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本と映画と食事とあひる

2020.02.13
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カテゴリ:読書
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殺人鬼がもう一人 [ 若竹七海 ]
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 先日、読んだ本です。

若竹七海の『殺人鬼がもう一人』。

連作短編集です。

私はこの作者の葉村晶シリーズが好きなのですが、

今回は違います。

うってかわって警察官 砂井 三琴が主役(少なくともいくつかの短編では)。

架空の町 辛夷ヶ丘を舞台しています。

20年前に連続殺人事件があったきり、めったに事件も事故もない

のどかなところ。

ところが水面下では様々な事件が起きていたようで、、、、。

軽いタッチでユーモラスに描いているので

油断していると、ぞっとする展開。

でも、決して暗くなりません。

まるでセント・メアリー・ミード村。

牧歌的で一見、のどかなのに犯罪率高し。

住民たちもなかなかの曲者。

この匙加減が絶妙です。

こういうもの、下手すると大惨事になるんですけどね。

その昔、新本格派の新人さんたちがしでかしていましたが。

主人公の砂井三琴も、なかなかのしたたか者。

身長170㎝を超える恵まれた体形、

普通はコンプレックスを感じそうなものですが

彼女はハイヒールが大好き。

たとえ、それで上司に疎まれても。

若い現代女性らしく人生を謳歌することに

余念がない様子。

おいしいもの、ブランド物のハンドバッグ、ハイヒール、

蓄財大好き。

時には捜査上知りえた情報で副収入を得ることも。

このあたり、不運だけれどみじめではない、

まじめでストイックな女探偵 葉村晶とは大きく違うところ。

ですが、さすがは若竹七海。

不快な気分にさせず、

ブラックユーモアとして娯楽になる度合いを

わきまえています。

この点、本当にうまいです。

ブラックユーモアというと私はイギリスのクリスチアナ・ブランドを

思い出すのですが

あちらは容赦ないですからね~。

『招かれざる客たちのビュッフェ』を読んだ

姉がのけぞっていましたもん。

(ちなみに私の姉はかなりのリベラル。

ですが、アメリカに10年、イギリスに2年いたため、

英米の宗教に対する生真面目さが身に染みているようで、、。

信仰すらブラックユーモアの対象にするブランドは

恐ろしいと思ったみたいです。)

 どの短編もひねりがあって楽しめました。

図書館で借りたのですが、文庫本化されたら買います。





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最終更新日  2020.02.14 13:57:34
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