韓国:ハンナラ党、大統領選に不安 ソウル市長選敗北で
ソウル市長選で敗北した羅卿※氏(左)=ソウルで2011年10月26日、ロイター ※は王へん「媛」のつくり
ソウル市長選で与党ハンナラ党候補の羅卿※(ナ・ギョンウォン)氏の敗北は、選挙戦で全面支援に入った朴槿恵(パク・クンヘ)元ハンナラ党代表にとって大打撃となった。党内に有力なライバルがいないため、来年12月の大統領選で与党候補になることが確実視される状況は変わらないが、「朴元代表で勝てるのか」といった不安感が高まることは避けられない。
一方、朴元淳(パク・ウォンスン)氏の勝利は、後押しした安哲秀(アン・チョルス)ソウル大教授の存在感をさらに高めそうだ。有力な大統領候補として急浮上している安氏の支援があったからこそ朴氏が勝てた、というのが一般的評価だからだ。
ソウル大医学部助手出身の安氏は90年代にIT(情報技術)ベンチャー起業家として成功した人物で、40代以下に人気がある。大統領選出馬を否定しているが、最近の世論調査で朴元代表に並ぶ支持を得ている。政治経験ゼロの安氏に対しては「人気はバブル」との批判もあるが、「大統領選に出る」(ハンナラ党幹部)との見方が強い。ソウル市長選を韓国メディアは、「朴元代表と安氏の代理戦」との構図で報じた。
朴氏を支援してきた最大野党・民主党は手放しで喜べない。朴氏は「野党統一候補」だが、民主党の誘いを断って無所属で出馬した。民主党が新市長に入党を働きかけても応じない可能性がある。民主党関係者は「新市長が入党せず、安氏と新党を結成すれば、民主党は分裂しかねない」と警戒感をにじませた。