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特に海老蔵さんの御贔屓でもないのですが、 滅多にない通し狂言だけに、これを観ないでおりゃりょうか・・・と勇み足で南座入り。 ちなみに私的に滅多にないはどれくらいないかと言うと、 30数年ぶり?と記憶しています。 当劇場にて、昭和56年か59年どちらかを猿之助さんで観ています。 この狂言は、私の歌舞伎好きを定着させたものであり、 「義経千本桜」がどなたが演じても猿之助さんを軸に観るようになっています。 今回は、たっぷり海老蔵さんに浸る昼夜通しの9時間です。 お芝居の記憶を残しておきましょう。 先ず、昼の部 【鳥居前】 佐藤忠信実は源九郎狐 海老蔵 武蔵坊弁慶 権十郎 静御前 壱太郎 早見藤太 市 蔵 源義経 翫 雀 序幕 この場面は、伏見稲荷の鳥居前、 海老蔵さん、四天の衣装に化粧襷、火焔隈の勇ましい姿、 豪快な荒事芸がぴったりはまっていた。 最後、花道の引っ込みの狐六法は、実に豪快で小気味良かった。 しかも美しい。 P1100641 posted by (C)きママ 私の中で、若手の荒事といえば、やっぱ海老蔵さんだね。と思ってしまう。 この場面では、静が、壱太郎さん、 後の吉野山での玉三郎静と比べちゃ行けませんわ。 そして、ミスキャスと思うのが、義経の翫雀さん。 花道を通る(二幕目)のその丈が・・・ 御大将義経というよりも、犬・猿・雉の大将、桃太郎のよう。 いっそ、三の線の早見藤汰が似合いそう。 【渡海屋・大物浦】 渡海屋銀平実は新中納言知盛 海老蔵 源義経 翫 雀 相模五郎 亀三郎 入江丹蔵 亀 寿 武蔵坊弁慶 権十郎 お柳実は典侍の局 玉三郎 そもそもこれは・・・と渡海屋(船宿亭主)銀平が、 実ハ・・平家の知盛の本性を顕す、その幽霊姿の白装束に身を包む海老蔵さん、 ま、凛々しく美しい、そして、その実ハぶりな変身の演技もお見事! この場の期待に胸膨らむのは、大岩からの知盛の入水シーン 太縄を身体に巻き付け、最後の力を振り絞り碇を持ちあげ、 息の詰まるような義太夫にのせ、迫真の演技に緊張する。 そうして、碇が海に放り込まれるとするするすると巻いてあった縄が海に投げ飛ばされ、 はっと!後ろ向きで大岩から消える、海老蔵が消える。 圧巻でる。 P1100646 posted by (C)きママ が、しかし、やっぱりあの猿之助さんの壮絶な死の右には出なかった。 【道行初音旅】 佐藤忠信実は源九郎狐 海老蔵 静御前 玉三郎 この道行初音旅、八月、九月と二ヶ月で三組みの狐忠信と静御前を観た。 八月は亀次郎狐忠信を そして、九月中には、右近狐忠信を 今回は何といっても、海老蔵+玉三郎のツーショットが見物である。 P1100647 posted by (C)きママ 今回の演出は少し違っていた。 そのひとつは、清元と竹本の掛け合いではなく、 この度は竹本だけであった。 常識幕が引かれると、吉野の千本桜がまぶしい ~恋と忠義いずれが思い、かけて思いはかりなや・・・ と置き歌が終わり静が普通は花道から登場するのだが、 今回は、舞台の桜が割れ、下手は吉野川が流れ、 上手から路が開かれそこから玉三郎静が現れる趣向になっていた。 お衣装も白地の道行き(長いコート)の出で立ちではなく、 真っ赤な打ち掛けの艶姿。 そう、もう玉様が出てきただけで舞台のオーラが違う。 二人の見所である連れ舞いも快曲に乗って気持く、 その美は何処を切っても絵になる。 しかし、 狐に化けた忠信、その手のしぐさや目の使い様での実ハの表現は、 やっぱり、場数を踏みこなれた右近さんや、踊り上手のカメちゃん達 おもだか屋さんが上手と思う。 (上手いとこうかくと、必ずや海老蔵ファンからのヤジコメントが入るであるが、 これは、私のブログなので、私の感想を記してある。お料理の味付けでも好みがあるように) そして、もう一つ大きく違うのは、最後である。 大きな桜を利用して、狐忠信がぬいぐるみ白狐が登場。 白狐と海老蔵忠信が静に絡んで行くのも面白い趣向が新鮮に思えた。 さらに、最後は、 普通なら、花道を静御前を先に行かし、 後から追う狐忠信が、狐の本性をだし狐六法で幕引きであるが、 今回は、舞台中央でツーショットで決めて幕。 なので、この吉野山一番の期待する狐忠信が見えないのが物足りなさを引いた。 が、通し狂言である故、 この後の「四の切」を際だたせる為の演出だったのかと勝っ手に解釈している。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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