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2005年06月08日
カテゴリ：大気汚染 花粉症
排煙被害９年も“放置”…舞鶴引揚記念館周辺
京都議定書が２００５年２月１６日に発効しましたが、そのお膝元で二酸化硫黄の濃度が環境基準を超え、大気汚染防止法に違反する、こと９年も続いていたなんて常識では考えられないことが読売新聞の情報公開請求で判明した。 会社には責任はありますが、それ以上に責任の重いのが舞鶴市、と京都府の行政です。 **（読売新聞）は6月6日詳細を次のように報じています。** 年間約１５万人が訪れる京都府舞鶴市の「舞鶴引揚記念館」周辺で、職員らが少なくとも９年間にわたり、精錬工場が出す排煙の二酸化硫黄が原因とみられる健康被害を受けていることが６日、読売新聞の情報公開請求に対する市の回答や府の調べで明らかになった。 ２年前の市の調査では、二酸化硫黄の濃度の平均値が大気汚染防止法の環境基準を大きく上回り、１９６５年に三重県四日市市で公害患者が認定された当時に迫る数値だった。しかし、監督官庁の府の行政指導が不十分なため、環境汚染と健康被害は事実上“放置”されたままとなっている。 開示資料などによると、９６年以降、記念館の職員１３人や見学者から毎年、慢性的なせきや頭痛、のどの痛みの訴えが相次ぎ、通院した人もいる。周辺では林や植栽の木々が枯れたり、葉が変色したりしている。約１キロ離れた地域の住民からも、悪臭の苦情が寄せられている。 府は、悪臭や現場の状況、風向きなどから、記念館の南西約２００メートルにある「日本海精錬」の工場が発生源で、廃バッテリーから鉛を取り出す過程でバッテリー内に残る希硫酸などから二酸化硫黄が発生したと判断。健康被害との関係について「この二酸化硫黄が原因の可能性が極めて高い」としている。 一方、苦情を受けて市は９７、９９、２００３年に計４回、記念館周辺で大気調査を実施。二酸化硫黄の濃度は０３年が平均０・４６～０・１５ｐｐｍで環境基準（１時間あたり０・１ｐｐｍ）を上回り、１時間の最高値は四日市公害当時の０・５ｐｐｍを超える０・８３ｐｐｍに達した。９７、９９年も１０～２５分の参考値ながら基準の１１～６倍だった。 府は事業者に対して、注意や警告、勧告、指導の権限があり、改善されない場合は操業停止などの命令を出せる。このため府中丹東保健所は、市の通報をもとに９６年以降、計４回、工場への立ち入り調査を実施。 煙突の排煙を調べたところ、うち１回は二酸化硫黄の濃度が環境基準を超え、大気汚染防止法に違反することを確認、改善を指導。工場は煙突を高くするなどした。 しかしその後も被害の訴えは続いたが、府は常時観測などの体制をとらず、「新たな違反が明確にならない以上、改善の要望しかできない」としてきた。 工場側は今年１月、二酸化硫黄を除去する脱硫装置を今年中に設置する考えを府と市に示したが、実現していない。 京都国際会館で、京都議定書発効記念行事を動画でご覧になれます 。windows media. com ご感想をお聞かせください。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2005年06月08日 05時29分23秒
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