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カテゴリ:なんでもレヴュ~
あんまり話題にならなくて、DVDを買ってからもしばらく忘れてました。
ディズニーさんが、原作を書いたオーストラリアとイギリス出身のパメラ・トラバースからどうやってメリー・ポピンズの映画化権利を勝ち取ったかというノンフィクション的なお話。
このエマ・トンプソン演じるトラバースさんが、とんでもない頑固ばばあなのです。
長年にわたるウォルトからの熱烈なラブコールをつっぱね続けるものの、財産が無くなって家を手放すかどうかの選択をせまられ、仕方なく渡米して交渉を始めます。が、少しでも自分の思い通りに行かないと権利を渡さないと言って、さすがのウォルトもたじたじ。アニメ化なんてとんでもない、メリー・ポピンズは歌なんか歌わない、ミスター・バンクスは髭なんか生やさない、(バート役に)ディック・ヴァン・ダイク?冗談じゃありません(当時のジム・キャリーみたいな感じだったのかな?)!なんでもかんでもノー。
彼女のご機嫌取りに翻弄されるウォルト。運転手つきリムジンをあてがい、ホテルの部屋にはディズニーキャラのぬいぐるみ満載(子供じゃあるまいし!と全部片付けてしまう、60年代の白目むいたミッキー、今ならプレミア物なのに 笑)、ディズニーが案内するディズニーランド!(全然興味ありませんと言って断る。もったいな~~~い!!)
イギリスとアメリカってそんなに違わないと思ってましたが、昔気質のトラバースさんの目から見るアメリカが面白い。なれなれしくファーストネームで呼び合う事を嫌い、仕事中に運ばれてくるお菓子やケーキに唖然とし、紙コップのお茶を軽蔑する。ロッテンマイヤーさんみたい。
これらの偏屈、頑なな性格は彼女の辛い幼少時代に由来していて、そのストーリーも平行して語られます。
後半はコメディ・タッチからじわじわと感動的になっていきます。
私もメリー・ポピンズ、子供の頃から結構見てましたけど、かえって気づかなかった。 メリー・ポピンズは子供達を救いにやってきたのではありませんでした。 一家のお父さん、ミスター・バンクスを救いに来たのですよね。
トラバースさんはミスター・バンクスに自分の父を重ねていたのでした。 ウォルトはそれに気づいていたのでした。
人間って、いつまでも幼少時の記憶を引きずって生きるものですね。 できなかった事や失ってしまった物を、一生かけて割れた壷を修復するかのように、軌道修正しながら、自分なりのハッピー・エンドの記憶を上塗りするように。もう起こってしまった事の傷口を埋めるように。
トラバースさんが映画化された作品の中のミスター・バンクスの孤独な背中を見て泣き崩れるところでは私も泣いてしまいました。
エマ・トンプソン、いい演技でした。役に歴史があるというか、60年近くお堅かった人に見える。予告で見たときはトム・ハンクスのウォルト・ディズニーに抵抗ありましたが、すぐ彼である事を忘れてしまう、ムービー。マジック (笑)
原作、読んでみようかなと思いましたが、チャーミングなジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズしか知らないので、ちょっと怖いような…。
しかしトラバースさんの幼少期に家にやってきた、メリー・ポピンズのモデルとなった人、
顔
怖!
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