで全てがそうだとは言えない。地元世田谷からしてみると、３月10日は東京下町への攻撃で、世田谷の被害は５月24、25日のほうが甚大だ。ご質問いただいた彼女に、そのように申し上げると「このあたりも被害を受けたのでしょうか？」と重ねてのご質問近くでいちばんひどくやられたのは、杉並は永福町にあった井の頭線車庫。ここが直撃を受け、井の頭線は、保有車両31両のうち24両が全焼。残りの車両もそのままでは運行できないほどの被害を受け、当面の運行に使えたのは、たまたま渋谷-神泉間のトンネル内で焼失を免れたわずか２両だけであったと記録され、同日、京王線の桜上水車庫、小田急線の経堂車庫、日大文理学部から緑丘中学校あたりも被災している。３月10日の空襲は、被災者100万人超、死亡84千人とWikipediaにある。５月25日の死傷者は、３月10日ほどではなく、7.5千人（とはいえ悲惨なことに違いない）。***私たちは、世田谷で言えば、そういう多少なりとも被害のあった地元の小学校同級生ではあるけれど、クラスには、第二次大戦後に世田谷へ移住してきた世帯が多く、東京大空襲の経験を親から子へと語り継ぐ家庭はそれほど多くない。また、学校でも東京大空襲の経験を系統だてて教えることをしておらず、或いは、そのような資料を展示している場所もなかった（今は上町の世田谷資料館に一部展示がある）。小学校３年或いは４年の授業で、「せたがや」或いは「わたしたちのせたがや」という補助教科書を習った記憶があるけれど、３月10日と特定しての東京大空襲を習った記憶は無い。先生個人の空襲経験の話しは聞いたけれど、それと３月10日、東京大空襲は僕たちの頭の中では結びついていなかった。父母が地元出身者であっても、昭和10年以前の生まれで（世代的に昭和10年以降生まれの親を持つ家庭は少ないはず）小学校３年生以上の在学生であれば、松沢、上北沢、経堂といった地元の各小学校は1944年秋からは疎開のため、空襲経験は無い。松原小学校は、5月24、25日の空襲で全焼している。我が家では、父方の祖母が東京大空襲経験者。とはいえ、私が生まれた当時住んでいた家は戦前からの建物で、周囲も同様に戦前からのお宅ばかりで、直接被害にあった場所ではない。祖父は、大阪の千里に単身赴任していた時期。学校勤めであるから、3月10日は東京に居たかもしれぬが、この日の空襲は下町が中心。山の手に被害が発生した５月の空襲を体験している可能性は少ない。母方の祖父母も山形県に赴任中で東京空襲の経験は無いと思う。父は職業軍人で外地。母は３月10日は鶴岡に居たと思われるが、東京の学校に進学し、５月25日には文京区で空襲に遭っている。しかし、祖母も母も、空襲体験について語るとき、特段に３月10日、５月24、25日の日取りにこだわることはなかった。1942年のドゥリトル空襲はともかくも、1944年11月以後、終戦に至るまで、東京は再三にわたり空襲を受け、日産の工場があった荻窪、中島飛行機の工場があった三鷹などは、３月10日、５月24、25日より、それ以前の空襲のほうが激しい（３月10日以降の空襲は焼夷弾が使用されるが、それ以前は爆弾攻撃）。東京は広く、同じ空襲体験者といっても、場所によって被災した日が違う。このことも「３月10日」が「８月６日」或いは「８月９日」に比べて焦点がぼやける原因かもしれない。このほか、広島、長崎に比べ、３月10日の東京大空襲、或いは、それらよりさらに、５月24、25日の東京空襲が報道等で取り上げられる機会が少ない事情は、広島、長崎については、１．歴史上、人間を対象として原爆を使用した事例は広島と長崎だけ２．中核都市一つを爆弾一つで壊滅させるほどの威力３．瞬時にして悲惨かつ甚大な損害を人と街に与えた４．その後も、被爆による二次被害が今日まで継続している５．これらの被害事実を踏まえた、一部政党も関与して国民的運動が持続している６．教科書に取り上げられ、多くの人々が知識を有するといったことが挙げられる。さらに、広島、長崎の場合、学校現場で教える教師の多くが、原爆の被害者であり、或いは、悲惨な被害の目撃者であることも、体験が系統だって持続的に語られてきた背景にあるだろう。３月10日は、硫黄島の基地が稼動し始めたことにより、日本本土への空襲が本格化し、カーチス・ルメイが第21爆撃集団司令官に赴任し、それまでの工場、軍事基地などに焦点を絞った爆撃から、民間人居住地区を含む無差別爆撃へと、方針を転換した最初の爆撃であった。戦後60年以上を経過し、今日、原爆、３月10日を語る意味の形骸化は避けがたく、何事も永遠に語り継ぐことは出来ない。ささやかに、知りえたこと、考えたことを地道に記し、後日、お読みになる方があれば、参考に供したい。広島市内には34万2千の人がいた。1945年12月末までに14万人が死亡したと推定長崎市の人口は推定24万人、長崎市の同年12月末の集計によると被害は、死者7万3884人戦前の1940年の国勢調査で7,350千人に達していた東京の人口は、1945年の調査では、3,500千人弱と激減している（10月1日現在）東京大空襲の時期、東京の人口が何人であったかは不明であり、かつ、戦後の混乱期の国勢調査は精度が必ずしも期待できない可能性は残るが、この3,500千人前後を東京空襲に東京で被災した概数と考える目安に置くことは出きるだろう。東京の空襲被害は、２３区内だけでなく武蔵野、三鷹、調布、八王子、立川などから伊豆七島（米軍機、艦船動向の監視所機能があり、軍事的に意味がある）まで都内全域に広がる。

March 24, 2008

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mini同窓会

おっと、土曜日朝のひと仕事を終えて戻った。今日は同級生のKさんが朗読会にやってくる日。11時からだから、もう始まるところ。残念だけどそちらへは参加できず、午後からお昼を皆でご一緒の予定。そこからぶらぶらやって、夕方は表参道の「さくら」で、夕食会。***でも、やはり皆さんそれぞれ忙しい自分も午後からになってしまいS藤君は、東京卸売市場移転先の土壌調査で、しばらく土曜日は全部出勤まっちゃんは、朗読会と昼食で、午後３時からはお仕事眞里ちゃんは、朗読会だけで、午後から急用M原君は、朗読会の最後の部分とお昼それはそれとして、面白い出会いもあった一日。Kさんと一緒に朗読をやっていただいた、もとアナウンサーのNさんなんと眞里ちゃんと大学時代同じ体育で、スケート合宿へ行った仲会ったとたんに何年かぶりだが、それが誰だかわかったとか..しかも、会社同期の女性は、留さんの高校時代同級生あらあらまっっちゃんは、朗読会の仕切り、段取りが「せっかくの演者の熱演を活かしききれていないこと」がとても残念だったようで、そのことをＫさんと、Ｋさんのお仲間のＮさんＦさんに熱心にお話し。Ｍ原君が面白いことを教えてくれた「欅という木は、船を造るための木で、昔はもっと海が近かったので、世田谷あたりでも、船に使う木は大きく育てるため、お寺とか神社とかにお願いして、育ててもらった」そうです「緑中の欅もおそらくそういう木の中の一本」と言っていたのが、緑中で10年ほど体育の先生をやっていた片山さんのお話し。地元片山３兄弟の多分真中で、自身緑中のご出身。片山さんとこは、元緑中敷地の地主だった鈴木さんとも交流があったかもしれないし、いろいろ教えてもらえるかもしれないとはＭ原君。そういいつつ２時をだいぶんまわり、Ｎさんのお帰りを期にいったん解散留さんは、会社で少々残務整理Ｋさんはお疲れぎみで少々お休みということで、自分も家へいったん引き上げ、これから「さくら」へ出かける段取り

