見取り八段・実０段

歯痛からは、なかなか心疾患は解らないじゃない。

良い子はいい加減止めない？

良い子って・・・

藍沢は当分謹慎よ。
つまり・・・

つまり？


新人４人は、競争心の激しさから、かなりギスギスしているよう。



少しは傷まない？ハート。

ハートって何だよ。
ただの臓器だろ。



夜の救急外来でミスを犯した藍沢。
大した事はない、と帰した患者が、翌日外来で倒れた。



よく見とけ。
お前が殺す患者だ。


藍沢は、マメに患者の元を訪れるが、
それは患者の容態を心配しての事なのか。
それとも、ただ自分の診断を悔いてのことなのか。



挽回する、必ず。
どうせまた、オレがヘリで飛ぶことになる。


すごい自信ね。


自信じゃない。事実だ。

自分の母親が重症を追ったとき、オレと緋山、どちらを選ぶ？




緋山がヘリに乗る時がやってきた。

患者はスーパーで自転車の子供とぶつかった妊婦。


苦しむ妊婦の診察をしている間に、
自転車でぶつかった子供が、突然倒れた。

緋山と共に出動した三井は、子供の方に掛かりっきりになる。


三井先生、できません！


あの論文は・・・私じゃなくて先輩が・・・


論文なんてどうでもいい。
自信があるからヘリに志願したんでしょう！？


使い物にならない緋山の代わりに
藍沢が来た。

搬送まで間に合いそうもない妊婦を
救急車の中で出産させる。

てきぱきと動く藍沢。


救急車の外で、緋山は、それを見ているしかない。



出来ないことは出来ないと言う。
自分の限界を知ることが、腕を磨くこと、それ以上に大切なのよ。




白石は、鼻を骨折して運ばれた患者を受け持った。

階段から落ちたと言うには、骨折部分は鼻のみで、様子がおかしい。

初めは、彼氏からの暴力が原因だと思っていたが、
実は自分自身で彼氏に鼻を折ってくれと頼んだらしい。

彼女は容姿コンプレックスを抱えていた。


先生には解らないでしょう？
何の悩みもないんだから。


聞いている白石の手が小刻みに震える。


悩みがない？


悩みだらけよ。
上司に睨まれ、仕事は干され。看護婦に怒鳴られ。
ここに来てから悩み事だらけよ！

あたしの鼻もね。ある意味ポッキリ折れてんの！
いや。折られたのよ。バキバキにね！


患者は修復手術を受ける事を納得した。




藍沢の患者は回復した。

自分から志願して、患者の家族に頭を下げる藍沢。

担当した患者の恐怖症を克服させた藤川。

失敗して、他人の痛みも受け入れる緋山。


そして、少し自分に自信がついた白石。



あなたからの質問。

私の母親が重体になったら・・・


私は、

私を選ぶ。


私も、逃げない医者になる！


みんな、少しずつ変わってきている



　　　



若者４人を描く群像劇として、素晴らしく良い出来だと思う。

それぞれが抱える物があって、それぞれが変化していく。
他人を受け止める気持ちもついてくる。

現場の緊張感も、素晴らしい。


今回は、戸田恵梨香ちゃんの演技に魅せられた。





自分がいるはずだった場所を藍沢に奪われ、
ただ救急車の外から見ている事しかできない緋山。


悔しい表情。
でも、情けない。
そこにいられなくなったのは、
自分自身が未熟だと解っている。


救急車から、赤ちゃんの産声が聞こえた。


ここで、少し表情が緩む。

関われなくなった患者でも、助かる事は嬉しい。


しかし、すぐまた緊張の表情に戻る。


患者を搬送するためにヘリに乗せて、

三井から

ヘリには、あなたが乗る？

と聞かれる。


少し間を置いて


藍沢を乗せて下さい。


負けた・・・

飛び去っていくヘリを、いつまでも見上げる緋山。



何か、涙が出た。

緋山は、あの時は、泣いていなかったのにね。


みんな、頑張れ

と思う。


研修は、始まったばかり







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