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本との関係記

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2005/01/28
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カテゴリ:国内小説感想
 過去の日記を整理しながらちょくちょく読んだりしていると、本の感想に全くなってない、全然関係のないことばかり書いてるものがとても多くて、大抵そちらの方が面白かった。文章も、その時読んでいた作家の影響によって、堅かったり柔らかかったりするけれど、書くこととマッチしていればなかなかいい文章になっていたりして、それと比べると最近ここに書く文章は緊張感ゼロで本当に本のことしか書いてなくて、これじゃ駄目だなあとやや反省。本と自分との「関係」を書くことがこのサイトの趣旨なのだから。一応。
 短編集。『みんな元気。』『Dead for Good』『我が家のトトロ』『矢を止める五羽の梔鳥』『スクールアタック・シンドローム』。
『みんな元気。』が飛び抜けて良い。読み始めの頃はただのシュールな馬鹿話にしか見えず、なんだよこの家族姉弟何人いるのかよくわかんないし何で空飛べておかしな家族関係に平気でいられるんだよだとか思ってイライラしてたのに、滑稽に滑稽を、嘘に嘘を塗り固めていくことで、初めの嘘が次第に本当らしく思えてきて、空からやってきた謎の一家(台風一家?)に連れ去られた小学校一年生の朝ちゃんが、これは仕方ないことなんだからあっちの家族になっちゃうよ私、と決めちゃう場面も、そうそう小さい頃ってこういう決断する時があったよねーなんて本当はありもしなかったくせに妙なデジャ・ヴュ感じて納得したりしている。
 細かいストーリーは飛ばす。主人公の枇杷(名前)が、実は地上に住んでいた空飛ぶ一家の家を見つけ出して入り込むと、そこで自分のこれから辿るかもしれない三通りの未来を、全て同時に経験させられるという幻視に襲われるのだが、ここが怖い。三通りの家族がそれぞれ並行して存在しながら、お互い存在を気付かぬ振りをして行動が重ならないように動くという思慮分別のある幻影はあまり荒唐無稽ではなくて、誰もが経験する人生の分かれ道における重大な選択をする時って、こういうこと起こるんだよねー、とまでは思わないにしろ、気持ち悪いくらい迫力があって、時々ついていけなくなることはあるけど、ちゃんと実力派なんだよねこの人、と思い知らされる。
 あと終わりが見事で気持ちいい。


新潮社 2004年





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Last updated  2012/04/13 08:22:48 PM
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