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神戸辺り、たゆたう時間

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2006年04月12日
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  書名  物語 チェコの歴史
  著者  薩摩 秀登
  出版社 中央公論
  ISBN  4-12-101838-9

出たばかりの新刊(3月25日)に手を出しました。
日本ではあまりなじみのないチェコという国。かつてハシェックが神戸の監督をしていた時、なかなか通訳のなり手がなかった位。

本書の特徴は、ある種の紀伝体的編集でしょう。そしてそれは私がこのシリーズを買い始めることになったきっかけ、『物語 イタリアの歴史』に似通ったスタイルです。そこには必ずや、歴史の一局面を担った個人の物語とその背景としての当時の社会状況が描かれることでしょう。
そう期待して本書を購入しました。

はたせるかな本書は期待に違わぬ面白さでした。
もちろん、イタリア史ほど日本人の私にはなじみのないチェコの歴史ということもあり、登場する人物はいくぶん小粒ではあるのですが、彼ら、彼女らが生きた時代背景とその中で果たした役割とがまさしく物語として書かれています。

スイス、ドイツ、チェコと欧州中央部に位置し、地理的にも隣接する歴史を続けて読んだことで、この地域に対する理解が多少は進んだ気がします。

さて私が学生として世界地理を学んだころ、この国はチェコスロバキアと呼ばれる国家の一部でした。しかしその「スロバキア」という民族概念が非常に新しいものであることに驚きました。
そして1993年に再びチェコという単独の国家となったことに、当時のニュースに触れた私は不思議さを感じたのですが、歴史的に見るとむしろ現在の方が分かりやすい姿だと言えそうです。
ですが現在チェコに暮らすほとんどの人は第1次大戦後(つまりチェコスロバキア成立後)に生まれた人でしょうから、自分たちをチェコスロバキア人ではなく、チェコ人であると切り替えることは容易だったのでしょうか?
あるいはW杯出場を決めた後の歓喜から想像するに、チェコ人であるという意識はチェコスロバキアという国家の中においても連綿と受け継がれていたと捉えるべきなのでしょうか?
ぜひホルヴィに聞いて見たいところですが、チェコ語が話せるはずもありませんからねぇ。

いずれにしても、ともかく読み易い本ですのでお進めです。

<総合評価>
お薦め度  ★★★★☆
<個別項目評価>
図表充実度 ★★★☆☆  地図はさておき、写真などはそれなり
物語の出来 ★★★★☆  ともかく最も望まれる本シリーズの
             スタイルと言える
年表の出来 ★★☆☆☆  多少は他地域との関係性を述べてはいるが





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最終更新日  2006年04月12日 07時50分45秒


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