カテゴリ:読書
しばらく、家の本棚に積んでおいた本を読みました。 角田光代の『坂の途中の家』。 私はこの方の文章が好きで、 新刊が出たらほぼ買い。 ハードカバーはかさばるので図書館で借りるか 妹に借りるかですが 文庫化されたら好きな作品は手元に置きます。 売れっ子の現代作家で この方ほど当たり外れがない作家はいないと思っています。 (PCの添削では二重否定を嫌いますが、 そうしなければ表現出来ないものがあります) 作品による好き嫌いはあっても、 いわゆる「駄作」はないですね。 非常に緊張感のある創作姿勢。 尊敬いたします。 今回は裁判員制度、幼児虐待とテーマが重いですが、 家庭や性差について考えさせられる 良書。 幼い女の子を育てている主婦が 幼女虐待死の裁判員(補助)に当たってしまいます。 被告となった母親とは年齢が近く、 共感や反発を感じながら裁判を見ていくうちに 自分の過去を思い出して―。 妊娠、出産、子育て、夫婦の役割分担、 夫の家庭、特に義理の母親との付き合い―。 現代女性の悩み、息が詰まるような境遇が リアルに描かれています。 特に人間の記憶について ふとしたきっかけで甦るところなど 真に迫っていて○。 社会問題を扱っているというだけでなく 優れた 妊娠・出産・育児・家庭小説にもなっていると思います。 分厚いですが おすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.09.30 08:59:47
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