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カテゴリ:日想・雑文
特に思う所は無かったが、ノリと勢いでデラウェアワインを北から南まで一通り飲んでみた。
デラウェアといえば生食用によくつくられる葡萄。 かつては(今も?)ワインにすると売り上げが3分の1になるとか言われてあまりワイン用にはされなかったらしい。 フルーツとして出荷すれば即金になるのに、ワインにすると税金や醸造設備・熟成期間+保管の分だけ費用がかさむし、当時はワイン需要も現在程ではなく、あまり価格に転嫁するのが困難だったから、という事情から らしい。 種も無ければ皮も薄い、甘味は充分で食べ易い。 そりゃわざわざワインにしなくてもいいじゃん、という考えも理解出来る。 そこをあえてワインにしようとした先人の度胸とチャレンジ精神もなかなかのもの。 まずは北から、北海道ワインの「おたる・デラウェア」。 明快な甘味と不思議な香り。 リースリングの様なイメージ。 これは入門酒として適任と思えた。 国産葡萄100%と書かれてるので、おそらく北海道以外の場所で採れたデラウェアも使ってるんだろう。 次が山梨シャトー・ジュンの「ジャパンセレクト・デラウェア」。 こいつがイマイチで、ただ薄いだけの水みたいなワイン。 甲州はなかなかの美味さだったが、デラウェアはそうでもなかった。 そしてまるき葡萄酒の「デラウェア・にごり」。 これは まあまあ。 香りは過度に個性的だったがw、味の果実感はなかなか。 こういうのが本来の(古の?)デラウェアワインだったのかな?と思えた。 ソーヴィニヨンブランが甘口のワインに使われる葡萄だったら、こんな味になるかもというイメージも。 西に移動して京都の丹波ワイン・デラウェア。 こちらは普通。イタリアのどこぞの白と言われたら信じる。 シンプルな白ワインの味。 酸味は有るが、そこをメインにはしておらず、トータルバランスで勝負。 良くも悪くも無難な出来。無難なりに高汎用万人向け。 ここまでで持ったイメージは、辛口につくったデラウェアはソーヴィニヨンブランの下位互換、って感じ。 ソーヴィニヨンブラン程酸味がうるさくならないのが、長所!? 甲州の様にシュール・リー製法でつくると、今度は甲州の下位互換になっちゃうのかな? 日本ならではの葡萄みたいなウリもなくなるし、ワイン商品としては流石に弱い。 ここでついに来た、広島三次ワイナリーの「トモエ・デラウェア」。 まさにソーヴィニヨンブラン的印象のデラウェア。 青臭い香りに柑橘要素が混じり、最後にほんのり金属のニュアンス。 辛口方向のデラウェアの、到達点の一つと呼べる味わい。 南に着いて熊本ワインのデラウェアに。 こちらも辛口には違いなかったはずが、香りに青臭さや柑橘が無く、代わりに甘味や花を思わせる雰囲気。 デラウェア葡萄を生で食べた時の様なイメージの香りと味がするワインに。 無理せず地に足着いた爽やかなワイン。 最後、宮崎は五ヶ瀬ワインのデラウェア。 ライチやアンズの香りから、ゲヴェルツトラミネールの様な雰囲気。 ここに来てリースリングでも甲州でもソーヴィニヨンでもない第4のイメージ登場。 熊本ワインにも似た雰囲気を感じたので、これは九州地方のデラウェア特有のもの? 味も悪くなかった。 値段なりに(100円200円の差とはいえ)格上とも言えるが、納得するものも持ってる。 7本飲んでの順位は 1位:宮崎県 五ヶ瀬ワイン・デラウェアNV 五ヶ瀬ワイナリー 2位:広島県 トモエ・デラウェア2014 広島三次ワイナリー 3位:北海道 おたる・デラウェア2015 北海道ワイン 4位:熊本県 熊本ワイン・デラウェアNV 熊本ワイン ---------------(人に薦められる基準の壁)---------------------- 5位:山梨県 デラウェア・にごり2015 まるき葡萄酒 6位:京都府 デラウェア2014 丹波ワイン --------------------(リピートの壁)-------------------------- 7位:山梨県 ジャパンセレクト・デラウェアNV シャトー・ジュン ゲヴェルツイメージの1位とソーブライメージの2位、そしてリースリングイメージの3位。 1位と2位の差はほとんど無し、ほぼ好みの問題。 3位は甘い味が好きな人にも対応可。 個人的には4位のワインが一番「葡萄としての」デラウェアの美味さを感じられた。 5位は味は良いけど香りが人を選びそう。6位は個性が弱め。 個性が強過ぎ&弱過ぎの両極端w。好きな人ならハマる要素を持ってる。 7位は個性が無い。 このワインでないといけない理由が思い浮かばない。 自分の飲み方が悪かったのか? このデラウェアという葡萄、耐寒性・耐暑性どちらも強く、日本全国大体どこでも栽培可能らしいので、味に地域差が生まれ易いって事はあるのかな? リースリングっぽかったり、甲州っぽかたっり、ソーヴィニヨンブランやゲヴェルツトラミネールみたいだったり。 地域によって、つくりに因って(?)個性が色々変わってくる。 既存のメジャー品種群との比較でしかないが、つくる側にとってはあまりメリットが無い品種なのかな。 つくる分には面白そうだが、最終的な完成形が予測し辛い。 甲州っぽいのがつくりたいなら最初から甲州育てりゃ良いし、あえてデラウェアに手を出す理由・・・。 ワイナリーの利益に対する保険みたいな位置付け? ワインにしなくても果実出荷で即現金化可能で、生食用に売れなくてもワイン造りに転用可能、みたいな!? 単純に栽培が比較的容易で甲州ワインとの差別化がし易いからというのもある? とりあえず本日の結論、デラウェア飲んでて面白い。 同じ薄味ワインなら甲州よりもギャンブル要素が有るw。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017/05/21 04:37:43 AM
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