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本と映画と食事とあひる

2019.05.13
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カテゴリ:読書






 
 最近、懐かしい漫画を読み漁っています。

山岸涼子、時々読み返したくなりますね。

『アラベスク』、『日出処の天子』、『舞姫 テレプシコーラ』など

大作が有名ですが

私は基本的にこの方は短篇の作家だと思っています。

ノンシリーズの短篇がぐさっと胸に刺さりますね。

トラウマ漫画として有名な「汐の声」然り。

私は最初に山岸涼子を読んだのは文庫版の自選集だったのですが

その質の高さに驚きました。

で、手当たり次第あさっていて痛感したのは、

この作者、当たり外れが大きい

出たら買い、の

高野文子やよしながふみと違って

吟味して買うのが○ですね。

(花の24年組にはありがちなことですが)

さて、その中で時々ふと思い出す短編があります。その名も『二口女』。

これ、今読むとしたら中古で『甕ののぞき色』とかしか

ないのかな?

山岸漫画としては普通の出来なんですが、

民話の考察が面白かったんです。

『二口女』は有名な昔話。

ケチすぎて嫁にご飯を食べさせるのも嫌な男が

「ご飯を食べない」という触れ込みの女性と結婚します。

確かに男の見ている前では彼女は何も口に入れません。

男は満足していたのですがしばらく経つと

家のお米や味噌が激減しています。

ある日、出かけるふりをして物陰から見ていると

女は大きな釜でご飯を炊き、

鍋で味噌汁を作っています。

そしておにぎりを大量に作って

座敷に並べます。

髪を解いたと思ったら後頭部にある口に向かって

ぽんぽんおにぎりを放り込むんです。

それを見た男は悲鳴を上げますが、

女に見つかって追いかけられます―。

同工異曲は多いです。

 これ、不思議な民話だなと思っていました。

長年、???で来たのですが

ある時、馬場あき子『鬼の研究』で

よろずのこの話を知りました。

高望みやわがままを言っていると

人に恨まれる、その象徴が「鬼」なのだという考察。

まあ納得。

で、山岸涼子の『二口女』解釈は

身勝手な事ばかりいっているととんでもない化け物を呼び込む

漫画で例に挙げられていたのは

理想が高い未婚の女性が

三高プラス眉目秀麗な男性を探していたんです。

姉の伝手で見つかったけれど

彼は「結婚後も浮気を許してくれる妻」

を探しているんですね。

お互いに決裂。

非常に賢い姪っこに

上の解釈を聞かされる訳です。

 ライトなタッチで描かれていましたが

結構後を引きました。

 意外と深い短編でしたね。





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最終更新日  2021.01.27 10:46:04
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