電子黒板を使ってみて思うこと
3月から中2の数学の授業で試験的に電子黒板を取り入れている。まだ電子黒板の使い方に慣れてはいないが、何回か使ってみて、電子黒板で出来ることと出来ないことがなんとなく分かってきた。電子黒板で授業をやるためには、普通のホワイトボードを使った授業をやるよりも準備時間が3倍以上かかる(操作に慣れていない今はもっとかかっている)。授業コンテンツをパソコンで事前に作っておく必要があるのだが、事前に生徒の理解のしやすさをアレコレと考えながらコンテンツを作る分、授業のクオリティーは通常よりも高くなっていると思う。あと、圧倒的に電子黒板の方が生徒の喰い付きが良い。今は物珍しさもあるのだろうが、「静」のホワイトボードでは出来ない「動」が電子黒板ではできるので、生徒の目は電子黒板に釘付けになる。もちろん電子黒板でもまだ出来ないことや、通常のホワイトボードの方がやりやすいこともあるのだが、多分それらは僕自身の知識が足らないことに所以するものだろう。もっともっと研究していく必要がありそうだ。昨日読んでいた本の中で、マサチューセッツ工科大学の教授の言葉で印象的なものがあった。うろ覚えだが、確かこんな内容だったと思う。「19世紀から今の世界に医者がタイムスリップしてきたら、19世紀から来た医者は手術台の前でも何もできずに立ち尽くすしかないだろう。しかし、19世紀の教師がタイムスリップしてきても、何も困ることなく教室で授業ができるだろう。教育の方法は19世紀の頃と何も変わっていないのだから」確かにそうだ。時代はこれだけ進歩しているにも関わらず、教育現場だけはずっと進化から取り残されている。今ある技術を余すことなく教育現場で取り入れることができたら、間違いなく教育は変わる。生徒にとってもっと分かりやすく、もっと面白く、先生にとってももっとやりやすい授業ができる。僕は、教育はデジタルであるべきとかアナログであるべきと言った議論には興味がない。僕が興味があることは、こんなに発展している今の技術の何を取り入れたらもっと子どもが理解しやすくなるのか、もっと勉強に興味関心を持てるのか、もっと学力が上がるのかということだ。過去の教育手法だけに囚われるのではなく、思いつくことを全て実践していこうと思っている。渋谷でもなく新宿でもないここ小田原の片田舎でも、最先端の教育を受けられる環境を少しずつ整えていきたい。