March 22, 2008

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朗読

６年３組の同級生「甲斐さん」が経堂へやってくるかもしれない。といっても、お引越しではなく、週１回程度。「朗読会」の講師のようなものらしい。しかし、自分は「朗読会」たるものが、どのようなものか、想像するだけで、実際には知らない。声に出して本を読むことは、ボケ防止に良いと聞く。戦後生まれの当方、まだそういう年ではないが、訓練は早いにこしたことはない。しかし、実際、会社で声に出して資料を読む上席者に仕えたことがあるけれど、決して心地良いものじゃない。=>ご自分でおやりになってみると、よく分かる。まして、部下たちにしてみれば、会社の中で、自分の作成した資料を声を出して読まれるというのは、やりにくいに決まっている。（20代の連中にやるのは、訓練の意味がある）結局、家で、家人の前、或いは、家族の居ないところを見計らって音読することになるのだが、声に出して本を読むのは、子供たちに本を読んでやって以来だから、10数年ぶりだろう。正直、意外と難しい。ボケが始まっている？滑舌が悪いのと、字の読み方が分からないのも多い。字面を追うスピードと、口が読むスピードがうまくあわず、野球でヒットを打った走者が、前の走者を追い越してしまうような気分といえばおわかりいただけるか？和文の場合、左脳、右脳の関係か？自分の場合、横書きは読みづらく、字面を追うだけでせいいっぱいだが、縦書きは、先の文章に目が行っても、口のほうは、どうにかちゃんと字面を読んでいる。英語は、縦に書いたものが無いので、縦横の比較は出来ないが、字面を追うだけでせいいっぱいなのは、横書きのせいではなく、実力の問題。もっとも、和文と異なり、英文は斜め読みが出来ないと聞いたことがあるので（速読法はあるし、訓練で早くすることは可能だが、もちろんこれは黙読の場合）、これは、言語構造の問題かもしれぬ。学校時代音読させられるのは、国語の縦書き教科書か、英語（または独仏露など）の横書きだから、同じ和文でも、横書きが読みにくいのは、横書き和文を読む訓練が足りぬところに起因する？ともあれ、家でやりづらければ、皆でそういう機会を設ければよい？皆で読みあう機会があれば、練習も励みになるし、そのうち、慣れてきて、うまく読めるようにもなると、考えたのが朗読会なのか？そう考えると、朗読会とは、人に読んでもらうだけでなく、自分で読むためということもあるのだろうか？いろんなこともし、本当に経堂にやってくるならば、甲斐さんに聞いてみよう。

January 6, 2008

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せいろ屋

「いい仕事がみつかって給料が入ったから」とTさんのお誘い。「どこにしようか？」遠くだと帰るのが億劫なので「経堂」先日ご案内の大田尻屋と道を挟んだ反対側、すずらん通りは「せいろ屋」で一杯。経堂駅７時の待ち合わせで、経堂小学校手前のせいろ屋まで歩き。途中、この間まで本通りにあったBrasseire　Paradisが12月11日にすずらん通りに移転Openと表示があり、「結構ちゃんとした造りだね（前の店と色づかいは一緒）。ここ前なにだっけ？」「なんだっけ？」「ここは、前薬局でケロリン？が立ってたよね」「この焼鳥屋は結構長くやってる。もう30年以上だ」「角のラーメン屋は小学校へ入った頃できたんだ」「へー。俺が記憶してる頃にはもうあったなぁ」とか言いながら、せいろ屋到着。「ここは前なんだったんだっけ？」「ビデオ屋」「そうだね」地元ならではの会話。お勘定はTさんもちだったので、いくらだか分からぬが、途中から近くの真理ちゃんにも声をかけて合流。焼酎1本。ワイン1本。ほかにビールと玉露割り2杯。食事も、魚・牛肉のそれぞれ蒸しもの、野菜蒸し、じゃこ豆腐、生牡蠣、筑前煮、だし巻き卵、おしんこ...と盛り沢山にいったので、結構お値段が張っただろう。仕事が決まってからのTさん。以前と打って変わって元気。皮肉っぽい言い方も復活で、職場でも期待されている様子。何よりだ。「（小学校担任の）先生、腰が立たなくなっちゃったそうなんだ」「この間行ったときは、歩いてたのにね」「ご主人も同じで、付き添いの人が居ないと、お風呂にも入れないんだって」「早く行っておかないとね」「こないだは、ゆずありがとう」「あ、ゆずはそっちへは行ったんだ」「そうなの」「先生のとこ、年内に行くの？」「どうかな？」「前もって言ってくれれば、三週間に１回土曜出勤なんだ」「雪降るからなぁ」「福島は雪降るの？」「うん」「年内のがすと来年３月かぁ」「新年会やろうよ」「どこで」「ほんとは経堂駅に近いとこがいいんだろうけど、今回は俺んちで」「いいよ。誰か呼びたい人は？」「了ちゃん来れるかな？」「どうだろう？正月だからねぇ」「山本さん」「宗俊！ぜったい文句言ってやるんだ」「Sさん」「茂美君が何回か企画してるんだけど、いつも直前に言うから、集まらない」「今から言えばぎりぎり間に合う」「山本さんは、E-mailアドレス変わっちゃったみたいだから連絡がつくかな？」「住所分かるんだったら連絡してみたら」「三原君に聞いてみるけど、出てきたくないんじゃないかな？」「俺だって最初そうだったよ」「そうだね。じゃやってみる」「Sさんは、連絡はつくし、会いたいねって言ってるんだけど、看護方面の仕事やってるんで、なかなかスケジュールが合わない」「誘ってみようよ」「日取りは？」「１月５日土曜」「ごめん。その日はボランティアで行ってるわんんぱく倶楽部の新年会なんだ」「じゃあ３日」「決まりだね」10時ラストオーダーで、10時ちょっと過ぎに解散。BLOGお読みのご関係者。6年3組でなくともご参加を！これからご連絡行きます。＊＊＊せいろ屋（セイロヤ）世田谷区宮坂３－４６－３吉田ビル　１Ｆ 03-3425-1766 ランチ 11:00～14:30(L.O.14:00) ディナー 17:00～23:00(L.O.22:00) Brasseire　Paradis世田谷区経堂２－３－７０３－３４２０－４１１１（電話番号はかわりません）

December 7, 2007

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ゆず

日曜の午後にはあがると聞いていたのに....10日土曜未明から降り始めた雨は、いったん日曜11日の午前中に上がったように見えたが、また夕方雷雨となり、洗濯物が乾かない。日曜午後、外出しようと戸締りをしていると、小学校同級の留さんから携帯電話にE-mailが入り、担任の先生（往時の）からゆずが届くので、ご持参いただけるとのお申し出。配達時間が事前に分かるということは、在宅の確認電話かなにかがあったのか？残念ながら、たまたま家族全員外出となり、数時間家が空いてしまうところで、せっかくのゆず、ご相伴に預かることが出来なかった。留さん、せっかく言ってくれたのにね。ごめん！

