|
テーマ:福祉医療関係(1061)
カテゴリ:気まぐれ業務日誌
当医療機関は、とても外国人の患者さんが多い。びっくりするくらい多い。
土地柄もあるんだろうが、院長が懇意にしている派遣会社が数社あるってのが一番の要因だろう。 そこの派遣社員が皆、何かあると当医療機関に連れられてくるんだから・・・。 日系ブラジル、中国、フィリピン、ベトナムなどなど・・・。 外人登録証を提示してもらっても、まず名前が・・・読めないよー!!っての多数。 ローマ字読みしても、読めないって。。。頼むから通称名日本語で書いといてー! 院長は、結構中国語がイケルらしい。でもって、日系ブラジル人の患者さんが多いが故、ポルトガル語も、既往歴を質問したりする関係で単語レベルで喋ったりする。 たまに待合が外国人で埋まる場合がある。 もっとも、大抵派遣元の会社の方が通訳でついてきてくれるので、診療も会計もそうそう問題になることは無い。 (勿論、個人で来られてお金が足りないとなると大変、酷いときは回収不能に陥る。) 今日、当院から貸し出ししていたレントゲンフィルムが、郵便で送られてきた。 医大からだった。 中には、貸し出したレントゲンフィルムと、その患者さんの医大での主治医からの返事も入っていた。 患者さんは、30代のブラジル人女性、肺腺がんだった。。。 先週、永眠したのだと。。。 派遣会社の方につれてこられ、胸部レントゲン撮影をしたのが、昨年の夏。 レントゲン写真を診て、すぐさま、CT(computed tomography:コンピューター断層撮影装置)の準備に入った院長、肝機能検査のつもりで採血していたが、すぐ腫瘍マーカーの検査項目が追加された。 事務担当として、健康保険無しの自費患者に、この内容の検査は酷だと思った。 が、診断の結果に納得せざるを得なかった。 院長は、派遣会社の担当者を呼んで、すぐブラジルに帰らせるように勧めた。患者はブラジルに子供を残していたから・・・。 余命三ヶ月と診断したが、最終的に彼女は、半年生きた。 だが、日本という異国の地で、永眠した。 『ブラジルに帰れって、あれほど言ったのになぁ・・・。』 医大の主治医からの手紙を読みながら、院長が呟いた。 『これ、わたしの部屋に保管するから。。。』 返却された彼女のレントゲンフィルムは、院長室に保管されることになった。 大変珍しい症例だったのだそうだ。 ご冥福をお祈りします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|