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カテゴリ:国内小説感想
題名をもじってCDアルバムにつけた歌唄いは26歳で死んだ。中上健次は46歳で死んだ。ついでに「~歳の地図」という本を適当に探してみた。
『16歳の白い地図』川嶋あい 学習研究社 『22歳の地図(ダイアリー)―Recollection of 13 years』吉村毅 新風社 もういい。 世界遺産指定以来、「熊野」「紀州」といった文字を新聞等々でよく見かける。今日もNHKで「世界遺産特集 火と水の物語・紀伊山地大中継▽熊野古道が結ぶ三霊場▽秘仏ご開帳▽空海に報告・献灯式▽那智の滝・火祭り▽修験者が大集合・平和祈る護摩供」という番組をやっていた。ビデオに撮ったが多分見ない 処女作『いちばんはじめの出来事』など読んでいるととてもこれが中上健次の書いたものだとは思えない。一人称が「僕」というだけで、文章の連なりが当たり前だというだけでこうも印象が違ってくるものか。「路地」一本でやっていこうという気概がまだこの頃の中上には見えない。『蝸牛』『補陀落』あたりになってその兆しが僅かに見え始めるが、『十九歳の地図』はただの若者の青臭い衝動を焼き付けただけのありがちな話。後に付加された題名の印象とも相まって、いまさらこれで影響を受けることは出来ない。 1993年 河出文庫 http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000256538/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/07/19 10:23:19 PM
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