November 12, 2007

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宇宙人ごっこ

小学校同級の眞里ちゃんから聞いた話。何年か前のクラス会で、眞里ちゃんが、同じ同級生の甲斐さんと話しをしていて、甲斐さんが、「眞里ちゃんと、○さん（誰だったか眞里ちゃんが覚えていない）と私の３人で、宇宙人ごっこというのをやってとても面白かった」と言うのだが、眞里ちゃんは全然記憶に無いそうな。「どんな遊び？」と聞けば、「私たちは宇宙人で、地球にやってきたんだけど、地球のこと何も知らないの。だから、学校中にあるものを見て、ひとつひとつこれは何だろう？ってやるわけ。たとえば、バケツだったら、これは何だろう？被るものかなぁ。とかね。理科室とか、面白いものがいっぱいあって、楽しかった」？全然覚えてないと言っても、どこまでが自分の記憶で、どこからが甲斐さんから聞いた思い出の記憶なのか？そのほか、眞里ちゃんによれば、眞里ちゃんが初めて自転車に乗るのを覚えたとき、自転車を教えてくれたまっちゃんは、そのことを全然覚えていないそうだ。同じく眞里ちゃんから聞いた、彼女が自転車を覚えた頃の女の子たちの遊びには、眞里ちゃんと山本さんとともう１人で、街の中の通りに、ここはペキンで、ここはロスアンゼルス、あちらはアムステルダム...と名前をつけて遊んだ、というのもある。今、どの通りがどの名前だったかは覚えていないらしいけれど、活発に自転車を乗り回す少女たちの姿が目に浮かぶ。「アムステルダムが気にいっていた。ちょうどその頃学校で習ったところだったんじゃないかな？今はその通りがどうなっているのかも分からないんだけどね」だそうだ。宇宙人ごっこ、すなわち、「既成観念を取り払ったとき、物は本来の用途以外何に使えるのか？」という発想の遊び。通りに名前をつけたりするのは、日本ではあまりないけれど、中国の街の中など、北京路、上海路、南京東路、長安路など、他都市の名前を冠した通りが一般的。1600 Pennsylvania Avenueといえば、Washington DCのホワイトハウス。ご存知Pennsylvaniaは州の名前だ。Washingtonには、そのほか、New York Avenue、Massachusettes Avenue、New Hampshire Avenue、Florida Avenue等もあるから、州とか国の名前を通りにつけるのは、米国でもよくあることが分かる。もともと、そのあたり出身の人がまとまって住んだから、というのが名前の発祥の一つではあるだろう。東京でも、浜松町とか、三河島は、徳川さんが江戸に来たときに、浜松、三河から移転してきた人たちが住んだ街と聞いたことがある。さて、当時の自分に、他国、都市の名前を通りに名づけるという発想があるわけもない。皆さん、それぞれに優秀な女の子たち。やってた遊びのレベルからして違う。こちとら、学校の授業でアムステルダムのことを習った記憶すらなく、授業中も、ただ騒ぎまくり、先生に「廊下でたっとれ」と言われたことも再三たぶんアムステルダムは、廊下で立たされていたときの授業だ！？

November 11, 2007

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蔵書

小中学校の同級生で、自宅で私塾をやっている女性がある。ご亭主も彼女を通じて存じ上げていることもあり、ときたまご自宅へおたずねする。感心することの一つが彼女の蔵書。わが家もそうだが、連れ合いと同居するということは、お互いの蔵書も境界近くでは次第に交じり合い、今やはっきりとした一線があるわけではない。そういう意味では、「彼女の」というより「ご夫婦の」というべきなのかもしれぬが、これが実に良い。蔵書の内容は無論のこと、蔵書は、すなわち、持ち主の読書歴であり、何を読み、何を残し、いかに整理するかは、持ち主の人生を一部表わす。翻って自分。もとより書斎があるわけもなく（ＰＣが置いてある部屋は、家人の洋服ダンスも並ぶ、通路兼、倉庫兼、書庫兼、衣装室のような場所で、私がＰＣを叩く後ろを家族が行き来する）、従ってさしたる蔵書もないのだが、実に濫読。残すべき本はどこかに散逸。書架にある本は二度と読まぬようなものばかり。中にはビデオテープ、ＣＤ、あげくに、78回転のレコードまで出てくる。残念なことに、かの女性の蔵書と同じ本が棚にあるケースもままあるのだが、同じ本が、持ち主と整理の仕方で、こうも違って見えるものか...彼女の蔵書を観ると、ますます自分の蔵書が自分の人生と頭の中の結果であることが実に良く分かる。こりゃまずい。

October 19, 2007

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長嶋亜希子さんご逝去

長嶋茂雄氏夫人の亜希子さん未明にご逝去との報道経堂小学校の頃、同学年のほかのクラスに要領の良い奴が居て、しばらく前に長嶋茂雄ご本人からｻｲﾝを直々に頂いたと聞き、悪がきどもで新婚の上北沢のご自宅までおしかけてｻｲﾝをねだったことがある。お手伝いさんに追い返されてしまったが、今考えれば迷惑な話。一茂君は、あの家で育ったわけだ。ご冥福を

September 18, 2007

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平石君がやってきた

平石君が久しぶりに東京にやってきた。中学バスケット部顧問の佐々木先生とお目にかかる予定とあわせ、こちらにご健在の母上のお手伝い。私らは、7月の福島行き以来。英ちゃんも来るって言ってたけれど、仕事が出来てしまって残念。数日前にバスケット部の岩井君から連絡があったが、金曜日の9時過ぎまでからだが空かず、今回は会えずじまいかと思っていたのが、土曜日に留さんから連絡があり、日曜夕方経堂でお茶のお誘い。土曜日に平石君がお伺いした佐々木先生はお元気だったけれど、岩井君はお母様の法事で同行できず。もともと日体大で野球のほうが専門だった佐々木先生。バスケットは素人だが、緑中ではバスケット部顧問。教員組合から「熱心すぎる」と白い目で見られるほどのご指導で、在職中の緑中バスケット部は、男女とも区大会、都大会で素晴らしい成績を挙げた。聞けば、私ら卒業と時期を同じくして、都立高校の教諭へ転出され、校長先生までおつとめになられた由。いわば緑中最後の代だった平石君たち。女の子たちは、連絡がかなりとれていて、かなりの交流があるらしいが、男のほうは、まとまりが悪く残念に思われているとのこと。先生も70で引退され、いよいよ悠々自適。いよいよ平石君を中心に、皆で集まる算段を本格化せねば。残念ながら、一番の長身「高橋和雄君」が亡くなられたと聞くが、江副君、富田君、野口君、鳥山君、広田君、村田君...皆さん元気で連絡がつくとうれしい。＊＊＊「6年3組のクラス会。中学に行ってから1回やったよね？」「そうだっけ？」「向丘遊園へ行ったんだ」「そうそう」「そのとき、お金が2000円ばかり余って、松沢信用金庫に預金して、その通帳があるんだ」「松沢信用金庫？昭和信用金庫じゃなくて？」「うん。松沢信用金庫」「どこの支店？経堂にはなかったと思う。下高井戸か上北沢か？どちらにしても、松沢信用金庫は今はなくなってしまった」「えっ？」「事務取り扱いは昭和信用金庫がやっていると思う」「莫大なお金になってるかな？」「無理無理。せいぜいが倍だろう」「でもお土産買えるじゃない。氏家先生にそのお金で買ったお土産って言ったら喜んでくれるだろうなぁ」「先生とこ行くのは今年はもう無理かな？」「来年までにはまた行こうよ」行ければ今年もう一度お伺いしたい。

September 16, 2007

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遥かなる旅

仲間に対する理不尽な仕打ちに、正義感から立ち向かい職を辞した友人がいた孤独と不安を忍び、ハローワークに通い、なんとかの手習いならぬ学校にも通ったさる会社に努力が認められ、採用の通知。翌日から出社とはちと厳しいが、地道な努力を続けようと激励友人達からもふた言、三言・おめでとう頑張ってください・まずは、早く職場になれること　職場の空気を読む　歓迎会では飲みすぎず、適当に会話をして、二次会は行かないほうがいいかな　骨を埋める覚悟で励め励めだね・からだに気をつけて！など、言っていたのだが...担当する仕事の内容を具体的に目にした瞬間に事態は暗転新興の会社は、巣食った害虫に牛耳られ、害虫に餌をやるがごとき仕事なぞ、君には向かぬ大事な時期に、大事な時間をつかってやるべき仕事ではないと判断次への転進を図ることにでも、次がある君の正義感を汚すことなど、必要あるものか！

