(論文)白菜を見た農家の反応は?(「宮沢賢治の手紙」(米田利昭 著)より)
宮沢賢治が試験栽培した白菜に対する周囲の農家の反応について証言がありました。
飛田三郎 「肥料設計と羅須地人協会(聞書)」(草野心平 編 「宮沢賢治研究」2 筑摩書房全集別冊 昭和56年新装版)より
(引用開始)
「リヤカーに積まれた白菜も驚きの一つでした。「あの白なのおっきな株っこは何だべ。きだいな野菜なもんだ。」結局は「外国ものの野菜だべ。」と云うことに落着した」
(引用終了)
宮城県や東京では知られ始めていた白菜が、岩手県花巻の賢治の周辺ではまだまだ珍しいものであったことがわかります。
隣県宮城県で生産され、東京で需要がある、白菜を生産して農家所得を上げるという極めて自然で良いアイデアだったと現代の私は思いますが、当時としては先進的すぎて普及しなかったのは残念です。
飛田三郎は、岩手県で小学校教員を勤めた最初期の宮沢賢治研究家です。賢治の原稿の全集化のための清書も担当し、賢治研究に大きく貢献しました。
底本は宮沢賢治全集の一冊として、全国の図書館で読めると思いますが、入手は難しく、また、ネットには公開されていません。(入手容易なちくま文庫版全集には掲載されていないようです。)
孫引きになりますが、グーグルスカラーの下記リンクの青いPDFのバナーを押すと論文が無料で読めます。該当部分は70ページの11行目です。
「宮沢賢治の手紙」米田利昭 著
https://scholar.google.co.jp/scholar?start=10&q=%E5%AE%AE%E6%B2%A2%E8%B3%A2%E6%B2%BB+%E8%82%A5%E6%96%99%E7%9B%B8%E8%AB%87%E6%89%80&hl=ja&as_sdt=0,5#d=gs_qabs&u=%23p%3DmRWpi7be39sJ
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