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テーマ:日本史について語ろう!(97)
カテゴリ:歴史ボックス(歴史に関する雑記)
今日は、出ずっぱりだったアナウンサーにもお休みをあげるとゆーことで(実は一番働き者だったのね……^ ^;)、久々に「おすすめの歴史マンガ&ブックス」を取り上げていきたいと思います。
山内直美(原作:氷室冴子)著「ざ・ちぇんじ!」全4巻(文庫は全2巻)花とゆめコミックス (カンタンなあらすじ) 舞台は平安時代。人当たりが良く順調な出世をとげていた権大納言藤原顕通には、世にも美しい男の子と女の子がおりました。男の子の名前は綺羅君、女の子の名前は綺羅姫。ふたりは違うお母さんから生まれたにも関わらず、双子と見まごうほどそっくりの美貌の持ち主でした。 世の人々は権大納言がうらやましくて仕方ありません。なぜなら兄の綺羅君は利発で才気あふれ、将来出世は間違いなし!という何とも華やかな少年であり、妹の綺羅姫は、絵巻物から抜け出たようにたおやかで優雅な美少女、帝のもとへお仕えするようになればたちまちお目にかなうだろう……というくらい、すばらしいお子たちだったからです。 何もかも恵まれたように見える権大納言でしたが、実は想像を絶するタイヘンな悩みをかかえていました。では、家の中だけで繰り返される(外にもれたらそれこそ一大事!)彼の口ぐせを聞いてみましょう。 「ああ、とりかえたい、とりかえたい……」 お分かりでしょうか?実はこのふたり、性別がアベコベだったのです!兄とされている綺羅君は本当は女の子、妹とされている綺羅姫は男の子だったのでした。 こんなのを表に出すわけにはいかん、将来は尼と坊主にするしかない……とあきらめモードの権大納言でしたが、紆余曲折の末、綺羅君(お姉さん)は宮中に”男”として出仕し、綺羅姫(弟クン)は”女”として帝のそばにお仕えするはめに。 男女逆転したふたりの行く末やいかに?! 原作は氷室冴子さんの小説で、確か同じタイトルでコバルト文庫から出ていると思います。山内&氷室コンビで平安時代ものといえば、「なんて素敵にジャパネスク」という作品もあるのですが、個人的に「なんて~」は小説版を読んでもらいたいところ。マンガだとどうもキャラが幼すぎて、違和感があるので……(マンガから入った人は大丈夫だと思いますが)。 こちらを取り上げたのは他にも理由がありまして、実はこの「ざ・ちぇんじ!」は平安時代末期の古典「とりかへばや物語」を(一応)ベースにしているからなのです。 「とりかへばや(とりかえたい!)物語」も男女の逆転をメインにしてますが、男役のお姉さん(妹という解釈もあり)が妊娠してしまったり、女役の弟(こちらも同じく兄という解釈があります)が女東宮とデキてしまったり……と、かなりアダルト(?)な内容になってますので、「ざ・ちぇんじ!」の方が程よく毒気が抜かれて、小さなお子さんも安心といったところですね^ ^; ちなみにオリジナルの「とりかへばや物語」に興味のある方は、桑原博史『とりかへばや物語全訳注』全四巻(講談社学術文庫)がいちばん入手しやすいと思います。原文と現代語訳が交互に入っているので、割合読みやすいかな~と。 もうちょっとカンタンなあらすじでいいんだけど…という方は、河合隼雄『とりかへばや、男と女』(新潮文庫)がオススメです。河合隼雄さんは心理学者なので、「とりかへばや物語」を「たましいの美」という観点から色々解釈されていまして、とっても読みごたえがあります(最初にあらすじも付いているのでご安心を♪)。 では次回は、ホンマ先生によるレクチャーその2をお送りします^-^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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