September 3, 2007

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クラス会

茂美君に電話した先日、クラスのみんなに越えがけして集まろうって言っていたのだが、うまく連絡がつかなかったのか茂美君と留さん、あとから遅れて英ちゃんが合流経堂へ着いて、何人かに連絡をとったら、弘美さんが加わったしばらくあとで、茂美君と英ちゃん、弘美さんに西山君が一緒してゴルフになったとかまた皆で会おう茂美君は、9月中ごろはタイに出かけると言ってるので、少し涼しくなった9月末から10月にかけての開催か？みんなが会いたいと言ってるけれど、出てこない人もいる自分もそうだったけれど、億劫なところは正直ある中には、人間の生き方について一家言ある人も居るだろうし、気が向けば議論もある？しかし、言いたくないこと、話したくないことを強要するつもりは誰にも無い自然体力が入れれば肩がこる私たちは仲間だったし、顔をあわせれば、これからも仲間だ7月の福島行き日程が合わず参加できなかった人たちも居た年内に先生再訪の機会があるかなぁ？

August 26, 2007

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おすそわけ

6年3組担任の先生から送っていただいた福島の桃ようやくお礼の電話をして、皆さんへおすそ分け「お母さんの様子はどう？」と心配いただき「三週間ほど前に一時危篤状態になりましたが、おかげさまで小康状態」とご返事「いろいろお世話になったから、食べてもらいたくて...」「ありがとうございます」留さんと須藤君のとこには届いているそうだ。では、まっちゃんとまりちゃんかほかの方々は、今回はご免！夕刻病院で、先生からのお言付け通り、母に、いただいた桃を披露来週から水と薬で嚥下の練習が始まるが、まだ桃を食することは当分できない福島出身の彼女、桃を見て一応分かるらしく、反応がある。匂いをかがせるが、これには怪訝な顔帰りにまっちゃんの家に寄る。娘さんが出てきて、ちょうどお孫さんを寝かしつけているところさらに、まりちゃんとこまで足を伸ばすこちらも娘さんご一家がお越しあてが違ったのが、教えている生徒さんが居ると思ったまっちゃんとこには生徒さんが居なくて人数が居ないからと数を持っていかなかったまりちゃんところがちょうど人数が多かったこと。6個と2個じゃ不釣合いせめて5個と3個にすべきだった？家に帰ってそんなことを考えていると、娘が帰ってきて「あれ、桃少ないじゃん？」少ないじゃないの、それは私の貰いもの！「だって、貰ったらもうそれはウチのもんだもん」聞けば、幕張通いは今週で終わり、来週は修善寺だと！それで君は給料をもらえるのか？まっちゃんからお礼「甘露なお訊ね　ありがとうございます」そう来たかお持ちしたこちらにも、涼しさが帰ってくるねおかげで夜は、だいぶんしのぎ易く

August 18, 2007

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先生から桃をいただきました

過日4名でお伺いした、小学校6年3組担任の先生福島から季節の桃をいただいた。特にたいしたことも出来ずにいたのに、すみません。朝、ちょうどでかける8時に配達が来て、そのまま夜、帰るまで御礼のご連絡が出来ないでいる。明日、間違いなく御礼しなくては。さて、わが家だけでいただくわけにもいかない。どなたのところへ届いているのだろう？6年3組おすそ分けかな？

August 16, 2007

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福島小旅行　その４

慣れぬふとんに寝返りをうって、目が覚めた。「そろそろ風呂行こうか？」「まだ早いよ」平石君と留さんが川沿いの窓際に向かい合って煙草を吸っている。おじさんたちの朝は早い。まだ5時前らしい。了ちゃんも隣で起きている様子。しばらくうとうとしていると、風呂から戻ってきた様子。朝は、昨夜にも増して熱い湯だったようで、「思いっきりうめた」という声が聞こえる。「食事はまだ？」「だって8時に頼んだじゃない。起きれるかどうか判らないって。7時45分から用意できてますっては言ってたけど」「えー、まだそんなにあるの？」ようやく目が覚めてきて、自分も1階へ降りて風呂に入る。熱い。ホースを湯船に入れてしばらく足湯だけつかい、そのあとゆっくり風呂に入る。温泉はこうでなくっちゃね。風呂から上がり、３階まで登ると、野球部のお母さん達が食事に行くところに行き会う。７階の自室まで戻ると、ようやく７時。待ちかねた朝ごはんを食べて、９時５０分の新幹線に乗る平石君を福島駅まで送る。出発は最初９時といっていたのが、８時４０分。ちょっと早いんじゃないの？朝は２０分もあれば福島駅まで行くぞとか言いながら単線の電車線路脇の道を運転していくと、２０分もかからず駅の東口に着いてしまった。駐車場に車を入れて、駅ビルでお土産を買い、まだ時間があるので、駅ビル１階のVie de Franceなる喫茶コーナーでアイスコーヒー。しばし歓談。平石君は９月に東京にやってくる。懸案の緑中バスケットボール部顧問佐々木先生喜寿退職のお祝いうちあわせ。「高橋君ってバスケットボール部で背の高いの居ただろう？」「ああ」「彼死んだんだって」「...」我々も次第にそういう年代になっていくということか。また９月に会おうと、まだ電車までしばらく時間がある平石君に駅頭で送られて、我々３人は東京へと向かった。福島飯坂インターから車は順調に走り、１時前後には帰れそう。いい旅行でした。

July 10, 2007

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神宮前6丁目の商業施設、b6（ビーロク）を売却

日経関連のHPで、次のような記事が出ていた。曰く、「ジョイント・リート投資法人は7月5日、所有する渋谷区神宮前6丁目の商業施設、b6（ビーロク）の信託受益権の準共有持分33％を67億7500万円で売却した。買い主はエルカクエイが組成した特別目的会社（SPC）の有限会社マーズ・キャピタル・パートナーズだ。8月1日に引き渡す。取引によりマーズ・キャピタル・パートナーズが100％所有することになる。」もともとこの土地。エルカクエイが取得したと聞いていたから、最初から予定通りの動きなのだろう。おっと、大事なことを。b6は、清水節っちゃんの「さくら」の引越した先。新しいお店のご様子やいかに。別に問題のある取引じゃあないんだが、ちゃんと説明受けてるかな？

