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コーチ賢ちゃんの「コーチング談義」

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2014年10月18日
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カテゴリ:夢の実現

---(植松努専務の講演:中)

 僕は今、この北海道の真ん中の赤平という町で会社を経営し、ロケットを作って、年に何回か打ち上げている。ロケットは売っていなので、買えないから。

 (発射実験の映像)

 今では僕らのロケットはJACSAの試験にも使われるようになってきた。もう100個以上飛ばしてきた。今でもロケットが飛んでくと泣くほど嬉しい。

 なぜ泣くほど嬉しいのか。それは泣くほど嫌だから。

 打ち上げしたくない。打ち上げの時は、テレビも新聞社もいっぱい来る。みんな親切に撮影してくれる。でもある時、打ち上げに失敗した事があった。そしたら次の日の新聞にはボロッカスに書かれていた。止めてしまえと書いてあった。とても悲しかった。

 また、自分の失敗のせいで他の人が頑張って作ったところが全部パーになる。人に迷惑をかけるなんて、恐ろしい。だから打ち上げの前には、その責任の重さに、全員が吐きそうになる。でもカウントダウンは止まらない。ロケットは飛んでしまう。

 うまく飛ぶと、最初にホッとする。つぎにやっと嬉しくなる。最後に泣くほど嬉しくなって感謝したくなる。俺のお蔭でうまくいったなんて思えない。あの人の部品が壊れなかったからって、皆がお互いに感謝できる。

 実は僕は一人ぼっちが大好きだった。一人ぼっちは気をつかわなくていいから。人と関わるのはめんどくさいので、ずっと何でも1人でやってきた。

 ところがロケットは一人では作れなかった。力を借りなければいけない。そうすると責任が生まれ、人間関係が生まれる。めんどくさい。

 でも僕は、ロケットに関わって大事なことを知ることができた。それは責任。責任の向こう側に信頼があるということを。だからきっと、責任は避けてはいけないんだと思う。責任は一生懸命受け止めるべきもの。そしたら、その向こうに信頼が生まれ、仲間が生まれる。だから僕たちは責任としっかり向き合うべきなんだろうなと思う。

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 今では僕らのロケットはとても安全なロケットということで、いろんなところで使われるようになった。

 例えば去年の11月11日には、こんな事に使われた。11月11日はポッキーとプリッツの日なんだとのことで、ポッキーとプリッツを飛ばしてくれということになった。(笑)

 (ポッキーの絵が描かれたロケット4本、プリッツの描かれたロケットが4本立っているスライド)

 長さ3メートルのそれぞれのロケットには、3000馬力のロケットエンジンが付いている。これを11月11日11時11分11秒に打ち上げてくれと言われた。

 一生懸命に練習した結果、オンタイムにポッキーとプリッツが火を噴いて飛んで行った。このキャンペーンの間、ポッキーの売り上げは30%上がったとのこと。

 今では、安全なロケットとしていろんなところで使われるようになったが、最初の頃はうまくいかなかった。

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 最初のころはこんな具合だった。(数個のロケットが発射時に爆発する映像)

 爆発させたかったわけではないのに、爆発しかしなかった。毎回うまくいくはずなのに、作っても作ってもフッ飛んだ。悲しかった。

 なぜこんなに爆発するのか?

 それは、やった事の無い事をやったから。生まれて初めてロケットエンジンを作ったから。しかも、世界で誰もやった事の無いちょっと変わった仕組みの物を作ってしまったので、なんぼ探しても設計図も参考書も存在しない。そして一緒に研究していた北海道大学の教授も頭を抱えてしまった。

 その時初めて分かった事は、世界で初めてやることは、誰にも教えてもらえないということ。教科書に書いてあること、人が教えてくれることは、全て過去のこと。これからのこと、未来のことは誰も知らないから、教えてもらえない。

 そして残念ながら、僕も皆さんも未来にしか生きることができない。だから教えてもらったことを丸暗記しているだけでは、全然足りない。それじゃあ前に進めない。

 でも、教科書に書いてある事を丸暗記すると、素晴らしいことが起きる。それは、テストで100点が取れるということ。僕、取ったことないからあこがれてしまう。

 でも、教科書に書いてある事が全てであるわけがない。そして世界にはものすごい沢山な本があり、これを全部暗記するなんて不可能。そして本は今日も増え続けている。

 本てスゴイ。だって本には、人間の努力と命が詰まっているから。

 頑張って頑張ってキューリー夫人と同じことをやったら死んじゃう。野口英世と同じことをやっても死んでしまう。でも死なないで済むのは、彼らが命を懸けて記録を残してくれたから。だから僕たちは、前に進むことができる。

 でも、そんな素晴らしい本に書かれている知識を「知ってる、知ってる」だけでは、雑学で終わってしまう。人生はクイズ番組でもなければ、テストでもない。


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 大事なことは、昔の人の努力の階段を登って行くということ。人類の歴史に、新しいページを刻むということ。それは実は簡単にできること。

 なぜなら、自分で考えて、自分で試すだけでいいから。ただこれだけ。

 ところが、自分で考え、自分で試したことって、なかなか信じてもらえない。応援もしてもらえない。時には否定されて、馬鹿にされる。

 でも気にしなくていい。そもそも、そういうものだから。

 例えば、世界一のパテシエが全く新しいお菓子を作ろうとしたとする。すると周りは、そんなの見た事もない、ヘんだよ、おかしいよ、という声が聞こえてくる。

 でもこんなひどい言葉に負けないで頑張った時だけ、こんなの見た事もない、食べたこともないという、新しいお菓子が誕生する。

 信じてもらえないのが当たり前のこと。だから、人からああ言われたからとか、人にこう思われるからって、悩まなくていい。変だと言われて、自分を責める必要なんて全くない。自分を信じることが大事。

 自分で考え、自分で試すと、すごいことが起きる。それは、世界で自分にしかできない経験になり、その経験こそが本物の「個性」になるから。個性は流行でも物まねでもない。個性は己の経験。この個性があると「必要だよ」って言われ
る。

 見分けのつかない同じものがあれば、一番安いものが選ばれる。でも、ちょっと違うから「必要だよ」って言われる。だからこそ、僕たちは普通じゃない方がいい。

 自分で考え、自分で試す。そしたら僕らは「必要だよ」って言われるようになる。

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 でも残念なことに、やったことがない事をやると、失敗する。でも失敗を乗り越えるのは簡単。先ずは「失敗したらどうするの!」の呪縛から抜け出すこと。僕らはきっとこれを言われて来ている。でもこんな言葉には何の意味もないこと。こんな言葉を使ってはダメ。

 大事なことは「失敗したらどうすればいいか、一緒に考えよう!」なのだ。旅行へ行く時、「雨が降ったらどうしよう」とうろたえている場合ではない。雨が降った時のことを考えて、雨具を持てばいいだけのこと。

 人生も同じ。「どうしよう」と思っていても何もならない。最悪の事態を考えて、そうならないための準備をする。だからネガティブシンキングって素晴らしい。他の人が見落とす穴を見つける能力を持っているのだから。穴を見つけたら避けて歩けばいいだけ。

 だからこそ僕らは、自分に都合の良い未来を見ずに、嫌な未来をしっかり見つめて、そうならないための準備をすることが大事。それだけで、何の心配もなく前に進むことができる。

 でも、なんぼ準備しても失敗する。

--- 次回に続く






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最終更新日  2014年10月18日 23時24分53秒
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