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神戸辺り、たゆたう時間

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2006年03月16日
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  書名  物語 オーストラリアの歴史
  著者  竹田 いさみ
  出版社 中央公論
  ISBN  4-12-101547-9

第3回以降、随分と時間が空いてしまいました。
いよいよW杯で日本が初戦で対戦する国、オーストラリアです。
まず本書は『物語 xxの歴史』シリーズと位置付けるのは、私としては無理があると思います。著者が前書きでも述べているように、本書では文化的な事象は原則として取り扱われていません。
ただオーストラリア(以下、豪州と略記)の政治史を述べているだけです。それも後半はほぼ一貫して、豪州の国際政治について記述されているだけで、国内政治についてさえ記述は非常に限定的です。
歴史書としては、それもいいのでしょうが『物語』ではありません。そこに感情移入できるどんな生身の人間の姿も見えてこないからです。ただ政治家達の戦略だけが連綿と綴られているだけです。
ロマンチズムのかけらもありません。
そういう意味で、本書を読み進めるのは大変でした。あまりその内容に興味が持てないからです。
ましてや国内状況や文化的側面が描かれていないとなると、当初宣言したように『W杯を戦う出場国の歴史を学ぶ』という意味では、不適合な本でした。
特に、サッカーの母国である英国を含む英帝国を形成していたにもかかわらず、その英帝国との関係が政治的・経済的側面からしか描かれておらず、文化的・風俗的な英帝国からの影響などに関する記述が全くない点が大きな不満です。
また国内問題については、また現在も豪州の大きな課題と思われるアボリジニについてもほとんど触れていない点は、驚きです。

しかし近世・近代史の参考書として読めば、当然得るところはある訳です。
例えば日露戦争後に英国がアジアの海洋防衛を同盟国である日本に依存する状況になると共に、対日警戒論が高まり、豪州が独自の外交意識を強くして行く辺りは『やはり、大英帝国の支配力とはすなわち英国海軍力に他ならない』ことを改めて教えてくれます。
これは一例ですが、豪州の歴史の前半は英帝国解体の歴史と不可分であるため、むしろ英帝国史のオセアニアパート、として捉えるべきでしょう。
そして後半は近代の環太平洋圏の歴史と言えます。私があまり知らない、アジア・太平用史の一端が伺えました。
とは言うものの、そうとう国際政治史に興味が無いと、お進めで来ません。
著者は前書きで、『本書を通じて、<中略>、オーストラリア人の物の考え方や価値観を探ろうと思う』と書いていますが、果たして国際政治の側面からだけでそんな大それたことができると思っているのでしょうか?ま、学者先生の思い上がりと言った所でしょうね。
<総合評価>
 お薦め度  ★☆☆☆☆
<個別項目評価>
 図表充実度 ★☆☆☆☆  あまりにも図表が貧弱。
 物語の出来 ★☆☆☆☆
 年表の出来 ★★☆☆☆  諸外国との関係性の整理が不足





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最終更新日  2006年03月16日 18時37分58秒


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