July 9, 2007

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福島小旅行その２

「みんなよく来てくれた。平石君、お母さんはお元気？」「了ちゃんお久しぶり」あまりお元気ではないと伺っていたので心配していたのだが、昨年お伺いしたときと、ご主人は変わらぬご様子。先生は、逆にお元気になられた。昨年は立ち座りにも電動式の補助を使っていたのが、今回はご自分でおやりになる。お昼は、詰め合わせのお弁当に、身の回りのお世話をいただいている「ももちゃん」心づくしの、かつおの刺身、パスタサラダ、酢の物など盛りだくさん。食べてこないでよかった。「ビール飲むかい？」と勧められる。「いやあ、車ですからね。平石君が飲まないので、彼に運転してもらおうと相談したのだけれど、免許証を持ってきてないんで、今日は遠慮します」「今年は嫁さん連れてくる約束じゃなかったのかい？」「えぇ、そのつもりだったんですけど....」突然話しが振られ、留さんしどろもどろ。「おめぇな。理想言ってるのは、若いうちだけだぞ！」とご主人が本質をずばりと切り込んでくる。そこへ了ちゃんが爆弾発言「先生は、帰りに僕のこと経堂の飲み屋さんへ連れてってくれたこと覚えてます？」「そんなことあったかい？」「駅の手前の坂の下にあった飲み屋さん。先生は一杯やって、僕は卵酒を飲ませてもらいました」「ああ、あそこねぇ。よく行ったところ。」「よくおいでになったんですか？」「経堂小へ来てからは、ほら、結婚しただろ、だから殆ど行かなくなったけど、赤堤小の時代は良く行ったもんんだ。泊めてもらったこともある。どうせ明日になれば、また来るんだから帰っても帰んなくても一緒みたいなこと言われてね。あと、学校へ戻って、あのころは用務員さんなんて言わないんだ、小使いさんとこへ泊めてもらったこともある。朝、弁当半分もらって食べたことも」「えーっ!?」当時の話しだし、女先生と男子生徒だから何の問題でもないが、いまどき先生が男で、生徒が女だったら、何を言われることか？たいしたことないことで目くじら立てすぎる？？？「赤堤小とか、経堂小ではそういうことは、もうなかったけれど、その前の松沢小の時代は、2部授業だった。2部授業って知ってるかい？」「教室が足らなくって、午前登校組と午後登校の2グループに学校を分けて、午前、午後で同じ教室を違うクラスで一緒に使ったんでしょ？」「そう、それが2部授業なんだが、お昼前後は午前クラスと午後クラスが同じ教室で授業を受けるときがあった。」「それは初めて聞きました」「教室には2クラス150人くらいが入っているのは当たり前で、机と机の間の通路とか空いている場所は全て使って、授業を行った」「そうでしょうね」「そうやって、本当は2人の先生が要るところを、やりくりして、1人の先生でこなしてた」「...」「そうやって、授業の無い先生が順番で買出しに出かけたんだ。先生たちは働いているから、買出しに行けない、食べられない。それじゃあ子供たちに十分に勉強を教えることが出来ないというんで順番を決めて買出しに行くことにしたんだ。お昼の授業が終わって職員室に戻ると、野菜が、これはだれそれの分と分けておいてあった」＊＊＊「年金の問題で、安倍さんが責められてるけれど、可愛そうだと思うんだ。だって、菅さんだって厚生大臣やったんだろ？」「支給額に間違いがあったら修正しますなんてやらんでいいんだ。水俣病知ってっか？誰でも彼でも水俣病に認定したんで、市内で脳溢血で死んだ人は誰もいないことになってんだ」ご主人は斯界の専門家で、アジア、アフリカへも政府から派遣されたご経歴の方。本当なのだろう。「私も長崎へ行ったらろ」僕らが小学校を卒業したあと、ご主人のお仕事の関係で、先生は、長崎へご家族でお引越しされた。「今、申請すれば被爆者手帳貰えるからすぐ行きなさいって言われて、私被爆者じゃないけれどと断ってもいいからいいからと勧められた」「被爆者手帳持ってれば、一生医療費が免除される。だけど私はもらわなかった」今話題の年金問題にしても、安易に本人が払い込んだと言えば、その金額で支給するようなことをすれば、後日必ず禍根を残すことは歴史が証明している。世の中の流れに必ずしも迎合せず、ご自分たちの経験と歴史に基づき、独自のご意見をお持ち。日々お二人で、新聞をご覧になり、話し合われるのだろう。必ずしも同意申し上げることばかりではないが、80を越えてVIVIDな感覚をお二人で維持されている生活が素晴らしい。尽きぬ話に時間もはや4時を回り、ももちゃんの都合もあるだろうし、そろそろ失礼することに。立派なお庭で記念撮影。一同、先生にご紹介いただいた近くの飯坂温泉「花の湯」に向かうことに。

July 8, 2007

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福島小旅行その１

日取りもまさに七夕。昨年秋に引き続き、小学校の担任先生ご夫妻を訪ねて福島へ出かけた。今年のメンバーは、平石君、了ちゃん、留さんそして自分。英ちゃん、須藤君、まっちゃん、真里ちゃんなどもそれぞれに行きたいと言っていたけれども、それぞれ会社、家族の事情で、残念ながら次回以降のご参加を期待。しかし、了ちゃんは大阪から東京経由だし、平石君は函館から遠路在来線、東北新幹線と乗り継いでの参加。それぞれにお疲れさま。7月7日午前7時、了ちゃんと留さんと自分3人が桜上水駅北口前集合。車の経路、前日了ちゃんが新宿のホテル泊などの事情。甲州街道から、すぐに首都高速4号線に乗り入れるところ、ETCを搭載していない車にもかかわらず、ETC側へ入り込み、後ろには既に車が詰まっていて「ごめんなさーい」で反対側から料金を払ってようやく首都高へ。ちょうど7時というに、土曜日朝の4号線は平日並の混雑。竹橋JCTから5号線に入り板橋から中央環状で江北JCT経由と思ったが、久しぶりの了ちゃんに多少とも都心の景色をご覧にいれようとて、そのまま直進、神田橋JCT、江戸橋JCT、箱崎JCTと走り、6号線を使って堀切JCT、江北JCT、そして東北道へと乗り入れたときは、既に8時を回っていた。蓮田のサービスエリアから了ちゃんが運転。曇天の中、景色はイマイチではあるものの、車は東北道を快調に走って、那須高原で留さんに交代。昨年秋以来という留さんの運転も無事で福島の手前まで。途中郡山を過ぎたあたりで、了ちゃんが「安達太良山ってどれ？」聞いた。進行方向左側なのだが、残念ながら中腹から上は雲に包まれて山すそしか見えない。「稜線がきれいな山だって書いてあるんだけどね」福島西インターで東北道を降りたのは、11時半前。函館発0700のスーパー白鳥10号、八戸ではやて10号乗換、仙台でMaxやまびこ142号と乗り継いで、1223福島着予定の平石君との待ち合わせには、十分間に合いそう。福島市内は、何台も居ないのに右折が２回信号待ちになるなど、信号のつなぎが悪くいらいら。それでも、待ち合わせまで３０分以上を余して、待ち合わせ予定の福島駅西口の駐車場へ車を入れることが出来た。福島駅は東口がメインで、西口は昔の駅裏だが、新幹線はこちら側。駅ビルで、了ちゃんが何か食べようというが、先生のところのお昼ご飯まで我慢我慢。駅構内で七夕飾りを見つけた了ちゃんは「みんな元気で」と短冊に願いをこめる。駅ビルの中に食品スーパーがあって、茨城県産ピーマン１つ10円とある。思わず、前後のみさかいなく10個、あと、自分も空腹を感じるところがあり、きゅうりと岩塩を買って、留さんと了ちゃんを誘い駅頭で3人きゅうりをまるかじり。予定通り電車は到着したが、なぜか平石君が、いつまでたっても新幹線の改札口に現れない。携帯電話を忘れたことに気がついて留さん、慌てて車に戻り、平石君からの着信ありに気がつく。東西どちらの出口での待ち合わせだか、忘れてしまった平石君、留さんに携帯電話してもつながらないので、メインの東口に向かってしまった。福島駅の反対側までは10分ほどかかってしまったが、ようやく平石君を東口の駅頭に見つけ、車を発進させつつ旧交を温める。12時40分を回ったが、東口一帯はかなりの車で、あまり車が走らない。先生には1時前後の到着とお知らせしてあるだけに、気ばかりあせる。大きくて立派な福島競馬場の前を左折して国道4号線を北に。「留さん先生に電話してくれる。今競馬場の前だって」とお願いする。「今から3－40分で着きます」と先生に電話した留さんに一瞬ブーイングの嵐。「40分もかからないよ」と私。「何で何分かかるって判るんだい？競馬場前からだったらどれぐらいかかるか僕達より、地元の先生のほうがよく知ってるよ」と了ちゃん。まあまあ。「昔福島競馬場に来たことがある」ぽつりと平石君。「中央競馬会に勤めた大学の先輩を尋ねて来た。もう何年も前だけどね」競馬場から馬匹車両が1台出てきた。中に馬が乗っている。「今日競馬やってるのかな？」「でも馬は出て行ったね」渋滞が続く4号線にみぎりをつけて、115号線を右折。橋を渡って左折したら了ちゃんに叱られた。「まっすぐ行けば霊山まで行くのに」ああそうなんだ。福島市内から霊山へ行くには、真ん中にある山を迂回しなければいけないので、115号線から南回りで入るか、保原から北回りするかのいづれか。保原からの北回りを選んで、それでも、車は順調に目的地に着いた。細い道を突き当たり、右に折れた坂を登りきったところが、先生のお宅。車を降りて、蔵の前で、了ちゃん記念撮影。

