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本との関係記

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2005/01/26
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カテゴリ:国内小説感想
 書くこと二つ。作中描かれる「アルマゲドン」に妙なリアリティがあって怖い。第二部の『森』が本当に怖い。別に私は怖がりではない。巻末にご丁寧にも「第二部『森』はラッセ・ハルストレム監督の傑作映画『やかまし村の子供たち』『やかまし倉の春夏秋冬』よりインスパイアされています」と書いてある。グロテスクなだけのホラー映画だったりしたら嫌だ。
「アルマゲドン」というのは、ネット上のタチの悪いサイト(某巨大掲示板がモデルと思われる)「天の声」に集う馬鹿な連中が提唱して、それに乗った暴れたがり屋たちが集まってどこかの町で、人死にが出るくらいに暴れ回るイベント。『九十九十九』でも少し出てきた。「天の声」の書き込みが延々と3ページ半続く箇所があって、とても疲れる。でも「ふざけた調子で書かれてはいるけど本当のこと」はそれなりに見分けられるように書かれていて、ここもリアル。
 主人公の女子高生の気持ちの描写も、男を書いてる時よりずっと真に迫っていてそれらしく感じられて、舞城王太郎女性説に一人熱を上げたまま。そもそも女子高生のリアルな気持ちなんて知らないのだけれど。


 陽治はこのままでいい。このままでいい。
 でも陽治にはヒーローになって欲しい。陽治の同情心はちゃんと面倒臭いに勝って欲しい。陽治の貴重な「かわいそー」がだらしないつまらない「だる~」なんかに負けて欲しくない。陽治がエチオピアやら月の裏やら別の時空に走って行くなら私はすっごく丸ごと全力で応援するし、永遠にいかなる場合でも陽治を肯定し、愛しつづけるのに。
 いやいや私は今のままの陽治で十分愛して肯定して応援するから。



 第二部『森』、怪物が住む森の中を彷徨う少年少女たち、物音が全て森が脅す声に変わるという仕掛けが新鮮で面白かったけれど「死ね死ね死ね死ね」と書かれ過ぎていて読んでいて暗く黒い気分に落ち込んでしまった。
 この本読み終えた直後読んだ『みんな元気』の方がいろいろうまいことやってる気がして、本作から気持ちは早く離れたので、これで終わり。


新潮社 2003年





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Last updated  2005/01/27 12:58:06 AM
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