重松清『流星ワゴン』
たぶん10年ぶりの再読。この10年で、登場人物の年齢を超えてしまった。その分だけ、なんだか重い作品に変わってしまった。ある部分は、ファンタジーで「信じるも信じないも貴方次第です」なんだけどある部分は、怖いほどリアル。そんなファンタジーだかリアルだか、な世界観にピピっと利いているのが妙に現実的な固有名詞。ワインカラーのオデッセイ。ユニクロのフリースジャケット。黒ひげ危機一髪。『back to the future』なら経験してみたけど、このオデッセイには乗りたく無いな。怖いもの。それに「死にたくなるほど辛い状況は変わりないけど、戻ってがんばってこい」ていうのも、辛い。また、逃げたくなりそう。それは、私が「父親」じゃないからかも。とりとめもない、感想になってしまった。この本の感想を、私の夫や、父親や、兄に、聞いてみたい。重松清『流星ワゴン』2002年