July 8, 2007

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滝、峠越え、小旅行 Revised　その3

ようやく三峰口を過ぎ、秩父市内へ向かう。山村から農村へ、ここいらになると、だいぶん周りも開け、平地が多くなる。３時半。狭山までは、どのルートで行こう？秩父から長瀞、寄居と抜け、花園インターから関越へ、鶴ヶ島JCTから圏央道へ入り、狭山日高ICで降りる...これが選択肢１関越から、川越ICで降りて国道１６号線...選択肢その２秩父から国道２９９号で飯能経由狭山へ...選択肢その３一応選択肢１で行こうと心に決める。順調に走っていた先行する車が、突然に止まり、しばらく動かない。カーブの先に何があるか分らないので、対処の方法も分らぬが、ここらで渋滞するのは計算に無い。しばらく待つと、ゆるゆると動き始める。カーブの向こう側は踏み切りで、一時停止で止まっていたのだ。ようやく秩父市内に入り、秩父鉄道の線路を渡り、西武池袋線の鉄橋をくぐると...今度は本物の渋滞。直線道路のその先にあるはずの交差点が見えないほど遥か先まで車が続いている。「これはまずい！」「確か、西武線は南側から秩父駅に入っていくから、飯能は右手。裏道があればラッキー。悪くても、元の道に戻るだけ」と、選択肢その３に方針変更を試みるべく、突然南小学校の手前を右に入り、小高い丘（羊山公園）の下を左へ。http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=35%2F59%2F18.802&lonfiltered=139%2F5%2F19.183&layer=1&sc=3&mode=map&size=l&pointer=on&p=&CE.x=532&CE.y=405道は想像したより細く、微妙に折れ曲がり、先が見えない。道路の両側には、旧家の落ち着いた家並みが続く....「まずいかな？」と思い始めた頃、行く手を横切る何台かの車が見えた。「シメタ（占めた）！」見えた道の一本目は左への一方通行だったが、その先の信号は右折できる。曲がったとたん、登っていく坂道の向こう側に渋滞らしきものが見える。「シマッタ（仕舞った）！」方針変更が裏目で、飯能方面へは渋滞か？目を車外へ転じると、右手になかなか味わいのある喫茶店風の建物があり、千茶古と屋号が出ている。駐車場には車が１０台ほど止まっている。http://www1.ocn.ne.jp/~c.tanaka/「良さげな喫茶店だね」「どうして？」「あれだけ駐車場に車が止まっている」つい先年まで麹町に銹釉(さびゆう）という名のすばらしくおいしい自家焙煎の珈琲を入れるお店があったが、ビルの家主が替わり、家賃の値上げを要求されたのを機会に、千葉の方の国道沿いに店を移転していった。都心で人が多いから、店のあり方を理解する人も多い...では無いらしい。もはや、米国のコーヒーチェーン店に席巻されてしまった都会を避け、郊外で、分る人だけが来てくれれば良いというスタンスで、良いものを良い空間で、なのだ。車が動き始め、石灰岩の粉で汚れたトラック２台の後ろへ自分たちものろのろ右折していく。先ほど迂回した渋滞は、国道１４０号から２９９号への右折だったのか。だが、トラックに積荷が無いから、武甲山まで辛抱すれば。もっとも、また雲がかかってしまい、すぐそこにあるはずの武甲山は見ることができない。そうこうするうちに、案の定、トラックたちは、次々と武甲山方面に右折して行き、西武鉄道で秩父の一つ手前の横瀬を過ぎたあたりから、渋滞は解消する。３時５０分。留サンに、「正丸峠越えは、まともに走れば車のほうが西武線より早い。飯能４時４０分、そこから狭山まで２０分」途中、ガードレールに突っ込んだ事故車の渋滞はあったが、その後の２９９号線は予想通り順調で、高麗の駅を過ぎたのが４時４０分。そのまま２９９号を走り続け、もはや５時１０分。新富士見橋で入間川を渡り、１６号線を右折。後から、地図を確認すれば、もっと近い道があったはず。またまた言い訳がましいが、この経路で来ることを想定していなかったのだからやむをえまい。適当な駐車場を求めるべく、１６号を入間市駅付近まで戻って、PePe４階に駐車、そのまま西武線に乗り込み一駅で稲荷山公園。駅前踏み切りは大渋滞で、隣の駅まで一駅やり過ごしたのは正解。会場到着は５時半。予定より３０分遅刻。ちょうど、前のバンドが終わり、次のステージの準備をしている幕間に到着した。招待券をいただいた高橋さんを偶然見かけ、聞けば、友人の演奏は、今終わったばかりとのこと。「１時間も演奏しやがって」と、うれしそうな、面倒くさそうな。５時に着けば、半分は見れたのか。もともと今日はTサンとの滝見行。少々残念だが、しょうがない。売店ですきっ腹を満たす。そうこうするうちに我々も緑の斜面に横たわり、始まった演奏を楽しむことにする。日もだいぶ傾き、ステージの強烈な照明とのコントラストで、次第に周りの人々の表情も見えにくくなってきた。緑の上に座って何かを見るというのは、もしかしたら学生時代に神宮の外野席で野球を見て以来かもしれない。プログラムには、懐かしい名前もあれば、見たことも無い海外から来日中の連中の名前もある。何十年ぶりかで耳にする演奏は、「いつか聞いた曲」。もとより予定調和の中にある。だが、それを含めて、多様化し、拡散してしまった現代のライフスタイルは、自分の中でしか調和させることが出来ない。この一日に起こったこと。自分にとっては「ちょっと変わった」日常だが、心地よい疲労の中に、その一日を、無事にここまで過ごせたことに感謝と満足、そして、喜びを覚える。頭まで地面につけてみると、地震のように地面を揺らす大音量の演奏にもかかわらず、バックグラウンドの虫の音が聞こえてくる。こちらも驚くほどの音量で。調子が悪くなってから電源を切ってあった携帯電話をいじってみると、午前中には画面が出なかったのが、今度は表示された。「直った！」（だが、この携帯電話。結局、翌日の夕刻、ピピピという警告音とともに、画面が消え、２度と生き返ることはなかった）３組目のアンコールでステージは全部終わり。帰りの足もとを照らすためだろう、自家発電機のついた大きな照明灯を一生懸命に動かそうと、台車を押している高橋さんを見かけ、帰りのご挨拶。８時半終演の予定だが、これも予想に反し、まだ８時過ぎ。駅まで急いだが、ぎりぎり１８分発には間に合わず、２９分まで時間をつぶす羽目になってしまった。それでも、帰りのお客さんの大多数は上り池袋方面へ。楽々と一駅乗って車に乗り換え、１６号を八王子方面へ。「１０時までには帰れるかな？」「え、そんなに早く？」横田基地を横目に、道路は混雑してはいないのに、信号のつなぎが悪い。それでも、９時半前に八王子ICから中央高速に入る。「結局、八ヶ岳から殆ど高速道路使わずに帰ってきたね」「そうだね」国立府中ICを9：40、調布ICを9：45に通過し、高井戸ICを9：50に降りて、そのまままっすぐ上北沢へ。上北沢の街を抜け、松沢病院裏から赤堤通りで留サンの家へ向かう。延べ１５時間、３６１ｋｍの旅。ぎりぎり１０時を回っている。

