カテゴリ:歳時記
恒例の家族年末食事会に息子が彼女を連れてくると言った。
事前情報では息子より若干年上。 「いろいろ想像たくましくしてもしょうがない。昨今、それなりのお歳のお嬢さまならば、選ぶのは彼女であって、息子は選んでいただく側」 という覚悟で臨もうと言っていたのだが.... 週末の土曜日 僕は、飲み仲間のKくん所有のマンションで、おっさんたち(プラス仲間内では一番若いKKさんの奥さま)の飲み会企画があり、アルコールは遠慮するが、つまみは持参しようということで、2時半くらいからつまみの準備。 ハンバーグ、牡蛎、海老と焼いて3時半に駅で待ち合わせ。(Kくん宅は我が家と線路を挟んで反対側。当該マンションは5年ほど前、Kくんが一念発起して新居を建築するまで、ご家族と住まわれていたところで、有効活用の希望はあれど、多忙のKくんとしては、引っ越したまま放置となっていた。それをKKくんが、自分が持つ資格の事務所を開業するに「便宜置籍」に使いたいと言いだしたことから、この日の企画となったもの。 5年間、言わば放置されたマンションの一室で宴会を開こうというのであるから、Kくん、だいぶん頑張って環境を整えた。それでも、暖房用の灯油をポンプなしで給油して、玄関先にこぼしたり、トイレの水を流すとタンクから水が漏れたり(便器からでないのが幸い)、結構なご苦労。 アルコール抜きの僕もしばらく楽しく過ごし、5時を回ったところで、失礼して食事会へ。 電車で渋谷まで行ってそこから歩きで、神泉の奈る実。 開業48年、もはや老舗の料理屋。僕が初めてお世話になったのが、当時親方が開業18年と言っていたので、30年前である。親方の兄弟弟子で弟分が、地元の近くでときどき行く寿司屋のオヤジという奇遇。 6時からの予定の15分ほど前に着くと、奥の座敷にカミサンが一人、先に来て待っている。 娘一家も参加の予定だったが、予想が当たってしまい婿さんの調子が悪く、男の子のほうの孫とお留守番。食事会には、娘と孫娘の二人がやってくると、当日の調整。 親方が急に調子が悪く、息子さん一人の厨房は、「バタバタしていて」とおかみさん。 6時少し前に、息子と彼女がやってきた。 緊張気味の「彼女」が紹介され、軽く挨拶。 隣の席に合席の客が入る。あちらもご家族連れ。外国人のご亭主に奥さまと子供二人。 狭い席で申し訳ないが、昨日までは僕らだけと聞いていて、今日、婿さん不参加を聞いて予約をとったのだろう。 そこに、さらに娘と孫娘がやってきて、総勢5名プラス1。 娘と彼女が挨拶、まずはビールでスタート。 満を持していたカミサンが開口一番「そろそろ慧(息子)も年貢を納めるってこと?」といきなり暴走を始め、息子が大慌て。 僕は「あれほど言ってたのに、やっちゃったよ」 その後も、カミサンは滑りまくり、「ハウス!」と制止する僕を無視し、地雷原で地雷を踏みまくる。 それでも、「彼女」が席を立つなどということもなく無事進行したのは、ひとえに娘の時機を得た適切な質問と、その場の雰囲気を一発で和ませる孫娘の行動のおかげである。 夕食にと自分用に持参したバナナを一本と肉まん。それを順調に平らげ、僕らに出される料理も適度につまんで食べる。トイレを言われ、トイレに行くが、流水音発生器を怖がってしまいひと騒ぎ。 あらあら。 「漏らしちゃったらどうしよう」 心配そうな娘。それでも流水音発生器を切って、なんとか事なきを得た。 娘のインタビューで、 「彼女」が息子より2歳年長であること 兄姉に齢の離れた妹さんの4人兄弟。 勤務先は娘たち(娘と婿さんは同期入社の社内結婚)のライバル会社で仕事は息子と同じSE系 なんと、下高井戸(たぶん町名は赤堤であろう)に住んでいたことがあり、松沢中学校の出身。現在も近くに居住。 「コンパ(カミサンの表現。これも暴走)」で知り合った などなど判明。 少子化の一方で女性の高学歴化が進み、仕事、賃金は男女平等、ふさわしい相手を、さもなくば必要はないと彼女らが求める結婚相手は全体として不足していく。その彼女らをして30という年齢は、よりふさわしい相手をとの気持ちに多少なりとも変化を生ずるところ。 そこでようやく彼女らも、落ち着き先を考え始める。 家族の食事会に招待するぐらいであるから、息子としては方向は明らかと思う。 しかして、「彼女」としても、一生を左右する決断。家族の様子もみて最終決断という席なのだろう。 