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カテゴリ:塾長の教育論
友達同士の教え合いは、果たして効果があるのだろうか。
結論から言うと、効果はある。 ただし効果があるのは「友達に教えてあげる側」であって、「友達に教えてもらう側」の効果はほとんどないに等しい。 人に物事を説明するのは容易ではない。 まず、自分がその物事を完璧に理解できていないと、人にそれを説明し、分かってもらうことはできない。 しかも、人に分かってもらうためには、難しいことをかみ砕いて易しく表現し直し、しっかりと筋道を立てて説明をしていかなければいけない。 人に物事を説明するということは、同時に自分の理解の再確認をしているということにもなる。 だから「友達に教えてあげる側」にとっては、教え合うことのメリットが非常に大きい。 しかし、教えてあげる友達は、決して教えるプロではない。 一生懸命伝えようとするが、ほとんどの場合、その説明はお世辞にも分かりやすいとは言えない。 プロならば解答までの道筋やヒントを小出しにして教えることができるが、子ども同士の教え合いで、そこまで高度な業を持ち合わせている友達はなかなかいない。 結局、教える側の友達は、教えてもらう側の友達に、ズバリ『答え』を教えてしまう。 それで双方が満足しあうのがオチだ。 教えてもらう側の友達の大部分は、解き方やプロセスを聞きたくて友達に質問しているのではなく、単純に『答え』を手っ取り早く聞きたくて、友達に質問している。 もしも、本気で解き方やプロセスを知りたい場合、最初から友達になんて質問せず、先生に質問に行くハズである。 先生のところに質問に行くと、ズバリ『答え』を教えてなんかくれない。 解き方やプロセスを延々と説明され、「じゃあ自分で解いてごらん」と言われ、運が悪いと類題まで出題されるかもしれない。 友達に教えてもらう側は、それが面倒くさいから、先生ではなく友達に質問しているのだ。 つまり、友達同士の教え合いのほとんどが、共に高め合おうという崇高なものではなく、「めんどくせーから早く答え教えろ」といった、友達同士の馴れ合いのものなのだ。 だから、友達同士の教え合いの効果は、実際のところ、ほとんどの場合が皆無なのである。 塾内で友達に教えを乞っている生徒を見かけると、「お前の先生は誰だぁ!?」と叱る。 友達に教えてもらうことを叱っているのではなく、手っ取り早く友達から答えを聞き出そうとしている態度に叱っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 29, 2010 11:38:09 PM
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