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カテゴリ:日記
23年前、職場に届いた1通の案内状。それはピアノパブ開店の知らせであった。その案内状を持ってお店を探し、ドアの前に立つと、なんとまだ工事中。そんな出合いで始まったお店、開店当初からお世話になっている。近年は年に2、3度訪れるくらいである。昨晩、職場の同僚と久しぶりに訪ねてみた。
このお店ではいろいろな人と出会った。ホテルでトランペットを演奏するのが仕事で、その帰りにこのお店で静かな曲を聴かせてくれたGさん、初めて会った隣に座った男性客と話が弾み意気投合、あとで、その人は同じ会社の人であったと判ったTさん。でも、このお二人は亡くなってしまった。 いろいろなストレスをピアノの調べと生バンドの演奏に独り静かにグラスを傾け、癒される日が多かった。 このお店で、ほかにも悲しい出来事があった。オーナーが亡くなったのである。私より二つほど年下で、いつも穏やかな笑顔で迎えてくれた。彼はギターが専門であったが、ピアノも持ち前の才能ですぐに上達。職場の皆で押しかけるときには私が事前に渡していた社歌の楽譜で「数分したらお店に着くので社歌をピアノで弾いていて欲しい」という演出も快く引き受けてくれた。今、このお店はオーナーのもとで一緒に働いていたO氏が切り盛りしている。 彼の葬儀は彼の棺の前で友人たちが彼を偲んで演奏をした。彼の棺の前に流れる曲を聴き、涙が止まらなかった。あれから、もう2年と半年の月日が流れようとしている。
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最終更新日
2007.08.04 06:44:27
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