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本との関係記

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2004/12/08
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カテゴリ:国内小説感想
 酒を般若湯と呼ぶように、化蝶はお金の隠語。『禅林書式鑑』という様々な隠語を網羅した本があり、寺同士の手紙ではそれを引きながら書いたりするそうな。
 主人公も、玄侑宗久が副住職やってるのも禅宗のお寺。禅宗について復習。

【禅宗】(ぜんしゅう)
 座禅によって悟りを開き、人生の真理を求めようとする仏教の一派。日本では臨済宗・曹洞宗・黄檗宗の三派がある。
(三省堂現代新国語辞典より)

 主人公は三年の修行時代を経て、紹介されて寺に入っている。寺の息子というわけでも、仏教大学を出たわけでもない。
 日払いの仕事を求めて寺を訪ねてくる乞食に、パソコンで決算報告書を作っていた手を止めて応対する主人公。古今聖俗入り交じった書き出しから、この作者に求めていたものをあまねく受け取れて嬉しくなる。終盤無理に小説としてケリをつけようとしてどうでもよくなってるが。そこまではとても楽しめた。経済大学時代の主人公、先物取引に手を出し、親の貯金一億円をつぎ込んでしまう経緯、ホームレス時代にたまたまお寺に世話になり、そこの住職の人柄に惹かれ、やがて仏門に。そのまま作者本人の自伝というわけでもないだろうが、リアリティはあった。仏門に入ろう、とは思わない。十八歳の時、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を読み終えた後二日間ほどは少し修道僧になりたいと思った。アリョーシャのように生きるのは、一番楽な選択なのかもしれないという不純な動機で。そういう熱意が全く長続きしないのは、良いこととも言い切れない。
 お金の話が大半なのに、いやらしさを感じないのは、巧さというより人徳か。主人公の理州という名前のせいか。


新潮社 2001年





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Last updated  2004/12/08 12:34:26 AM
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