４月23日～26日までの連続四日間の予定で「オグリキャップ記念シリーズ」が行われる笠松競馬。ここでは各日のメインレースの展望をお送りしたい。

　まず初日はシリーズメインでもある「オグリキャップ記念」。地方競馬としては珍しい2500ｍの長丁場による全国交流競走。例年、各地区からスタミナ自慢が集まって面白いレースが展開されるが、今年の注目は何と言っても金沢の２頭。ナムラダイキチは昨秋に交流重賞・白山大賞典（2100ｍ）で２着に健闘した実力馬。長い距離にも実績を残しており、このメンバー、距離でも有力視される。今回は約４カ月ぶりの実戦になるが、今月７日には金沢で出走予定（荒天のため中止）があったし、そこからしっかり乗り込めたこともあり、仕上がりに問題はなさそう。鉄砲実績もあるだけに緒戦から期待したい。昨年のオグリキャップを制し、連覇を目指すジャングルスマイルも有力だ。今シーズンは緒戦となった名古屋大賞典が７着、連闘で臨んだ地元戦は熱発のため取り消しと、まだリズムに乗り切れていないのは確かだが、陣営からは「体調は至って良好だよ」とのコメント。さほど体調面を気にする必要ななさそう。となると、すんなり先行できればナムラダイキチを負かす可能性も残されている。この金沢の両雄に待ったをかけるとすれば名古屋トーホウカイザーが最右翼か。転入以来（２，２，３，０）の堅実味が魅力だし、前走では上り36秒台の切れ味を発揮と着実に力をつけている｡川崎サイレントスタメン、大井マイネルファルケ、岩手イーグルビスティーもなかなかの実力馬であるが、現状の出来や力量を考えるとまずは前述３頭が馬券の軸になってきそうだ。

　２日目はＡ－３組と中央500万条件による「すみれ特別」。中央優位のクラスだけに、先行力上位のイクシカナイダロウ、エヴァンブルー、ネオエピックあたりが有力になってくるが、いつもに比べるとやや中央勢は手薄なメンバー構成になっている。この顔触れなら地元勢にもチャンスはあるのではないか。フレシーターは前走の名古屋戦こそ６着と人気を裏切った格好となったが、２走前にはオープンで３着。滞在競馬の笠松では転入以来崩れておらず、今回は巻き返しの余地がある。マーメイドジャンプは昨年３歳重賞戦線で活躍した素質馬。休養明け２走目となった前走は出遅れが響いて４着に甘んじたが、末脚には見どころがあり、復帰３走目となるここへむけて好ムード。まともなら中央勢が相手でもヒケを取らない能力はあるはずだ。そのほかにもエーシンウィンマン、エーシンホーマーなど実力馬が多く、地元勢の奮起が期待される。

　３日目はＣ－15組による「青葉特別」。前走で勝ち鞍をあげた好調馬が多くて目移りするが、前走１分30秒を切ってきたトーセンプラネット、ホーホタル、パープルダイガクの３頭がややリード。なかでもトーセンプラネットは１分28秒３とこのクラスとしては出走の好時計をマーク。控える競馬ができるので、先行争いが激しくなりそうなこのメンバー構成でも安心感がある。穴っぽいのがスピリット。取り消し明けの前走は８着といいところがなかったが、ひと叩きされた今回は上積みが見込める。型にハマった時の末脚はシャープで、展開利がありそうなここは一変の目も。

　４日目はＣ－１組による「花吹雪特別」。もはや笠松名物とも言える激戦区で、出走全馬が前走勝ち馬で占められそうなメンバー構成。しかも時計的にもハイレベルな馬ばかりで、ひと筋縄では収まらないか。なかでも注目したいのは520キロ超という雄大な馬格を誇るリボッラジャッラ。追い込み脚質だけに当地では常に不安がつきまとうが、エンジンがかかってからの脚は迫力満点。スケールという点では素質馬ぞろいのここでも目引くし、２戦２勝の1600ｍになったのも他馬に比べて有利。この距離で（１，１，２，０）と安定しているエーデルシュタインも楽しみな１頭。こちらも追い込みタイプだが、とにかく堅実に差し脚を伸ばしており大崩れの心配がないのがいい。逆にスピードで対抗したいのが前走１分42秒９の好時計で楽々と逃げ切ったプラチナスレッド。モマれた時に不安は残るものの、逃げた時には４戦４勝。自分のスタイルを持っているのは大きな武器になる。この相手でも先手を主張できればチャンスあり。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）

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