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本との関係記

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2004/12/17
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カテゴリ:国内小説感想
 ――『さようなら、私の本よ!』第一部 という副題がついている。『取り替え子』『憂い顔の童子』の続編にあたるのに、出版社は違うし書き下ろし単行本でもない。何にせよ、ちょうどそろそろ大江健三郎が読みたくなっていたから嬉しい。まだ読んでいないとはいえ『宙返り』『大いなる緑の木』はいまいち気乗りしなかったから。


  もう老人の知恵などは
聞きたくない、むしろ老人の愚行が聞きたい
不安と狂気に対する老人の恐怖心が
      ――T・S・エリット、西脇順三郎訳


 エリオットの詩句と、ドストエフスキー『悪霊』に導かれて紡がれる、老作家の書く過激な物語。いやほんとこれがきっかけで東京で自爆テロを起こす鬱屈したフリーターが出てきやしないかと心配になる。
 小説家長江古義人がこれまでどの小説にも書いてこなかった、幼い頃から深い関わりのある人物椿繁。老建築家となった彼はかつて毛嫌いした日本に、大怪我の後の静養も兼ねて軽井沢で暮らし始める古義人の隣の家に住み着く。何かの組織に属している留学生二人を連れて。「旧友との再会、小説家の軟禁、世界的規模の陰謀――新しく大きな物語の始まり」と紹介されている内容に辿り着くのは第一部の最後。序盤読むうちはとてもそんな話になりそうにはなかったので、何かの冗談としか思えなかった。
 第一部だけ読んでああだこうだ言うのは避けるが、続きは大いに楽しみ。
 久しぶりに買った文芸誌なので目的のもの以外も少し読む。山田詠美x高橋源一郎の対談「『顰蹙』こそ文学」がちょっと面白かった。文学賞の裏話で、宮本輝が「俺の意見、通らへんかった」「孤軍奮闘どころか、ただの孤軍やった」と意気消沈して出てくる後ホクホク顔の筒井康隆が歩いてきたこととか、山田詠美は「文藝」でデビューしたけれど、当時の編集者に「新潮」「文學界」「群像」から依頼が来たらうちを差し置いてもいいからそっちを受けろと言われたとか。「でも三作まではうちで書こうな」と言われて半年で三作仕上げたとか。山田詠美は一冊も読んだことがなく、全然興味はないけれど。
 やっぱ表紙ださいよ。





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Last updated  2004/12/18 01:27:23 AM
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