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2004/12/06
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カテゴリ:国内小説感想
 小川洋子はもういいと思いつつ、題名に惹かれて。つい先日も同じようなことを書いた。
 短編一つだけ取り出して読めば、小川洋子的雰囲気が描かれているだけで物足りなく感じるだろうが、通して読めば、前の短編からの繋がりが見つかり、結構楽しい。前半に登場していた人物が後半にも関わって来たり、終盤に向かって思わぬ輪が出来上がっていたり。
 相も変わらず記憶からぼんぼん抜け落ちていく物語ばかりで、今日読んだところなのに、すぐに思い出せる強烈なイメージは、生まれつき身体の外に飛び出した心臓を持つ歌手に、心臓を入れる鞄を作る男の話『心臓の仮縫い』の中でしつこく描写される、剥き出しの脈打つ心臓だけだ。
 書き写したい文章はない。
 それにしても人が死にすぎる。どこまで死んでいくのだろう、こんなにも死を書く人だったか。いや、死こそ最大の消失であるから、これもいつものテーマの繰り返しではあるのか。残りページ少なくなってきた頃ふと気付く。おや、『寡黙な死骸』『みだらな弔い』という短編は存在しないのか。するとつまり、この連作集全体が「寡黙な死骸」であり「みだらな弔い」であったのか。道理で人がよく死に、挿絵がエロティックだったわけだ。
 いくら読んでも物足りないから、いつか満腹になりたくて手を伸ばすということも、あるのか。


実業之日本社 1998年





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Last updated  2004/12/06 02:21:34 AM
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