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2007年06月09日
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カテゴリ:こどもとの生活
以下は最近書いたものの、手元で書き置きにしたままにするつもりだった文章ですが、いつか懐かしく思い出す日もあるかと思い、記録としてアップすることにしました。



その日はさんざんだった。
家事はひととおり手をつけたものの、やっつけ仕事で片をつけたものだった。
本当はベッドに寝っ転がって、本を読んでいたい気分だった。
娘は家事の手順が一つ一つ終わるたび、手当たりしだいに何でも持ってくる。
絵本、ぬいぐるみ、お絵描きボード、積み木。
1人遊びをしないわけではない。
機嫌よく声を張り上げて、「アンパンマン」の歌を歌っていたりする。
でもまだ2歳になったばかり、自分でやりたいことが増えるけれど、まだ思うようにならないジレンマに、子供自身も戸惑っている。
だからまだ、遊びの中に、ママに加わっていてほしい時の方が多い。
それに応えるには、私は疲れ過ぎていたのだと思う。
どんどん「自分」を磨り減らしている気分になっていた。
求められ、与えることを喜びにするには、余裕がなかった。
聞こえないふりをした。
ドアを閉めて、鍵をかけた。
ドアの向こうで、娘の泣き声がした。
「アカナーイ!」
背伸びをしたのか、ようやく手が届いたらしいドアの取ってが、がたがたと音を立てた。
「ママー!」
悲鳴のようなその声に、少しの間、答えなかった。
夜、帰宅した主人は、いらいらしている私に代わって、娘を寝かし付けに寝室へ連れて行った。
いつもなら、眠いと、ママに抱っこされなきゃ駄目、と怒る娘なのに。
その時は、やけにあっさり、「バイバイ」と言いながら私に手を振った。
娘の「おやすみなさい」の仕草だ。
そうか。私から卒業するんだ。
解放感と同時に、あっけにとられたような気持ちが同時に湧いた。
小さな足音が遠ざかり、寝室から主人と娘の会話が洩れ聞こえてくると、次第に、最初の複雑な気持ちが、なんともいえない喪失感に変わっていくのをぼんやり感じた。
暗い感情に気づかないふりをしよう、そうでなくてはもっと「自分」を蝕んでしまう。
パソコンの前に座って、モニターを見つめて集中しようとした。
すると、小さな足音が廊下の向こうから聞こえてきた。
娘が自分でベッドを下り、寝室から戻ってきたのだった。
あれ?パパと寝るんじゃなかったの?
大人げないが、拗ねた口調になったのは、からかいよりも、本心に近かったと自分でも思う。
娘はちょっとうつむいて、眉をしかめ、思いつめたような表情で、少し言いよどんだ後、一言一言噛み締めるようにこう言ったのだった。
「ママト、ネンネ、シタイ」
え?と聞き返した私に、もう一度言った。
「ママト、ネンネ、シタイ」
ママにそう告げたいけれど、自分でうまく伝えられないかもしれない、ひょっとしたら昼間のように拒まれるかもしれない。
たどたどしい口ぶりに、そういった逡巡が垣間見えた。
やっぱりママとねんねしたい。
眠りにつく瞬間、自分が無条件に愛され、慈しまれていることを感じていたい。
それは私も同じだ。
無条件に愛され、求められていることを、躊躇なくストレートに感じることで、息を吹きかえす。
再び惜しみなく与えることのできるものが、一瞬で私を満たしていく。
与えると同時に、私は、たくさんのものを受け取っているじゃないかと気づく瞬間だ。
いいよ、一緒にねんねしよう。
あなたが安心して眠りにつくまで、そばにいるよ。
ほんの赤ん坊だった子が、今、自分の意思を言葉で伝えようとし始めた、その成長ぶりに心打たれる。
いつの日か、娘は私の手を自分から離し、1人で歩き始めるだろう。
その日まで、あなたが私を必要とする限り、ずっと手を繋いでいるよ。
毛布にくるまり、私の気配を感じながら眠りにつく幼子の顔を見つめると、いつものことながら静かな感動がある。
その気持ちを忘れなかったらいいやん、と主人は言った。






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最終更新日  2007年06月10日 00時47分38秒
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