July 3, 2007

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滝、峠越え、小旅行 Revised　その２

前方を見ると、青地に白で「川上村、秩父」と表示が見える。そのまま、小諸から関越に乗るのでは面白くない。多少の山道は覚悟の上。関越ならば何度も乗ったし、今日の天気じゃ景色も見えぬ。。そうなると、持ち前の、下手の横好き好奇心のささやきに負け１４１号を東に反れ、川上村から千曲川上流へと車を進めて行くことになってしまった。隣のTさんにそういうと、「ああいいよ」と快く承諾してくれた。正直言えば、自分みたいな奴でも、Tサンのように予定調和を楽しめる人たちを、ときどきものすごくうらやましく、時には口惜しく思うことさえある。一緒に食卓を囲むとき、せっかく「後で」と、とっておいたのを、さっさと自分のは食べてしまい、「これ食べないなら頂戴」と有無を言わさずにこちらのまで食べてしまう奴。いやいや、ちょっと違うな。どれほどの時間をかけるかどうかは別にして、こういうとき自分にとって楽しみの醍醐味は行程を組み立てていくところにある。組み立てでそれなりに楽しんでしまい、実際の本番の頃には、もう飽きてしまっていることすらある。事前に周到な準備をすることが、より深い楽しみにつながるという人が普通だろう。しかし、自分の場合、周到すぎる準備により、楽しむことが出来なくなるという問題を生ずる。一般的な仕事は別だが、遊びには予定調和では味わえない楽しさも大事だ。定番コースを定番の旅行ガイドどおりに見て回る。漏れもなければ、危険もない。自分だと、何かの気まぐれで、そのときに見たいと思わないものは、たとえ、ルーブルのモナリザでも見ることをしない。きついカーブや坂を走れない鉄道は、野辺山を出ると進行方向を北から東に転じ、信濃川上まで八ヶ岳山麓を下り、そこで再び西北に転じて、千曲川沿いを北へ下る。小海線では、野辺山ー信濃川上ー佐久廣瀬ー佐久海ノ口ー海尻ー松原湖...と続くが、うろ覚えの地理で、海ノ口から右へ折れた積もりでいるので、眼下に線路が見えたときは、しばらくは小海線だとは考えず、知らない高原鉄道が敷設されたのかと思ってしまった。川上村は広い。赤や黄色の葉鶏頭で縁取られたキャベツ畑の中を、走っても走っても川上村。信濃川上からは、千曲川を遡上していくが、塩山へ分岐する秋山という集落を過ぎると、それまでときどき見えた「秩父」、「大滝村」という表示も、もはや目にすることがなく、果たして走っている道が正しいのかどうか判然としなくなる。事前の調査で地図上に道があることを確かめてあっても、実際に走れるかどうか分からないのが峠越えの林道。悪路の場合もあれば、通行止めの可能性もあるし、一般車の通行を禁止している場合もある。そこらは、もともと行く予定でないのだから、調べているはずもない。道路マップは積んでいるものの、そこまで細かくない。結局頼るは、大まかな地図と自分のカンだけ。「ままよ」と、そのまま一応の舗装道路を「対向車が来たらどうしよう！」「峠越えの前に舗装道路じゃなくなったら潔く引き返そう」Tさんと話しながらもそのまま登りつづける。何度も、もう引き返そうと思いながら、登り続けると、突然視界が開け、三国峠に着いたことが分かる。三国峠、三国山は、奥秩父山塊の一。信濃、上野、武蔵の三国（県）境の交わることから名づけられた。この山塊は、日本の中央分水嶺としても知られる。西へ下れば、千曲川、川上村から、八ヶ岳との境を北上し、佐久、小諸、上田、更埴、長野と流れ、犀川と合流し、信濃川と名称を変えて、新潟で日本海へ注ぐ。東へは、中津川から荒川へ。南へ下れば、甲武信岳から南の水は、奥多摩湖から多摩川となる。さらに東へ、金峰山から東の雨は、塩山方面を経て、笛吹川から富士川を経て駿河湾へ。JAL機墜落の御巣鷹山頂は、峠から直線で北西へ5kmだが、生憎三国山が前に立ちはだかり、峠から望むことは出来ない。１０台弱のバイクを連ねた一団と、白塗りのCrownが峠の先客。生憎の雲で、奥秩父の山並みを望むことは出来なかったが、峠の風情を、Tさんとしばし愉しむ。気が付くと、バイクの集団は川上村方面へ、Crownは中津川方面へとそれぞれ下っていき、われわれだけが峠に取り残されていた。長野県側を望む展望台的なところに、長野県側と埼玉県側の地図が並べて表示されていた。長野県の地図を見ると、国道１４１号から峠まで、走ってきた道が分かる。目を埼玉県の地図に転ずる。せいぜいが、野辺山から峠までと同じくらいだろうとタカをくくって、秩父という字を探すが、どこにも見当たらない。「中津川渓谷とは、どこかで聞いたような名前だが、地図で見ると案外長そうだ。だが、峠に至れば、もう引き返すこともないだろう」Tさんとそのように相談し、埼玉県側へ車を進めたとたん「これはっ！」そこまで登ってきた道、それは、まがりなりにも舗装されていて、対向車とすれ違うのに、場所が悪ければ、数十メートルどちらかが後退しなければならないといった程度。山もところどころに落石注意の表示はあっても、岩肌が露骨にせり出したような場所は殆ど無い。速度計のメーターも30-40km/h。ところが、われわれが踏み込んだ道（旧中津川林道）は、それとは異なる、「異形の道」であった。川上村（長野県）の山は、峠の南側でやわらかい緑だったのが、峠の北側の大滝村（埼玉県）側は、深い緑。しばらく前に先行して下って行ったCrownが戻ってこない、それだけを安心の理由に、僕たちは、延々１７ｋｍにわたる舗装なし悪路の山下りに足を踏み入れたのだった。一応砂利道程度まで整備されたことのある林道（現在は秩父市道）で、四輪駆動でない普通乗用車で走るにはこれが限界だろう。道幅がそれほどは細くないのが救いだが、セカンドでは早晩ブレーキパッドが駄目になりそう。已む無く、速度が出ないのを我慢してローギヤで坂道を下るが、車がばらばらになりそうな振動が続く。時折、水乾（みずひ）を渡るコンクリー部分を渡る一瞬だけ音と振動が緩む。幸い対向車は、バイクと自転車だけ。バイクはともかく、自転車で登ってこれるのだから、それほどの距離は無いだろう、先行したCrownも今のところ事故ってないようだし、などと、まだこの段階でもタカをくくっていた。緑に覆われていた長野県側に比べ、埼玉県側の道路は、巨大な岩山を削って道を通したに相違なく、垂直に岩肌がそそり立つような場所の連続だ。それでも時速10km程度しか出さなければ、それほど難しい道ではない。「確か、奥秩父は古い地層が隆起したところで、岩がもろいとか聞いたか読んだしたことがあったような気がする。」とTさん。不安になっているひまはない。目の前の悪路に集中しなければ。蛇行を繰り返しながら、三国峠から十文字峠の北稜をなぞるように下ってきた道路が、大きく谷沿いに南行し始めた。果たして南へ抜ける谷なのか、それとも、折り返して北行するのか？谷の対岸の眼下をずっと見下ろしてゆくが道らしいところは無い。これはいよいよこの谷は南へ抜けるぞ、と思いきや、道路は対岸へは渡らず、そのまま谷のこちら側を折り返してさらに下っていく。今まで走ってきた道の何十ｍか下を戻ることになったわけだ。実は、この谷が荒川の支流、中津川の源流だった。折り返してしばらく、ようやく川筋が見える。雨が朝のうち残ったこともあってか、川の流れが想像していたほど清冷に見えず、残念。花崗岩のような火成岩で構成される川筋の川俣川などと異なり、堆積岩が隆起した中津川では、川のありようが異なるのかもしれない。白色系の花崗岩と、茶色系の水成岩。峠の北側で日照時間が少ない、或いは、ほとんど川筋に日があたらないため、苔が岩肌に付着していることも、花崗岩の白く乾いた岩肌の川俣上流とは違って見える理由なのだろう。さらに川沿いを下っていくと、欄干が壊れ、苔むした石つくりの橋を渡る。橋の手前から覗くと、滝と滝壷が見える。このあたりが西沢地区の金蔵沢というところで、滝を見に沢沿いを分け入ろうとすると、立ち入り禁止となっている。大カツラとの表示もあるが、これでは何のことかさっぱり分からない。帰宅して調べてみると、カツラの巨木が、沢の奥にあるらしい。さらに川沿いを下る。だんだんカーブが少なくなり、道幅も以前より広い。短いけれどもトンネルも２－３箇所。多少は道にお金をかけてある＝ある程度の通行量があるところまで下りてきたのだろう。やがて、トンネルを抜けると、オートキャンプ。普通、下流から登ってくると、ここらへんが終着点になるんだろうなあ。そうすると、まだ結構あるなぁ。今日は、小学校同級生のまっちゃんの旦那さんから「Tさんと一緒に来て」と、狭山の稲荷山公園でやっているHydepark Music Festivalの券をいただいたので、夕方５時ぐらいまでには着きたい。http://www.mag-express.com/hpe06/野外コンサートは、学生時代に日比谷の野外音楽堂で見て以来だろう。フォークソングがちょうど盛りを過ぎる頃のことで、そのあとあまりにも長い時間、社会も自分も、そういう自由な時間を失ってしまっていたことに思い至る。プログラムを見ると、見た名前がある。高校の同級生。おそらく彼の出番は５時過ぎだろう。と思ったのが５時の根拠。３時に近く、日が長いとはいえ、山並の北側では日が傾き始める兆候。だんだん時間が気になり始める。さらに、しばらく下ると、ようやく道路が舗装してあるところへたどり着いた。それまでの、音と振動がうそのように、静寂が車の中に訪れ、これでひと安心と思う気持ちと、「もう、あとは予定調和の世界」と多少残念に思う気持ちが混ざりあう。「三峰口」なる案内標識が出て、安心したような、「まだ三峰口の手前なのか」とうんざりするような。道路は、限りなく整備されてきていて、急カーブがなくなり制限速度も50ｋｍ/ｈ。先ほどまでの悪路はまったく想像できない。何本目かのトンネルを抜けると視界が広がり、目の前にダム壁が見える。貯水池、滝沢ダムの建設現場。http://www.water.go.jp/kanto/takizawa/html/new/020100.htmlダムの掘削と、ダム壁の工事は既に完成し、湛水は開始されているが、まだ、地すべり対策、一部村道などの付け替え工事が残り、来年には関連工事を含め全部完成するようだ。ダム壁を隔てて大きく異なる道路の高低差を、なめらかに解消するループ橋(愛称：雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし))を回って、気がつけば、道路はいつしか国道１４０号線に合流し、目の前には普通に三峰口行きの西武バスが走っていた。このあたりから、道路に並行する川筋は「荒川」となる。今では全部秩父市の中だけれども、大滝村を出て荒川村に入ったわけだ。もっとも、大滝村だって、その昔に大滝、三峰、中津川の３村が合併して出来たのだ...