別に優劣の問題とは思わぬものの、我々の若い時代と決定的に違うのは、この段階で決断するのは彼女のほうであって息子ではない。 妙に前のめりの母親ではあるが、そのあたり、息子はそれなりの認識で、決して急ぐこともない様子。しかして、このような席、実は家としては総力戦なのであり、母親だけでなく父親の僕も、彼女の息子に対する結論に懸念を生ずるようなところは、極力あってはならない。少なくともあってはならぬとの精進が付け刃でないと相手が納得する程度でなくてはならない。 果たして、我々、そして僕は、彼女の見立てに叶うほどのものでありたか? いや、少なくとも、「連れてきて合わせよう」と息子は判断した。つまり、彼も彼女と我々、それぞれを天秤に載せ、彼として、僕らは親として、彼女は将来嫁さんとするに、それぞれ足る存在と合格点ということであろう。 これが、親として、女性を引き合わせるに不足と思わせ躊躇を生じさせては、内心忸怩たる以前に、彼に対し一生の申し訳がたたぬ。 そこは胸をなでおろす。 親方不在も、料理はいつも通り美味。会話も際どいところをどうにかやり過ごし、気がつくと時間はもう9時近く。 「えっ、どうしよう」 2時間ほどと思ったのを1時間も超過し、娘はうろたえる。 「タクシーで帰ったら」 悠然と言い放つカミサン。 「だって1万円ぐらいかかっちゃうよ」 「いいよ、出したげる」 おいおい タクシーを呼んでもらい、娘たちは一足先に店を出る。 「もう一杯どっか行きますか?」 さらに前のめりのカミサンを制し、「僕らはここまで、あとは二人で」 実は、娘に渡す書類をKくん宅に忘れてしまい、間に合えば回収したいのである。 もっとも、Kくん、KKさんとメールから電話してみるのだが、つながらない。困ったな。 電車で戻りKくんのマンションへ 娘からメールがあり、「高速から環八、第三京浜で、もう帰宅。5000円で帰れた」 エレベーターを上がり、呼び鈴を鳴らすと反応がありKくん登場。 Kくん、KKさんご夫妻に、Oさん。4人でワイン6本、シャンパン1本が空いた大宴会のあと。 Kくんはメール、電話に気がつかず、KKさんは携帯を自宅にお忘れ。 それはつながらないはず。 KKさんご夫妻はしばらくでご帰還となり、僕らもビールをごちそうになったところで書類も回収でき、おいとま。 片づけのお手伝いもせず失礼をしてしまう。 「なんとか終わった」 くたくたの僕を後目にカミサンは元気 能天気だかんな 「決めるのはあちら。僕らはなるべく邪魔しないこと。いいお嬢さんのようだし、あとは連中に任せて」 我らが原因で失敗とならば、息子に申し訳なし 果報は寝て待て 前のめりは禁物 「自分たちが選ばれる立場になるなんて、何年ぶりでsでょう。娘のお受験以来」 四の五言い続けるカミサンに 「トランプと同じで、年寄りは結論を急ぐ。悪いことばかりではないが、それなりに時間をかけなければいけないことも多い。おしまい」 頭を一発平手でたたかれるが、とにかく寝る。 ;;;;;;;;;;;;;;; 日曜昼は、義父のところへ氷見の土産を持参するというカミサンに付き合う。 途中、孫たちの写真をプリントアウトしようと店に立ち寄るが、なんと4台ある機械のうち使えるのは一台だけ。 機械そのものが動かなかったり、コードがちぎれていたり、コードそのものが失われていたり.... 「いったいこれは?」 アベノミクスは残念ながら、いくつかの弊害を生み出していくだけで、日本経済は再生しないと僕は考えるようになっている。安倍さんの失政ではない。生産年齢人口の急減の影響が目立つ。 プリントショップのメンテができていない 我が家のエアコン工事は、細切れで3週間 これじゃぁ売上は思うように上がるまい 人手不足 かといって外国人労働者導入に向かない日本の文化 家の修理、やれることはなるべく早く だな。 義父の高齢者住宅 昼食に「ほうとう」をオーダーした義父 12時半からの囲碁番組に、注文が20分たっても出てこない 「厨房一人みたい」 そう ホワイトカラーばかりで現場の労働力がない しわ寄せはそこに行く 日産とか神戸製鋼の不祥事の原因は、一つはそこだろう やっかいな時代 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 12, 2017 04:49:47 AM
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