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「バフェット　米国株式会社を動かす男　牧野洋著　日本経済新聞社刊」から、単純なＰＢＲでの割安では対象外のコークをバフェットはどうやって投資を決断したか？　昨日の続きです

コーク株取得に先立って、バフェットはコークの「クーポン」を計算した。

幸いにも、清涼飲料という単品経営のコークの事業構造は単純で、将来の「クーポン」を予測することは比較的容易だった。加えて、コークは「世界最強」といわれるほど強力なブランドに裏づけされたフランチャイズを誇り、ゴイズエタ、キーオの新チームはそれを最大限引き出すことに全力を挙げていた。

もちろん、事業を取り巻く競争条件や経済環境によって、将来の「クーポン」の金額は変化するし、「クーポン」を割り引く際に用いる金利水準も変わる。しかし、コークには「どんな異変が起きても人々の喉の渇きはなくならない」(ゴイズェタの後任としてコークCEOに就いたダグラス・アイベスター)という特性があり、他の業種と比べ安定的な「クーポン」を期待できる。

まさに投資の安全余裕率にこだわるバフェット好みの銘柄だった。彼は「クーポン」の算出が難しいことを認めながらも、著名な英経済学者ジョン・メイナード・ケインズの言葉を引用しながら、「ケインズが観察したように、私たちは正確に間違うよりも大雑把に正しい方を選びます」と話している。

バフエットはコークに高額の「クーポン」を付け、現在価値に割り引いた。そして、コークの本質価値は市場価値(株式時価総額)を大きく上回り、十分な安全余裕率が存在することが判明した。この意味では、コークヘの投資は「グラハム・ドッド理論」の延長線上にあった。

後に、彼は大学での講演で、「コークの安全余裕率には十分な自信がありました。昔、ユニオン・ストリート・レイルウェイを正味運転資本の四〇%の値段で買った時と同じくらいの安全余裕率です。いずれの場合にも、実際に支払った以上のものを手に入れることができました。ただ、一方(コーク)はもう一方一ユニオン・ストリート」よりも発見しにくいという違いはありましたけれども」と語っている　抜粋終

現在のような相場では単純に放置されている割安銘柄はあまりないでしょう。しかし、コークのように隠れた高額クーポン銘柄はどこかに眠っているはずです

そういった銘柄を見つけ、信じて長期でもつのが経済的自由への道への近道です

日々是学也
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