テーマ:小学生の勉強(1306)
カテゴリ:国語
小学校4年生の生徒さんが読解の素材文として挑戦するのだそうです。
「だれもが子供だったころ 」 内海 隆一郎 (著) 文庫 出版社: 河出書房新社 (1997/10) ISBN-10: 4309405126 ISBN-13: 978-4309405124 これを今寝る前の読み聞かせに読んだり、本人がぱらぱらとめくったりしています。 内海さんはどうしてこんなに子供がちらりと見せる優しさ、冷たさ、賢さ、愚かさを活写できるのでしょう。鋭くその瞬間をとらえておきながら、とらえた瞬間を羽根布団の上にそっと両手でおくような繊細な掌編集です。 そして子供は大人を見ている。今だって昔だって子育ては楽しいけれどまざまざと個人の技量が問われる事業です。ちょっとした大人の隙からこぼれてしまう子供の感情、逆にこぼれ落ちそうになったところで絶妙な助けの手が入る。ここで本当にほっとするのは私もかつては子供だったから。 文体は滑らかでよどみなく、難しい言葉を使っていないのに、ぴたりと当てはまる描写が見事です。流麗というよりは、優れたカメラマンが子供の表情をぴたりと写し出す様な感じでしょうか。場面描写が優れています。いい本に出会ったと喜んでいます。 残念ながら、古書でしか入手できません。図書館でどうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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