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カテゴリ:趣味 観劇
徳島郷土文化会館で行われた「松竹大歌舞伎」を観てきました。
主演は、坂東三津五郎さん 演目は、「魚屋宗五郎」と「京人形」 世話物で、 魚屋宗五郎(さかなやそうごろう) 魚屋を営む宗五郎は酒乱のため、金毘羅さんに誓いをたてて禁酒中。 彼の妹お蔦は磯部主計之助に見初められ奉公することになるが、不義の罪で手討ちにされる。嘆き悲しむ宗五郎家にお蔦の召使おなぎがやってきて、お蔦は実は岩上典蔵の企みで無実の罪を着せられたこと、手討ちにあったときのむごい光景を語る。宗五郎はあまりの怒りと悲しみにたまらず禁を破っておなぎが持ってきた酒を飲み干し、磯部家へのりこむ。酒の勢いに任せて暴れまわり、挙句眠り込んでしまうが、やがて目覚め呆然とする。そこへ現れた磯部主計之助は真実を知り、手をついて宗五郎に詫びる。河竹黙阿弥の作。 *魚にちなんだ名が付いています。 わかりやすく単純なストーリーですが、歌舞伎とは物語を追うのではなく、 その人(役者)の芸が見所になります。 この魚屋宗五郎は、何度も観たものですが、 私的には、やはり三津五郎さんが一番上手い!と思います。三津五郎さんの当たり役ですね。 この演目の見所は大きく二つ 先ずは、 宗五郎が酒を呑んで乱れていくくだり。 酒を断っていたのに、妹を殺された事情を聞いて、「呑まずにゃいられねぇ」と 湯呑みにつがせた最初の一杯を息もつかずに呑み、二杯、三杯、・・・ついには、樽ごとを呑 み干すという酒を呑む芸。 黒御簾の三味線「西京桜」のリズム、トチチリ、トチチリと、糸に乗った呑みっぷりは目を見 張ります。 次第と宗五郎の身体が赤く染まるように見えるのは私だけでしょうか?スゴ技! そして、歌舞伎独特の律動的なせりふ。 ご存知、弁天小僧の「しらざぁ~言ってきかせやしょう~」 切られ与三の「しがねえ恋の情けが仇~」名ぜりふは有名ですが、 ここでも聞かせどころの名せりふがあります。 「酔っていうんじゃございませんが・・・」 三上戸、つまり、酒に酔い、怒り上戸、泣き上戸、笑い上戸。三つの上戸を織り込むせりふは 聞き逃せません。 そして、この名ぜりふを言う前に客席からは、「たっ~ぷり」とかけ声がかかります。 三津五郎さんの「魚屋宗五郎」は、尾上松録さん(今の松録さんのおじいちゃん)から伝授し てもらったそうですが、こうして大事に代々受け継がれる芸は、本当に日本の文化の宝だと思 います。 ところで、私的には、地方巡業の歌舞伎は好みません。 なぜかというと、先ずは器の問題。歌舞伎用の舞台でないので、花道も言い訳程度、大道具に しても簡易で安げな感じ。そして、メイン役者以外はB級。 お芝居はチームで創るものだから、全体のバランスも要る。 この度も一際、三津五郎さんが浮いて見えました。芝居で肝心な、「ツケ」(舞台上手にいる人 が、拍子木で舞台上の効果音や、演技を印象付ける。)と演技のずれがあるように思いました。 調子の合わない三味線を聞いているようなもやもやとした感じ。 お値段も半額くらいなのですが・・・ま、地方という感じ。 今回も三日前に思い立ち(歌舞伎検定もあるので)、チケットも夜の自由席しかなく、受付 預けにしていたのですが、この歌舞伎好きの私に女神が微笑んでくれたのか、たまたまのキャ ンセル席の空きがありそちらを購入することができました。ラッキー が、 歌舞伎はやはり、都会の歌舞伎本来の舞台で観るのが何よりです。 舞台は一期一会、その空間は、舞台側と観客側、双方で創るものでもありますから。 また、都会の観客の装い姿のご婦人のお召し物を拝見するのも一つの醍醐味でもあります。 かくして、歌舞伎は感じるものでございます。 まず今日はこれぎり・・・m(_ _)m 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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