July 3, 2007

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滝、峠越え、小旅行 Revised　その１

かねてよりの約束で、土曜日、小学校の同級生「Ｔサン」と、日帰り旅行に出かけた。最初予定していた温泉はスキップしたけれども、それでもヘヴィーな一日。以前一緒したとき偶然に訪れた滝がよほど印象に残り、日ごろ何がやりたいなどと自己主張することのまずないＴサンが、珍しく「もう一度行きたい」と言い出し、滝と温泉をテーマに小旅行となった次第。本当に観光を楽しむためには、同じ場所を２度以上訪れるのが、正しいんじゃないだろうか。１回目は偶然の発見を楽しみ、２回目以降は何をどう見るか良く準備をして、深く味わう。６時４５分、Ｔサンが迎えに来る予定が、雑用とかで１５分ほど遅刻。関東は台風がらみで未明まで雨が残り、重い雲に覆われた曇天。中央高速に乗り、小仏トンネル手前で土曜日朝の混雑を抜けた。笹子トンネルへ入るあたりから明るさが増し、甲府盆地は夏空の様相。しかし、南アルプスは、霞越しにわずかに見える程度。長坂で高速を降り、そこから一般道路を清里方面へ。渋滞の後はまったく順調で、「予定より３０分は早い」とＴサン。途中見ものは、八ヶ岳高原大橋から眺める川俣渓谷。南側、北杜市内を一望する景色も壮快だが、ここはやはり川俣川の川筋を八ヶ岳に向かってはるかに眺めるのが一番。渡り終えた先の駐車場に車を止めて橋まで戻り、しばし景色を堪能する。橋の欄干から川筋まで高さ１００ｍはある。しかし、斜め上からでは、木の葉に隠れて川筋が見えない。ようやく見えるところまで歩くと、谷を流れる渓流の音に比べ、川筋が細いことに驚かされる。上から見れば平坦でも流れの勾配は急なのだろう。Ｔサン曰く、「川に鉄橋をかける金も時間もなかったんだろうね。小海線は川俣渓谷を大きく北へ迂回して建設されている。ここに鉄道を作ったのは、新潟の石油を関東とか名古屋へ運ぶなど軍事的要請があったかもしれない。」八ヶ岳高原大橋から、渓谷東岸の長い坂を北へ上り、そこから左へ細い旧道を下っていくと、吐竜の滝の駐車場。そこで車を降りて、林の中をしばらく歩く。すれ違う人々が、子供たちからお年よりまで、「おはようございます」と声をかけあう。ところどころに大きな岩が転がっている。噴火で飛ばされたか、山を転げ下ったか、或いは、増水した川に運ばれたか？沢沿いを10分弱歩くと、５ｍほど上を小海線の鉄橋が走っている。その向こう側から涼しい風がわたってきて、そこがもう吐竜の滝。10時までにつければ、と言っていたのが、高原大橋で過ごしたひとときがあっても、まだ10時前。先客は、カメラを構える二人の男性だけ。お１人のカメラにふと見入ると、Ｍａｍｉｙａの６７だった。しばらくすると、人が増え、Ｍａｍｉｙａではないカメラをご使用の方は、狙った構図に人が入ったか、不機嫌そうな顔が目に入る。そのまま30分ほどたたずむＴサン「好きなだけ居て大丈夫だから、十分堪能して」鉄橋を通過する列車の音に、ようやく声をかけると、「好きなだけって言われると一週間でも居そうだ」Ｔサンだけじゃない。自分だって本当は、こういう場所で、しばらく過ごしてみたいと思う。だけど、高原の夜は冷える。気が付けば、先ほどまでの喧騒が嘘のように、滝の前にはわれわれ二人だけ。11時が近く、ようやく腰を上げて車へ戻る。Ｔサンは「小諸まで行って、そこから関越だな」と言いつつ、清里駅を抜け、JR最高駅碑を一巡りして、さらに国道141号を北へ向かう。野辺山駅を過ぎてしばらく、早めの昼ごはんを思い立ち、海ノ口方面へ分け入った。途中、千ヶ滝という渓谷から少し上がったヘアピンカーブのあたりで、揃いのジャージー姿の高校生と思しき150人ぐらいの集団とすれ違う。ヘアピンカーブから３ｋｍほど、林の中を走る気持ちの良い直線道路を登ると、右手に八ヶ岳高原ロッジ。レストラン「花暦」のオープンエアーテラスで、お昼ご飯。二人でピルスナ―タイプの地ビール小瓶１本を分け合って、とても美味。男山、天狗山を借景に、素晴らしい彩りの高原野菜のサラダバイキングが、同じく野菜柄のお皿に冴える。しっかりのお昼ご飯のあとは、バーで香りの高いコーヒーを一服。別荘地の中を一巡し、八ヶ岳高原を後に、海ノ口から１４１号線へ向かう途中、午前中にすれ違った高校生とおぼしき集団が、右手の牧場で農作業しているのを横目で見ながら、北へ向かい始めた。

July 3, 2007

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江戸の性談

読書家で知られる知り合いが、「今日はこんな本を買った」とうれしそうな顔をして何冊かの本をテーブルの上に置いた。一冊ずつ説明してくれる中で、「こういうのも面白いかなと思って」と言って示した本が「江戸の性談」確か、小学校担任の先生の息子さんが、この手ものをお書きになるはずと思い、著者名を拝見するや、「氏家真人さん」まさにその人。世の中狭いものだと思うと同時に、ここまで徹底して書き続ける力も並大抵ではないと思い至る。

May 20, 2007

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いろいろ

6年3組の有志で福島の先生のところをお尋ねすることを企画していこうと思います。具体的な日程など、いくつか候補を挙げて調整していきましょう。龝の字、分かりにくいとお叱りをいただき、調べてみたら、こんなの見つけました。使っちゃっていいのかな？

May 13, 2007

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