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カテゴリ:息子の話
先日五歳を迎えた息子、ケンケンはこの世に産まれてすぐに、「先天症の障害の可能性が高いので覚悟して下さい」と、産婦人科の院長先生に告知されました。
先天性の障害? 染色体異常? ダウン症? 僕は予想もしていない、しかも聞き慣れない言葉に、頭の中はパニックを起こしていました。 でもそのパニックはすぐに収まるとともに、まあ何とかなるだろうな!と言う思いと、平均寿命は20歳に満たない先天性の障害ですとの説明に、正直収集が付かない状態でした。 ひとつ言えることは、「今すぐに産まれたての赤ちゃんを抱いて一緒に自殺してしまおう」との思いは、確実にありました。 何とか心を落ち着かせて、院長室を出た僕を母親は心配そうに話しかけて来ましたが、平静をなんとか装い接しました。 冷静になった僕は、会社の上司である取締約営業部長や直属の上司、それに営業所の仲間や慕ってくれている後輩仲間に、メールで産まれましたと報告をしました。 ここが僕らしく、「たった今、息子を僕が産みました」とメールしてしまったので、後々語りぐさになった程です。 産婦人科の院長先生には、嫁さんにはまだ心配を掛けたくないので、この件は内緒でいて下さいとお願いしました。 病院側も、数日後に提携した大学病院の専門家の先生が巡回に来るので、その先生に診てもらうまでは内緒にしておきましょうと、賛成して頂き来ました。 毎日の様に僕は、営業の合間をみては産婦人科に顔を出していましたが、大学病院の先生が来る巡回の日だけは、妻に「仕事の関係で今日だけはいけないから」と伝えてありました。 そうです、妻には分からないようにして、産婦人科の院長と大学病院の専門家と私の三人で面談する予定をお願いしたのです。 ところが当日、午後四時に院長室に直接伺う約束をしていのですが、三時頃嫁さんから電話があり、「ねえねえ、今日四時に来るんだって?何で嘘付いていたの?」と電話が入りました。 正確には、もっと色々な質問がありましたが、とにかく私に不信感を抱いていた電話っだと記憶しています。 しどろもどろに何とか答えると、「もうすぐ巡回の先生が来るらしいから早く来てよ」と言い、電話を終えました。 僕は何で何でどうして? 「産婦人科の院長と約束が違うじゃん?」と、苛立ちを覚えながら病院に向かうのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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